ドーナツ(円環=トーラス)の表面積&パラメーター表示
ドーナツがなかなか好評だ♪ 今年に入って理数系の記事をかなり書いてるけど、
ドーナツ型の立体(円環=トーラス)に関する記事が一番人気がある。と言っても、
もちろんドラマや芸能関連の記事と比べると僅かな数にすぎない。でも逆に、理数
系の検索アクセスの方がマニアックな香りがするし、希少価値もあるわけだ☆
という訳で、今回は追加
として、ドーナツの表面
積とパラメーター表示の
話を書くことにしよう。
どちらも実際に検索が入っ
てるけど、ウチには今ま
でその情報が無かった。
考えてみれば、体積と面
積は古代ギリシャからペアになってた実用的な話だし、少し複雑な図形ならパラ
メーター表示も常識だ。上図はウィキメディアの借用&アレンジで、大半径 R と
小半径 r (太さの半分)が少し見づらくなっている。
ではまず、円環面(あるいは円環体)の表面積の求め方。これは、左図のような
円を x 軸の回りに回転させて、
回転面の面積の公式:
S = 2π∫y √(1+y´²)dx
を使えばよい(カッコ内はルート
の中)。この公式は、本格的に
証明するのはかなりハイレベル
だけど、大雑把な話なら一応は
高校レベルだ。要するに微小
な曲線を直線で近似するわけ
で、曲線の長さの公式と似た
流れになる(ここでは省略)。
では以下、計算の概略を示そう。何も参考にしてない私の考えだけど、正しいは
ずだ。見た目は難しそうでも高校レベルの計算で、x=r sinθの置換積分を使え
ば簡単。答は有名な式で、(ドーナツの切り口の円周)2πr ×(大円の円周)2πR
= 4π² r R となる。非常に美しい結果だ☆ 体積2π² r² R を r で微分した値
が表面積になるのは、球の場合と同様。半径を dr (デルタ r )変化させた時の
体積の変化量を dV とすると、dV = 表面積×dr。よって dV/dr = 表面積。
☆ ☆ ☆
続いて、ドーナツの表面(=円
環面)のパラメーター表示の式
について。ちなみに、普通の式
については、以前の記事で既
に求めてある。
中心軸を含む平面でドーナツ
を切断すると、切り口は半径 r
の円になる。ここで左図の角度
u,vをパラメーター(媒介変数)として設定すると、ただちに
(x,y,z)=((R+r cos v)cos u,(R+r cos v)sin u,r sin v)
が分かるだろう。これが、英語版ウィキペディアに説明抜きで載ってる式だ。
ちなみに切断面の式は、x sin θ-y cos θ=0 となる。これは y = x tan θ
の両辺を cos θ 倍して移項した式だ(平面 x = 0 も表せるようにするため)。
という訳で、今日は終了。次は何にしようかな。理数系ネタだと、書くことがあり過
ぎて困っちゃうネ♪ ではまた。。☆彡
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コメント
テンメイさんこんにちは♪
またまた数式!
やはり、見づらいです…
とは言っても見てるだけでもいいです♪
理数系ネタ…は尽きませんね♪
それと関係が少しありますが容疑者xの献身をまた読んでます♪
是非テンメイさん、リーマン予想とかやってください(笑)
楽しみにしてます♪
投稿: 碧沢 香 | 2009年5月22日 (金) 16時52分
> 碧沢香ちゃん
またまた見づらいの?



こんばんは
初期よりちょっと進歩してるんだけどネ。
ほんじゃ、次はもっと調整してみようかな。
ルートの斜めの線はどうしてもカクカクしちゃうのよ。
大きさの微調整は面倒でね。。
まあ、香ちゃんが見慣れてないのもあると思うな。
慣れれば、自分の目ですぐ自動的に調整できるから。
あと、ひょっとしたらモニターの問題があるのかも。
ともかく、理数系ネタは無限にあるから、
今後もお楽しみに
で、コメントに『容疑者Xの献身』とか書いてるのを
携帯で読んだから、仕事帰りに本屋でチェック。
ネタバレにならないように、超高速で読み飛ばしたら、
すぐリーマン予想を発見。
証明じゃなくて、反証を目指すレポートの話でしょ。
そのそばに、天才エルデシュも載ってたネ。
あれ、こないだの学力テストの記事に書いた人だよ。
簡単な問題を間違えて、なかなか認めなかった可愛い人
リーマン予想は、問題を理解するだけなら
ポアンカレ予想より遥かに簡単なのよ。
たかが高校レベル(今だと大学1、2年かも)。
本屋で調べて、一瞬で表面的内容は理解できた。
でも、まだポアンカレも途中だしなぁ。
ま、折角のリクエストだし、世界一有名な未解決の
難問って話だから、いずれ記事を書くことにしよう。
証明は絶対無理だから、念のため♪
ほんじゃ、また。。
投稿: テンメイ | 2009年5月22日 (金) 23時20分
ポアンカレ予想⇒トーラスの記事と興味深く拝見させていただきました。球の体積・表面積がそうであるように、トーラスも体積Vをrで微分すると表面積Sが出てくるんですね~感動しました!!
投稿: てっちゃん | 2009年8月 4日 (火) 10時18分
> てっちゃんさん

はじめまして。コメントありがとうございます☆
元々、ポアンカレ予想から書き始めた一連の記事ですが、
トーラス人気はなかなか凄いですね♪
ここ数カ月の間に、日本版ウィキも加筆されてました。
そうですね。体積 V を r で微分すると、表面積 S になる。
早速、記事に加筆しておきました。
考えてみると、立方体でも成立しますね。
一辺の長さの半分を「立方体の半径」 r とすればOK。
正四面体でも外接球の半径 r を使えば成立しますが、
これはちょっと不思議かも。。
やはり、数学は美しくて神秘的。
そしておそらく、世界は数学の言葉で書かれてるんでしょう。
少なくとも、人間にとっては。。
投稿: テンメイ | 2009年8月 5日 (水) 03時20分