ロンドン五輪、なでしこ2位狙いとバドミントン失格問題
今日は自転車にアクシデントが発生したし、時間も字数も余裕がないから、
話題のロンドン五輪の「手抜き戦略」について、サラッとまとめとこう。
既に4日前となった7月31日、女子サッカー・1次リーグF組最終戦で、南
アフリカと戦ったなでしこJAPANは、0-0のスコアレス・ドロー(無得点の
引き分け)で終了。佐々木則夫監督はジョーク(?)も交えながら、後半の
途中から2位狙いを指示したことを正直に明かした。
これについて、あちこちで色んな意見が出てるが、FIFA(国際サッカー連
盟)は規律委員会にかけないことを発表。つまり、不問だから、事実上の
容認ということになる。もし、なでしこが「意図的に消極的試合を行った」と
だけ考えるなら、甘い対応にも見えるが、問題は中身や背景であって、深
く考えればお咎(とが)めなしの容認で妥当だと思う。
2位の方が移動がラクになるとか、準々決勝でやりやすい相手になるといっ
た話は、なでしこJAPAN側から見た理由だから、周囲が事の是非を判断
する理由にはならない。
まず、あの試合の大きな背景を考えると、そもそもサッカーで、引き分け狙
いとか時間稼ぎという戦術 or 戦略は、フツーに行われてるという事実があ
る。サッカーは非常に点数を取りにくい競技だから、得点の変化がないま
ま時間の経過を待つのは、それほど不自然でないし、簡単なことなのだ。
あと、個別の試合内容。実はあの試合、私は他の事をしながら流し見して
たんだけど、まさに後半の途中から、テレビ画面を全く見なくなったのだ。
何となく、このまま引き分けだろうな・・・と思ったからだし、無意識の内に
消極的姿勢を感じ取ったのかも知れない。ただ、音声を聞いても試合後
の情報を見ても、後半の途中から急に悲惨な試合になったというわけで
はなかったはず。少なくとも、話題のバドミントンと比較するなら。。
☆ ☆ ☆
一方、そのバドミントン。女子ダブルスで、中国・韓国(2ペア)・インドネシア
の計4ペアが、準々決勝を有利にするためにわざと消極的な試合を行い、
世界バドミントン連盟は競技の冒涜(とく)として8人全員を失格処分にした。
これと比べて、なでしこはどうか・・・という疑問が生じるのは当然だろうが、
プレーの中身も背景も大幅に違ってる。バドミントンの場合、簡単に点数が
入るし、1回ごとにどちらかに必ず点が加わる。ボールキープと言うかシャ
トル(羽)キープも出来ないから、サッカーみたいな引き分け狙いは成立し
ないし、わざと負けるためには露骨なプレーが生じやすい。実際、私は直
接見てないけど、サーブをわざとらしく失敗したり、相手から来た簡単なシャ
トルを拾わなかったりしたようで、観客からブーイングが生じたとの事。
つまり、わざと負けようとしたからとか、消極的だからと言うより、あまりに試
合内容が稚拙過ぎたわけで、やり方とか程度の問題だ。おまけに、バドミン
トンはわりと不人気種目だから、国際オリンピック委員会ににらまれると、外
されてしまう恐れもある。だから、再試合にすることもなく、すぐ失格にしてけ
じめを付けたわけだ。再試合という選択肢はあったと思うが、まあ厳しい処
分を下されて当然の試合内容だったのだろう。実際、当の中国や韓国でさ
え、選手やコーチらを非難する声が大きいようだ。。
☆ ☆ ☆
最後に2点、追加しよう。まず、真剣に試合すべきだという精神論について。
これは、「試合」というものをどう見るかによって違って来る。テニスでもそう
だが、優勝を狙う場合は、優勝までの全体をトータルで考えて、その中で力
を配分するわけだ。意図的であれ、無意識であれ。今回のなでしこの場合、
本気でメダルか金を狙うわけだから、準々決勝を有利にするのは、ある意
味で真剣なのだ。批判を承知で、五輪という試合全体を真剣に戦ってる。
一方、こんな事態が生じるような試合のシステムが悪いという批判もある。
柔道みたいに、本戦トーナメントと敗者復活戦にするというのは、考えてみ
ていい事だし、移動の大変さの違いを無くす努力も大切だとは思う。
ただ、予選リーグ&決勝トーナメントというのは、昔からごくフツーに行われ
て来た伝統の一つだし、立派なサッカー場を、狭くてアクセスがいい範囲に
沢山持ってる国は珍しいはず。ある程度までは、「移動も試合の内」と割り
切った方がいいと思う。そもそも、夏の甲子園を始めとして、日本の様々な
全国大会でも、遠くから参加する選手やチームは遥かに不利な中で戦って
るのだから。短期間で行う大規模な大会の宿命なのだ。
さて、もうすぐなでしこジャパンが本気で戦うブラジル戦が開始となる。負け
ると、また八百長議論の蒸し返しになるだろうから、余計に頑張ってくれる
だろう。それでは、今夜はこの辺で。。☆彡
(計 1966文字)
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コメント
テンメイさん、始めまして
manaさん・キッドさんのところからお邪魔しています。
「竹野内豊」さんのドラマからです。朝日新聞のコラム欄に書かれた
記事などおもしろくて^^読んでいます。
サッカーも大好きです。バドミントンはやっています。
サッカーの試合は、控え選手との力の差がありすぎてうまくいかなかった。
後半遅くに川澄選手が入って局面が打開できるか?展開するかなと期待し
ました。2、3球は前へ出しました。
後ろへのパス回しを見て「引き分け狙い」に来たとはっきりわかりました。
違和感なしです。サッカーではよくある戦術です。無気力とは関係ないと
思います。
バドミントンは、日本選手の時しか見ていませんが、素人の私たちなら、
空振りしてもよくあることですが・・すぐれた技術を持っている選手だか
らこそ、試合運びをコントロールできたのでしょうか・・
バドミントンは、どちらかが勝つまで1セットの試合が続くから、引き分け
狙いはありえないはずなのに・・・メダルが取れるのと取れないのとでは、
天国と地獄ほどの差ですよね。韓国や中国、インドネシアではありなのか?
3国とも国技に近いからなのでしょうね。
それにしても頑張っている選手を見るのは大好きですが、あまりにも国の
威信を背負って、メダル獲得と言われると疑問に思ってしまいます。でも、
北島選手がメドレーで銀メダルを取ることができて、ほっとした自分もいます。
テンメイさんのブログを読んで納得しています。ありがとうございました。
投稿: orugann | 2012年8月 5日 (日) 22時47分
> orugann さん
はじめまして。コメントありがとうございます。
ユニークなお名前と言うか、綴りですね。
楽器のオルガンをどこかの言葉で書いてるのかなと
思って調べましたが、分かりませんでした (^^ゞ
orugann はそちらのブログの代名詞ってことでしょう☆
manaさん・キッドさんの所からということは、ドラマ
ファンですね。竹野内豊と言うと『もう一度』とか。
「朝日新聞のコラム欄に書かれた記事」というのは、
僕が朝日をネタに書いた記事って意味ですかね。
色々と言いながらも愛読者ですから、
折に触れてネタにさせて頂いてます。
朝日デジタルも含めて、毎月5000円の巨額な投資。
しっかり元を取らなきゃ♪ と言っても1円にもならないけど(^^ゞ
サッカー好きはフツーとして、バドミントンを
やってるんですか。僕は小学校以来、ご無沙汰かも♪
あれって、女性のスポーツのイメージがあるし、
コートとネットも必要ですからね。でも、楽しいのは確か。
シャトルのスピード変化も面白い部分ですね。
急激に遅くなるのは、他の球技にない特徴でしょう。
なでしこのサッカー引き分け狙い。
あの程度は、サッカーだと普通のことですが、
マスコミが騒ぎ過ぎだし、バドミントン失格問題と
たまたま重なりましたからね。
理屈屋の僕としても、その違いがちょっとビミョー
だったから、軽く考えてまとめてみました。
戦略として正しいかどうかという話と、
マナー・ルール・倫理的にどうかという話とは、
分けて考えるべきでしょう。
バドミントン失格も、力を極端に抜き過ぎてるから、
なでしこ2位狙いとは別問題。
参考にして頂けたようで、嬉しいです。
国の威信に関しては、あの中国が、今大会では
あんましメダルを強調してないようですね。
ま、前回の北京のメダル数に勝てるはずないからって
いう事情もあるんでしょうが。
「国の威信」と言うより、「国民の反応」が大きいと思います。
歓喜、興奮、感動、関心、さらには模倣とか。
たとえば、なでしこ人気だって、女子W杯で優勝したから。
やっぱり、同じ国の選手の大活躍は刺激的ですからね。
まあ、失われた20年とか、震災・原発問題その他に苦しむ
日本の威信を立て直すって部分もあるのは事実。
なでしこ優勝も、大震災で国家が揺れてる時でしたからね。
あと、そもそもスポーツのトップ選手には、
国のお金が注ぎ込まれてます。
その分、メダルという分かりやすい結果が問われるし、
結果を出せないと予算を削られたりしますからね。
それにしても、金と、銀・銅との違いはやっぱり感じます。
そもそも日本語だと、漢字の形が違いますよね。
2位の銀は、3位の銅と同(どう)レベルに感じます♪
陸上男子100mなんて典型的。金のボルトが話題独占。
かつての仕分けの名ゼリフを思い出すほど。
「2位じゃダメなんですか?」(笑)
ま、自らスポーツすることを愛する一般市民としては、

自分なりに頑張って、楽しんで、充実感を味わうのみ。
案外、orugannさんは隠れエリートかも知れませんが(笑)
とにかく、あんましコメントを期待できない
普通のコラム記事にコメント頂き、どうもでした♪
ではまた。。
投稿: テンメイ | 2012年8月 7日 (火) 07時41分