いじめの定義と、小学校の思い出~テンメイ回想録8
今夜は雨で、自転車は無理だし、いきなり友達から小難しげな思想の質問
なんてものも来襲♪ 時間が無くなったから、いま話題のいじめをめぐって、
10ヶ月ぶりに「テンメイ回想録・下書き」をアップしよう。
記事タイトルは「回想録」とだけ書いてるけど、あくまでいずれ完成させる予
定の長大な回想録の「下書き」にすぎない。もちろん、ネットの一般公開用
だから、個人情報保護のために書かない事も色々ある。でも、意図的なウ
ソは全く無し。書いてる内容は全て本当の事か、私の記憶違いや誤解だ♪
ちなみに前回の回想録7、「コーヒーに入れないクリープ(Creap)なめて♪」
には、クリープ関連の検索アクセスが時々入ってたりする(笑)。
☆ ☆ ☆
さて、滋賀県大津市の中学生いじめ自殺問題が波紋を広げる中、今日は
宮崎県で、男子高校生を川で溺れさせて動画撮影したなんていうニュース
も飛び込んで来た。ここまで来ると、いじめという言葉を越えてしまってるけ
ど、そもそも「いじめ」とは何なのか。まず、定義を簡単に考えてみよう。
手元の定番の中型辞書『広辞苑』(岩波書店、第四版、1991)で「いじめ
(苛め)」の項目を見ると、「いじめること。特に学校で、弱い立場の生徒を
肉体的または精神的に痛めつけること」、と書いてある。その左横の「いじ
める」の項目を見ると、弱いものを苦しめる」となってる。Yahoo!で『デジ
タル大辞泉』(小学館)や『大辞林』(三省堂)を見ても、ほぼ同様。
一方、ウィキペディアを見ると、ちょっと興味深い話が書かれてた。文科省
の定義が、しばらく前に少し変更されたと言うのだ。早速、文科省HPで
チェックすると、「いじめの定義」というpdfファイルを発見。新旧を比較し
てみよう。ウィキは2007年から変わったと書いてるが、06年中の調査
から変更されたようだ。
(旧・定義)
自分より弱い者に対して一方的に、身体的・心理的な攻撃を
継続的に加え、相手が深刻な苦痛を感じているもの。
(新・定義)
当該児童生徒が、一定の人間関係のある者から、心理的、
物理的な攻撃を受けたことにより、精神的な苦痛を感じてい
るもの。
☆ ☆ ☆
どちらも、「いじめられた児童生徒の立場に立って」判断すると書き添えて
あるが、大きな変更が4つある。
まず、「一方的」という条件が消えたこと。少しやり返した場合も含めるとい
うことか。次に、「身体的」という言葉が「物理的」になってる。これは、金銭
を奪うとか、持ち物を隠すという行為を含めるためらしい。三番目は、「継
続的」という条件も消えたこと。1回限りでもいじめになり得るということか。
そして四番目は、「深刻な苦痛」が「精神的な苦痛」になったこと。深刻で
なくてもいいし、やられた側の心の苦痛を重視するという意味だろう。たと
え外見的に大した事ないように見えても。
この新定義、配慮は分かるが、1回限りなら単なる「暴力」や「嫌がらせ」
だし、心理的・物理的攻撃という言い方も冗長だ。文末の「もの」という言
葉も曖昧。さらに、いじめは学校の生徒に関するものとは限らないし、本
人がいじめと思ってるかどうかもビミョー。逆に、本人たちがいじめと思っ
てても、実は単なる「いたずら」レベルに過ぎないということもあるだろう。
「いじめ」という言葉が、軽く広くなり過ぎると、役に立たなくなる。そこで、
私としては、次のように定義しておこう。
(いじめの定義)
ある人を、一定の関係を持つ他人が、継続的に苦しめること。
当事者(被害者や加害者)自らが感じたり訴えたりしなくても、周
囲が明らかに認知できる場合は、いじめと考える。逆に、たとえ
当事者が感じたり訴えたりしても、周囲がいじめではないと考え
ることも可能だが、こちらの場合はなるべく当事者を優先する。
☆ ☆ ☆
そうするとまず、私自身は、「いじめられた」ことが一度もないことになる。一
度や二度程度の嫌がらせや暴力なら、何件か思い当たるが、継続的なも
のはないし、そもそも件数も少ない。
例えば、昨日の記事に書いたような、地域(ムラ)の「タテ社会」で、遊んで
る途中に年長の子どもから幼稚な嫌がらせを受けて、泣いた覚えはある。
小学校の3年くらいまでだろう。ただ、継続的ではなかったし、私も周囲も
大した事とは思ってなかった。私は、泣かされると凄まじい叫び声を上げ
て、激しく当たり散らしてたから、「いじめ」にくい子どもだったと思う♪ 扱
いが面倒だし、私もある程度やり返すし、周囲の大人たちに気付かれてし
まうからだ。
一方、「いじめた」経験については、ビミョーな感じがある。私は子どもの
時から、基本的に「悪いこと、卑怯なことはしない」人間だから、クラスでい
じめがあった時も参加はしなかった。積極的に止めもしなかったけど、い
じめたのと同じ、とは思わない。加害者と傍観者は、無関係ではないけど
別物だ。それを同じだというのは、教育的・倫理的な配慮や理想論であっ
て、現実にも法的にも全く別物として扱われてる。加害者は「悪者」、傍観
者は「あまり良くない者」だ。
ちなみに、クラスのいじめというのは、小学校6年の時のこと。親の職業と
当人の外見、2つの点で「ヴァルネラビリティ」(vulnerability; 傷つけられ
やすさ)を持ってた女の子が受けてたもの。クラスの男子の一部がいじめ
てたんだけど、それほど陰湿でも過激でもなかったと思う。
ただ、そのコにとっては結構辛かっただろうし、結局は担任の先生が激怒
して、一気に収まった覚えがある。人気はあったけど、体罰が強烈な先生
だったから、みんな恐かったんだろう。圧倒的な力を持つ先生一人に、み
んな揃って「いじめ」られるのが。。♪
☆ ☆ ☆
話を戻すと、私が「いじめた」かどうか。いじめてないとキッパリ胸を張り
たい所だけど、今から思うと「あれはイジメに近かったかな・・」という経験
が2回あるのだ。
最初は、小学校低学年。2年か3年かな。クラスに、個人的に嫌いな女の
子がいて、時々口ゲンカみたいな対立があったんだけど、ある時、私がそ
の子の手の指をケガさせてしまったのだ。血は流れてないし、骨折でもなく、
筋を痛めたようなことだったと思う。
でも、流石に自分でもやり過ぎたと思ったし、すぐ先生に怒られて、それ以
降はこの子には関わらなくなったはずだ。別に「無視」とかいうほどのこと
ではない。肌の合わない仲間と距離を保つ権利くらい、誰だって持ってる
し、悪いことでもないだろう。この事件、暴力に継続性はないし、私としては、
少なくとも当時の基準だと「ケンカ」のエスカレートだと思うけど、今なら「い
じめ」と言われるかも知れない。後で民事訴訟の時効の年数を調べとくべ
きかも。。(^^ゞ
ちなみに、女の子のスカートめくりは何度かやったし、物を隠すこともたま
にあったけど、単に女の子の気を引くための幼稚な行動であって、別に下
着を見たかったわけでもない。その程度で「いじめ」と言われたら、逆に「男
の子いじめ」だろと言い返したくなる。そもそも、私が悪いのではなく、男の
Y染色体のDNAが悪いだけなのだ♪
☆ ☆ ☆
もう1回は、小学校6年だと思うけど、5年かも知れない。いつも一緒に遊
んでた友達の1人、F君は小太りで少し大人しめ。身体的にも精神的にも、
それほど「弱い」子どもではなかったけど、時々「からかう」対象ではあった。
と言っても、たまに体型をからかったり、テストの点が私より悪かったこと
をからかう程度で、暴力も無ければ、金銭を奪い取ったりもない。物を隠
したことはあったかも知れないけど、たかが子供のお遊びレベル。「いた
ずら」にすぎない。そもそも、私は彼の家によく遊びに行ってて、向こうの
母親がいる状況で仲良く遊んでたし、母親同士もよく知ってる仲だった。
ところが1度だけ、「遊び」がエスカレートしたのだ。何のゲームだったか
思い出せないけど、F君が弱いゲームがあって、負けた者が「しっぺ」(=
にっぺ)されることになってた。しっぺとは、人差し指と中指を揃えて、相手
の手首をビシッと1回叩くこと。検索すると、しっぺもにっぺも沢山出て来
るから、全国どこでもやってる子供の罰ゲームだろう。デコピンみたいな
ものだけど、デコピンは私の地域では全く流行ってなかった。
で、そのゲームでF君の負けが多かったから、結果的にみんなでF君の手
首にしっぺをすることになったのだ。彼は痛がってるのに、私達は笑って
面白がってる。構図的には完全に「いじめ」かも知れないけど、たかがしっ
ぺ=にっぺだし、可愛い「罰ゲーム」に過ぎない。
今でもそう思うけど、事実としては、F君は手首が腫れて病院に行ったよ
うで、母親から学校に連絡。私たちはごく軽く「注意」されて、すぐに止め
たし、その後もF君とは仲良く遊んでた。ただ、これは集団で何日間か継
続してやったから、イジメと言われればウ~ン・・という感じだ。まあ、彼は
男だし、長年の遊び友達。民事訴訟や賠償請求の心配はないだろう♪
☆ ☆ ☆
という訳で、結論としては、私は「いじめられた」ことも「いじめた」こともない
幸せな人間なのだ・・・そう思い込むことこそ、幸せな性格かも知れない (^^ゞ
中学以降も、ビミョーな体験が何度かあるけど、それはまた続きで書くこ
とにしよう。
とにかく、「いじめ」かそうでないかの判断は微妙な時もあるけど、明らか
なものは迅速かつ適切に処置すべきだ。当事者双方も、周囲の教師や
親たちも。場合によっては、「監視と処罰」も必要だろう。フランス現代思
想の四天王の一人、ミシェル・フーコーの書物を熟読しなければダメとい
うことだ♪ ま、邦訳だと売れ線の副題を前面に出して、『監獄の誕生』に
なってるけどね。編集者さん、新潮社さん、儲かってまっか?って感じだ。
実は、監視や処罰といった行為も、別の観点から「いじめ」とみなせるか
も知れない。特に処罰の方法は重要で、いずれまた考えてみよう。意外
なほど長くなってしまった。それでは今夜はこの辺で。。☆彡
(計 4060文字)
| 固定リンク | 0
「社会」カテゴリの記事
- 不織布マスクのみOKで、ポリウレタンや布製マスクはダメ?、富岳シミュレーション実験などの誤解もあるかも(2021.01.16)
- ウーバーイーツのバッグのロゴを隠して身を守る、隠れUber増加?&プチジョグ(2021.01.15)
- コロナ下の金融緩和バブル、ドル建て日経平均株価はバブル期超え、史上最高値を更新(2021.01.14)
- コロナ禍の成人式、晴れ着の女の子たちの笑顔を見てると・・&18km走(2021.01.11)
- 京都きもの友禅、成人式中止でレンタル着物進呈の謎を解明か♪&順調に回復中(2021.01.06)
「回想録」カテゴリの記事
- 吾輩は『猫である』に挫折した少年である♪~テンメイ回想録13(2016.04.02)
- 職場の派閥争いと分裂、辞職・・~テンメイ回想録12(2016.01.15)
- 年賀状配達アルバイトの思い出(高校時代)~テンメイ回想録11(2015.12.21)
- ブランコと靴飛ばしで遊んだ日々♪~テンメイ回想録10(2014.06.04)
- 小学校時代の「春」~テンメイ回想録9(2013.03.27)
コメント