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『シェルブールの雨傘』では防げないもの~朝日新聞「うたの旅人」

まだ20時なのに、もう眠くて仕方ない。寝不足に加えて、やっぱ低気圧

原因なんだろうな。眠い程度なら何ともないけど、新潟と福島の豪雨ってい

うのが心配な話だ。特に、災難続きの福島。。

        

とか書いて、一応正確な情報をチェックすると、福島県より新潟県の方が

遥かに被害が大きいようだ。37万人に避難勧告っていう、朝日新聞・夕刊

1面トップの見出しを見た時、一瞬また原発で大事故が発生したのかと思っ

たほどだけど、これはほとんど新潟県内の指示・勧告らしい。

    

私も、瀬戸内海沿岸の実家にいた頃は、台風の高潮で悲惨な目にあってた

けど、首都圏に住み始めて以降、水害はまったくゼロ。まあ、首都圏と言っ

ても広いから、場所によってはゲリラ豪雨的なものはあるだろうけど、やっぱ

り関東平野(の南側辺り)は、住むのに適してるんだろうね。だから、人も企

業も集まるし、地価も家賃も高い。残るは、首都直下型地震の恐怖だけって

感じだ。最近また、備えがおろそかになってるから、気を引き締め直さないと

マズイかも。。

   

ちなみに今現在の新潟・福島は、一部の地域を除いて、ほぼ雨が止んで

る状況みたいだ。って言うか、そもそも普通に天気予報を見ると、なぜか曇

りマークがついてるだけなんだけど。過去4日ほどの間に降り積もった雨量

が問題なのかな。川の氾濫とか、土砂崩れとか。。

     

      

         ☆          ☆          ☆

それにしても、災害・政治・経済と、日本は記録的な困難が続いてるのに、

過去最高の円高(対ドル)に接近してるって所がまた凄いね。こんな国の

通貨が世界で買われてるって、あらためて考えると、よっぽど欧米の状態

が悪いってことだよな。対ユーロだと、ここ4年で見ると円高だけど、15年

で見るとそうでもない。ま、ここ15年でユーロの中身は相当変わってるん

だろうけど。。

      

為替(FX: Foreign Exchange)の話は、ウチの読者の趣味じゃ無さそうだ

し、また別の機会ってことにしよう。それより、庶民的にも個人的にも、

題は雨なのだ。今朝は天気が悪そうだったし、眠過ぎるから、ランニング

も自転車もお休み。昼間も、雨で涼しいってことになってたから(実際は晴

れ間もあり)、諸々の雑用をこなす土曜ってことに決定。超久々に、新聞

もじっくり読んだ。

    

よく、新聞はつまらないとか、ネットで十分だとか言われてるけど、それは

読み方の問題が大きいわけで、例えば朝日の土曜・別刷beとか、マジメ

に読むと面白いし、読み応えもある。

            

          ☆         ☆         ☆

今日は何と言っても、シリーズ「うたの旅人」が気合入ってた。台詞が歌

なってる古典的な人気映画『シェルブールの雨傘』(Les Parapluies de

Cherbourg の直訳,1964年)の主題歌にちなんで、フランス北西部のシェ

ルブールまで、わざわざ記者達が旅をしてるのだ。文は坂本哲史、写真は

小玉重隆。こんな手間暇かかった記事、大新聞社で無ければまず書けな

い・・・って言うか、ネットだと、電子版の「朝日新聞デジタル」でさえ、なぜか

読むことができない。朝日さん、早く何とかしてね!

               

私がその記事に魅かれたのは、別に最近の雨降りとは直接関係が無くて、

映画の奇妙な印象のせいだろう。たまたまか意図的か、よく覚えてないけ

ど、昔一度だけテレビで見て、ポカーンとした覚えがあるのだ♪ 

     

哀愁ただよう主題歌と共に有名なフランス映画で、美人女優カトリーヌ・ド

ヌーブが主演してるって程度のことしか知らなかったから、全篇が音楽だ

らけのミュージカルだって所でまず唖然。まあ、正直言うと、音楽がやたら

目立つって事は覚えてたけど、台詞すべてが歌だって事までは覚えてなかっ

た。それなら、ナイーブ(=素朴&未熟)な少年が驚くのは当然だろう。

       

あと、当時ドヌーブの美しさも分からなかった気がする。今、デジタル・リ

マスター版のブルーレイのジャケットを見ると、凄まじく美しい☆ 写りとか

修正の問題もあるんだろうけど、これなら、基本的に欧米人女性には萌え

ない私でさえ、イケそうだ・・・って、何が?♪ まあ、これに匹敵するのは、

『ローマの休日』(1953)のオードリー・ヘプバーンくらいかね。古っ!

       

          ☆          ☆         ☆

記事の後半(2面)は、ジャック・ドゥミ監督作曲のミシェル・ルグランの話

が中心で、それはそれで興味深いんだけど、1面内容・構成と見出し

技ありだった。まず冒頭、シェルブール軍港の街だって話からスタートし

て、近くには使用済み核燃料再処理工場があるって話に移る。福島第

一原発にも、その港から燃料輸送が行われたそうだ。

    

さらに、同じ半島の原発に寄り道すると、反原発団体の人達が、雨降りで

もないのに傘を持って出迎えてくれたとのこと。「今日は風が強いから、

で放射能をよけないとね」。ウ~ン・・・フランスが原発大国であることと、

スプリ(機知)を愛する国だってことを考え合わせると、何とも出来過ぎた話

で苦笑してしまう (^^ゞ 

    

記者は、「傘で放射『能』が防げるはずがない」と書いてるけど(二重カッコ

は私)、放射「線」をほとんど防げなくても、放射性物質なら一応軽減できる。

もちろん日本では、「放射能」という言葉はしばしば放射性物質を表すのだ。

          

ただ、放射能を表すフランス語「radioactivite」の微妙なニュアンスまでは分

からないし、やっぱり自虐的ジョークだろう。記者が近くのシェルブールから

やって来たことを受けての、軽いお遊び的挨拶。同時に、自分たちの反原

発活動の無力さ笑い飛ばすエスプリ=機知。

         

実際、彼らの説明によると、フランスでは「フクシマ後も危機感が薄い」そう

だ。そう言えば、一昨日の朝日「論壇時評」で引用されてたフランスのジャッ

ク・アタリも、自分たちの国は透明性のある民主主義国家だから大丈夫と言

いたげだった(原文も自分でチェックした)。

      

まあ、放射線の話はともかく、多少フランス語も分かる今なら、『シェルブール

の雨傘』を見直すと、ドヌーブと主題歌の美しさを楽しめるかも知れないし、ア

ルジェリア戦争に向かった恋人の状況も少しは理解できるかも知れないね。

     

ちなみに、朝日の記事の大見出しは、「雨傘では防げないもの」。要するに、

砲弾と放射線ってことだろう。天から降る自然な雨なら防げても、人災は防

げないのだ。記者は意識して無さそうだけど、私なら更に付け加えただろう。

別れの涙も、雨傘では防げない」。。

    

   

ってことで、1000字程度のつぶやき記事のつもりが、また結構長くなってし

まった。相変わらずハッキリしない天気で、明日も走れないかも知れないね。

ま、それなら他の事をするまでのこと。それでは、今日はこの辺で。。☆彡

              

                                  (計 2715文字)

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