『MR.BRAIN』最終回、軽~い感想♪
いやぁ、最後まで見ちゃったな♪ ミスブレを最初から最後まで見たのは
何と第1話以来のこと。あんまし真面目に見たわけでもないし、本格的レ
ビューを書く気もないけど、ちょっとだけコメントしとこう。ウチは亀梨和也&
田辺誠一『神の雫』のレビューを20本以上、3月にきっちり書き終えて以
降は、ドラマ長期お休みモード中。悪しからずご了承を。。
さて、ミスターブレイン最終回。一言で感想を表すなら、「満足☆」だろう。
もう少し言葉を加えるなら、「予想以上に満足☆」だ。正直、今夜は溜まっ
た雑用でも片づけながらチラ見でいいかな、と思ってた。最近ほとんど見
てないから、個人的にストーリーの大きな流れがあんまし分かってないし、
根本的な問題として、脳科学ドラマの難しさもあるからだ。
ウチは第1話だけ本格的レビューを書いてるけど、その時の題名は「脳
科学コメディーの綱渡り」としておいた。脳科学というのは一番勢いがあ
る興味深い分野だけど、だからこそ非常に危ない位置にある。本来、極
度に難しい心の分野を扱うのだから、それなりの配慮とか慎重さが不可
欠なはずなのに、脳科学者の発言やメディアの報道、一般社会での受
容には、それがほとんど感じられない。そのせいで逆に、一部の反感や
批判を招くことになる。疑似科学、トンデモ科学、等々。。この辺り、同じ
科学ドラマでも、物質を扱う福山雅治『ガリレオ』とはハッキリ違うのだ。
こういった状況で、「ミスター脳」というドラマの最後をどう締めくくるのか、
ちょっと不安に思ってた。何しろ主演は、キムタク=木村拓哉。『華麗なる
一族』を除けば、ここしばらくは極端なヒーロー役が目立つし、ミスブレの
プロデューサーもそれでいいと語ってた。つまり、「脳科学者」九十九龍介
(木村)が大活躍するんだから、「脳科学」も大活躍してしまうんじゃないか。
ここまで意外なほど控え目に見えたからこそ、最後にやってしまうんじゃな
いかと心配してたのだ。
ところが実際は、非常に優等生的なストーリー。しかもウソ臭く感じられな
い程度の絶妙なさじ加減で、私は途中から大きく頷いてた。番組スタート
時に大きな話題となった、「足利事件」を巧みに題材にしてたのだ。ウチ
ではかなり早く、第3話の軽いコメントの時点で既に言及しておいた、非
常に重い冤罪事件だ。
元の逮捕・有罪判決を始めとする、警察・検察・裁判所の立場を決定し
たのは当時のDNA鑑定で、これも科警研が絡んでた。ところが最新の
鑑定で、実はDNAが一致してなかったことが判明。逮捕から17年でよ
うやくDNA再鑑定が決定。18年目の今年、再審開始が決定して、警察
と検察は異例の謝罪を行った。でも、裁判所は謝罪してないのだ。
担当した裁判官が謝罪するというのは、法秩序や慣例を考えると、かなり
難しいのは理解できる。ただ、長年悲惨な扱いを受けて来た菅家さんとし
ては、怒りが収まらないだろう。それを代弁してたのが、今回のミスブレの
実行犯・北里(上川隆也)だった。最後に狙われたのが珍しく裁判長(セリ
フ、映像の肩書きでは裁判「官」)なのは、そうゆう意味だろう。権力の側
が卑怯な手口で被疑者=復讐実行犯を黙らせたのも、菅家さんに対する
自白の強要を変奏したわけだ。
けれども、忘れてはいけないのは、冤罪事件をもたらしたのも科学だけど、
解決したのも科学だということだ。古いDNA鑑定の間違いは、新しいDN
A鑑定によって判明した。その意味で、人間に対する科学的研究はやは
り意義深いし、進歩も大切なこと。したがってドラマの構成は必然的にこ
うなる訳だ。「科学」の大失敗、反省、前進。その間、主役の「脳科学者」
は人間的に大活躍、一方、「脳科学」は控え目なアピールに留める。
こう見ると、この脳科学ドラマがビミョーな「綱渡り」を上手く乗り切ったこと
が分かる。結果的に、たまたま足利事件と重なったのはラッキーだろう。
脚本家の蒔田光司&森下佳子にとっては意外な展開だったろうけど、出
来栄えには満足してるんじゃないだろうか。個人的には、コメディーの側面
がやや物足りないものの、トータルの出来と意気込みで良しとしとこう♪
☆ ☆ ☆
足利事件、科学、脳科学といった点については、このくらいにして、他の面
にも簡単にコメントしよう。まず、ほとんど主役級と言っていいくらいの存在
感だった武井(市川海老蔵)。最後まで素性や狙いが曖昧なまま、不気味
な迫力を誇示してくれた。続きは映画館でってことかね。その際には当然、
クリームあんみつを食べて欲しいもんだ♪ 広末涼子の再登場も、映画ま
でお預けか。初回のハイヒールのエピソードも、ちゃんと回収しなきゃネ。
林田(水嶋ヒロ)も、最初に爆弾でやられた後、最後の九十九のパクリま
で(「犯人は、あなたですね」)、若手の脇役としては大活躍だろう。このド
ラマで初めて見た水嶋、とても印象が良かった。これなら安心して、絢香
を任せられる。何様だよ! 丹原(香川照之)も全く安心して見れたね。
さすが実力派のベテランだ。
そして、最後は和音(綾瀬はるか)。色んな意味で上手かったね☆ 爆弾
処理の前に九十九に抱きつかれて、自分(=和音)の死を案じてるのか
と思いきや、実は九十九自身が死ぬ覚悟で敵地に乗り込む。それを助け
るのは、九十九が抱きついた瞬間にこっそり奪い取ってた和音の携帯。
そして、それに和音がちゃんと気付いたこと。九十九もそれを信じてた。
その後、お別れの言葉を交わす際の綾瀬の涙がまた絶妙だし、キムタ
クの口パクも憎い演出。「九十九は最後、和音に何と言ってたんですか」
とか、あちこちの質問サイトに書きこまれそうだな。おそらく、「アメリカに
おいで♪」だろう。言葉の長さを考えると、「アメリカで一緒に暮らそう♡」
とか、「アメリカで待ってるから☆」かも。読唇術は知らないけど、最初は
「アメリカ」と言ってるように見える。とにかく、和音がしっかり脳科学の勉
強をして「進化」、その後アメリカへ九十九を追いかけて行く。
この辺り、私は『やまとなでしこ』を思い出してた。優秀な男(堤真一)が最
後にアメリカへ旅立って、魅力的な女(松嶋菜々子)が追いかけて、めで
たく結ばれるハッピーエンド。いまだに夢の頂点がアメリカって所が哀し
いけど、それに代わる場所が見つからないのだから仕方ないだろう。偉
大なるマンネリ、日本の恋愛物語の形式美だ。(ちょっとホメ過ぎか・・)
形式と言えば、バナナも当然のお約束。口パクで婚約した後は、和音が
バナナを繰り返し頬張るわけだ。これまで以上に美味しそうに♪ 飛行機
の中では、アグネス・ラム写真集のアイコラ(合成画像)で水着のサービス
までトッピング。今まで写真集に無反応だった九十九も思わず「アリかも」。
お遊びとしては、むしろ首から下だけ綾瀬に変えた方が面白かったかな。
それじゃ分からない? いや、だからそこを工夫するわけよ。胸の下辺り
に、「バレー」と書いとくとか♪
時間が無いからこのくらいにしとくけど、映像の使い方も非常に凝って
たね。科警研の科学的映像はもちろん、武井の映し方その他、ちょっと
やり過ぎくらいに頑張ってた。360度の回転映像やカットのつなぎ方、効
果音まで含めて、同じTBSの『輪舞曲』(竹野内豊、チェ・ジウ)と似た、
インパクトある撮影&編集だったと思う。
やり過ぎについては、努力点で相殺ってことでオマケしとこう。苦境に立
つTBS、今はとにかく頑張らなきゃマズイわけよ♪ 最後にハイジャック
犯として香取慎吾を強引に出したのも、遊び心以上に、視聴率対策と新
ドラマ『こち亀』PRだろう。必死なのだ。
気になる視聴率は、最終回でギリギリ、平均視聴率20%まで持って行け
たかな。計算上は一応20.2%でOKだから、四捨五入とか端数の問題
があるとしても、20.5%あれば大丈夫だろう。天下のキムタクが20%
切ると大騒ぎだろうけど、最終話の視聴率は普通上がるから、その程度
は行ってるでしょ。実際、私も久々に見たしネ。春ドラマ2位、『BOSS』の
最終回が20.7%だから、断トツ1位としては負けてらんないはずだ。。
☆ ☆ ☆
という訳で、丹原への飴玉の「宿題」も含めて、今後は映画をお楽しみって
こと。DVD-BOXにも何かサービスがあるかもね。そして来週からは、キ
ムタクと同じくジャニーズの超人気者、山P=山下智久の『ブザー・ビート
~崖っぷちのヒーロー~』がスタートだ。この「崖っぷち」って副題は余計だ
と思うけど、何か意味があって付けたのかね。ま、いいや。私が気になっ
てるのはバスケのチアガールとコスチュームだから♪
ともかくスタッフ&キャストの皆さん、そして全国の熱狂的ファンの皆さん、
二ヶ月間どうもお疲れ様! それでは、またどこかで。。☆彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
P.S.アップした途端に、「口ぱく」「言葉」「ささやき」って感じの検索が
次々と入って来た。スタッフ、とりあえずニンマリって所か。でも問
題は、週明けの朝。視聴率の速報でニンマリできるかどうか。。
(追記: 『MR.BRAIN』最終回、視聴率20.7%、
平均視聴率20.06%。おめでとう☆ )
P.S.2 『ミスブレ』が足利事件を最後に扱ったのは、『ガリレオ』が核兵
器を終盤で扱ったのと同様だ。要するに、科学ドラマには科学
批判が不可欠だってこと。私はその点、『ガリレオ』でも第4話の
時点で既に触れておいた。光の表現には、影が必要なのだ。
扱い方は『ガリレオ』の方が上手く感じられるけど、足利より核の
方がやりやすいだろう。その点を差し引けば、案外いい勝負の
出来だったかも知れない。。☆彡
・・・・・・・・・・・・・・・・・
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コメント
おひさ
熱狂的なファンの私、お疲れさまでした~(爆)
最終回のエキストラに参加してきたよん。
朝から夕方までずっとダッシュ!40本ぐらい
ダッシュしたかな?逃げる人で(笑)
1日死にそうに収録しても、放送は何十秒。
スタッフも出演者も大変だよ。
でも、拓哉と共演?出来てうれちい。
さて、そんな自慢話は置いといて(爆)
ドラマは、上川さんと九十九の笑顔の法則のやり取りが
良かったです。
で。。。海老蔵さんは、結局「謎」のまま。
これは続くだよね。
出演者が多くて、最初の頃は入り込めなかったけど
終わり真近で、やっと楽しめるようになったら終わり。
8話がそんなに短いと思わないけど、ハマるまでに
時間がかかってしまったなぁ。
数字はどうなんだろうね。20いけばいいけど。。。
投稿: アンナ | 2009年7月12日 (日) 00時15分
どうも脳科学を利用してガリレオみたいに事件をサクサク解決していくのかと思っていたのでイマイチ乗り切れずに終わってしまいました。
まぁ、まだまだ未知の分野なんですね。
お疲れさまでした。
投稿: お気楽 | 2009年7月12日 (日) 01時01分
> アンナちゃん
おひさ
オッと、いきなり自分にお疲れさまかよ♪
エキストラでダッシュ40本
道理でみんな、疲れた走りだわ ^^ コラコラ!
ま、愛する拓哉と共演できて、ちゃんと映像にも
2箇所映ってたんだから、超幸せ者でしょ。
そりゃ、自慢になるわ。
って言うか、録画が残ってる内に、どこに
いるのか詳しく教えておくんなまし
で、ドラマは笑顔の法則のやり取りね。
うん。それは分かるんだけど、そうゆうのは
アンナちゃんとかに任せてるわけよ ^^
ブログ界の分業体制ってこと。そりゃ大げさか♪
笑顔の話は、脳科学のカワイイ使い方になってるし、
最後の綾瀬の泣き笑いにもつながってる。
オレも良かったと思うよ
海老蔵は思いっきし引っ張るね。
実際、評判もいいし、正解でしょ。
今後もスケジュール調整が大変だろうけど。
出演者の多さは『華麗』を思い出す所。
TBSがいかに木村君に賭けてるか、よく分かる。
みんなの名前出してコメントすると長いから、
この記事だとバッサリ省略しちゃったわ (^^ゞ
うん。入り込めないってのは、言えてるネ。
出演者の多さだけの問題じゃないと思うけど、
何のせいなのかよく分からない。
人間ドラマとしてのストーリーの軸が
希薄な気はするな。
かと言って、科学ドラマとしてもビミョー。
科学の使い方が表面的に見えちゃうんだよね。
いま脳科学を中心に据えると、こうなっちゃうかも。。
さて、数字は月曜の朝のお楽しみ。
最終回はもちろん、トータルで20%行くかな。
結果次第で、来週のメディアの扱いが
大幅に違っちゃうだろうね。
ともかく2ヶ月間の熱狂、お疲れさま~
> お気楽さん
そうですね。ガリレオの物理学みたいに、
脳科学でサクサク解決できれば分かりやすい
みんなが知らなくて、ドラマを見れば納得できる
ような、鮮やかな脳科学の活躍。
でも、まだそこまで発展してない分野だから、
このくらいが絶妙のポジションだと思いますよ。
一見、大活躍したかのように見せかけて、
実は大して活躍してないビミョーなバランス感覚。
脚本家はホント、お疲れさま
お気楽さんも、PCトラブル継続の中、
どうもお疲れさまでした♪
投稿: テンメイ | 2009年7月12日 (日) 02時59分