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熱中症予防のための「暑さ指数」、WBGT(湿球黒球温度)

RUN 12km,55分56秒,心拍155

総務省消防庁によると、5月31日~8月1日の間に熱中症で救急搬送

れた人の数は、全国で2万人以上で、0.5%の約100人が死亡した。特

愛知県は、東京都さえ大幅に上回る数で、記録的な猛暑の厳しさを示

してる。私も含めて、屋外で長時間の持久系スポーツをやる人間は、特

に注意する必要があるだろう。

        

土曜(7月31日)の朝日新聞・朝刊別刷beには、熱中症予防のための指

として、WBGT(湿球黒球温度)というものが載ってた。環境省が「暑さ

指数」とも呼んでるこの尺度、簡単な説明はあちこちにあるんだけど、どこ

も型通りの文章で、なかなか私にはしっくり来ない。色々調べて、ようやく

ある程度しっくり理解できた。

                 

まず、朝日でも名前が挙がってた、国立環境研究所のHPから引用する。

これと同様の説明はあちこちで見かけた。

         

   WBGT(湿球黒球温度)とは、人体の熱収支に影響の大きい湿度、

   輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、乾球温度、湿球温度、

   黒球温度の値を使って計算します。

       

   ※WBGT(湿球黒球温度)の算出方法

   屋外:WBGT = 0.7×湿球温度0.2×黒球温度0.1×乾球温度

   屋内:WBGT = 0.7×湿球温度0.3×黒球温度

        

なるほど、いわゆる気温だけでなく、湿度と輻射熱(=放射熱: 空気では

なく周囲の物体からの熱)を加味した実用的な温度のように感じるけど、

乾球、湿球、黒球との関係がよく分からないし、「WBGT」の元の英語は

Wet Bulb Globe Temperature」だから、普通に読むと「湿球温度」

とだけ言ってる気がする。

         

そこで例によって、日本版だけじゃなく、英語版のウィキペディアも調べる

と、その辺りの事情が分かって来た。簡単に私の表現でまとめてみよう。

    

    湿球温度湿度の影響を考えた温度

    黒球温度輻射熱の影響を考えた温度

    乾球温度普通の気温

     

屋外・屋内の計算式を見ると、湿球黒球温度の7割は湿球温度だから、

湿度の影響が最も重視されてることが分かる。一方、普通の気温は、

屋外でさえ僅か1割の扱いで、屋内だと無視。代わりに、屋内だと黒球

温度の割合が増してるから、周囲の物体からの熱を屋外より重視して

るのが分かる。なるほど、納得できる計算式だ。ほとんどの場合、WB

GTは普通の気温より2~5度くらい低くなる。湿球温度が低いからだ

(湿度、つまり水蒸気の冷却効果を考慮してるから)。

         

さらに「WBGT」という言葉の意味だけど、WB(Wet Bulb)が湿球温度、

Gが黒球温度(Globe thermometer temperature)を指してるようだ。

英語に「Black」(黒)は入ってない。Tは単に温度であって、気温も含めた

3つ全体に関わるものだろう。したがって、湿球黒球温度という訳語は、

WBの直訳なのだ。

                  

では、実際にはどう使うのか。朝日は計測器具を勧めてたけど、そんな

物は見たこともないし、ネットで調べると、熱中症指標計(暑熱環境計測)

32000円とか出て来た。高い。。温度計&湿度計なら持ってるけど、1ケ

タ値段が違ってる。

     

無料のデータを探すと、環境省熱中症予防情報サイトで発見。キレイで希

少価値があって、見つけにくいから、ウチとしては珍しくリンクを付けとこう。

気温や天気みたいに、当日と翌日の予報もあるんだけど、ここでは速報

(直前の時間帯の数値)を見てみよう。東京・大手町を例に取る。東京管

区気象台の屋外の値のようだ

     

100803a2

        

興味深いのは、昼間の値。昼間に、気温(肌色の棒グラフ)がどんどん上

がっても、WBGT=湿球黒球温度(黄色&ピンクの棒グラフ)はあまり上

がってない(逆に言うと、朝の内にほぼ上昇を終えてる)。これは、昼間は

湿度(折れ線グラフ)が下がるからだ。

              

100803b

 ちなみに、黄色は

 警戒、ピンクは厳

 重警戒。これは、

 日本体育協会によ

 る基準(1994,

 熱中症予防のため

 の運動指針)で、

 左のようになって

 る。気温は単なる

 参考値なので、念

 のため。

        

 過去のデータを調

べると、「運動は原則禁止」とされるWBGT31度以上になったのは、7月

23日と24日の13時。まあ、気温の高さだけでも分かるけど、ある程度

以上、熱中症の指標として機能してるのは確かなようだ。面白いので、今

後もチェックして参考にしようと思ってる。ただ実用的にはやっぱり、湿度

の影響を十分考慮すべきだということだろう。蒸し暑さが超苦手な私は、

昔から日常的に実践してることだ。他に、紫外線も重要。そこまで考

慮した指標はないのかね。。

        

       

P.S.翌日(4日)の日テレ『NEWS ZERO』で、携帯型熱中症計が売れ

    てるとの報道があった。調べてみると、日本気象協会が関係してる

    ものは、気温と湿度からWBGT近似値を出すようで、1台1050円

    の安さ(税込)。製造はデザインファクトリーで、テレビでは在庫切れ

    とか言ってた。そりゃ、屋外の現場とかで売れるだろうね。。

           

       ☆          ☆          ☆

おっと、また「熱」が入り過ぎたね♪ マニアの「熱中症」対策も大切だ。今

日はまたしても早起きに失敗したので、久し振りのナイトランに挑戦。気温

28度、湿度85%は暑かったけど、風が秒速2mくらいあったから助かっ

た。ちなみにその時間帯の大手町のWBGTは26度弱、黄色い「警戒」ゾー

ンだったようだ。

     

昨日の朝の自転車から1日半だと、まだ太腿が回復してなくて、往路はヨ

タヨタした走り。ただ、公園はかなりの盛況で、1km4分30秒を切るラン

ナーがたまたま目の前にいたから追走。2周で向こうがスローダウンした

けど、最後は4分15秒くらいまで行った。やっぱ、パトルは面白いね♪

その後の3周目は私もスローダウン。復路もヨロヨロで、トータルでは1km

4分40秒ペースで終了。ボチボチかな。心拍計の数値はほとんど補正な

し。やっぱり、キツイ走りだと計測が正しくなるのかな。明日はまたビミョー

で、何とも言えない状況だけど、ちょっと走りたい感じはある。

          

        ☆         ☆          ☆

それにしても、松本潤&竹内結子『夏虹』第3話。もう感想を書く余裕もな

いけど、よく視聴率が10.9%から12.9%まで持ち直したもんだね。私

11%台かなと思ってた。初回の冒頭だけインパクトがあって、その後

すごく緩いストーリーになってる。キレイな海の映し方も物足りないし、

演技もどうなのかね。下手な役者を上手く演じてる、と好意的に解釈でき

なくもないけど、松潤ファン以外に今後どれだけの人が残るのか。。

       

個人的には、馬よりもまた華やかなスポーツシーンでも見たいな。パラセー

リングなんていいんじゃないの♪ ウインドサーフィンもOK。ではまた ☆彡

              

 往路(2.45km)   12分33秒  平均心拍130 141        

 1周(2.14km)    9分31秒        156 158 

 2周             9分06秒       164 165    

 3周           10分24秒       159 158

 4周(0.68km)     3分16秒       158 157                

 復路           11分05秒        159 170  

計 12km 55分56秒 心拍155(84%) 最大170(ゴール時)

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コメント

(わたしが知っている範囲で)建築学系では、気温に輻射(放射)の影響を加味して測る道具を、古くから「グローブ温度計」と呼んできました。その実物は、黒い中空の球体(グローブ)に温度計なり熱電対なりを差し込んだものです。

なぜ黒色かというと、理論的には、「物体が『黒体』ならば、そのの輻射は表面の絶対温度の4乗に比例する」からです(シュテファン=ボルツマンの法則だったかな…)。

理想的な黒体は製造不能ですが、製造可能な黒いグローブを、輻射の測定には用います。


英語の「globe」に「黒い」という意味はありませんよね。おっしゃるとおりです。

ただ、輻射を測定するために長年使われてきた「globe」は、上記の理由で黒いし、黒いことに実は意味があるのです。


環境省系では(あるいは近年では)、カタカナ語を避けて「黒球」と呼ぶのかもしれません。原語は「globe」なので単に「球」で構わないのですが……。

漢字一字は安定感に欠けるため二字の「黒球」にしたのかもしれませんね。

投稿: しまねこ | 2010年8月18日 (水) 00時10分

> しまねこさん
    
はじめまして。コメントありがとうございます ♪
可愛いお名前ですが、建築学に詳しい方なんですね。
  
元々、「グローブ温度計」というのがあったんですか。
全く聞いたことありませんでした。
シュテファンという名前も初耳ですが、助手の
ボルツマンは理科の教科書に載ってる有名人ですね。
2人の名前を取って、シュテファン=ボルツマンの法則。
しっかり覚えときましょう。
     
で、黒体なら、その法則と温度を使って輻射を導き出せると。
論理的な話で、納得です。
    
「湿球グローブ温度」と呼ぶよりは、「湿球黒球温度」の方が、
お役所的だし、多少のイメージも湧いて来ます。
確かに、「湿球・球温度」じゃ、即却下でしょう ♪
    
記録的な猛暑だけに、「WBGT」っていう
意味不明な略語にも関心が集まってるようです。
この記事、予想よりかなりアクセスが多いんですよ。
  
貴重な専門的情報、どうもでした。。

投稿: テンメイ | 2010年8月18日 (水) 20時24分

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