高橋尚子の現役引退で思うこと
超有名人のビッグニュースって感じの扱いだね。2001年の世界新記録達成、
98年バンコク・アジア大会の優勝&日本記録、2000年の国民栄誉賞(いまだ
に15人)、05年東京国際女子の復活優勝等々、色々大きな話題を振りまいた、
人気・実力共にトップクラスのスポーツ選手だけど、何と言っても00年シドニー
五輪・金メダルが、アスリートとしての彼女の絶頂だろう。日本女子陸上界初の
金メダルを取ったレースの終盤、黒いサングラスを投げ捨ててからのスパート
は見事だったし、終わった後、「すごく楽しい、42キロでした」とQちゃんスマイル
で語ったのも爽やかな光景だった。
・・・な~んていう誰でも書けそうな感想を、今頃書いてちゃ話になんないわな (^^ゞ
今はもう、10月29日の夜。引退ニュースがメディアに流れてから、1日半も経っ
てるし、涙の記者会見からでも丸1日も経ってしまった。私はかなり早い時点で、
ネットのニュースを見てたんだけど、昨日から今日にかけては、仕事はもちろん、
堀北真希&北川悠仁『イノセント・ラヴ』第2話レビューにも追われてたから、高橋
の記事を書くどころか、自分が走る時間も作れなかったのだ。
という訳で、今さらこの話を書くのなら、独自の内容がなきゃ意味がない。そこで
まず、ネットで変わった一次情報(受け売りじゃない直接的情報)がないか探した
んだけど、意外にどこも同じような話が並んでる。それだけ、チームQの情報コン
トロールがしっかりしてるって事なのかも知れないね。米国コロラド州ボルダーで
ずっと高地トレーニングの合宿を続けてたって事情も大きいだろう。
仕方ないから、朝日新聞28日夕刊と29日朝刊をじっくり読んでみる。まず夕刊
では、一面中央に写真入りの記事。これだけでも凄いことで、普通この種のニュー
スは、後ろの社会面だけか、一面の左下辺りなのだ。ちなみに、高橋の記事の
右側、つまり一面トップは「東証一時7000円割れ」という黒地に白抜きの見出し
で、偶然にも、淋しさを増幅するレイアウトになってた。金融崩壊、高橋引退。。
夕刊社会面での見出しは「心と体 ずれ感じた / 立て直せず、決意」。このズレ、
誰でも日常的に感じるものだろうけど、プロとしてチームを率いるトップ選手の場
合、苦悩は何倍も深かっただろう。そこには、父・良明氏の「尚子の人生は半分
もたっていません。時間に例えるとまだ午前11時ぐらい」っていう、優しさが滲む
言葉と共に、05年まで二人三脚だった佐倉アスリート倶楽部代表の小出義雄
氏の言葉も載ってた。色々書いてるけど、一番大きな思いは「残念」って言葉に
表れてるだろう。自分がそばにいれば、まだまだやれたし、ここまでの3年ももっ
と活躍させてあげられたのにっていう思「念」が「残」ってるに違いない。
実際、翌日の朝刊スポーツ欄では、小出氏の「彼女は40歳前後までいけるし、
もったいない。やり方がわかんなかったのだろう。本人がやりたいといえば復活
もできますよ」という本音らしき言葉が掲載されてる。今36歳の高橋なら次のロ
ンドン五輪までできると言ってるわけだ。確かに、スポーツ選手が引退(発表)後
に復帰する例は非常に多いから、高橋復活はあり得なくもない話だろう。
朝刊の記事はかなり詳しくて、もうコメントしてる時間がないから、今度はブログ
界に目を通してみる。まずやったのが、Yahoo!の日付指定ブログ検索。28日
と29日に、「高橋尚子 引退」という言葉を含む記事がどれほどアップされたの
か。スコアでの絞り込みなしだと、記事数5327件(ブログ数5076)。絞込みを
「中」レベルにしても、記事数1266件(ブログ数1158)。もちろん、これは全て
のブログ記事をカバーした数字ではないから、ものすごく注目度が高いのがわ
かる。比較の対象として、「原監督 WBC」を検索してみると、ほぼ同数だった。
人気トップのスポーツの現在最大のニュースと互角ということだ。
ブログを見渡して思うのは、圧倒的に賛辞や好意的表現が並んでること。あれ
だけ目立ってると、普通はもっと反感とかも出てきそうなものなのに、やっぱり
国民的スポーツアイドルなんだね。もちろん私も、高橋は好きだし、素晴らしい
アスリートだと思うけど、実はちょっと気になる点もあった。それは、広告塔とし
ての「演技」だ。
朝日の金重秀幸記者は、コメントの冒頭でこう報告している。「ゴール後は、苦し
そうな顔は決して見せないと固く決めていた。『こんなに楽しいんだよって知って
もらいたい』」。そこで、笑顔とかポジティブな発言が前面に押し出されて来たん
だけど、私はそれを見てて、しんどい事をやってるなぁとも感じてた。ホントは楽
しいだけじゃなくて、苦しいことも嫌なことも色々あるはずなのに、全て前向きな
ものとして表現する大変な演技を自分に課している。
これを否定的にとらえてる人は、かなり少ないようだから、その意味では彼女の
演技と普及活動は大成功だ。でも、自分の中では、そうゆう無理も積み重ねられ
て行ったんじゃないかなと、私は想像する。実際、ここ数年は、その無理がもう
維持できなくなってた感があった。その点、人気で劣る野口みずきの場合、演技
がなくて自然なのだ。そのまんま、真面目なトップアスリートの姿だけを示してる。
私は、次の時代を背負うトップ選手には、両方の側面を出せる人が登場して欲し
いと思う。本音と建前、あるいは現実と虚構を、共に上手く表現できる実力派が
登場すれば、今のランニング・ブームにも厚みが出てくるだろう。
最後に、スポーツ選手としての高橋尚子にとって、結果的には、小出からの独立
がマイナスに働いた形になってしまってる。ただ、人間としての高橋にとっては、
午前10時半から11時までの独立した時間が、貴重なステップアップとして働くこ
とを信じたい。これからまだ、午後12時まで、半日以上の時間があるのだから。
とにかく、今までお疲れさま。そして、ありがとう♪ 私自身も、残りの時間を全力
で走り続けるとしよう。。☆彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.S.高橋のピッチ走法については、翌日の記事に書いた。
P.S.2 高橋尚子の引退について、野口みずきが「走る心がきれい」と語った
という情報をいくつかのサイトが掲載している。素敵なコメントだけど、
情報源が見当たらない。引退と関係なく検索しても、信頼できる一次
情報はどこにもないし、逆に「ノーコメント」という情報なら見つかった
(サンスポ)。ということは、テレビのキャスターか誰かが個人的に、過
去の野口の非公式発言を引用したのかな。どなたか、真相をご存知
の方は、教えて頂けるとありがたい♪
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コメント
テンメイ様・・・こんばんは。
野口の発言は・・・
過去のインタビューの引用だと
思います。
高橋の走りについて聞かれた
野口が「走る心がきれいな方だと思う」
と答えたような気がします。
うろ覚え情報で申し訳ないのですが
キッドには
そういう記憶がありました。
投稿: キッド | 2008年11月 1日 (土) 17時53分
> キッドさん
こんな記事まで、どうもどうも
こんなデータまでインプットしてましたか☆
やっぱり、過去のインタビューですかね。
高橋引退直後の野口のコメントなら、もっと
情報が溢れてるはずだから、変だと思いましたよ。
でも、まさに「きれいな」言葉だし、過去の
ものにしてももっと正確な記事があって
おかしくないと思うんですよね。
その辺りが逆に、ウチとしては狙い目かな。
ま、超大物同士だから、いずれまた情報が出てくる
可能性は十分あるでしょう。
わざわざコメントありがとうございました♪
投稿: テンメイ | 2008年11月 2日 (日) 00時14分