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公立中高一貫校の選抜試験、かなりの難関・・

これは凄い☆ かなり驚いたな。。「公立」中学に入学するために、小学生がこれ

ど難しいことを要求されてるのか。誰でも平等に義務教育を受けられるのが公

立中学のはずなんだけど。。

               

2009年5月11日の朝日新聞・朝刊トップ記事には、「公立中高一貫校」「小学

校の勉強だけでは入れない」「難関化を検証へ」「選抜方式に焦点」と見出しが並

んでた。1999年施行の改正学校教育法で認められた公立の中高一貫校は、08

年4月時点で158校。難関化への批判を受けて、文部科学省が議論を始める

とを決定したというニュースだ。後ろの社会面にも、補足の記事が掲載されていた。

              

もともと、6年間でゆとりをもって教育し、生徒の個性を伸ばすためとされてたこ

の制度。偏差値による学校間格差を助長させないとか、「学力検査」を行わない

という決め事のもとに導入されたものだ。単なる「建前」として無視するわけには

いかない程度の制約はかかってる。

               

ところが実際は競争率が跳ね上がり、「適性検査」とか呼ばれる長文の試験問題

が出されるように。私立中学の入試並みの対策が必要となってて、合格のため

には学習塾で準備させるのが常識。それでも、学費などトータルの費用は安くつく

ので、親にとっては注目の的らしい。特に今は、世界的な経済不況の真っ最中

だから、軽い経済的負担で子供を良い学校に入れたいのは当然だろう。

          

         ☆          ☆          ☆

で、問題の「適性検査」。つまり「偽装された学力検査」の中身が知りたくて、ネット

東京都立小石川中等教育学校のHPにアクセスしてみた。武蔵と並ぶ、東京を

代表する公立中高一貫校で、09年の入学倍率は7.17倍06年の開設時から

の過去問と解答がすべてダウンロードできるようになってて、その意味ではなか

なか親切だ。

                      

検査は全部で3つあって、45分。「適正検査Ⅰ」は国語。検査Ⅱは社会と算数

と国語の総合問題といった感じ。検査Ⅲは算数と理科の融合になってる。内容に

一通り目を通して強く感じたのは、これを45分ずつでこなせる「大人」がどれだけ

るのかな、という疑問だ。もっと限定してもいい。この試験に受かる親、あるい

は大学生が、どの程度いるだろうか。。

                

検査1、つまり国語の問題文は長いし、内容は「言語芸術と認識」といった感じで

かなり高度。単に言葉による表現が問題となってるだけじゃなくて、俳句や詩など

の「詩的言語」の重要性が語られてる。読むだけでも大変なのに、僅かな時間で

500字前後の解答を書かなければならないのだ。

             

検査2は、外国と日本の交流に関する3種類の表やグラフを見て、色々な問いに

文章で答える必要がある。日頃から社会的関心を持ってるだけじゃなく、総合的

問題に慣れてないと、問題を見ただけでうんざりするだろう。この意識レベルで、

新聞や雑誌のデータ記事を注意深く読んでる大人は、かなり少ないはずだ。

          

検査3は、1問でも頭を使うような算数&理科問題が3つある。ウチには理数系

の読者の方がそこそこいらっしゃるはずだから、是非この適性検査3だけでも

見て欲しい。何ならもっと限定して、2番の算数の角度&面積問題だけでもいい

だろう。1問当たりの時間、15分で答えられる「大人」が少ないのはすぐ納得で

きるはずだ。何なら、実際に文科省が調査してみればハッキリするだろう。。    

           

          ☆          ☆          ☆

私は、最近の私立中学の問題はまったく知らないけど、先日行われた全国学力

テストの小学6年生用問題ならダウンロードしている(国立教育政策研究所HP)。

ネットだと著作権の関係で省略されてる問題文も、新聞にはちゃんと掲載されて

いた。学力テストと小石川の適性検査を比べると、あまりの「格差」に衝撃を受け

ざるを得ない。12歳でこれほどの差があると、その後の3年~10年程度の教育

を通じて、どれほどの差がついてしまうんだろう。また、公立中学の間の格差は

どれほど広がるんだろう。

                 

小石川の「適正検査」は、明らかに「エリート選抜テスト」だ。私は、それが必ずし

も悪いとは思わない。ただ、本来の意図とはかけ離れたことを行ってるのは間違

いないから、公立学校としてその点はじっくり考え直すべきだろう。たとえば、この

問題を最初に取り上げた規制改革会議の答申の一つ、志願者が3倍程度を超

えたら必ず抽選を取り入れるというのは、有力な案だと思う。とりあえず、学力に

よる選抜を緩めるだけでも、今のままよりいいのだ。

                     

という訳で、「受験戦争」なんて言葉が死語に聞こえてしまう現在でも、やっぱり

教育は大変な問題だなって話だ。子供にとっても、親にとっても、社会にとっても。

ではまた。。☆彡

    

        ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

cf.全国学力調査、伝説の確率の問題が登場♪

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