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夭逝したカリスマ、尾崎豊の2つの「遺書」を読んで・・

傘JOG 3km,19分程度

 

夭逝(ようせい)、または夭折(ようせつ)とは、年若くして死ぬことだが、ウィ

キペディアの「夭逝した著名人一覧」という項目では、30歳以下で亡くなっ

た人物の名前が挙げられている。ザッと見渡すと、思ったより人数が少ない

なという印象を受けたが、「歌手・ミュージシャン」の欄の3番目が尾崎豊と

なってた。

 

この尾崎の「遺書」が昨日(11月10日)発売の雑誌で公開されたわけだ

が、尾崎のすぐ上、2番目に名前が挙げられた夭逝歌手は、岡田有希子。

その右には、次のような説明がある。「1986年に飛び降り自殺。18歳。

その後、日本各地で後追い自殺が相次ぎ、国会でも社会問題として取り上

げられた」。

 

尾崎の遺書がこれまで封印された理由の一つには、後追い自殺を防ぐと

いう妻・繁美さんの配慮があったらしいが、岡田の6年後という時期を考

えると、もっともな事だろう。おかげで、いくつかの命が救われたはず。と

にかく、文藝春秋2011年12月号の記事を信頼する限り、尾崎豊は「ほ

ぼ自殺」のようだ。

 

ちなみに、遺書封印の主な理由は、長男の裕哉(ひろや、既に音楽活動

中)が物心つくまで待って欲しいと、妻・繁美がジャーナリスト・加賀孝英に

頼んだこと。他に、加賀の側の判断で、騒動が大きくなってたのを避けた

という理由もあったそうだ。死の2年後、94年にごく一部が週刊誌で発表

されて以降、17年もの間、完全に封印されて来た。今回の公開は、長男

が既にプロ活動を始めたことが大きなキッカケのようだ。。

 

 

         ☆           ☆          ☆

さて、文春の記事では完全に自殺扱いになってるが、私は上で「ほぼ自殺」

と書いた。それは、「自殺」という言葉が通常意味する死に方とは、少しだ

け違ってるからだ。

 

文春に従う限り、4つの事はハッキリしている。尾崎が死を深く覚悟してい

たこと。尾崎の心身が、覚せい剤、音楽活動、私生活などでボロボロだっ

たこと。尾崎が民家で倒れてるのを発見された1992年4月25日、遺書と

明記された文書を持っていたこと。さらに1ヶ月後、自宅でも遺書と思われ

る文書が見つかったこと。

 

ただ、遺書というのは死を意識した人が書くものであって、必ずしも自殺と

は結びつかない。また、手首を切ったり、首に縄をかけたわけではないし、

練炭を使ったわけでも、睡眠薬を意図的に大量に飲んだわけでもない。酒

と覚せい剤は、その時もかなり飲んでたようだが、普段から飲み過ぎてた

ようだし、飲酒自殺という言葉は聞かない。また、覚せい剤は以前から使

用歴があったから、特別に使用したというわけでもない。

 

だから、4月24日の夜から25日の朝にかけて、本当に特別な覚悟をして

命を絶ったのかどうかは、やや微妙なのだ。むしろ、死を薄々と意識して

た頃、極端な飲み過ぎによって肺水腫が引き起こされて亡くなった、という

方が近い気がする。ただしそれ以前、妻と共に心中しようとしたことはあっ

たようだ。いずれにせよ、多くの人を魅了した才能の夭逝に、まず合掌。。

 

 

          ☆          ☆         ☆

ではいよいよ、遺書の内容に触れることにしよう。まず、1通目。これは、

遺書と明記されており、父母と妻にあてたもの。「先立つ不幸(ママ)をお

許しください」と冒頭で書いた後、ノート1ページ分ほどの文章が続いて、

最後は「さようなら 私は夢見ます。」で締めくくられている。

 

ちなみに「不幸(ママ)」というのは、文春記載の通りだ(「ママ」は右横のル

ビ)。つまり、普通は「不孝」(親孝行でないこと)と書く所を、尾崎は不幸と

書いてて、それを文春が「そのママ」掲載してるわけだ。尾崎の漢字の使い

方が、意図的なものか、単純ミスかは分からないが、私は「詩人だな」とい

う印象を持った。言葉のアーティストは、世間的な言葉使いなど、軽々と越

えて行くのだ。

 

途中の文章については、どのメディアもほとんど省略して報道してるか

ら、ここでも少ししか引用はしない。序盤では、なぜ死ぬのか、誰かに話

そうと思ったが、そんな事ができるくらいなら死なないという内容が書か

れてる。これは、なぜなのか自分でも分からないという意味なのか、あ

るいは他人には話せないという意味なのか、これだけでは不明だろう。

おそらく、その両方だと思う。

 

それよりも、私は次の文章に引き付けられたし、公開記事を書いた加賀

もほぼ同じのようだ。一部のみ、引用させて頂こう。カッコ(「 」)の使い方

も含めて、原文の通りで、中断はない。なぜか遺書の途中だけ、カッコが

複数使われていて、文体も途中から、「です・ます」調が「である」の形に

変わってる。

 

     「ただ死という状況がまたたくまに訪れるのです」

     「生とは死を知り、生を葬ることである。

      生に善意はあれど、死を感ずるところ

      ただ失意のごとく死に向かい、

      今ひとり人の群棲を歩き、痛み、ただ雨の如し。

 

 

「生とは死を知り」という部分は、3通りの意味が重なってるだろう。まず、

生きることは必然的に、しばらく先の死を知ることにつながるという意味。

次に、とりわけ尾崎の生は、物心ついて以降、常に死と隣り合わせだった

という意味。そして最後に、生とは他人の死を知ることでもあるという意味。

 

実は尾崎の死の4ヶ月前に、愛する母親が亡くなってるのだ。これは相当

ショックだったようだから、「母の死と遭遇し、自分の生を葬る」という意味

にも受け止めることが出来る。

 

「生に善意はあれど、死を」とか、「失意のごとく死に」という表現を見ると、

やはり生きたいという思いも相当強く感じられるが、「状況」も自分自身も、

もはやどうにもならず、結局「生を葬る」ことになったのだろう。ただ、「葬る」

という言葉の主語(=主体)が明示されてない点は見落とす訳にいかない。

自分が自分の生を葬るとまでは言えないような、微妙な「状況」なわけで、

この点でもやはり、「自殺」というより「ほぼ自殺」という方が適切だと思う。。

 

 

         ☆          ☆          ☆

一方、もう一つの「遺書」とされるものは、母の遺影の脇に置かれていて、

書き始めの文は自らの血で書いており、1枚の便箋全体にも血液が付

着していたらしい。これは、妻と息子への思いを込めたもので、特に一度

は離婚寸前まで行った妻に対する、最大級の賛辞が目立ってる。

 

部分的に引用すると、「私はただあなたを愛する名の神でありつづける」、

あなたは天命たる天女、そして天命たる女神」など。天命とは、私のペ

ンネームである「テンメイ」につながる言葉でもあり、天が人間に与えた使

命という意味だ。天が、尾崎を愛するように、護るように、という使命を与

えた女性ということになる。実際、その通りの女性だったようだ。

 

文章の最後は、「皆の言うことをよく聞いて共に幸せになって下さい」。妻

が遺書だと思ったのは、この最後の文を読んでのことらしい。という事は、

全体の内容が必ずしも遺書と感じられないということでもある。まるで、詩

の形式のラブレターみたいなのだ。つい、代表曲のタイトルとサビを思い

出してしまった。「I LOVE YOU」。。

 

私は、昔の職場で「尾崎豊も知らないの?」と笑われたのをキッカケに、あ

わてて最初のアルバムだけレンタル録音。『I LOVE YOU』、『15の夜』、

『僕が僕であるために』を覚えてる程度で、後はどこかで『卒業』だけは聞

き覚えた。他には、テレビ、新聞、雑誌などでたまに情報を目にするのみ。

それだけでも、非常に熱くて激しいものは十分伝わって来た。演歌しか聞

かないウチの母でさえ、好きだと言ってたほど♪

 

歌詞や歌い方に表れてるその情熱は、自分の心身をむしばむ方向にも発

揮されてしまったようだけど、「天才」とはそうゆうものだろう。天が与えた稀

有の才能は、「天災」に通じてしまうこともある。今頃、尾崎は天国で、神に

向かって「いやぁ、キツかったですよ♪」と話しかけてるだろう。幼くて人懐っ

こい笑顔で。神の応答はやはり、「I LOVE YOU, OZAKI」だろうか。。

 

 

 

         ☆          ☆          ☆

なお、今日の走りはやはり、昼間、傘をさしてのスロー・ジョギング3kmの

み。ホントは夜、ちょっと走ろうかなと思ってたけど、この記事で色々と時間

を取られてしまった。深田恭子&藤木直人『専業主婦探偵』も、後半を少し

流し見しただけ。藤木が上司の石田ゆり子と不倫するとかしないとか。

 

石田ゆり子って、42歳のわりには童顔で可憐だね。全然イケそうだ・・・っ

て、何が?♪ 実は妹の石田ひかりとの区別が曖昧だったりする。妹は3

歳下、『あすなろ白書』の主演で、キムタク=木村拓哉に後ろから「あすな

ろ抱き」されてるわけね。後に『プロポーズ大作戦』で、山Pが長澤まさみに

した時に覚えたんだよな。いや、要するに、こうゆう話はキムタクファンや山

Pファンへの挨拶ってことよ♪

 

話を走りに戻すと、おかげ様で右脚ふくらはぎの痛みは少しずつマシになっ

て来た感があるから、明日は少しだけ長めにジョギングしてみる予定。もう

今さら悪化させてるヒマはないのだ。あぁ、記念すべき「11年11月11日」

が、何事もなく過ぎ去ってしまったか。ではまた。。☆彡

 

 

 

P.S. 2012年2月20日の追記。3月22日発売の『小説新潮』4月号で、

     尾崎の創作ノート約60冊の一部が公開される予定とのこと(産経

     HP)。96ページもの掲載の後、更に「完全版」の単行本が、4月上

     旬に同じ新潮社から発売される。B5のノートを「1000枚」スキャ

     ナーで読み取ったそうだが、完全版では縮刷するということか、あ

     るいは、画像はごく一部に留めて、基本的に活字に直すのか。。

 

P.S.2 『文藝春秋』2012年5月号に掲載された、妻・尾崎繁美の手記、

      「夫・尾崎豊『遺書』への返信」に軽く目を通してみた。遺書の掲

      載は事前に知らなかったけど、読んで納得したとのこと。偶然、

      息子と2人で旅行中だったので、色々と話をしたようだ。肝心の

      「返信」はごく短いもので、豊への感謝を示しつつ、これからも

      幸せに生きていくので空から見守っててください、といった感じの

      内容だった。。

 

 

P.S.3 2016年7月16日、TBSの特番『音楽の日』

      で、尾崎裕哉がテレビ初歌唱。大きな反響を呼んでる。

      私は『I LOVE YOU』だけ聞いて、亡き父親

      に似てるのはもちろんとして、少し優しくした感じの歌

      声だなと感じた。オリジナル曲『始まりの街』の歌声の

      方が似てるとかいう評判も流れてる。

 

      司会の中居正広の質問に誘導される形で、自分は

      何のために音楽をやるのか葛藤があると答えてたの

      も印象深かった。父とつながるため、そして、自分の

      ため。2つの関係がなかなか割り切れないのだろう。

      24日で27歳。父の年齢を超えることになる。。

 

                      (計 4321文字)

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コメント

部分的に引用すると、・・・・・
「あなたは天命たる天女、そして天命たる女神」など。天命とは、私のペンネームである「テンメイ」につながる言葉でもあり、天が人間に与えた使
命という意味だ。

  →そういうことなんですか、テンメイさんも形は違うかもしれないが、・・・ペンネームの内装は!!

投稿: gauss | 2011年11月12日 (土) 10時07分

> gaussさん
    
こんばんは。そこに御注目とは、意外かも♪
    
テンメイを天命だと説明したことは、何度かあります。
説明に限らず、テンメイと天命を結びつけた記事なら、
10本前後あるようですね(サイト内検索の結果)。
直近だと、10月15日に書いてます。
    
それにしても最近は、ネット上に「テンメイ」が増えてるし、
「RUN&BIKE」まで地味に増え出してるので大変。
埋もれてしまわないよう、頑張らないと。。

投稿: テンメイ | 2011年11月14日 (月) 03時42分

 あなたの考察した遺書は偽物です。おそらく加賀の創作によるものです。先立つ不幸をお許しください。不幸とあるのは加賀が無知なためでしょう。17年前加賀は同偽遺書を週刊文春に持ち込み見事騙しに成功。同様記事の連載を始めました。連載中に尾崎父、兄に否定記者会見を開かれ、連載は中止。時を経て当時の事情を知らない無知な若い編集者を偽遺書のコピーで再び騙すことに成功したのでした。
尾崎の死の真相に迫ったジャーナリスト永島氏のHPオンタイムズをご覧ください。音楽関係者KUDO GO氏のHP music on meをご覧ください。ファンに寄る掲示板『尾崎豊板』にご参加ください。
尾崎の死が自殺でもなく遺書もなかったことがよく理解できるはずです。

投稿: 食パンマン | 2011年12月17日 (土) 01時00分

> 食パンマンさん
   
はじめまして。コメントどうもです。
     
この記事は、タイトルの「遺書」の部分に
括弧をつけてあります。
つまり、「遺書と言われてる物」という意味です。
また、あくまで文春に従う限りの記事であることは
繰返し明記しています。
つまり、別の考えや可能性がある事は、暗に認めてます。
      
伝統も影響力もある月刊誌で、カリスマの「遺書」が
大きく掲載されたわけですから、読んだ感想を
ブログに書く程度は自然なことだと思います。
もちろん、文春で訂正&謝罪記事が掲載された場合は、
ここでも対応するつもりです。
本当に偽物なら当然、大きなニュースになるでしょう。
      
記事執筆前には、裁判結果も含めて、一通りの経過は
調べてますし、発表直後の世間の反応も一応見てます。
私はファンではありませんが、尾崎の歌は好きだし、
今後の情報にも注意していくつもりです。
お書きになった情報も、参考にさせて頂きます。
     
一刻も早く、みんなが納得できる真相が
確定されればいいですね。それでは。。☆彡

投稿: テンメイ | 2011年12月18日 (日) 02時18分

新潮の情報有り難うございました。
20年間ずっと尾崎死因が明らかにされることを願ってます。ただ明らかにされたくない方もいるようで。また伺います。

投稿: | 2012年2月26日 (日) 18時26分

> 名無しさん
   
はじめまして。コメントどうもです。
  
新潮の情報はたまたまネットで見つけたものですが、
朝日新聞にも載ってました。
お役に立てたようで、良かったです。
  
尾崎に対するファンの思いはいまだに非常に強いようですね。
みんなが納得するまでには、もうしばらく
時間が必要なのかも知れません。
  
なお、ご丁寧なコメントを頂いてるのに恐縮ですが、
もしまた機会があるようでしたら、お名前の記入をお願いします

投稿: テンメイ | 2012年2月27日 (月) 07時44分

ご丁寧な返信有り難うございます。
名前の件大変失礼しました。また伺います。

投稿: がっちゃん | 2012年2月27日 (月) 21時28分

> がっちゃん さん
   
わざわざ、お名前の記入をして頂き、
ありがとうございました

投稿: テンメイ | 2012年2月29日 (水) 01時46分

再びおじゃまします。
小説新潮買っちゃいました。
読後感後ろめたさが忍び寄り完全版は買わない事にします。
尾崎が最も嫌だと思うから。
こんな形で読まれるなんて。
そして4月10日発売文藝春秋5月号で先の偽遺書へ奥様が返信しました。先ほど買って、まだ読んでいません。やすらかな眠りを妨げる事は間違いないでしょうから。

投稿: 食パンマン | 2012年4月11日 (水) 00時59分

> 食パンマン さん
    
再びコメントどうもです。
なるほど、尾崎自身の許可なく、『小説新潮』掲載の
創作ノートを読むのは後ろめたいわけですか。
お気持ちは分かる気がします。
    
まあ、「有名税」みたいなものかも知れませんね。
有名人は死んだ後も、色んな形で話題にされますから。
どうしてもプライバシーが制限されてしまう。
       
『文藝春秋』の奥様の記事は、後で一応、目を通すかも知れません。
と言っても、尾崎本人ではなくご家族のものだし、
あくまで参考程度のものでしょう。。

投稿: テンメイ | 2012年4月12日 (木) 02時50分

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