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朝倉総理(木村拓哉)が本当にすべきこと~『CHANGE』第4話

今週もちょっとだけ、速攻でコッソリつぶやこう♪

いやぁ、面白かったな☆ 『CHANGE』第4話、今までで一番楽しめた。この内容

なら、時間があればマジメにレビューしても良かったね。でも、今そんな状況じゃ

ないのよ。山のような用事の中で毎週2本レビューするだけで、凄く大変なのだ。

       

さて、SPとか秘書官とか公邸とか、どこまでが現実でどこからフィクションなのか

分からないけど、そうゆう政治的な小ネタだけでも退屈はしないドラマだった。

開が早過ぎるのも、5月スタートで時間に追われてることを考慮すればギリギリ

許容範囲だろう。

    

そんな事より核心は、朝倉総理(キムタク=木村拓哉)の今回の活躍の中身だ。

ミズクラゲ大量発生や漁業被害と、ダム建設との因果関係を認める地裁判決

に対して、国として高裁に控訴する予定だったのを、朝倉がほとんど1人でひっ

くり返そうとする。官僚が嫌がらせで大量のダンボール箱に入った書類を渡す

と、それを徹夜で読む。

      

韮沢(阿部寛)ひかる(加藤ローサ)の協力に加えて、小野田幹事長(中村敦

夫)までも味方にした上で、最後は久野教授(森本レオ)の説明に従って、因果

関係を認め、控訴を断念。またしても「キムタクうどん」には、スーパーヒーロー

の成功という名の、大きな「天ぷら」が入ってたわけだ。美味しそうに食べてる

大勢の視聴者の姿が、目に浮かぶようだ。

              

ここで問題なのは、やっぱりこの天ぷらの中身だ。これは本当に美味しいのか、

危険な添加物は入ってないのか、と考えていくと、やはり世間的人気に同調す

る気にはなれない。総理の分刻みのスケジュールの中で、睡眠を削って、朝倉

は書類のほぼ全体に目を通した感じに描かれてたけど、ハッキリ言ってこれは

マンガの世界だ。ちゃんと読んでから署名しようとする姿勢はもちろん好ましい

けど、実際にはたった一つの文書の署名でさえ、相当な資料を読むハメになる

はずだ(官僚の意地悪抜きでも)。

             

私は官僚も学者も知ってるけど、優秀な彼らでさえ、そんなに読めるものじゃな

い。大きな会場で行われる国語とかのテストで、みんながページをめくるスピー

ドをチェックしても、たかが知れている。田舎の小学校教師で、政治も裁判関

連の知識もない朝倉だと、ダンボール1箱でさえ、まず読みきれないはずだ。

そもそも、因果関係の立証というのは非常に厄介な問題で、スパッと白黒の決

着がつく場合はかなり少ない。

                                    

ここで、「因果関係を認めた久野教授の存在だけ発見できればいいんだから、

時間はそれほどかからない」という反論があるかも知れない。そうした単純作

業ならラクだし、ひかるでさえ可能だろう。でも、認めたのは久野ただ1人だか

ら、認めない大勢の考えと比較してじっくり検討しないと、莫大な金額が絡む

訴訟の国家的判断はできない。結局、朝倉は、プロの裁判官が数人で何年も

かけて行う作業を、ほとんど1人で、僅か数日でやったことになる。まさに空飛

ぶスーパーマン、ビルを登るスパイダーマンの世界だ。

                  

では、もう少し現実味をもたせるにはどうすれば良かったのか。それは例えば、

取り組む問題をもっと簡単な事にして、優秀な官僚を数人味方につければ良かっ

のだ。そのうちの1人は、官僚出身の主席秘書官・美山(深津絵里)でもいい。

     

気になるのは、この責任を認めると国の財政の破綻につながる恐れがあるけ

どいいのか?という問いに、破綻してもいいと朝倉が答えたことだ。明らかにバ

ランスを欠いた言葉で、国家が破綻すれば、「生活してる人」が困ることになる。

夕張市を遥かに上回る悲惨な状況が、一般市民のもとに訪れるのだ。国家や

僚は敵、民衆は味方という単純すぎる構図脚本家・福田靖が根本に持って

るからこそ、こうした極端な発言が出てくることになる。視聴者に合わせたもの

か、福田自身の考えなのかは知らないけど。

                    

もちろん、すぐに国家が破綻するはずはない。でも、似たような訴訟で次々に国

が敗訴していくと、数百億、数千億の金が財政から飛んでいくことになる。その

金は、国民が背負うことになるのだ。他の予算が削られるとか、増税とか、赤字

国債増加による金利上昇&景気悪化とか。当然、朝倉総理への逆風も急激に

強まって、驚異的だった支持率も急落するはず。そこまで、このドラマがフォロー

するんなら、それはそれで筋が通ってると思う。でも、おそらくこの後は知らん顔

だろう。このドラマの脚本は、そうゆうレベルでしかない。。

                      

        ☆          ☆          ☆

最後に、ありがちな意見に対して一言。それは、ドラマだから現実性がなくても

いいじゃないかというものだ。これは、部分的には正しい。ただ、2つ注意しとき

たい。まず、現実性がない話だと視聴者が「本当に」分かってるのかということ

だ。分かってないのなら、フィクションに幻惑されてるってことで、ドラマであって

も見逃せることじゃない。視聴率の高さを考えると、なおさら問題だろう。

         

そしてもう一つ。現実性がある程度ないのは許されるけど、あまりにもないよう

だと、ドラマとしてさえ成立しないということだ。例えば、時間に追われる朝倉が、

移動時間を短縮するために、東京から大阪まで1分で移動するとしたら、どうだ

ろう。ドラマでも受け入れがたいはずで、「武士の1分」とでもお茶を濁すくらいし

かないはずだ♪ 今回の朝倉の資料チェックはそのくらい現実離れした作業だ

と、どのくらいの視聴者に分かっただろうか。そこが非常に気になるのだ。

                    

ちなみに、主席秘書官である美山が、他の秘書官に対してビシッと言ったのは、

別に問題ない。大先輩である事務秘書官に対してフツーはやらないことであっ

ても、その気になれば簡単にできるし、やるべき事でもあるからだ。主席秘書

官はそれほど上の立場でもないけど、今回のドラマほど低く扱われるのは当然

おかしい。あれはそこそこ現実味のある話だし、気持ちいいシーンでもあった。

                   

折角、政治ドラマをやるんだから、朝倉にも、現実性と虚構性のバランスの取

れた形で活躍して欲しいもんだ。そのことを通じて、政治の世界の大変さが、一

般視聴者にも理解できるだろう。あぁ、朝倉総理でも、そんなに凄い活躍がで

きる世界じゃないんだな、本当に大変でしかも大切な営みなんだなと、心から

理解できた時、政治の見え方は変わるし、自分のできる範囲のことをやってい

く気にもなるだろう。

          

たとえば、テレビや新聞のちょっと難しい解説にもマジメに耳を傾けて理解する

とか、選挙はしっかり候補者の政策を理解した上で投票するとか。あるいは、

身近な小さい不正に対して厳しい姿勢を示すことでもいい。今回、朝倉が見せ

たマンガ的活躍の1億分の1でいいから、一人一人の視聴者が実際に活躍す

ること。ここに結び付けられるかどうかが、このドラマのポイントであって、スー

パーマン・キムタクの大活躍に喜んでるだけではマズイのだ。

     

こうした話は、私が書いてもほとんど届かないから、キムタク自身が言えばいい。

それこそが、朝倉総理=木村拓哉の本当になすべき仕事だろう。

現在、23時15分。それでは、超速アップ!☆彡

      

        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

P.S.日テレのサッカーW杯予選と中田特番に押されたのか、第4話視聴率

    は19.3%(関東地区)で、初めて20%を割ってしまったようだ。まあ、

    特殊要因によるものだろうし、政治ドラマで20%前後なら十分合格点だ

    と思うけどね。。

   

cf.キムタクは素うどんかたぬきで♪~『CHANGE』第1話

  『CHANGE』レビュー、中国か台湾でウケたみたい♪

  見つからないように、こっそり本音♪

  他者との交渉のマナー~『CHANGE』第5話

  CHANGEはまだ始まってない~『CHANGE』最終回

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  朝日新聞の『CHANGE』レビューについて

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コメント

私はもと役人です。文書が膨れ上がる原因は、決済のために同じ内容が何回も書類にされるためです。裁判の経過報告など入ってあの膨大な量になったと思われます。でも必要な部分は学術的説明だけなので、斜め読みして取り出すことは十分可能です。国語の試験とは違い全て理解する必要もありません。読み飛ばしていい部分が多いんです。
もうひとつ、裁判の判決と総理の決定を同列にされていますが、総理大臣が裁判官と同じくらい時間をかけて決定していたら政治は全く動かないと思います…

投稿: こんにちは | 2008年6月 4日 (水) 21時52分

あのー、要するに、あなたの見方もなんだか変ですよ、と言いたかったんです。

投稿: つづき | 2008年6月 4日 (水) 21時55分

>こんにちは&つづきさん
   
こんばんは。
ウチには非常に珍しい書き込みですね。
          
「こんにちは」さんの書いてる事は普通のことです。
色々と気になる部分はありますが、スルーしときましょう。
重要なのは、そこから「つづき」さんの書いてる事には
つながらないことです。
   
要するに、「つづき」さんの一口コメントを
書きたかっただけでしょう。
話がつながってないからこそ、
2つのコメントになってしまってるわけです。
                      
ブログに反論を書き込む時は、ちゃんとした一つの名前で、
最低限のマナーを守って、筋道立てて書いてください。
あと、「もと役人」のあなたのコメントを、朝倉総理が見たら
どう思うか、考えてみるのもいいでしょう。。☆彡

投稿: テンメイ | 2008年6月 4日 (水) 23時06分

こんばんは。

業務連絡です♪

メールみてね☆

なんかうちでリンクして悪かったかな?
へんなのが行ったらゴメンネ。
いや、もう来てたか(笑)
お詫びにカフェオレ置いておきます♪

投稿: アンナ | 2008年6月 5日 (木) 00時18分

>アンナちゃん
   
おはよう 業務連絡、了解
  
いやいや、リンクは全然悪くないよ。
コッソリつぶやいた記事とはいえ、むしろ嬉しいくらい♪
たびたび気を使ってくれて、どうもありがとう☆
   
ま、頂いたカフェオレでも飲んで気分転換するよ。
・・・って、どこにあるんだよ!♪

投稿: テンメイ | 2008年6月 5日 (木) 05時41分

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