« リハビリ6日目、バッテリー切れバイクを押した後 | トップページ | 脳科学者・木村拓哉の新ドラマ『MR.BRAIN』に期待☆ »

人間の心のイメージ通りに動くロボット登場☆

今この記事は、PCのキーを指で叩いて打ってるけど、いずれ頭で考えるだけで

済むようになるかも知れない。更に進んで、人間の心の細部や奥まで、機械的に

読み取れるようになるかも知れない。今まで夢物語に近かったそんな世界が、ま

た一歩現実に近づいてることを示すニュースが発表された。

         

ホンダの子会社、ホンダ・リサーチ・インスティチュート・ジャパンと、国際電気通

信基礎技術研究所(ATR: Advanced Telecommunications Research institute

international)、島津製作所が共同で、頭でイメージするだけでロボットを制御で

きる新技術を開発したそうだ。私が最初に見たのは、朝日新聞2009年4月1日

朝刊の1面だけど、ネットで見ると読売も毎日も報じて.るし、3つの研究機関の

HPにもやや詳しい報告が共同で掲載されてた。

            

          ☆          ☆          ☆ 

実験では、被験者が頭にヘルメット型のセンサーをかぶり、右手、左手、足、舌

の4箇所を使った運動をイメージ。手足を上げる、舌を動かすなどの簡単な運動。

すると約300kgの装置が、脳の血流変化と電気信号(=脳波)を読み取って、

無線を飛ばす。それを受け取って、直立二足歩行で有名なロボット、本田のアシモ

(ASIMO)が動くわけだ。反応まで7~9秒かかるものの、9割以上の正答率は世

界最高水準。欧米での成功率は60%台とのこと。

                                 

素晴らしい技術なのは間違いない。ただ、情報がまだ少ないので色々と気になる

点はある。まず、科学実験で基本的なことだけど、被験者は何人いて、どう選ん

だのか。信頼性や一般性に関わる話なのに、どこにも書かれてない。どの写真

を見ても、同じ人間しか写ってないので、1人だけで成功したようにも思えてしまう。

あと、何が新しいのかもハッキリしない。世界的に似た実験が行われてるのは確

かなようだから、どの点が新技術なのか明確にして欲しいもの。まさか、90%と

いう数字が新しいということでもないだろう。

                       

人間の頭と機械を連結する「ブレイン・マシン・インターフェース(BMI: Brain

Machine Interface)」技術というのは以前からあって、1年前の朝日新聞・夕刊

でも、機能的磁気共鳴画像(fMRI: functional Magnetic Resonance Imaging)

装置を用いたものが紹介されてた。それよりは小型で移動可能な装置という点

が新しいのか。あるいは、脳波計EEG(Electroencephalography)と脳血流計

NIRS(Near-Infrared Spectroscopy=近赤外光脳計測装置)を併用する点が

新しいか。詳細な論文発表は後で行うということかな。。

           

            ☆          ☆          ☆  

いずれにせよ、イメージ通りにロボットが動くのなら、心の中の言語的思考や感情、

あるいは映像的イメージを、機械的に読み取るのは、技術的には時間の問題だ

ろう。今の所、あらかじめ被験者の脳の動きに関するデータを入力しなければな

らないらしいけど、将来的には多数の実験を統計的に処理した共通データをあら

かじめ組み込んでおけばいい。

           

ただし、個々の人間の違いから生じる誤差の問題を解消するのは難しいだろう。

特に、細かい考え、繊細な感情、無意識の欲望などを扱うのはかなり大変そうだ。

そして、その困難は、倫理的・法的問題にもつながっていく。心を機械に読み取ら

れるだけでも、不満が生じるケースは少なくないだろうし、まして誤差が大きいま

まなら、尚更不満は大きくなるだろう。取調べや裁判などへの使用も、簡単では

なさそうだ。あと、実用性を考えるのなら当然、経済的なハードルが高くそびえる

ことになる。小型化するのは比較的簡単としても、費用がどの程度で、コストパ

フォーマンス(費用対効果)的にどうなのか。。

            

と言っても、まだしばらくは「面白い研究」という程度のレベルだろうから、こうやっ

てニュースを楽しんでればいいんだろう。そのうち、無難なゲームセンター辺りか

らまず実用化が始まるのかも知れない。その次が、重度の障害者用の補助装置

か。ともかく、今後の進展に期待するとしよう♪

ではまた。。☆彡

        

         ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

P.S.障害者向けなら、差し当たりは、欧米で研究が盛んと言われる「侵襲型」

    の方が実用化しやすいだろう。ヘルメット型装置(ヘッドマウントギア)をか

    ぶるだけの「非侵襲型」とは違って、外科手術で脳内に電極を埋め込むわ

    けだ。抵抗は強いだろうけど、心臓ペースメーカーがこれほど普及したこと

    を考えても、希望者は少なくないだろう。

| |

« リハビリ6日目、バッテリー切れバイクを押した後 | トップページ | 脳科学者・木村拓哉の新ドラマ『MR.BRAIN』に期待☆ »

科学」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« リハビリ6日目、バッテリー切れバイクを押した後 | トップページ | 脳科学者・木村拓哉の新ドラマ『MR.BRAIN』に期待☆ »