「6÷2(1+2)=」問題&1週間ぶりのランニングで背筋痛
RUN 20.6km,1時間40分57秒,平均心拍157
ブログを書く時、ブラウザは IE (インターネット・エクスプローラー)を使っ
てて、ホームは最初からBIGLOBEになってるから、そのままにしてある。
立ち上げると、ポータルサイト・トップページの記事が色々と目に入ってし
まうわけだが、今日は右側の「ホンネ・相談」コーナーの数式が気になった。
6÷2(1+2)=?
この問題、元々は台湾のfacebookコミュニティで出されたそうで、342万
人(!)が解答、正解は149万人しかいなかったそうだ。正答率、わずか
44%。この話を、面白記事で人気の日本のサイト、「ガジェット通信」が去
年の5月6日に紹介して、現在ツイート数が7040に到達している。ビッグ
ローブの相談室でも大人気で、質問に対して既に100以上の応答が寄せ
られてた。1年以上前の質問なのに、いまだに回答を受け付けてるらしい。
さて、「台湾では」と言うより、「台湾のそのコミュニティ」では、
6÷2(1+2)=9
が「正解」とのこと。左辺の右側に「×」という掛け算記号を補って、6÷2×3
と考え、左から順に計算するということらしい。6÷2=3。次に、3×3=9。
それに対して、6÷(2×3)と考えて、1と答えるのが典型的な「間違い」だ。
しかし、最初のガジェット通信の記事で既に書いてる通り、この式の書き方
がそもそも変だと思う人は少なくないだろう。自分の個人的計算で書くのは
自由だが、一般に公開する問題の書き方として、左辺の右側の「2(1+2)」
という部分が非常に引っ掛かる。と言うより、この種の式を印刷物で見た覚
えは無い。何かの解答の式として書かれてる可能性はあるが、公の問題文
としてはほとんど無いだろう。。
もし私が自分の計算で書いたとすると、「6÷2(1+2)」という式は間違いな
く、「6÷{ 2(1+2) }」という意味であって、中カッコ { } の中を先に計算す
るから答は当然1となる。つまり、私個人にとっては、6÷2(1+2)=1だ。
☆ ☆ ☆
私は早速、台湾の教科書とか、日本でいう学習指導要領みたいなカリキュ
ラム(2001年以降、「国民中小学九年一貫過程綱要」)を調べてみたが、
残念ながら今現在、詳しいことが分からない。日本でも、教科書の具体的
内容を紹介してるサイトはなかなか無いから、そんなもんだろう(ウチには
複数ある)。台湾のサイトを、あちらの台湾語(または英語)で調べまくる気
にはなれないし、図書館その他で現物をチェックするのもあまりに面倒だ。
そこで手元の小中学校の教科書で、日本の算数・数学教育の実情をチェッ
クしてみた。まず、小学校。東京書籍『新しい算数』(2011)の5年、6年用
教科書を見ると、×、÷という計算記号はもれなく書かれてる。文字を使っ
た掛け算でも「x × 3.14」、「20 × x 」と書かれており、× の省略は無い。
続いて、中学校。啓林館『楽しさひろがる数学 1』(中1用,2011)を見る
と、第1章「文字を使った式」の第2節「文字式の表し方」で、
① かけ算の記号×は、省いて書く。
② 文字と数の積では、数を文字の前に書く。
となってる。その下の例では、「(a+b)×2=2(a+b)」と変形されてる。
では、問題の2(1+2)も、(1+2)×2の書き替えと考えて、
6÷2(1+2)=6÷(1+2)×2=2×2=4
なのかと言うと、そうではない♪ 先ほどの変形は、あくまで単独の文字
式の場合で、割り算と組み合わされた、文字でない数の計算では、行わ
れてないのだ。
☆ ☆ ☆
文字の場合、中2用の第1章「式の計算」の除法で、
12ab÷4b=(12ab)/(4b) (原文ではカッコ無しで、分数の上下)
=3a
と計算することが教えられてる。法則の形ではなく、実例や計算問題を通じ
て教えてるのだ。「12ab÷4×b=3ab²」とは計算しない。
それに続いて、「乗法と除法の混じった計算」も実例を通して教えられる。
ab×b÷a²b = (ab×b) / (a²b) (原文はカッコ無しで、上下)
= b/a
ということは、「b÷a²b」の部分は「b÷(a²×b)」と計算されてるのであって、
「b÷a²×b」とか「b÷a×a×b」と計算されてる訳ではない。つまり、×記
号を省略した文字の掛け算は、先に計算するということだ。この点はネット
でもかなり参照されてるらしい静岡大の論文「乗除混合演算式の理解と指
導に関する研究」のpdfファイルでも確認できる。学術誌の論文ではなく、
紀要論文に過ぎないが、しっかりした内容だし、十分参考になるだろう。
ただし、繰り返すが、文字ではない数に関して、「6÷2(1+2)」のように
×記号を省略した式はどこにも見当たらない。文字式に数値を代入して
「式の値」を求める際には、代入した箇所から、×という記号が書かれて
るのだ。例えば、x=2、y=-4の時、3x-5y=3×2-5×(-4)。
結局、日本人としては、問題の書き方が不適当であって、個人的な計算
としてはおそらく普通は1が答。6÷2を先に計算したければ、(6÷2)×
(1+2)などと明確に書く所だろう。計算器とかプログラム計算の場合は、
元の設計ごとに違いがあるらしい。そして台湾の実情は、差し当たり分か
らない。このくらいが、まとめとなると考える。
式の書き方が国によって違うという話は以前、割り算の筆算の記事でまと
めておいたが、調べてみれば、割り算に限らず色々とお国事情が分かれ
てるのかも知れない。。
P.S. 14年2月7日の追記。先日の朝日新聞HPによると、ある自動車
部品メーカーが高卒・大卒の新入社員にテストした所、
「9-3÷1/3+1=?」
という問題の正答率は4割に留まったとのこと。同様の算数テスト
の正答率は、80年代なら9割だったらしい。まあ、ただ、この種の
数字だけの計算式は中学以上だと滅多に見ないので、むしろ文字
入りの「3x÷(x/3)」とかの方が出来がいいかも知れない。。
☆ ☆ ☆
最後に、話変わって、1週間ぶりのランニングについて。今日は時間が少
しあったから、久々に長めの距離を走ろうってことで、最低18km、できれ
ば25kmを目標にして、のんびり走り出してみた。
さぼりまくった後だから、脚はわりと軽いんだけど、寝不足その他の疲れ
はたっぷりあるし、心肺能力の衰えもある。かなりゆったり、余裕を持って
走ったつもりなのに、中盤から背筋の下側辺りが痛くなって、やがて腹痛
へと拡大。最後は、ハーフ21.1kmのゴールの少し前で、仕方なく歩き
出してしまった。ものすごく珍しいパターンだね。。
原因はおそらく、背筋が弱ってるのにストライド(歩幅)を広げてグイグイ走っ
たことと、ロングタイツ(CW-X)のウエストの紐を締め過ぎたからだろう。
ひょっとしてウエストが膨らんだのかなと思って、さっき超久々に測定。最近
の数値との比較は分からないけど、大昔に測った時よりは小さい値になっ
てて、一安心♪
結局、ハーフより500mほど短い20.6kmくらいで終了。1km4分54秒
ペースだから、ものすごく遅いね (^^ゞ ま、たまにはこうゆう事もある。レー
スではこんな失敗は一度もないけど、今後も気を付けよう。ではまた。。☆彡
往路(2.45km) 12分06秒 132
1周(2.14km) 10分20秒 148
2周 10分07秒 152
3周 10分04秒 156
4周 10分02秒 159
5周 10分02秒 161
6周 10分13秒 162
7周 10分21秒 163
8周(1.22km) 6分06秒 163
復路(1.95km) 11分37秒 159
計 20.6km 1時間40分57秒 心拍平均157 最大167(7周ラスト)
(計 3145文字)
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コメント
数学記号の歴史を扱った専門書の中で
3(2+1)
といった表記が実際にあります。
投稿: | 2012年6月16日 (土) 03時11分