« 川口マラソン、準備完了♪&『ゴーイング』第7話とか | トップページ | 原子核と放射線~高校物理の教科書の問題と解説(2) »

大ベストセラーのママ向けSM小説、『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』

15年7月8日追記: 映画批評をアップ(約6000字)。

     鉛筆を唇にあてて夢見る女の子

             ~映画『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』レビュー

 

☆2013年3月4日追記: 第二弾のレビューをアップ。

      SMプレイと虐待トラウマ~『フィフティ・シェイズ・ダーカー』 

 

 

           ☆          ☆          ☆

通勤JOG 2km,12分程度

 

   「ああ・・・もうだめ!

   「声を出すな

   鞭はまたしてもお尻に振り下ろされた・・・・・・

 

冒頭にこう書かれたニュース記事をネットで見たのは、昨夜だった。記事タ

イトル(見出し)は、「ハリポタ超え最速売り上げ“マミーポルノ”世界的

人気」。@niftyに配信したのは、NEWSポストセブン。元は雑誌『女性セブ

ン』12年11月29日・12月6日号に掲載された記事らしい。

 

そう宣伝されても、『ハリポタ』(ハリーポッター)さえ読んでない人間にとって

はいまいちピンと来なかったりする (^^ゞ まあでも、この官能小説、『フィフ

ティ・シェイズ・オブ・グレイ』(E.L.ジェイムズ)。「今年4月にイギリスなど

で発売され、すでに全世界での販売部数が電子版含め6300万部(10月

1日現在、シリーズ累計)」とか、「イギリスでは発売後3か月で3000万部

を突破」とか言われると、確かにケタ外れのベストセラーなのは分かる。し

かも意外なことに、30~40代子持ち女性(ママ=母親)に人気で、欧

米では「ミーポル」というジャンルとして確立されてるそうだ。

 

さらに、冒頭の文章から分かるように、恋愛内容のポイントの一つはSM

手錠などの「セックストイ」(大人のおもちゃ)の売り上げが大幅に増えたと

か、来年はベビーブームが来る(笑)とか書かれると、知的好奇心に溢れる

マニアック・ブロガーとしては「実地研究」するしかない♪ そこで早速、今

日の仕事帰りに、某有名書店で立ち読みして来た・・・って、立ち読みかよ! 

 

いやぁ、目立つ場所に、ビニールシートも紐も無しに飾られてたもんで、上

下2巻、ついペラベラやってしまったのだ。時々そばに店員が来てお仕事

してたのは、たぶん気のせいだろう(笑)。その後、別の書店でまたチェッ

クしてる間、カウンターの女性からの冷めた視線を感じたのも、単なる自

意識過剰だと思っとこう♪ ・・・って、2つも本屋に行ったのかよ!

 

 

         ☆          ☆          ☆

と言うわけで、マニアック・ブロガーの真摯(しんし)な知的探求の感想をご

く簡単に書き記してみる。それなりに配慮はするけど、当然ネタバレ的な

話になるので、ご注意あれ。まず自分自身で楽しみたい方は、ここで読む

のをストップして、書店に向かって欲しい。男の場合はね。

 

女性は、立ち読みするのが恥ずかしいだろうから、早川書房の電子書籍

版がお勧めだ♪ 上下共に1323円(税込)。紙の書籍版は同1470円だ

から、1割しか安くなってないけど、密かに読めるしPC内に隠せるから便

利だろう。iPadを使って、サラリーマンに囲まれた電車内で読むのも、刺

激的でお勧めかも(笑)。

 

では、私のごく簡単な感想に入ろう。真面目な話、あくまでママ向け、大人

の女性向けの小説だから、内容の過激さには期待してなかった。レディー

スコミックも、男性向け漫画と比べるとやっぱり柔らかい内容「らしい」から♪

私が知りたかったのは、書名の意味。『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』と

はどうゆう事なのか、気になったわけ。その点は、週刊プレイボーイが配信

する週プレNEWSを読んでも書いてなかった。。         

 

 

         ☆          ☆          ☆

英語の原題は、『Fifty Shades of Grey』。英語版のウィキペディアを

見ると、2011年6月の出版となってるから、日本のネットニュースと違って

るけど、その点はこだわらないことにする。12年1月までに三部作すべて

が一旦揃ったけど、12年4月に改訂版がアメリカで出たって話みたいだ。

第2部が『フィフティ・シェイズ・ダーカー(Darker)』、第3部は『フィフティ・

シェイズ・フリード(Freed)』。

 

「Grey」は、大成功した美しき青年実業家の名前・グレイで、たまたま彼に

学生新聞の取材をすることになった主人公の女子大生・アナスタシアが一

目惚れする相手だ。女性セブンは、「ふたりは徐々に惹かれ合う」と書いて

るけど、少なくとも「アナ」の方は、CEO(最高経営責任者)の「美青年」(笑)

に見とれて、最初から完全に舞い上がってる♪ 

 

問題は、「Fifty Shades」。つまり、50の「シェイド」。この単語、普通に聞

くと最初に浮かぶ訳語は「」だろう。実際、辞書の意味の一番最初もそう

なってる(プログレッシブ英和中辞典、新グローバル英和辞典)。ただ、そ

のしばらく下には、別の用法もある。「ニュアンス、ちょっとした違い、微妙

なあや」という意味。

 

したがって、堅苦しく訳すなら、「グレイが持つ50の陰=あや」って感じだろ

う。「超訳」なら、「グレイの超絶技巧のすべて」って感じかな♪ 邦訳の文章

では、「五十通りに歪んでる」とか書かれてたと思う。その右には小さい活字

で、「フィフティ・シェイズ」とルビが打たれてるのだ。もちろん、歪みとは、性

的倒錯を指す言葉だ。ちなみにフランス語版では、シェイズは「nuances」

(ニュアンス)と訳されてた。。

 

 

           ☆          ☆          ☆

では、その超絶技巧の数々を細かく書いて行こう・・・っていうのは無理 (^^ゞ

時間がないもんで。立ち読みの印象だと、実は普通の性行為が目立ってた

気がしたけど、SMプレイの中だと、束縛(ボンデージ)命令・調教(ディシ

プリン)。BDSM」(Bondage&Discipline Sadism&Masochism)だ。

 

実際、序盤からロープや鞭が登場するし、グレイは初対面から「支配者」(

ミナント=dominant)として君臨する。一方、アナは直ちに「服従者」(サブ

ミッシブ=submissive:従属者、従順な人間)への道を歩み始めるのだ。

ちょっと目立つのが、支配・服従関係の詳細な奴隷契約書。青年実業家ら

しく、非常にビジネスライクに書かれてる。

 

噂によると(笑)、日本でAVを撮影する際にも、わりと細かいやり取りが交わ

されることがある「らしい」♪ 「顔面」と「お尻」はいいけど、スカトロ(排泄)や

ローソクは嫌って感じの取り決めだ。

 

アナは3ヶ月契約で、男の私が読むと、かなりソフトな条件設定になってる。

この辺りが、やっぱりやや年配の女性向けだなと感じる部分だろう。日本

で言う、「ソフトSM」よりは遥かに本格的だけど、汚くて恥ずかしいスカトロ

はもちろん無しだし、身体を傷つけて痕が残ってしまうプレイも無し。焦らし

テクニックも甘いし、喘ぎ声も控えめ(笑)。おまけに、支配者=ドミナントは

十分、服従者=サブミッシブに配慮することになってる。

 

なるほど。こうゆう風に優しく誘えば、女性も欲望と好奇心に負けてOKす

るわけか。メモメモ♪ で、一般人はグレイみたいな特殊な部屋は用意出

来ないから、そうゆうプレイルームを探して2時間くらい借りるわけね・・・と

か、他人事みたいに書いとこうか(笑)。コラコラ。

 

 

          ☆          ☆          ☆     

まあ、元々は女性の作者が趣味でネットに書いたウェブ小説らしくて、その

わりには全体的にしっかり出来てるけど、徹底的に女性向け、ビギナー(初

心者)向けのエロ小説だなとは思った。

 

実際、早川書房のジャンル分けには、「恋愛/青春」と書かれてる。歪んだ

形とはいえ、若くて優秀でカッコイイ男性が、普通っぽい女性に魅かれて行

く、白馬の王子様の物語。女性が倒錯の世界の深みにはまり込んで、切な

く甘美な隷属の悦びに浸るっていう、ありがち「らしい」マゾ物語ではない♪

 

それなら今度は私が、男性向けの本格版をブログに連載してみよう♪ オ

イオイ! 真面目な話、ブログにあんましアダルトな内容を書くと、青少年

への悪影響ってことで処罰されるらしいから、気を付けなきゃね。だからこ

の記事も、過激な表現は避けてるのだ・・・とアピールしとこう (^^ゞ われら、

小市民。なるべく目立たず平穏に生きていくってことで。表面的には(笑)。

 

なお、今日の走り通勤ジョギング2kmのみ。もうレース直前だから、ほ

んの僅かな距離を1km6分ペースで走るだけにした。階段の一段飛ばし

も、やってない。いつもほどはネ♪ 左足首の痛みがちょっと残ってたけ

ど、大した事はないと思う。それでは、また明日。。☆彡

 

 

 

 

P.S. 第二弾の『フィフティ・シェイズ・ダーカー』は、同じ早川書房から、

     2013年2月26日に刊行予定。 

          (☆追記: 既に読んでレビューした。下のリンクを参照。)

 

P.S.2 『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』が映画化され、2015年2月13

      日から日米同時に「バレンタイン公開」されることになったようだ。

      予告編動画や画像も解禁。グレイ役は制作途中で代役に起用さ

      れたジェイミー・ドーナン、アナ役はダコタ・ジョンソン。動画も女性

      向きに作られてる感じだった。『ダーカー』以降の映画化について

      はまだ不明。

 

P.S.3 映画公開1ヶ月前、2015年1月上旬に、映画の帯付きで文庫本

      (上・中・下)が発売された。 ちなみに映画のヒーロー役ドーナンは、

      2014年の世界で最もハンサムな男性ランキングで第1位となって

      るが、小説の熱狂的ファンの反感を買って襲われるのを恐れてる♪

 

P.S.4 2015年2月11日のベルリン映画祭で、ワールドプレミア(世界初)

      上映となる予定。

 

P.S.5 ベルリンの上映の評判を英語で読むと、興奮か苦痛か、評価が

150212b 分かれてるよう

 だ。公式動画か

 ら予想される通

 り、ソフトな内

 容らしい。原作

も監督もシナリオ(脚本)も女性だから、当然かも。ちなみに続編2本は既に

確定してるようで、『ダーカー』公開は2016年の予定。

 

P.S.6 Blu-ray+DVDは、2015年7月2日発売予定。普通のR15で

      はなく、R18バージョンらしい。EXTENDED版と日本語吹替も収

      録。早めに見てレビューする予定。 

 

 

cf. SMプレイと虐待トラウマ~『フィフティ・シェイズ・ダーカー』

 

                                  (計 4099文字)

| |

« 川口マラソン、準備完了♪&『ゴーイング』第7話とか | トップページ | 原子核と放射線~高校物理の教科書の問題と解説(2) »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

ランニング」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 川口マラソン、準備完了♪&『ゴーイング』第7話とか | トップページ | 原子核と放射線~高校物理の教科書の問題と解説(2) »