『神の雫』最終回のワイン、シャトー・ル・ピュイ(神の雫)
『神の雫』最終回(第9話)が終了。本格的レビューは丸1日ほど後にアップする
けど、その前に、最後のワイン「神の雫」に関する先行記事をアップしとこう。使徒
対決の頂点に位置する究極のワインは予想通り、神咲雫(亀梨和也)と遠峰一青
(田辺誠一)の二人とも見事に的中だった。ちなみに、連載中の原作マンガには、
正解のワイン銘柄はまだどこにも登場してないようだ。
(☆11日深夜追記: 本格的レビューをアップ。ワインの話もかなりある。
まず、画面のテロップをそのまま書くと、
「ボルドー地方 コート・ド・フラン 400年間 昔ながらの手法で
受けつがれてきたワイン シャトー・ル・ピュイ(’03) フランス」。
続いて、ロベール(竹中直人)に促されて一青が語った説明のデータ的部分だけ
をそのまま引用すると、
「400年もの長きの間、一滴の農薬も使わずに、自然なままの製法で
作られて来たもの。ゆえに、大地の上で何が起きようとも、たとえ、
猛暑で、各地のブドウの樹が枯れた、2003年でさえも、このワインの
ブドウの樹は、地中深く、70mにまで根を張り、見事な、エレガントな
ワインを生み出した」。
なるほど。だから03年なわけね。さて、ここまでは誰でも書きそうな事だから、ウ
チ独特の内容に移ろう。恒例の、ワインラベル・チェックだ。今回は長くて文字も
小さいし、ネット上でもなかなか大きな画像が見当たらなくて、ちょっと判読に苦
労した。まずラベルの表記そのまま。続いて、その日本語訳or意味。フランス語
の発音記号は省略してある。
BORDEAUX COTES DE FRANCS
APPELLATION BORDEAUX COTES DE FRANCS CONTROLEE
Chateau le Puy
Expression Originale du Terroir
JP&P AMOREAU
VIGNERON A SAINT-CIBARD-GIROND-FRANCE
Depuis 1610
de pere en fils,ce vin est issu de cultures
et de vinification naturelles
Certifie Ecocert sas F32600
Produit de France
BORDEAUX ECOCERT
MIS EN BOUTEILLE AU CHATEAU
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ボルドー コート・ド・フラン地区
原産地統制名称 ボルドー コート・ド・フラン
シャトー・ル・ピュイ
テロワール(ブドウ産地)そのままの表現
ジャン・ピエール&パスカル アモロー
フランス・ジロンド県・サン=シバールのブドウ栽培者
創業1610年
父から息子へ、このワインは自然のままの
農法とワイン製法によって作られ続けている
エコセール認証 sas F32600
フランス製
ボルドー エコセール
シャトーにてボトル詰め
☆ ☆ ☆
まるでブルゴーニュ・ワインのように優雅で繊細と言われる、このボルドー・赤ワ
イン。物語的には、味や香りよりも、伝統の長さとエコの2点が特徴と言うべきだ
ろう。ずっとアモロー家が受け継いでるシャトー(ワイン醸造所)で、現在は父ジャ
ン・ピエールと息子パスカルが中心になっている。
エコセールとは、有機農法に関するフランスの認定団体、あるいはその認証のこ
とで、文字通り「エコのセール(認証)」という意味だ。特にシャトー・ル・ピュイの場
合は、有機栽培の特殊な形、「ビオディナミ(bio-dynamie;英語ならバイオダイナ
ミクス)」を使ってるらしい。哲学者&数学者として有名なルドルフ・シュタイナーが
1920年代に提唱したもので、動植物由来の肥料を月の周期(太陰暦)に合わ
せて少量使用、かき混ぜのタイミングも合わせる。フランスでも、ごく一部の農園
でしか使われてないそうだ。ちょっと趣味が分かれる部分かも知れないね。シュ
タイナーとは、やや神秘的な思想家でもあるのだ。
もちろんル・ピュイには、普通の有機農法の部分もあって、酸化防止剤のSO2
(亜硫酸塩)、化学肥料や殺虫剤をほとんど使わず、温度や湿度など気象計測を
こまめに行いながら手入れしている。まあ、素人が聞いても大変そうな話だけど、
ワインの値段はお手頃で、ネットなら5000円程度のようだ(なかなか売ってない)。
ちなみに公式サイトのURLは、http://www.chateau-le-puy.com/ 。いかにも伝
統とエコを感じさせるHPだった。
という訳で、ワイン単独の記事はこの辺で終了。
それではまた、約1日後の本格的レビューにて。。☆彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.S.記事アップの直後、朝日新聞のサイトに連載されてる「ノムリエ日記」(20
08年12月16日)で絶賛されてるのを発見。要するに、原作の亜樹直・姉
弟(の姉)が、エコとか有機とか自然系に興味を持ってて、たまたま生産者
夫妻と姉弟で会食する機会があったって事情じゃないかな。
と言うのも、日本語とフランス語と英語でサラッと検索した範囲では、この
ワインはエコ系としてだけ有名なもののようなのだ。そもそも、酸化防止剤
が入ってないから一般の酒屋にはほとんど卸してなくて、なかなかネットで
も売ってない。原作者も苦労して手に入れたようだ。姉の表現では、「甘く
も濃くもなく、エレガントで、凪いだ海のように優しく、飲んでいて本当に気
持ちよかった」。。
P.S.2 途中で話題になった、サントリーの国産ワイン「登美 (’97)」につい
ては、本格的レビューの方で触れる予定。山梨だから、亀梨主演の
2006年夏のフジ月9、『サプリ』第7話を思い出すね
P.S.3 注目の、『神の雫』最終回視聴率。ここまでの流れだと、6%に到達す
れば十分だと思うけど、果たしてどうなるか。ネットでは再び「打ち切り」
が話題になってるようだから、5%は行くと思うけど、7%は無理かね。。
(追記: 5.4%か。最後まで淋しい数字だなぁ。。)
P.S.4 「最後の使徒」とか「最終回 使途」(笑)とか検索が入ってるけど、「神
の雫」は「使徒」ではないので念のため。もっと神に近い存在だろう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
『神の雫』第4話のワイン、アルタ・エゴ(第三の使徒の手がかり)
『神の雫』第6話のワイン、シュヴァリエ・モンラッシェ(第四の使徒)
『神の雫』第8話のワイン、シャトー・ラフルール(第六の使徒)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
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コメント
テンメイさん、こんにちは。
原作は、神咲豊多香が十二使徒と名付けた12本のワインと、その頂点に立つ究極の1本「神の雫」を探す物語で、現在第六の使徒が明らかになったところです。
先週で連載200回となり、雫はフランスに行っています。(これが第七の使徒に繋がる展開なのかどうかは、まだ不明です。)
なので、原作版「神の雫」は登場していません。
最終話でも斉藤先生が出演していました☆
投稿: PINK FLASH | 2009年3月11日 (水) 13時25分
> PINK FLASHさん
こんばんは
ちょっと誤解されちゃいましたかね (^^ゞ
この記事冒頭の、原作に登場してないって話は、
「神の雫」って意味じゃなくて「ル・ピュイ」です。
つまり、究極のワインとしてじゃなくて、何かの
話の中で登場してる可能性はあるけど、
僕はネットで発見できなかったってこと。
ご指摘を受けて、早速「正解のワイン銘柄は」と
いう言葉を付け加えときました。
斉藤先生って、あのソムリエですよね。
メガネをかけたり、かけなかったりするんだ。
最終回が終わって、如何でしたかね♪
ワイン通として、また原作ファンとして。
ともあれ、情報ありがとうございました
投稿: テンメイ | 2009年3月12日 (木) 05時02分
おはようです。テンメイさん。
とうとう神の雫終りましたね。まずまずのドラマでしたね。中々愉しめました。
原作はまだまだ先になりそうな【神の雫】をドラマではどのワインを持って来るのか楽しみで、ついさっき最終話を見終りル・ピュイ2003が神の雫に値するワインで私的にビックリしました。
確かにル・ピュイは素晴らしいワインなんですが、ル・ピュイでも特別キュヴェのバルテルミの方がビオディナミを実践して亜硫酸無添加(ル・ピュイはビオディナミでなく有機栽培に属し、亜硫酸添加してます)のバルテルミの方が相応しいと思いましたね。
原作にはル・ピュイ自体一回も登場してませんよ。これから原作でも取り上げられる価値あるワインである事は間違いないです。
テンメイさん。是非原作を全部読んでみて下さい。
サイドストーリーが豊富で面白いですよ。
投稿: KAB | 2009年3月12日 (木) 09時10分
> KABさん
こんにちは。とうとう終わってホッと一息です♪
疲れたけど、十分楽しめましたよ。
ル・ピュイの選択は、人間ドラマとしては納得です。
味でなく、生き方を基準で選んだわけだし、
現在のエコとか自然重視の流れにも乗ってる。
ただ、ドラマはもちろん、ノムリエ日記の数本の記事
からも、選択に至る過程に深みを感じられません。
そこを僕は追求したわけです。
ビオディナミ、亜硫酸、ル・ピュイ、バルテルミの
関係については、かなり検索で調べましたが、
曖昧なままですね。サイトによって違ってます。
一番信頼できそうな気がする生産者のサイトを
普通に読む限り、ビオディナミの実践は全体的なもの。
そもそもビオディナミ自体がかなり曖昧な概念だし、
この生産者は独自のアレンジを加えてるとのこと。
「ル・ピュイ」という名前が生産者名と銘柄名の両方に
使われてるのも、混乱の拡大につながってるでしょう。
亜硫酸にしても、どれだけ、どのように、どのプロセスで
使うのか、それに応じて表示はどうなるのか。
複雑な問題があって、検索した限りでは、
納得できる説明はどこにも見当たりません。
要するに、伝統の長さとエコへのこだわりとで
神の雫に選ばれた。これで十分でしょう。
原作には、ル・ピュイは一回も登場してませんか。
まあ、原作者が絶賛してるんだから、今後は
何かの形で登場しそうですね。
とにかく、情報どうもでした。。
投稿: テンメイ | 2009年3月13日 (金) 14時13分