パズル「絵むすび」、論理的な解き方(ニコリ作・朝日新聞be)
(☆24年9月の追記: 最新記事を別にアップ。
「絵むすび」31、解き方とコツ、考え方(難易度4、9月14日) )
☆ ☆ ☆
最近、理屈系の記事がちょっと真面目すぎてる感もあるから、久々に遊び心をまじえて、パズルの解説を行ってみよう。ただし、解くこと自体や答にはあまり興味はない。あくまで、「論理的に」解くのが狙いだ。
この場合の「論理的に」とは、かなり厳しい意味であって、論理法則を用いた操作ではないけど、「100%これが正しい」という根拠を持ってる状態を指す。もちろん、問題のレベルが上がると、それだけでは上手く行かず、「仮に・・・だとすると」という場合分けや試行錯誤が必要になるし、それでもダメなら、直感 or 直観も大切になる。
ただ、朝日新聞・土曜朝刊の別刷beで掲載されてるパズルなら、難しいものでも場合分けで論理的に解けるし(既に「数独」や「推理」で示した)、簡単なものなら、場合分けさえほとんど必要ないのだ。たかが、「もし・・・ならダメだから、・・・ではなく~~」といった、一瞬で片付く場合分け(大げさに言えば背理法)を使うだけでいい。
それでは実際に、10月13日のパズル「絵むすび」の解き方を考えてみよう。毎度おなじみ、ニコリの作品で、「おむすび」をもじった可愛いネーミングだ。実際の問題は、可愛いカラーの絵が付いてるんだけど、著作権に配慮して、ここでは単なる文字に変えてある。
☆ ☆ ☆
ではまず、新聞に載ってる例題を、「論理的に」解いてみよう。「ハ」はハートの絵、「ク」はクローバーの絵、「ダ」はダイヤの絵だ。理屈をこねなくても、数秒で答が見えてしまうだろうが、それだと難易度のレベルが上がった時に通じない。
ルールは以下の通り。白マ
スに線を引いて、同じ絵(こ
こでは文字)をつなげる。線
は縦か横で、すべてのマス
に1本だけ引く。線の交差
や枝分かれは禁止。絵(こ
こでは文字)のマスを線が
「通過」するのはダメで、絵
のマスはスタート地点かゴー
ル地点となる。
まず、どんな問題でも言え
ることがある。隅っこ(=四
つ角)のマスは、すぐ隣の2
つのマスと線でつながって
るしかない(斜めに引けな
いから)。したがって、L字
型の赤線①が一瞬で引け
る。また、右端の②も一瞬。
ただし、この時点で右端のダとダをつないでしまうのは正しくない。と言うのも、右上のダから引いた矢印が、右下の手前でグニャッと曲がってるかも知れないからだ(カタカナの「コ」を左右反転した形で)。
続いて、クとクを結ぶ線③は、
これしかない。ただし、それ
は、すぐ近くにあって簡単に
結べるからではない。もし左
上あたりで複雑に折れ曲がっ
てたら、左上のハが取り残さ
れてしまうからなのだ。さら
に、線①を挟んでハとハを結ぶ
線④⑤は、もうこれしか無いか
ら、考える余地はない。最後に、⑥でダをつないで完成。本当は、クとクを結
ぶ矢印を②とする方がスマートだけど、ダとダをすぐ結ばず、一旦止めるという操作を示したかったわけ。
実際の例題では、⑤の矢印の真ん中に☆印がある。そこを通過するのはハートの絵を結ぶ線だから、「答」はハートの絵に付けられた数字の「1」となる。まあ、要するに、同じ絵をむすべばいいのだ。
☆ ☆ ☆
では、練習を終えた所で、今回の問題にチャレンジしよう。5段階中で難易度3だから、簡単な問題だけど、適当にやって上手く行かず、苦戦する人もいると思う。そこで、論理的思考の出番なのだ。
まず、問題を掲載しよう。「キ」はキノコ、「ド」はドングリ、「ナ」はナルト、「モ」はモミジ、「カ」はカボチャ、「エ」はエビフライだ。秋の行楽シーズンにピッタリの絵が並んでる。ちなみにカボチャはもちろん、ハロウィーンでお馴染みのお化けの顔だ♪ 中央の「モ」の下に☆印があって、そこを通る線が何を結んでるかを答えるわけだが、解き方とは関係ないので、ここでは省略した。
(☆追記: 中央のモの3マス上に「ナ」を書き忘れてた。上から2マス目。)
パッと見て、ドとド、カとカをすぐ結びつけたくなるが、線の引き方は色々あるから、注意が必要だ。9×9=81マスで、大きいから、まず右側に注目してみよう。基本的な考え方として、文字(つまり絵)が密集してる部分や端っこ(特に四つ角)を最初の手がかりとするのが効率的。線の引き方が限定されるからだ。
例題と同様、まずは
右下の四つ角で線①
を引く。次に、右上の
ドから引いた矢印②
に注意しよう。この先
は、下か左か、まだ
分からないから、一旦
止めるわけだ。
続いて、キから矢印
③を引く。ここで、一
番下まで引いてはい
けない。あくまで下
から3番目のマスで
止めなければならないのだ。この時点ではまだ、①と連結されてない。
下から「4番目」で止めるのではないのか?と思うかも知れないが、エからの線は下に引くしかないから、矢印③は下から「3番目」まで進むしかない。もし左に曲がると、エからの線とぶつかってしまうからだ。あと、②より③を先に引く方が無駄がないけど、何も考えずに機械的に引けるという意味で、②を先に引いてる。まあ、引く順番は色々あるのだ。正しい論理にも、筋道の立て方は色々とある。
☆ ☆ ☆
続いて、⑧まで引い
てみよう。③を引い
た後だから、④で
ドとドを結ぶことが
出来る。⑤は上で
説明した通り。⑥
は、上側のキの邪
魔をしないために、
こう引くしかない。
ただし、⑥の矢印の
先を下のモまでつな
げていいかどうかは、
まだ分からない。上
の⑦は、ナの邪魔を
しないために、これしかない。すると、⑧も確定する。
これでまだ、3分の1が終了した程度にすぎない。しかし、図書カードの抽選に応募するための締切が、メールで水曜の午前0時だから、残りは火曜の23時59分に書き加えることにしよう♪ 朝日新聞やニコリの営業妨害はしないようにという、律儀な心配りなのだ。
答だけなら既にネットにあるだろうけど、間違った答を見かけたことも何度かあるので、ご注意あれ。パズルに限らず、ネットにも限らず、情報には一般に、読み取る側のリテラシー(読み取り&取捨選択能力)が重要となる。もちろんそれは、本来なら、情報の発信側にも言えることのはずだ。
それでは、今日はひとまずこの辺で。。☆彡
P.S. 同時掲載の「ジグソータイル」についても一言。1枚の長方形の絵を、正方形のタイル全120枚(横12×縦10)に分け、33ピースにする問題だ。1ピースだけ余分に加わって、34ピース示されてる中から、余分なものを見つけ出す。
34ピースに含まれるタイル数の合計は124枚だから、余分なピースは4枚(=124-120)で出来たものだとすぐ分かる。それ以上の「論理的な」解き方は、まだ思い付かない。まあ、上下左右をそのままにしたピースが描かれてるから、普通に解けば十分だろう。ジグソーパズルより遥かに簡単なはずだ。
ちなみに、白黒チェックの市松模様のジグソータイルなら、白と黒、それぞれの枚数を数えるという小技も使える。それぞれ何枚余ってるかで、余分なピースに含まれる白黒の枚数が分かるのだ。
P.S.2 では、もう応募の締切時間なので、正解を発表。下の赤い太線部分(矢印⑪)が一番難しい所で、ここだけは場合分けが必要だろう(直感的にも一応分かる)。左に進む代わりに、真下に進んだ場合、ナルトを結ぶ線とカボチャを結ぶ線が交わってしまうのだ。
P.S.3 12年11月24日、この記事に多数のアクセスが入った。この日は難易度4の「絵むすび」が掲載されて、苦戦した人が多かったのだろう。私もちょっと首をヒネったけど、新たなテクニックを編み出すことで論理的に解決した。
答は締切の直前、27日(火)の23時58分頃にアップする予定だが、ヒントだけ先に書いとこう。まず肉まん(or あんまん)の結び方を大まかに決めた後に、おでんの結び方を考える。これがかなりヒネくれてるのだ♪ おでんが分かれば、後は簡単だろう。。
P.S.4 答は、「おでん」だ。つまり、3番。正解の図は近々、アップするつもり。右上のおでんからの線は、右上と左上の角を通った後、ポットの上をグルッと回って左下のおでんとつながる。
(追記: 新聞の正解発表が2日後になったので、図はもう省略する。肉まんは右端で、本は下側辺りで、ポットは左下辺りで結ぶ。)
P.S.5 13年3月3日追記: 第2弾の記事をアップ。
パズル「絵むすび」、論理的な解き方2~ニコリ作・朝日新聞be
P.S.6 13年4月21日追記: 昨日、20日の問題は難易度4で難しかった。
今日以降、少しずつ記事で解答を発表する予定。時計を結ぶ線が複雑。
P.S.7 14年8月3日、第4弾の記事を、わざと未完成のままアップ。
パズル「絵むすび」、論理的な解き方4~ニコリ作・朝日新聞be
P.S.8 14年10月4日、第5弾記事アップ。
「絵むすび」の解き方5(ニコリ作・朝日be)&再び気温24度ハーフ走
cf.パズル「絵むすび」解き方7~ニコリ作・朝日新聞be(15年3月14日)
「絵むすび」解き方8~ニコリ作・朝日新聞チャレクロ2015
「絵むすび」解き方9~難易度5、ニコリ作・朝日be(15年8月8日)
「絵むすび」解き方10~難易度4、ニコリ作・朝日be(16年3月26日)
絵むすびの解き方11、小学生向け(朝日新聞、16年5月21日)
絵むすびの解き方13、小学生向け(18年5月19日)
「絵むすび」解き方15~小学生向け(20年3月21日)
☆21年11月6日の追記: 新たに記事をアップ。 「絵むすび」19(難易度4)
☆22年1月22日: 新たに記事をアップ。 絵むすび 20(難易度4)
☆22年3月19日: 新たに記事をアップ。 絵むすび 21(難易度2)
☆22年5月21日: 新たに記事をアップ。 絵むすび 22(難易度4)
☆22年7月17日: 新たに記事をアップ。 絵むすび 23(難易度3)
☆22年10月2日: 新たに記事をアップ。 絵むすび 24(難易度3)
☆22年11月26日: 新記事をアップ。 絵むすび 25(難易度4)
☆23年2月12日: 新記事アップ。 絵むすび 26(難易度3)
☆23年4月9日: 新記事をアップ。 絵むすび 27(難易度4)
☆23年6月10日: 新記事をアップ。 絵むすび 28(難易度4)
☆23年8月: 新記事を別にアップ。 絵むすび 29(難易度4)
☆23年10月: 新記事を別にアップ。 絵むすび 30(難易度3)
(計 3809文字)
(追記424字 ; 合計4233字)
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