山P=山下智久『ROUTE(ルート)66』第11回、「誰かがきっと・・」
「春分かよ!」っていう、お笑い・さまぁ~ずの三村ツッコミから始まった、今
回の『ルート66』レビュー。智君の「崖かよ!」っていう無意味なツッコミが
笑えたね♪ ますます『コード・ブルー3』の可能性は低くなっただろう。「手
術かよ!」とか突っ込むようじゃ、クールな藍沢耕作としてマズイのだ(笑)。
ちなみに私は、『コード・ブルー2』最終回の感想記事で、「『3』が作られるの
は『テンメイのRUN&BIKE』に書いてあるから間違いない」って感じの軽口
を書いてる。いまだにそれを検索アクセスで読んだ後、「テンメイのRUN&
BIKE」で検索し直して来る方がいらっしゃって、苦笑してるのだ♪ 「ここだ
よ!」とか、「オレだろ!」とか突っ込みたくなるネ。
いやぁ、フルマラソンから丸2日半経っても気分がハイで、ノリが軽い。シリ
は軽くないんたけどな・・・って、男だろ! で、今回の番組の冒頭は、「男ら
しさ」についてのトークだったのだ。リリーが露骨に、スタッフの出すカンペを
見て話を振ると、山Pは例のはにかんだ笑顔で、優しさとか、余裕があるの
に前へ進むとか、無難な話を出した後、意外な言葉を口にした。「どっちみ
ち死んじゃう・・」とか。
主演する葬儀屋ドラマの撮影の影響もあったのかも知れないけど、核心
を突く言葉だね。そうそう。どっちみち「終り」は来る。どうせ、ある意味、
ダメなのだ。それでも、その条件、限界の中で必死に生きるプロセス。こ
こにこそ人生の本質はある。
私が一昨日のレースで、自己ベストを更新できないと分かった35km過
ぎからも全力を振り絞ったのは、まさにそうゆう事なのだ。エッ、聞いてな
い? あっ、そう♪ ま、そうゆう女性ファンの方々も、追っかけてるタレン
トがマラソン始めたら、コロッと態度を変えるはずだけどネ。それを見て、
あのリリーならどうつぶやくことか(笑)。
ちなみにそのクセ者、リリー・フランキー。「真面目さだけを売りにしてる
人は不真面目だ」とかいう、いかにも作家っぽいパラドクシカル(逆説的)
な表現を使ってた。つまり、一見矛盾してるように感じる奇妙な表現だ。
でも、次のように言い換えれば、少しも矛盾はしてない。
「自分に対してのみ真面目な人は、他人に対して不真面目だ」
(テンメイ)
おぉ~、また智君が喜びそうな「深イイ」言葉が出たね♪ 「風邪の中の
す~ばる~♫」って、また『プロジェクトX』かよ! って言うか、「風」だろ♪
ま、要するにリリーが言いたかったのは、周囲(特に女性)に配慮できる男
であるべきだって話なのだ。トークはそこで突然終わり、映像は山Pが車の
「あっくん」にエンジンオイルを補給する場面に移る。つまり、編集サイドの
表の意図としては、愛車にちゃんと配慮できてる山Pは男らしいってことを
表現してるわけだ。ちなみに私も今日、自転車のタイヤに空気を入れたか
ら、男の中の男だろう・・・って、空気かよ!
では、裏の意図は何だったか。それは、自分が愛して乗り回すものに、優
しくパワーを注入するということなのだ。こうした象徴表現が見えてくると、
表面的にやたら男くさい旅行番組が、まったく違うものへと変貌する。あの
シーンだけリピートして萌えることも不可能ではない♪ 見るとは、こうした
能動的でクリエイティヴな営みを指す言葉なのだ。。
☆ ☆ ☆
今回の旅は、ア
リゾナ州の西端・
Oatman
(オートマン)
から、カリフォ
ルニア州の東端・
Needles
(ニードルズ)
まで。上の黄色い楕円あたりになる。元の図はいつものように、Fredddie
氏の作品、ウィキメディアより。
まずはいかにも
アメリカ西部っ
ぽい道を走って、
小さな観光地・
オートマンへ向
かうんだけど、
険しい男性的な
道を走りつつ、
山Pは車にやさ
しい言葉をかける。オーラを感じるようになったとか、貫禄が出て来たと
か。写真はウィキメディア、Jcorreas氏。
その一方で、ディ
ズニーランドの
「ビッグ・サン
ダーマウンテン」
に似てるとか指
摘しつつ、「崖
かよ!」とか
「ディズニーか
よ!」とか、三
村ツッコミをやってたのだ♪ 写真は同上、USGS(United States
Geological Survey: アメリカ地質調査所)。よくこんな道をトップ・アイ
ドルに運転させたもんだね。山道のコーナーで対向車がはみ出して来た
ら、「人生の終り」なんだけど。ま、第8話のナメック星よりはフツーかも。
☆ ☆ ☆
オートマンに到
着した途端、ス
タッフの演出の
おかげで、「長
い寸劇」が始まっ
た。英語版ウィ
キペディアによ
ると、別にテレ
ビじゃなくても、
週末には西部劇っぽい銃撃戦(Wild West shootout)を見れるようだ。
写真は同上、Pretzelpaws氏。車が多い中、ロバが平気で歩いてる♪
あのショーをやってた記念写真屋さんも只者じゃなかったけど、街の歴史
もタダモノじゃない。「オートマン」っていう名前は、西部開拓時代の悲劇の
ヒロインから付けられてるのだ。先住民族(いわゆるインディアン)の襲撃
を受けたオート
マン一家から、
姉妹2人が捕ら
われの身になっ
て、5年後に姉
だけが自由を取
り戻したけど、
妹は途中で死亡。
この絵は、妹の
死を嘆き悲しむ姉・オリーブの姿らしい。ウィキメディアより。おそらくBaker
Deb氏の作品(詳細不明)。
ま、先住民族の側に言わせると、まったく違うストーリーになるのかも知れ
ないけどね。古典的な西部劇では、インディアンに悪者っぽいイメージが
ついてるけど、もちろん先住民の視点では逆かも知れないのだ。おそらく
彼らの方が、むしろ被害者が多いだろう。ある意味、全員被害者でもある。
ほら、重い話を
読み飛ばしてる
そこの貴女(あ
なた)♪ 智君
なら、こうゆう
重い話もじっく
り聞くと思うけ
どね。写真は同
上、USGS作。
番組に戻ると、山Pが保安官として寸劇に参加した時のファッション。いか
にもって感じの赤い(?)ネッカチーフ(=バンダナ)を首に巻いてたと思う
けど、この画像がなかなか
発見できなくて困ったのだ
(^^ゞ あれは保安官とか
ガン・マン(銃の名手)と言
うより、カウボーイのファッ
ションらしい。
より一般的には、南西部で
馬に乗るためのものだろう。
砂埃や寒さ・暑さを防げるし、
汗ふきにもなるのだ。写真は
同上、Twice25氏。
イメージ的には映画の影響かなと
も思って調べてみたけど、これもな
かなか上手く行かず。ようやく発見
したのが名作『駅馬車』(Stage-
coach)のポスター。縮小サイズ、
低解像度でレビューの一部に使用
してるから、著作権は問題ないら
しい(注釈も含めてウィキメディア
より)。監督ジョン・フォード、主演
ジョン・ウェイン、1939年。聞き
覚えくらいはある名前だろう。
首のバンダナは、赤以外の色の方が普通かも知
れないけど、やっぱり赤が見栄えするね。このポス
ター、女性の描き方も興味深い。上では豊満な胸、
左下では細長い脚とスカートの中が強調されている。
オートマンから出発する時には、母ロバの乳を吸う子ロバが道をふさいで、
山Pはクラクショ
ンを鳴らさず、
ハンドルを切っ
てた。あのロバ
には注意しろと、
英語版ウィキに
も書いてある。
私には、馬との
違いがイマイチ
よく分からなかったりした (^^ゞ ちょっと牛に近いのかな。写真はウィキメ
ディア、Pretzelpaws氏。
☆ ☆ ☆
最後に山Pが辿り着いて、スタッフに拍手したり、泡だらけのビールを飲ん
だりしてた場所
が、カリフォル
ニア州・ニード
ルズ。例のオー
トマン姉妹も、
ここに連れて来
られたらしい。
ま、東西の隣町
って感じなのか
な。市のシンボルの写真は、同上、Ken Lund氏。山Pがポーズ決めて写
真撮ってたのはここだったかも。いよいよ来週でフィナーレ。後は、ディレク
ターズカットのDVDかブルーレイを買ってくれってことだろう。
今回のレビューのラストは、この番組の主題歌とも言うべき、Nickelback
(ニッケルバック)の『Gotta Be Somebody』(ガッタ・ビー・サムバディ)
の歌詞に注目してみよう。著作権に配慮して転載はしないけど、「lyric」(歌
詞)で検索するとすぐに出て来る。
歌詞に限らず一般に、詩の解釈は、意味とは別に音やリズムも絡むし、引
用や背景もあるから難しいんだけど、この曲の歌詞は比較的分かりやす
い方かも知れない。要するに、「誰か(Somebody)がきっといるはず」っ
ていう曲で、普通に読むなら、ただ一人の愛し合う人を見つけて永遠に一
緒にいたいっていう願いを表してるわけだ。
でも、もう少し見方を広げるなら、例のオートマン姉妹みたいに、誰かの
助けを求めてる人への勇気づけとも受け取れるし、欧米でよくある究極
の存在(=神)を求める歌とも読める。実際、単に男女の相手を探し求
めてるにしてはかなり大げさな表現なのだ。一文だけ引用させてみよう。
So I’ll be holding my own breath
Right up to the end
Until that moment when I find the one
that I’ll spend forever with
最後までじっと息を止めて、永遠を共にするただ一人と出会う瞬間を待つ。
ここだけなら、唯一の絶対的存在の訪れを願う姿の描写とも考えられる。
ただ、特に日本人の場合、そこまで考えなくても、本物の出会いを求めて
さまよう様子だと考えれば十分だろう。それは、先週の「ルート66の父」と
の出会い、あるいはルート66という道との出会い、さらには自分自身の再
発見でもいい。もちろん、ただ一人の女性と結ばれる話でもいいんだけど、
その具体的内容はコッソリ頭の中で考えるだけにしとこう(笑)。
いずれにせよ、特別な存在である「誰かがきっと」、「何かがきっと」、我々
を待っててくれる。日本では、森永の企業CMの曲『エンゼルはいつでも』
が、分かりやすく伝えてくれてるのだ。「誰もいないと思っていても どこか
でどこかでエンゼル(天使)が・・・♫」。この歌詞、例の「お内裏さま」と「おひ
なさま」で間違えたサトウハチローの作品とのこと♪ どこで話がつながっ
てるか、分からないね。
☆ ☆ ☆
ちなみに、ティカ・α(=やくしまるえつこ)作詞による『愛、テキサス』の歌
詞はやたら分かりにくく書かれてるけど、『Gotta Be Somebody』の裏
返しみたいな内容だと思う。
ただ一人の存在を失った後、その代わりに、ただ一人ではないものをあ
れこれ追いかけて、むなしく彷徨い歩く姿。この場合、ただ一人ではない
もの達には、ただ一人の存在のイメージが常に重なってしまう。というこ
とは、それらは求める存在に似たものとも言えるし、撃つべき「テキ(敵)」
とか「ディアブロ」(悪魔)でもあるのだ。
「ドン」という音の繰返し(鈍痛、どんな、Don’t、どん底・・)は、繰返し撃つ
ことを連想されるもの。そして、「愛、テキサス』とは、「 I (私)、敵刺す」で
もあるのだ。もちろん、刺したとしても、血を流すのはむしろ自分の方かも
知れない。
「銃口(マズル)彷徨い・・・撃ちまくれ・・・
狂っちまった世界に優しくキッス・・・
渇いた唇に滲む血は俺の罰か・・・
愛(かな)しいあの人の蜃気楼抱いて・・・」
この歌詞の後に『Gotta Be』をつなげるか。逆に、『Gotta Be』の後に
『愛、テキサス』をつなげるか。貴女(あなた)はどちらを選ぶだろうか。
『ルート66』では、荒れて渇いた西部の先に、明るい西海岸が待っている。
それでは、今週はこの辺で。。☆彡
cf. 山P=山下智久『ルート66』、男のアメリカ横断一人旅が熱い☆
(第3回記事)
瑛太の蹴りを見逃したから、スマスマでマー君の投げ♪(『ルート66』追記)
(第4回記事)
山P=山下智久『ROUTE(ルート)66』第5回、天然・智くん♪
山P『ルート66』第6回、主役はブーツジャックか♪&『ラッキーセブン』
山P=山下智久『ROUTE(ルート)66』第7回、道路距離と消灯の謎♪
山P=山下智久『ROUTE(ルート)66』第8回、ナメック星の大自然♪
山P=山下智久『ROUTE(ルート)66』第10回、「Yes,I will」
山P=山下智久『ROUTE(ルート)66』最終回、最も美しきもの☆
(計 4980文字)
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コメント
こんにちは
テンメイさんの「愛、テキサス」の歌詞の解釈説明?がなんだかおもしろかったです♪
そんな風に受け取る事が出来るのかと…
へぇ〜×10(笑)
投稿: あっちゃん | 2012年3月21日 (水) 09時11分
> あっちゃん さん
こんにちは♪
この記事の中で、『愛、テキサス』の説明の部分は
オマケなんだけど、おもしろければ良かったです。
実は、長いから省こうかなと思ったんですよ。
書いて正解だったかな。
あっちゃんさんだけで「10へぇ~」くれたから、
読者全体だと「100へぇ~」を超えたでしょう。
ツイート数はまだ1になってるけど (^^ゞ
いよいよ来週で終わりですね。
「最高の旅行の終り方」になるはず♪
最後まで一緒に楽しみましょう
投稿: テンメイ | 2012年3月22日 (木) 02時20分