他の用事を片付けながらの流し見とはいえ、意外なことに最後まで見ちゃっ
たね。テレビで2時間半の映画を最後まで見たのは、福山雅治主演のガリ
レオ・シリーズ『容疑者Xの献身』以来かも。
あの素晴らしい感動的名作とは比較にならないけど、少なくとも『ヤマト』も、
途中でテレビを消そうとは思わなかった。その意味では、それなりに引き付
けるものはあったんだろう。萌え要素がほとんど無いにも関わらず♪ ま、
もう一人くらい、可愛いコが欲しかったけど、観客の大部分はキムタクファ
ンとヤマトファンだろうから、関係ないのかね。
直接関係ないけど、私は先日、SMAP最大のヒット曲『世界に一つだけの
花』について、冷めたレビューを書いてるから、今日は甘口の記事を書い
た方が良さそうだ♪ ・・・と言うのは(半ば)冗談として、『ヤマト』が「予想
より」良かったのは確か☆ 正直、あんまし期待してなかったから、最初の
15分くらいだけ見ておしまいにする予定で、ブログでも10行ほどつぶやく
だけにしようと思ってたのだ。
予定変更で1本の記事にまとめるってことは、「男の子」としての私がそれ
なりに楽しめたってこと。兵器や戦闘シーンのVFX(Visual Effects=
CGによる特撮)だけでも、ついワクワクしてしまうし、『エイリアン』を思い
出させるガミラスの不気味な姿も懐かしくて、可愛く感じたほど。不謹慎な
がら、モデルとなった悲運の戦艦「大和」やカミカゼ(神風)特攻隊との類
似にも、心地良い切なさが湧き出てしまう。
ナレーションでささきいさおの魅力が生かされてないのはやや残念だった
けど、輝かしい歴史を背負った初の実写版としてはなかなかの健闘だろう。
ただ、木村拓哉ファンの女性がこれをどう感じるのか、ビミョーな所はあ
るね。口には出せないけど・・・ってファンが結構いるような気はする。と
言うのも、やっぱり全体的に少年マンガとか少年アニメっぽい特撮作品
だし、主題の多くも男性的だから。地球防衛、放射能除去、勇気、決断、
行動力、人類愛、等々。
キムタク主演の人間物語やラブストーリーを味わいたいファンや、ドラマ
好きの女性にとっては、肩透かしになっても不思議はない。ま、キムタク
の顔とプチ・マッチョな上半身だけでも十分かも知れないけど♪
☆ ☆ ☆
さて、私は映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』も昔の『宇宙戦艦ヤマ
ト』も、ほんの少ししか情報を持ってなかった。当然、元のアニメとの類似
点や相違点もほとんど分からない。
アニメの主題歌は流石に聞き覚えあるし、主要な登場人物の名前(or 苗
字)、波動砲、ワープ(宇宙空間の歪曲を用いた超光速航法)、イスカンダ
ルとか、断片的な要素も一応知ってるけど、ガミラスという名前は忘れて
たし、そもそも何のために旅立つのかも忘れてた (^^ゞ そうそう、放射能
除去装置を手に入れて地球を救う訳ね。これが、まず個人的に興味ある
ポイントとなった。
1974~83年を中心とする原作(TVアニメ&アニメ映画)はもちろん、今
回の実写映画でも、除去する放射能というのは基本的に、核兵器(原爆&
水爆)をイメージしてるんだと思う。スリーマイル島の原発事故は一応79
年だけど、遥かに深刻なチェルノブイリの事故は86年で、大部分の原作
より後の騒動だ。
ところが、映画公開から数ヶ月で3・11の東日本大震災が発生。1年後に
地上波テレビ初登場となると、どうしても原発や福島=フクシマをイメージ
することになる。ただしそこに、瀬戸内海出身者としては当然、広島=ヒロ
シマも重なるのだ。
地球を遊星爆弾で汚染して放射能まみれにするガミラスが、実は放射能
除去をもたらすイスカンダルと表裏一体の集合的存在なのだから、明ら
かにガミラス=イスカンダルとは現代科学のメタファー(比喩=たとえ)だ
ろう。もっと限定するなら、原子核物理や放射線医科学と言ってもいい。
敵かと思ったら味方だった、と言うよりむしろ、敵かと思ったら必ずしもそ
うではなかった、と言う方が正確だ。つまり、彼らは味方ではない。もとも
と、ガミラス=イスカンダル=核科学が無ければ放射能まみれになること
は無かったし、結末までのトータルで、人類は結局、得をしてないどころか、
大損になるのだから。
エンディングの美しいイメージと新しい命(=子供)に目が行きがちだが、
大量の破壊と死滅が生じてしまったわけだ。見方によっては、脱原発や
反原発の遠回しのメッセージと受けとれなくもない。。
☆ ☆ ☆
今回の放送局はTBSで、関係の深い毎日新聞は朝日新聞と共に、反原
発・反放射能を前面に押し出してるマスメディアだ。ひょっとすると、そうい
う背景がTBSによる企画&放送に影響してる可能性はある。
というのも、昔のアニメは日テレだから読売新聞の系列。キムタクとのつな
がりが一番深いフジテレビは産経新聞の系列。どちらの新聞社も今現在、
原発肯定派のメディアだからだ。放射能による大規模被害を強調する映
画『ヤマト』とは、やや結びつきにくい。それに対してTBSなら、反原発の
毎日新聞系列だし、キムタクとのつながりもフジの次に深いから、『ヤマト』
と結びつきやすいのだ。
しかし、『ヤマト』の中身をもう少し細かく見ると、リスクテイク(危険な可
能性への賭け)とか、犠牲を乗り越える勇気の大切さ、全体を見る大局
観の重要性も強調されてる(特にリーダーにおいて)。
リスク=危険は放射能や原発以外にも、常に我々を取り巻いてるから、完
全に避けることは出来ないし、僅かな可能性に賭けるべき状況というのも
ある。イスカンダル星に放射能除去装置があるという大ウソをつく罪(沖田
艦長=山崎努)とか、自己犠牲(キムタク、真田=柳葉敏郎、斉藤=池内
博之、etc)などを乗り越えて、未来も含めた人類トータルの利益や幸福を
考える必要性も示唆してるのだ。
そう考えた時、『ヤマト』が暗に示す方向性は、反原発や脱原発とは多少
違うものかも知れない。実際、ヤマトの過激でハイリスクなチャレンジは、
与えられた悲惨な状況の中では成功したわけだ。放射能除去という任務
=ミッションは無事に果たされた。
また、「必ず、生きて還る。」という基本ポリシー(&映画キャッチ・フレーズ)
も、ある意味で守られてる。古代進ほか、大勢が死んだけど、島=緒方直
人らは生き残ったし、森雪=黒木メイサに乗り移ったイスカンダルのおか
げで放射能除去にも成功。一部の「個人」は死んでも、「人類」という集合
的な形では、生きて還ることが出来たのだから。もちろん古代は、新たな
命の姿で生きて還った形になってる。
ちなみに、宇宙戦艦ヤマトが用いてる波動エンジンは、原子力エンジンで
はないけど、素粒子物理学と深く関わる技術ではあるらしい(ウィキペディ
アからの推測)。核との関係が微妙な領域でも、科学の平和利用なら全面
的にプッシュされる形になってるのだ。もちろん今現在の時点では、架空
の理論&技術ではあるけれど。。
☆ ☆ ☆
なお、まったく違う視点も可能で、たとえば詳細不明なガミラスの視点に
立つと、(おそらく)生きて還れなかったし、核攻撃を使って地球に移住す
る自己防衛的チャレンジは失敗に終わったことになる。核兵器の保持や
転用(=原発)はともかく、攻撃兵器としての使用は否定的に扱われてる
のだ。対称的に、人類が用いた波動砲は核兵器ではないらしい(ウィキ
からの推測)。
さらに大きな視点に立つと、人間とガミラス=イスカンダルを区別せず、要
するに生命が「生きて還る」ことに成功した物語とも受け取れる。つまり、
相討ちの形で全滅することなく、人類という片割れは生き延びた。
その意味では、人類が助かったというより、人類=ガミラス=イスカンダ
ルが全滅の危機を乗り越えたことになる。古代と森雪の2人が奇跡的に
あの星から脱出できたのは、ガミラス=イスカンダルが無意識的に「逃が
した」からなのかも知れない。全滅よりはまだ、人類と森雪=イスカンダ
ルだけでも生き延びる方が、多少マシだから。
もっと遥かに巨視的な見方なら、大山鳴動ネズミ一匹、あるいはお釈迦
様の手のひらの上で孫悟空が大暴れした気になったようなものかも知
れない。人間とか生命とかではなく、宇宙全体からすると、ほんの一瞬
の時間だけ、僅かな事件が起きたに過ぎないから。
エンディングを、地上の森雪と子供じゃなく、宇宙の映像にするだけでも、
全体のイメージはかなり変わっただろう。地球からズームアウトする流
れで、地球が含まれる銀河系とイスカンダル星が含まれる大マゼラン星
雲を映して、さらにロング(遠写)で暗黒の静かな夜空まで持って行くとか。。
☆ ☆ ☆
「軽~い感想」のはずが、「堅~いレビュー」に近くなったから、最後に通
俗的な感想に戻ろう。演技力とか台詞回しはともかく、黒木メイサはやっ
ぱり絵になるね♪ 最後近く、古代のパルスガン(?)に撃たれて気を失っ
た黒木が、静かに横たわるシーンだけでも美しかった。
あの時間の長さを考えると、制作サイドも自信を持ってたはず。独特の東
洋的ルックス、長い黒髪、スレンダーなスタイル。流石は人気モデルだ。
ま、イスカンダルと一体化した憑依シーンは、突然ユニクロのCMが始まっ
たのかと思ったけど♪
それにしても、単なる流し見だったせいか、いつの間に子供が出来たのか
分からなかった(笑)。そうゆうラブシーンを私が見逃したのかな。映画公
開当時、年末恒例のバラエティ『美女と野獣クリスマス2010』で、キムタ
クの「波動砲」がネタにされてたのを思い出した♪ あるいはゴールデン
タイムの放送用に、138分の映画の核心部分がカットされたとか、ディレ
クターズ・カットなら凄いシーンが入ってるとか。
あの子供の父親、実はキムタクじゃなくて・・・とつい想像してしまった視
聴者は、日本中に500万人くらいはいらっしゃるだろう・・・・・・とか、他人
事のようにつぶやいた所で、今夜はこの辺で。
あっ、そうそう。もう一言だけ。バイク(=オートバイ)に乗ってる者として
ちょっと感心したのは、放射能除去能力の証拠が示された場面。キムタ
クが防護ヘルメットを脱いだ時、髪型が全く崩れてなかったのだ。小道具
やヘアメイクの力も含めて、流石はここ20年間のトップ・スター。隙が無
いね。髪質がしっかりしてるのかも。
テレビ離れが進む私が見たくらいだから、視聴率は高そうだけど、20%
確保できたかどうか。明日の発表に注目しよう。ではまた。。☆彡
P.S. 関東の平均世帯視聴率はまさかの7.9%。連ドラと比べて映画
の視聴率は全般的に低いのだが、それにしても厳しい数字だ。。
cf. 完璧な重層的リターンという奇跡~『ロングバケーション』最終回
なぜ明日の太陽を見ないのか~『華麗なる一族』最終回
キムタクは素うどんかたぬきで♪~『CHANGE』第1話
脳科学コメディーの綱渡り~『MR.BRAIN』第1話
キムタク=木村拓哉主演ドラマ、視聴率の推移&『月の恋人』第4話
2つの月が照らす太陽のハート~『月の恋人~Moon Lovers~』最終回
鉄の悲劇から犬の感動物語へ~『南極大陸』第1話
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