とんかつ、トンカツ、豚カツ。今まで一度も入力したことはなかったけど、メインで
使ってるPCの日本語入力システム「Microsoft IME Standard 2003」で、「とんかつ」
とかな入力すると、この順で変換候補が上から並んでいた。これがデフォルト(初
期設定)ってことかな。Yahoo!で、表記の「ゆれを含めない」検索をしても、ヒット
数はこの順番になる。
個人的感覚でも、「しっくり度」で並べると、やっぱりこの順番だろう。実際、ドラマ
で雨宮邦夫(小日向文世)が経営する店の名前も「とんくに」であって、「とんかつ
by くにお」の略だと考えられる。ところがウィキペディアだと、項目名は「豚カツ」
になってた。
これは、「豚肉のカツレツ」という本来の意味を重視してるからだろう。カツレツと
は、「食材を小麦粉、溶き卵、パン粉などの衣で包み、食用油脂を用いて加熱し
た料理の日本における呼称」との事。英語だと「cutlet」、さらにフランス語まで遡
ると「cotelette」(アクセント記号省略)だ。
したがって昨日スタートしたフジ月9のタイトル『婚カツ!』は、「結婚のカツレツ」
という意味だろう・・・って、違うわ! まあでも、結婚活動の略ならフツーは「婚活」
だから、「豚カツ」を意識してるのは間違いない。あと、「婚活」だと、語感が重くて
短すぎるから、カタカナとビックリマーク(感嘆符)を入れて、軽めにアレンジしたん
だろう。「結婚に勝つ」とか、パッとしない生活に「喝!」という意味も含まれてそうだ。
☆ ☆ ☆
さて、藤木直人『イケ麺そば屋探偵』第1話以来、半月ぶりのドラマ記事となる『婚
カツ!』第1話レビュー。食べ物関連の話からスタートしたのは、私がお遊びモード
で書いてるからだ。また、去年のキムタク=木村拓哉の月9『CHANGE』第1話レ
ビューをちょっと意識してるからでもある。
「キムタクは素うどんかたぬきで♪」と題するあの記事は、ウチの数あるレビュー
の中でも技巧的な作品。木村ファンからも、意外なほど感触のいい反応が返って
来て、中国のジャニーズ掲示板でもホメてもらったけど、要するにドラマへの軽い
不満に衣をつけて油で揚げたような美味しい「料理」だったわけだ。
今回も正直言って、ドラマには満足してない。元々それほど期待してなかったけど、
その低めの期待をも下回る内容だった。うっかり記事を書くと公約してたから、最
後まで見たものの、そうでなければ30分くらいでリタイアしてただろう。龍居由佳里
の脚本は、可もなく不可もなくって程度のもの。映像はボチボチ。音楽は、PUFFY
(パフィー)のカバーによる『ウエディング・ベル』(原曲はSugar=シュガー)は好き
だけど、ドラマの中の選曲はごく普通。納得できるものは、二つだけだった。初め
て見た中居正広の演技と、好物のとんかつだ♪ ロースもヒレも美味しいね☆
キャベツのお代わりも当然だ。
中居の前に、まずヒロイン・上戸彩について触れとこう。 彼女のドラマを通しで見
たのは、5年前の『エースをねらえ!』が最初で最後だ。私には多少、体育会系の
ノリが入ってるし、テニス好きでもあるから、あの時は古典的名作のストーリーとテ
ニスウエアを味わうために見た。でもそれ以降は、スッチーじゃなくてCA(キャビン
アテンダント)の制服を着てても、すぐリタイアとなった。
一応フォローしとくと、上戸自身のビジュアルとかキャラは別に問題ない。超大物
タレントのキムタクと比べるのは無理があるけど、「素うどん」でも結構いけるタレ
ントだと思う。ただ、ドラマの演技&演出となると、どうも「天ぷらうどん」になってし
まってて、その天ぷらがいつも同じ濃い味付けなのだ。明るく可愛い元気な少女。
愛想が良くて情が厚いけど、感情の起伏が激しい。アイドル的な扱いがずっと続
いてるってことかね。
今回の『婚カツ!』は、コテコテってほどでもない薄めの味付けではあったけど、
9月でもう24歳の女優。同期の綾瀬はるかの多彩な活躍とか考えても、もうちょっ
と大人の味付けがあっていいと思う。素うどんでもたぬきでも、あるいは山菜うど
んでも。残念ながら、「とんかつの肉うどん」みたいになってたのは、決して偶然で
はないだろう。あくまで、毎度お馴染みの天ぷらうどんの延長線上にあるのだ。
それに対して、主演の中居正広の味の薄さは、笑ってしまうほど感動的だった。
演技を見るのは初めてだけど、バラエティの薄味のノリから見ても外れてない、自
然で抑制された大人の演技だ。冴えない男を演じる、冴えたセルフコントロール。
単なる1人の役者として見た時、上手い演技と言っていいのかどうかはまだ分か
らないけど、大御所ジャニーズ・SMAPのリーダー的存在としては十分だろう。流
石は2001年に、『白い影』で演じた主人公・直江を通じて、全国の女性に「NN病」
(中居・直江病)を流行らせただけのことはある。いまでも、「KT病」(木村・拓哉病)
や「KK病」(亀梨・和也病)と同じく、厚生労働省の指定伝染病だ♪
その中居が演じる雨宮邦之。豚カツが嫌いで婚カツにも積極的じゃない「草食系」
男子ってことで、キャベツやモロキューが好物らしい。そのまんまかよ! 草食系っ
て言葉は、婚活と同じくここ2年ほどで広まったもので、簡単に言うと、「若いのに
恋愛に積極的でない」タイプの男を指す言葉だ。実際、ドラマでもこの意味が前面
に出てるだけで、「優しい」とか「協調性が高い」という意味は軽く漂ってたにすぎな
い。むしろ、結構キツイこともサラッと口にしてた。
私自身は、茂(佐藤隆太)ほどじゃないにせよ、普通に肉食系男子だと思うけど、
婚活に積極的でない邦之の気持ちはよく分かる。特に彼が拒否反応を示してた、
2分交代のベルトコンベア式お見合いパーティー。工場の流れ作業みたいなことを、
一体どれだけ続けるのかね。プロフィールカードを渡した後に返してもらうっていう
のも、ちょっと引っ掛かった。個人情報保護に配慮しつつ、時間を節約するってこ
とだろうけど、まるで工場の機械のアームが、一つ部品を取り付けた後、すぐ次の
作業にとりかかる様子みたいに見えてしまう。
あれならむしろ、主催者かコンピューターが適当にマッチングして、少数の人と長
めに話す方がいいなと思ってたら、第二弾は新江ノ島水族館の「アクア合コン」。
ここで、周五郎(橋爪功)がボソッと「水合コン」と直訳したのは笑えた♪ 「お水」っ
て方向より、むしろ水のように薄い関わりを表す象徴的な台詞だろう。
草食系でも水くらいは口にするわけだし、薄味の豚カツくらいは食べられるだろう。
邦之が渋々やる婚活も、中居の抑制された違和感ない演技も、「アクア豚カツ」
みたいなものだ。お寺が精進料理で、うっかり豚カツを出したようなもんだと言っ
てもいい。閑静な日本庭園を眺めつつモグモグとまったり食べれば、ワビ・サビ
の境地を味わえるだろう。
細かい注文を入れるなら、あのシーン、演出的には、もうちょっと水族館の人工
的で非日常的な美しさを強調すべきだったと思う。それでこそ、商店街の素朴で
人情溢れる付き合いや、レトロなセットとのコントラストが効果的になるわけだ。
鈴木雅之は実績のあるベテラン演出家だけど、少なくとも今回は70点の映像の
連続って感じ。特に不満もないものの、インパクトのある80点以上の映像は一
つも見当たらなかった。まさか薄味の「アクア演出」ってわけでもないだろう。。
☆ ☆ ☆
最後に、ドラマ自体から少し離れて、より一般的な日本の結婚事情を見てみよう。
真琴(りょう)が経営するような、結婚情報サービスによる仕切りの中には、大きく
分けて3つの形式がある。この点は、去年の夏(2008年8月18日~)の朝日新
聞・夕刊の連載「ただいま婚活中」で読んでたことだ(全5回)。
まず、主催者側でピンポイントのマッチングをするお見合い形式。これはブティック
みたいなもので、敷居が高いけど素敵な一品を手に入れやすい。続いて、少人数
の合コンは福袋みたいなもの。いいモノが一つ入ってればラッキーって感じ。そし
て最後が、大人数のパーティーで、これは「下手な鉄砲、数打ちゃ当たる」って感
じだろう。
上のお見合い形式の場合なら、礼儀とかマナーとして、男の側から断ることは少
ないだろうけど、合コンやパーティーだと、人気のない女性は男より辛いだろうね。
その淋しい姿を表してたのが、ちょうど1年前の『Around40』の天海祐希だった。
愛想の良さとかの問題もあるし、女性の場合は、40歳が近づくと商品価値(男に
よる需要)が急激に落ちるって話もあった。学歴の高さや収入の多さも、女性の
場合はマイナスに作用してしまう恐れがある。
ま、そうは言っても、女より男の方が売れ残りやすいのが現代日本の事実。静か
に草をモグモグ食べるだけじゃなく、薄味の肉に控え目にかぶりつくくらいのパワー
も必要なんだろう。少子化や年金問題の対策にもなるしね。
では、どうやって肉にしゃぶりつくのか。あるいは、どの豚カツ屋が流行りなのか。
朝日新聞も情報源として利用してた、国立社会保障・人口問題研究所の最新の
統計調査(第13回、2005年)によると、恋愛結婚と見合い結婚の比率は14対1
くらいで、圧倒的に恋愛結婚が優勢となってる。ちなみに、国の機関だし、下図の
引用に著作権の問題は生じないはずだ。実際、うるさい注意書きも見当たらない。
確かに、最近「お見合い」って言葉を聞かなくなってるけど、実は統計上、結婚情
報サービスでの出会いも「見合い」に入ってるのだ。ということは、メディアが大き
く騒ぎ立ててるほどには、結婚情報サービスはメジャーになってないという事になる。
さらに、恋愛結婚の出会いのキッカケはどこが主流かというと、1位が紹介で3割
強。2位が職場や仕事で、3割弱。3位が学校で1割強。幼馴染や隣人というの
は、僅か1%にすぎない。したがって、中居=邦之と上戸=春乃の結婚はあり得
ないのだ。断定かよ♪
結論としては、業者に頼るより、なるべく身近な出会いのチャンスを探す方がい
いってことかな。ま、それが難しい人は、オーネット(O-net,会員数5万人,撮
影協力)やツヴァイ(ZWEI=ドイツ語の2,会員数4万人)やノッツェ(Nozze=
イタリア語の結婚式,4万人)に登録するってことで。どれも1年で30万円ほど
だから、上手くいけば安い投資だろうし、上手く行かなくても海外旅行とか異文
化体験を楽しんだと思えばいいだろう。
☆ ☆ ☆
いずれにせよ、男性がもう少しくらい頑張るべきなのはもちろん、女性の方も、
妄想の中でジャニーズと結ばれる「奇跡」の夢を追い続けてるようじゃマズイの
だ・・・とか書いたら怒られそうだから止めとこ♪ 書いとるわ!
ではまた、機会があれば。亀梨和也『神の雫』をきっちりレビューし終えて以降、
テンメイはドラマお休みモードに入ってるので、悪しからずご了承を。。☆彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.S.「婚活」という言葉は、2008年2月に出版された『「婚活」時代』という新書
(ディスカヴァー・トゥエンティワン)から広まったものだ。著者は、「パラサ
イト・シングル」とか「格差社会」で知られる家族社会学者・山田昌弘と、結
婚・恋愛関連のジャーナリスト・白河桃子。初出は、『AERA』2007年11
月5日号における山田の言葉らしい。アマゾンの「著者からのコメント」で、
本人が書いていた。
いずれにせよ、僅か1年あまりの歴史しかない新しい言葉だから、「就活」
(=就職活動)ほど定着するかどうかは分からない。何となく、いずれカタ
カナ語に取って代わられそうな気もするけどね。。
P.S.2 上の『「婚活」時代』を原案にしたドラマが、『婚カツ!』と同時期の放映
となってるNHK『コンカツ・リカツ』だ。こちらは39歳のアラフォー女性
2人(桜井幸子&清水美沙)を中心に、結婚&離婚を描くものだから、
『Around40』に似た設定だね。私はまだ一度も見てないけど。
P.S.3 匠って、谷原章介だったのか! 見てる間、分からなかったのは私だけ
?♪ 邦康を演じてる上田竜也って、いかにもジャニーズっぽいなとは
思ったけど、亀梨と同じKAT-TUNとは知らなかった。個人的にはむし
ろ、嫌味なエリート社員・伊藤(北村有起哉)が気になるね。コメディーな
んだから、あのキャラを面白く使わない手はないでしょ。
個人的趣味としては、優子(釈由美子)以外に、その他大勢でいいから
誰か魅力的な女の子を入れてくれないと、ちょっと淋しいかも。まあ、制
作サイドは、中居ファンをつかんで、次のスマスマ(SMAP×SMAP)
につなげるだけでいいのかな。。
P.S.4 『婚カツ!』第1話視聴率は16.3%。SMAP主演の月9初回としては、
やや物足りない数字かな。ちなみに、同じ主演と脚本家で2004年冬
に放映された、TBS『砂の器』初回は、26.3%という高視聴率だった。
P.S.5 「自然淘汰」なんて言葉が周五郎の口から出たのは面白かった。ウチ
で先日記事にした、ダーウィンの進化論で使われる言葉で、元の英語
は「natural selection」(ナチュラル・セレクション)。ドラマでは、ごくナチュ
ラルに、周囲の女性によって男性がセレクトされ、冴えない3人だけが
取り残されてしまう事態を指してた。生物の生存競争は厳しいのだ♪
P.S.6 公式サイトの中居のインタビューも、2回ともサラリと飾り気のない自
然体で好印象☆ ただ、以前の記事にアクセスしにくい作りになってる
のは直した方がいいね。「インタビュー」の項目にもバックナンバーを
付ければいいだけの事だ。
あと、上戸のインタビューのプロフィールカードに、中「井」さんと誤字が
記入されてるのは直した方がいい・・・と書いた後でもう一度サイトにア
クセスしたら、早速直してあった。4月21日夜に修正したようだ。元の
カードは資料として画像保存してあるので、見間違いではない☆彡
最近のコメント