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ミントガムACUOでお馴染み、お口の恋人LOTTE、社名の意味

最終判定まであと1日ちょっとか。う~ん、もう一頑張り。。昨日は遂に、

お口の恋人・LOTTEの社名の由来となった、永遠の恋人・シャルロッテ・

Sへの恋の物語を手に入れた。ゲーテ『若きウェルテルの悩み』(岩波書

店,竹山道雄訳)。原書(1774)は、『DIE LEIDEN DES JUNGEN 

WERTHERS』で、ドイツ語の「Leiden」とは、単語的にも作品内容的に

も、悩みというより苦しみ、あるいは苦悩だろう。つまり、辛いのだ。ただ

それを「悩み」と訳したのは上手いと思う。

                                   

完全にブログ力コンテスト用の記事のために買ったんだけど、結果的に

これは良かったと思う。やっぱり、ネットの断片的情報から受ける印象と

は大違いの古典的名作で、個人的にもかつての思い出が蘇る読書体験

となった。そう言えば、私にも毎日ずっと好きな女の子のことだけを考え

てた時期があったんだった。甘く切ない青春の季節。。♪

      

小説の全体は、末尾の注を別として、実質的に三部構成になっている。

第一部(p.9~83; シャルロッテとの出会いと別れに関するウェルテル

の手紙)、第二部(p.85~132; 再会に関する手紙)、編者より読者

(p.133~180; 永遠の別れに関する編者の説明)。編者といって

も形式的なもので、本当はすべて文豪ゲーテによる記述だ。基本的に

は、ウェルテルが一人称で語る私小説だけど、最後は彼が永遠の別れ

を告げてしまうから、その後を編者が補う形で書かれている。

                          

自称マニアック・ブロガーとしては、ここから本格的な文学記事の執筆

に向かいたい所だけど、この記事はお菓子会社・LOTTEの要請に応

じて書いてるもの。そこで、普通の考えると悲劇のヒロインに見えてしま

うシャルロッテ(愛称ロッテ)が、どうしてお口の恋人・LOTTEという大

企業の社名につながったのかを考えてみる。

       

         ☆          ☆          ☆

読み始めてまずオヤッと思ったのは、ロッテと出会う少し前に、かつて死

別した女性への思いが書かれてること。「お前はもはやこの地上で求め

てかなわぬものを求めている」(p.15)。これは非常に暗示的な一文だ

ろう。実際、この直後に出会うロッテも、結局は求めてかなわぬものとなっ

たんだから。さらには、ロッテの魅力が、この世のものとは思えぬほどの

レベルにまで到達してたと読み込むことも可能だろう。

                                   

その少し後、舞踏会に向かう途中で、ロッテと出会うんだけど(p.28)、

この出会いも意外だった。最初は容姿の美しさをひたすら称賛する一目

惚れなのかと思ったら、子供たちにパンを切って配る立ち振る舞い(挙

止)に見とれてるのだ。彼女から受け取ったパンじゃないと子供が満足し

ないとのこと。つまり、ロッテとは最初から食べ物を恵んでくれる女神。もっ

と言うなら、子供たちの「お口の恋人」だったのだ。ちなみに企業のロッ

テにも、「パンdeガーナ」という一種のパン(チョコレート・ラスク)がある。

          

続いて、言葉を発する部分としての「お口」に注目してみよう。ロッテが

パンを配ってる姿を見た時、ウェルテルはすぐ、その「声音」に心を奪

われている。その後、一緒に馬車に乗った際、ロッテは小説について

の自分の考えをハッキリ語り、芸術家ウェルテルを感心させる。物静

かな大人しいお嬢さんではなく、自己主張する聡明な女性なのだ。

              

さらに舞踏会では、2人はそれぞれ別の相手と踊ってたのに、ロッテが仕

切る形で上手く話をつけて、2人仲良く踊ることになる。つまり彼女は、い

い意味で口が達者、雄弁なのだ。この特徴もまた、ヒネった形で「お口の

恋人」という呼び名につながるものだろう。

                         

そして最後。ロッテには最初から婚約者アルベルトがいたから、ウェル

ルに許されたのは儀礼的な口づけのみだった。第二部には、結婚後の

ロッテの手に接吻した後、間に小鳥(カナリア)のくちばしを挟んで間接

キスする微笑ましい様子が描写されている(p.148)。

            

一方、作者ゲーテが小説のモデルとした実在の女性・ロッテ・ブフにも婚

約者がいたから、ゲーテが行った愛の行為も口づけまでだったようだ。

つまり、小説の主人公ウェルテルにとっても、作者ゲーテにとっても、「ロッ

テ」という名の女性そが「お口の恋人」だったことになるのだ。そう言え

ば、ロッテへの口づけは、子供たちも喜んで行ってたことだった。。

                         

        ☆          ☆          ☆

子供たちのお口を満たす優しい女性として、また雄弁なお口を持つ聡

明な令嬢として、さらには、ウェルテル・ゲーテ・子供たちにとっての口

づけの相手として、ロッテはこの世のものとは思えぬほどの輝きを放

ち続けていた。

            

いまや、ミントガムを中心に成長してきたお菓子会社が「お口の恋人・

LOTTE」を名乗るのは、少しも不思議ではないだろう。そもそも、『若き

ウェルテルの悩み』という小説は、悲しい不幸や苦しみを描くものと言う

よりも、一気に激しく燃え上がった恋愛という、至上の幸福を描くものな

のだ。現在、LOTTEの主力商品のMINTガム・ACUOにも、日本中の

人々に至上の幸福、最高の爽やかさのいい息をもたらすものとして、ロ

ングセラー(=長持ちする商品)になって欲しいと思う。

            

と言う訳で、最後は無理やり「いい息、長持ち」というキャッチフレーズ

を入れてみた♪ 案外、裏目に出て、落とし穴に引っ掛かってしまった

かも知れないね (^^ゞ

           

あぁ~、NO.1=ナンバーワンはともかく、NO.5には入りたいなぁ。。

Only1=オンリーワンではイヤなのだ・・って感じの駄々をこねて、芸術

の世界から一気に世俗に降りた所で、今夜は終わりとしよう。ちなみに

ウェルテルの最後の言葉は「ロッテ、ロッテ! さようなら!さようなら!

だった(p.178)。

それでは、さようなら。。☆彡

                             

     

      ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

P.S. 9月30日深夜に「参加者一覧」を見ると、全537ブログに留まっ

     てる。意外に最後は伸びなかったね。ま、それでも競争は激しい

     けど、果たして明日の昼のGoogleブログ検索の順位は如何に。。

                    

cf.ACUOも好評☆お口の恋人・LOTTEと永遠の恋人・シャルロッテ

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