『ラブシャッフル』第1話、カップルの組合せ方は何通りか♪
いやぁ、いきなり脚本家・野島伸司の超絶技巧炸裂の回だったな☆ TBS・金曜
ドラマ『Love Shuffle』第1話。まさに、アース・ウインド・アンド・ファイアーの歌う
古典的名曲のタイトル通り、「Fantasy」(宇宙のファンタジー)のような内容。今ま
であえて書かなかったけど、実はこのドラマが今期のレビュー対象の最有力候補
だったのだ。
金曜夜の放送はレビューに好都合だし、野島のテクニックは去年の冬ドラマでも
見せ付けられてる。『花のない薔薇屋』。矛盾しとるわ! 『薔薇のない花屋』ね♪
香取慎吾&竹内結子。あの時かなり気になりつつ、あえて小日向文世&松田龍平
&吉高由里子『あしたの、喜多善男』を選んだから、今期はじっくり野島脚本を味
わおうと思ってたわけ。
さて、第1話を見終わった感想は、やっぱり去年と全く同じだ。強烈にテクニカル
な脚本で、細かく見るとすごく密度が濃いしテンポもいい。具体的なセリフ回しも
そうだし、場面転換を見ても、その振幅の激しさは他のドラマの比じゃない。啓
(玉木宏)&芽衣(貫地谷しほり)の描き方、あるいは終盤のプールシーンの展開
だけでもホホーッて感じ。停電エレベーターではアブナイ方向のサービスまであっ
て、その紙コップが乾杯に使われた後、後の場面でも何気なく再登場♪ 雪山
(アルツ磐梯スキー場)や夜道のネコの使い方もアクセントになってる。「ナイナイ」
「おサルさ~んだよ~」には思わずプッと吹き出した♪ これぞコメディー☆
こんな脚本を素早く書き終えてしまうらしい野島は、間違いなく才能溢れる人間だ
ろう。ただ、良し悪しとか好き嫌いの問題、つまり主観的な価値判断となると、か
なり意見が分かれると思う。私はこの脚本の上手さ、巧みさを高く評価するけど、
言葉や人間の気持ちを余りにも軽くもてあそんでる気がするのも確かだ。
ドラマはフィクションだから、リアリティの無さは必ずしもマイナスではない。でも、
やっぱり登場人物に感情移入したり好感を持ったりしながら見るわけで、そこに
は「台詞マシン」じゃなく生身の「人間」が描かれてないといけないわけだ。野島
の場合、本人としては社会派志向って話だし、世間的にはドロドロ感とか過激さ
が話題になってるけど、私にはむしろ「言語芸術」とか「現代アート」のように感じ
られて、ちょっと遠くに行き過ぎてる気がしてしまう。去年パスしたのには、そうゆ
う理由もあったのだ。
とはいえ、あれだけの技巧を精密に分析するサイトがないのは失礼だとは思う。
という訳で、やっぱり私が本格的に扱おう・・・と書きたい所だけど、予想外の事
態が起きてしまった。二番手候補だった亀梨和也『神の雫』第1話が、思ったよ
り面白かったし、低視聴率にも関わらず記事へのアクセスが多かったのだ☆
去年パスしたって事情なら、野島だけじゃなくて亀梨も同じ。『1ポンドの福音』は
第1話だけマジメにレビューして、後は時々軽い記事を書くだけだった。亀梨と
山P=山下智久は、『野ブタ。をプロデュース』以来、特別扱いして来たことだし、
やっぱり今期は『神の雫』で行こうと思う。来週の第2話で大コケしない限りはね。
もしコケまくったら、二番手候補が『ラブシャッフル』、三番手が月9『ヴォイス』だ。
☆ ☆ ☆
今週は一応、第1話の台詞の分析をやろうかと思ったんだけど、時間が無くなっ
てしまった。そもそも今年になって、ドラマ関連記事に時間を使い過ぎてるから、
ここは差し控えることにしよう。その代わり簡単なお遊びをお見せする。テンメイ
の得意技の一つ、数学を用いて、ラブシャッフルの組合せの数を計算してみよう。
基本的に高校数学の教科書レベルの話で、鍛えられた大学受験生なら秒単位
の暗算で答を出すだろうけど、ここでは丁寧にわかりやすく解説してみる。
今回ラスト、男性がJ(ジャック)、女性がQ(クイーン)のトランプの絵柄合わせで、
最初の組合せが決定した。カメラマン・旺次郎(松田翔太)&通訳・愛瑠(香里奈)
のスペード組。IT企業課長・啓(玉木)&人妻・玲子(小島聖)のクローバー組。株
トレーダー・諭吉(DAIGO;BREAKERZ)&心の病の患者・海里(吉高由里子)
のダイヤ組。そして、海里の担当医・正人(谷原章介)&社長令嬢・芽衣(貫地谷)
のハート組。
さて、こんな風に、男女4人ずつ計8人を、男女のペア4つに分ける組合せは何
通りあるだろうか。トランプの絵柄は枝葉の問題にすぎず、要するに誰と誰を組
み合わせるかが問題だ。
そこで、まず女4人を香里奈、
貫地谷、吉高、小島の順に左
から並べて、順に男1人ずつ
を割り振っていくことにする(図
を参照)。
まず、香里奈の相手の男が4
通り。次に、貫地谷の相手が
3通り。既に男1人は香里奈の相手になってるから、3人しか残ってないのだ。
さらに、吉高の相手が2通り。最後に、小島の相手は1通り。
したがって、4×3×2×1=24(通り)となる。
記号と公式を使うなら、₄P₄=4×3×2×1=24。「P」は「順列」を表す英語
「Permutation」の頭文字だ。
続いて、もう少しだけ複雑な組合せを考えてみよう。最近は、現実の社会でも同
性愛が珍しくないくらいだから、フィクションの世界での同性カップルなんて不思
議でもなんでもない。片思いに終わったものの、『ラストフレンズ』の上野樹里&
長澤まさみ、あるいは『イノセント・ラヴ』の北川悠仁&成宮寛貴がすぐに思い出
される所だ。
という訳で、男女無関係に、8人を2人ずつ組み合わせる方法は何通りあるか。
まず1組目。最初の人間の選び方が8通り。その相手が7通り。でも、例えば玉
木&谷原なら、(玉木,谷原)の順に選んでも、(谷原,玉木)の順に選んでも、
カップルとしては同じことだ。したがって、(8×7)÷2=28(通り)。
続いて2組目も同様に(6×5)÷2=15(通り)。3組目が(4×3)÷2=6(通り)。
4組目が(2×1)÷2=1(通り)。全体では、28×15×6×1=2520(通り)
のように思われる。
ところが実は、この中身はかなりダブってしまってるのだ。たとえば下の表にある
上下2通りの選び方を見てみよう。
1組目、2組目・・がどのカップルかを見ると、上下の選び方は違ってるように思
われる。でも誰と誰がカップルかを見ると、結局は同じ組み合わせ方になってる
のが分かるだろう。つまりダブってるのだ。このダブリ=重複がどのくらいあるか
というと、4つの組の並べ方だけある。つまり、4×3×2×1=24(通り)。
したがって求める答は、ダブリを割り算で消して、2520÷24=105(通り)。
記号と公式を使うなら、
(8C₂×6C₂×₄C₂×₂C₂)÷₄P₄
=((8×7÷2)×(6×5÷2)×(4×3÷2)×(2×1÷2))÷(4×3×2×1)
=(28×15×6×1)÷24
=105(通り)。
「C」は「組合せ」を表す英語「Combination」の頭文字だ。
という訳で、このドラマは残り105回放送される・・・はずはない♪ したがって、
厳選された組合せの「恋人交換」(=ラブシャッフル)だけが放送されるのだ。た
とえば来週の組合せがどうして選ばれたのか、考えてみるのも面白いだろう。
案外、野島が本当にトランプをシャッフルして決めただけかも知れないけどネ。
トランプと言えば、最後のエンドロールでトランプの中にメイキング映像をハメ込
んでたのは面白いアイデアだった。
ちなみに、8人を3人+3人+2人に分けるとどうなるかを考えるのも、脳内トレー
ニングとして面白いだろう。任天堂DSなんて使わなくても、ネタはあちこちに転
がってるのだ。気になって眠れなくなったら、コメントで問い合わせしてくだされば
お答えしよう。ただし、女性限定で♪
今後もこのドラマは時間があれば楽しみたいから、ひょっとするとまた簡単な記
事くらい書くかも知れない。それでは。。☆彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.S.『ラブシャッフル』第1話視聴率は10.0%。『流星の絆』の直後でこの値
はキツイね。やっぱ二宮和也とか錦戸亮とか、ジャニーズが出ないとダメっ
てことか。まあ、今期は『ヴォイス』第1話の17.7%を除くと全体的に低
迷してるんだけど。。
| 固定リンク | 0
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- やす子24時間マラソンの2日目と「同じ道」を9時間で歩いて「検証」した YouTuber、実際は6割弱の距離(29km)を歩いただけ(2024.09.12)
- 直前の欠場、「パリ五輪は、まだ走れ!っていうメッセージ♪」~カンテレ『前田穂南が走れなかったオリンピック』(TVer動画)(2024.09.06)
- 世論の逆風と雷雨の中、やす子(体重78kg、25歳)の81kmマラソンSPの感想~日テレ『24時間テレビ』2024年(2024.09.04)
- パリ五輪2024・女子マラソン、ほぼリアルタイムの感想♪&優勝したハッサンのラップタイム(2024.08.11)
- パリ五輪2024・男子マラソン、ほぼリアルタイムの感想♪&6位入賞、赤﨑暁選手のラップタイム(2024.08.10)
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 世論の逆風と雷雨の中、やす子(体重78kg、25歳)の81kmマラソンSPの感想~日テレ『24時間テレビ』2024年(2024.09.04)
- 二重偏波気象レーダー、降雹(こうひょう)アラート、数式(偏微分方程式)の変数 Pidep、Pgacw、etc ~『ブルーモーメント』第5話(2024.05.25)
- 絶対に離れない手のつなぎ方、正義も真実も超えて、人間として「心中」へ・・~『Destiny』第1話~第4話(2024.05.02)
- 嘘(lie)で壊れた橋=つながり、再建を信じて(believe)生きる(be、live)~『believe ━ 君にかける橋 ━」第1話(2024.04.27)
- 晴原(ハルカン=山下智久)が書いた雪崩の数式の意味、雲田彩(出口夏希)の中国語の発音と意味~『ブルーモーメント』第1話(2024.04.25)
「数学」カテゴリの記事
- 四角形や丸の「真ん中」に正三角形を配置するデザイン(YouTubeほか)、長さ、重心、三角形分割錯視を考慮した視覚調整(2024.09.08)
- パズル「推理」、小学生向け8、カンタンな解き方、表の書き方(難易度3、ニコリ作、朝日be、24年8月31日)(2024.09.01)
- パズル「ナンスケ」解き方13、2024年7月13日の問題は間違い「ではありませんでした」(難易度4、ニコリ作、朝日新聞be)(2024.07.13)
- インドの摩訶不思議な「ヴェーダ数学」、100に近い2つの数の掛け算のやり方、明星学園の中学入試問題(算数)と一般的証明(2024.07.06)
- 2進法の計算、直接的な減法(引き算)と、コンピューター内部で「2の補数」を用いる減算 ~ 高校『情報Ⅰ』(2024.06.04)
コメント
テンメイさん
おはようございます
ドラマのアートな部分とリアリティな側面
なるほどなぁと思いました
私の場合 自分と引き合わせて見ることが多いので
登場人物の女性を中心に見ていると思います
愛瑠の「ほんとうに好きな人なんか 現れるはずないんだ」という醒めた部分と
その反対の「もしかしたら」という希望を
自分の中に見つけたり
愛する人をなんらかの理由で失い(多分)
いまだその幻想の中でいきている海里の
これからに興味を覚えたり
私に一番近い部分を持つ芽衣や
(年齢や 家庭環境は 全く違いますが)
夫との関係から目をそらせるため
奔放な生活をしている玲子と
自分を比べ合わせて見ていると思います
男女の組み合わせを変えるとどうなるのかなんて
面白い発想なので 2話も見るつもりです
(感想は書くつもりはありませんが)
テンメイさんもラブシャッフルは見るだけにしてくださいね
テンメイさんのレビューが
<神の雫>に決まりそうなので嬉しいです
2話もきっと 小気味好い展開を見せてくれるはずです
投稿: 彩花 | 2009年1月18日 (日) 09時26分
こんにちは~。
さすが細やかな見方のテンメイさん
私は深く考えずに見てても引き込まれる何かがあれば
儲けもんって感じですかねぇ。
初回はやっぱりどのドラマでも、キャスティングから入ります。
その役者さんのイメージピッタリでも、ぶち壊すような配役であっても
すんなり入って来てくれたらOK
そういう面から言っても、グッと心を掴まれるものはなかったです。
玉木君の激やせは見ていられなかった。。。
それでも次回がどういう展開で進むのかは気になります
エレベーターでの出来事やその後も含め、
紙コップの使い方は上手でしたよね。
汚い物という印象も持たずに済んだのも、
ストーリー(作り)がオシャレだからでしょうね。
音楽も含めオシャレさを感じる仕上がり
まぁあの高級マションが舞台なんですもん当然ですけど
私はテンメイさんの三番手から逆ですわ。
やっぱり月9は贔屓目なのでしょうがない
またテンメイさんや他の皆さんの感想を参考に楽しませて貰います。
『ヴォイス』は無さそうな確率ってことで(笑)v(゚▽^*)ノノノ☆マタネsee you
投稿: mana | 2009年1月18日 (日) 12時40分
こんにちは!
同性同士も含めての確率計算ですか(^^;;;)新しい世界が開けそうですね〜
エレベータの場面が物語のきっかけ作りだけでなく、さりげに
「女性1人に恥ずかしい想いをさせない」
主人公の気配りを描いていたのも上手いなーと思いました。あれがなかったら玉木くん、無能でへたれなだけでしたし。
これもとりあえず、2話は観ます。
ところでお猿さんは「アイアイ♪」ですよ〜
投稿: じゃすみん | 2009年1月18日 (日) 14時41分
> 彩花さん
こんばんは
リアリティの対立概念であるフィクションには、
色んな要素が入ってます。
その中で、高度かつ独創的で、必ずしも
一般ウケしないものがアートですね。
野島脚本はその典型で、ドラマでは珍しい存在。
女性中心の目線ね。僕は人間以外まで含めて全体を
見渡すタイプですが、やっぱり男性中心目線かも。
愛瑠は頭のいい女性によくあるパターンでしょうね。
ただ、早くも初回から温もりを感じます。
野島だから、海里は妙な方向に進む可能性が十分あるけど、
あくまでコメディーの範囲に留めて欲しいな。
芽衣が一番近い? 社長令嬢でしたか♪
アハハ(^^) 玲子が一番笑えます。
「奔放な」生活してますよね。kk関連で。
しかし、よく見てますよね。『ラブシャッフル』も。
それでも書かないのは、「選択と集中」ってやつかな♪
僕も『神の雫』に絞るつもりですが、
2話を見るのがちょっと怖い気もしますね (^^ゞ
まあ、啓みたいな「超凶」のおみくじを
引いてしまわないことを願ってます。。
> mana さん
こんばんは~
いやいや、細やかな見方を示す余裕が無かったから、
大雑把な話を書いてオマケの数学で遊んだだけです
引き込むものとか、引き込み方にも色々ありますが、
女性視聴者はキャラとストーリーが圧倒的でしょう。
僕はそうでもなくてね。例えば『イノセント』の
最終回では、オフホワイトの色の流れを見てた。
あるいは今回なら、セリフの技に感心してたわけです。
僕もグッと心をつかまれてはいないけど、
ホホーッと面白がってるんですよ
玉木の顔やせね。あるいは頬コケか。
年齢だけじゃなくて、減量とか心身の不調なのかな。
香里奈が分けてあげればいいのに。。オイオイ!♪
音楽は懐メロに思えましたが、ストーリー、会話、
美術、ロケ地はオシャレでした
あっ、逆順ですか。いや、その方がフツーでしょう ^^
僕の場合、亀梨は特別扱いって前提があるし、
フランス語が好きだっていう個人的事情も大きかった。
でも、mana さんの月9好きも、美容師って
前提が大きいんじゃないかな。「週末」でしょ♪
OLが金曜夜のドラマを好むようなもの。
3つのドラマのポイント差はそれほど大きくないから、
『ヴォイス』逆転の確率も2割くらいはありますよ。
ま、別にドラマが一致しなくてもお付合いはできるしネ。
では、see you later
> じゃすみんさん
こんばんは!
同性同士。。男はともかく、女性陣を見てると
十分アリって気がするんですよね。
香里奈&貫地谷、小島&吉高とか。妖しい世界♪
ちなみに計算は、広い意味では「確率」の分野ですが、
正確には「場合の数」ですね。確率計算の土台。
たとえば、男女4組を分ける場合の数は24通りだから、
1つの分け方が選ばれる確率は1/24って感じ。
なるほど。気配りね。
そう言えば、スキー場の救助でも気配りしてましたね。
助けた自分の方がラッキーだとか言って。
とにかく、来週も楽しみに見ましょう。
ちなみに、お猿さん。僕が笑ったのは「ナイナイ」です。
22時41分くらいの7人の会話で、松田が「ナイね」、
玉木が「ナイナイ」、DAIGOが「おサルさんだよ~」。
ここの意表を突くスピード感に笑ったんですよ♪
投稿: テンメイ | 2009年1月18日 (日) 20時53分
うわ、「ナイナイ」
「ジョー」から「ジョン」みたいなアレでしたそうだった。
失礼いたしましたー(><)
投稿: じゃすみん | 2009年1月19日 (月) 12時58分
> じゃすみんさん
いえいえ、どういたしまして
ウッカリミスは誰にでもあるものでしょう
単純ミスのご指摘は構いませんし、僕も
時々色んな形で他人のミスを指摘してます。
例えば『神の雫』の「仲」って名字は、勘違い
してそうな人が目立つから記事に追記しました。
ただ、ご指摘に対してアレッと思ったら、
一応録画やネットでチェックしますので、
その点はご了承くださいね♪
P.S.ご紹介いただいた「茶花カロリー日記」。
早速アクセスして楽しませて頂きました♪
でも僕には食事の記録なんてムリだな (^^ゞ
運動や生活リズムでさえキープできなくて。。
それより、じゃすみんさんも走りましょうよ!
武士のヨロイを着る必要はありませんので♪
投稿: テンメイ | 2009年1月20日 (火) 00時51分