水ロケットの向こう側まで跳躍する視線~『SUMMER NUDE』第4話
あの「まあまあ」の料理、本当に「オムライス」なの?・・っていう疑問ツイー
トが見当たらないね♪ ウィキペディアを見ても、オムライスって基本的に、
焼き卵で「目」やカヌーの
形に包んでる料理。写真
はウィキメディア、cheche
chery氏。
トロトロ・フワフワの半熟
(?)卵をかけたケチャッ
プ・ライスは、別の名前にすべきだと思うけどな。ま、録画してないから見間
違いかも知れないけど。。
・・・って話よりまず、いまや国際問題となってる例のトルコライス。いや、そう
じゃなくて、第4話の視聴率13.4%、おめでとう☆ 17.4、12.8、10.8
と続いた後、急回復になったね。スタッフやファンの方々も、これで一安心。
多分、「ビーチ・メガネ探し」がウケたんだろう♪ そこかよ! 良い子の皆さ
ん、ビーチ・メガネいじめは止めようネ。ちなみに私は、ビーチ・ビキニはずし
が好きだ。コラコラ。
☆ ☆ ☆
今回、コネタの連発から書き始めたのは、ドラマ自体がそうゆう構成になっ
てるからなんだけど、まずはメディアにおける夏ドラマの全体的批評が出揃っ
たから、ザッとまとめて確認しとこう。
私が読んだのは、朝日新聞、読売新聞、週刊文春(今井舞)、フライデーの4
つ。視聴率も評価も断トツで高いのが、堺雅人主演の銀行ドラマ、TBS『半
沢直樹』。28日の第3話では、『ガリレオ2』と『あまちゃん』の22.6%を超
える22.9%まで伸ばして、今年の1位へと躍進。
余裕が出来たら1回くらい見ようかなと思ってるけど、少なくともお盆休みま
では無理だ。まあでも、評価の内容を読む限り、少なくとも私の趣味ではな
い気がする。倍返し、半沢走り、爽快感。。単純な勧善懲悪かどうかはさて
おき、おそらく『リーガル・ハイ』と『家政婦のミタ』と『水戸黄門』を足して3で
割ったようなドラマだろう。堺の演技は確かに「上手い」けどね。産経HPに
よると、関西のオバチャン(F3層:50~69歳女性)に人気とのこと♪ 分か
りやす過ぎ。。
私としてはむしろ、視聴率はフツーなのに高評価が目立つ日テレ『Woman』
の方が気になる。「Man」(男)の私にとって、シングルマザーの重いドラマは
感情移入しにくいだろうけど、坂元裕二の脚本なら信頼できるのだ。レビュー
はしなかったし、ちょっとしか見てないけど、冬ドラマの『最高の離婚』でも、言
葉の魔術師みたいな台詞のテクニックを誇示してた☆ 同じくテクニシャンの
野島伸司と比べても、坂元は真摯な言葉がしっくり心にしみるのだ。
一方、『SUMMER NUDE』の評価は全般的に冴えない。朝日の座談会だ
と、記者5人×5点=25点満点の評価で、2点以下(選外)。ちなみに5人中、
4人は女性。彼女たちは春の福山雅治『ガリレオ2』もほとんど評価してなかっ
たから、ちょっと特殊な趣味なのかも♪ あるいは、作品評価にタレント評価
を加味してはいけないという不文律が作用してるのか。
読売の座談会だと、同じく5人×5点の評価で、1位『半沢』25点満点、2位
『Woman』24点に対して、『サマーヌード』は10位の12点。女性2人も3点
(53歳)と1点(39歳)で、美青年・山下智久の魅力に釣られなかったようだ。
山Pはインテリ女性に受けない・・ってことではないと思うけど、朝日も読売も
『ラスト・シンデレラ』をほとんど評価してないから、分かりやすい性的魅力は
相手にしない、というポーズを無理して見せてるのかも(笑)。
☆ ☆ ☆
さて、私自身の場合、先日コメント欄でレスしたように、『サマー』の評価は5
割増になってるのだ。海が舞台で2割、『ビーチボーイズ』と『プロポーズ大作
戦』関連で各2割、読者に配慮して2割(笑)、長澤まさみの熱愛で3割引♪
2+2+2+2-3=5割増。
ただ、『半沢』や『Woman』をまだ見てない現時点でも、『サマー』の方が本
質的に優れてる点を2つ挙げることは可能だ。それはまず、今回ビーチでち
らっと映った白いビキニの女の子が可愛かったこと♪ 細かっ! 孝至(勝地
涼)が水着で寝そべってる姿を後ろからじっくり映したカットも良かったのだ。
オイオイ! あぶないわ。
そうじゃなくて、まず、ずば抜けた素晴らしい主人公がいない点だ。『半沢』
の堺はもちろん、『Woman』の満島ひかりと比べても、『サマー』の山P=
朝日はごく普通のカメラマン(外見は別)。高校球児としての最後のプレイも、
送りバントだったらしい(笑)。
思わずガクッと力が抜けたのは、身体の問題で海に入れない雄太(秋元黎)
に対して、「海に入るより楽しい事を教えてやる」とか宣言した後、どうすれ
ばいいか、みんなに相談してたこと♪
更に、未練が薄れて来た所で、香澄(長澤まさみ)の看板を外してくれるよう、
波奈江(戸田恵梨香)を通してお父さんに頼むシーンなんて、『プロポ』の妖
精(三上博史)ならダメ出ししてたかも(笑)。20代後半の男なら、自分で直接、
お父さんに頭を下げるか、看板なんて気にしないか、どっちかだろう。
☆ ☆ ☆
朝日のこうしたフツーっぽさは、『プロポ』のケンゾーを受け継ぐと共に、今と
いう時代、あるいは現代的な若者を等身大で表現してる。
多くの人は、現実の凡庸さに満足できず、非凡なもの、劇的な展開をドラマ
に求めるわけで、驚異の視聴率を記録した『ミタ』もそのタイプ。あるいは、
何十年もの間、広く人気を誇った『水戸黄門』もその典型。『サマー』も一応、
そうゆう部分は少し持ってるわけだが、『ミタ』や『黄門』とは程遠いドラマだ。
凄い人物がいない代わりに、みんながそこそこで、悪人は出て来ない。恋愛
ドラマというより、微妙なつながりの疑似家族によるホームドラマ。
ただし、まったく平凡な現実を映し出すと、『ゴーイング・マイ・ホーム』のよう
な味わい深い秀作でさえ、視聴率的には大敗することになる。先日のカンヌ
国際映画祭・審査員賞受賞など、高い評価を得てる是枝裕和監督でさえ、
そうなのだ。
そこで『サマー』には、色々な配慮や工夫が導入されることになる。若手人気
俳優4人に加えて、外見的に恵まれた若手俳優を大勢導入。『ブロポ』や『ビー
チボーイズ』との関連を付けると共に、地味に魅力的な海をロケ地にして、小
物やコネタも散りばめる。
自転車、カメラ、ラジオ、音楽、指輪、花火、新
型の水鉄砲、ほら貝、『ガリレオ 真夏の方程
式』でもお馴染みのペットボトル・ロケット、オ
ムライス、、海の家、ビーチメガネ探し。。左は
ウィキメディア、Villemartin氏の水ロケット写
真。いずれ物理記事を書きたいと思ってる。
そして子供の頃、誰でも憧れたはずの高級ノー
ト(笑)、ジャポニカ学習帳の絵日記。私なんて、
お誕生日会のプレゼントで貰っただけじゃない
かな (^^ゞ ま、大人向けの分厚いノートにいっぱい書く方が好きだったって
事情もあるけどね。ちなみに、英語で「ゆうかん」は「YOU CAN」じゃなくて、
「brave」か「courageous」。私はオンエア中、2つがゴチャ混ぜになって、
「bravous だろ」とか思ってた♪
☆ ☆ ☆
こうした数々の要素で工夫してるものの、今回の雄太のエピソードはちょっ
と弱い感はある。というのも、川の字で3人寝たまま、結局やらなかったから
だ。何を?♪ いや、そうじゃなくて、スマホで電話して来た波奈江も加えるっ
てことだ。これぞ、まさしく三角関係。コラコラ。
三角関係と言えば、バス停で雄太を見送った後の、大きな3角形の構図は
珍しいカットだったね。波奈江に朝日が近づくと共に、夏希が離れて行く俯
瞰の映像。思わず、撮影用クレーンの影を探したのは、私だけじゃないだろ
う(笑)。3人の内、誰かが上のカメラにチラッと目線を向ける所も期待してし
まった♪ ちなみに「夏の大三角形」とは、ベガ、アルタイル、デネブ、3つの
星を結ぶ夜空の図形的イメージのこと。いずれ、ドラマで登場するかも。
話を戻すと、雄太のエピソードがちょっと弱いのは、大変な状況の少年に
視聴者を感情移入させるための流れが不十分で、夏希と朝日を接近させ
るための単なるコネタに見えてしまったし、『ビーチボーイズ』第9話と比べ
てしまうからだ(ネタバレ♪)。サイゾーにせよ、フライデーにせよ、ビーチ
ボーイズの焼き直しみたいな事を書きつつ、具体的な比較は書いてないか
ら、私が書いてみよう。ウチでは初回から個々の類似点を指摘してたし、今
回も似てるのは確かだ。
仲間の一人、稲森いずみ(春子)のちっちゃい息子が、かなり前に離婚した
父親=元・夫に連れられて、ビーチに遊びに来る。外国に旅立つ前に母親
に一目会わせるってことだけど、息子は母だと気付かないし、母も今さら息
子に名乗れない。反町隆史と竹野内豊は、そんな2人の思い出作りのため
に、大きな「砂の船」を作る。これが『サマー』だと、「水のロケット」なのだ。
喜んでくれたものの、やがて砂の船は消え、息子は「鉄の船」に乗って消え
てゆく。砂の幻想と、鉄の現実のコントラスト。その時、初めて稲森は、遠く
からひっそりフェリーを見送りつつ、お母さんはずっと忘れないからねと、大
声で叫ぶのだ。もはや決して届かない声で。よそよそしいクン付けではなく、
子供の名前を呼び捨てにして。「春樹~~~」。何も言わず、後ろからそっ
と春子を見守るビーチボーイズ、反町&竹野内。。
このエピソードは、ドラマ全体の設定と巧みに関連してるし(これ以上のネ
タバレは自粛)、松本清張原作の映画『砂の器』を彷彿とさせるような淋し
さや切なさも醸し出してる。消えゆく過去、禁じられた思い。12話中の9話
ということで、最後 or 最期のさよならの予感も漂わせてる。
実際、10話~12話では、一連のお別れが連続的に描かれ、一番最後で
円環的に物語と映像が閉じる。流石は実力派の脚本家・岡田惠和の代表
作なのだ。はたして、『サマー』の脚本家・金子茂樹は、今回のエピソードを
後の話へと有機的につなぐことが出来るだろうか。。
☆ ☆ ☆
最後に、『サマー』のもう一つの優れた点は、視聴者に対して、主体的・能動
的に見ることを要求してる点だ。これは、山Pの作品だとある意味、初めて
だろう。ファンなら、美しい外見をボーッと見てるだけでも十分かも知れない
けど、そうでない男の私だと、視線を広げて、遠くまで見渡す必要がある。
他の作品、過去との関連、深い解釈、さらには、美味しいオムライスの店や
作り方まで♪ チェーン店の「卵と私」のオムライスを褒めると、あちこちの
専門家に叱られるわけね。メモメモ。ほんじゃ、同系列の洋麺屋・五右衛門
のスパゲティも褒めにくいね。店の前によく女の子の行列が出来てるのに。
その意味で、トレンディ・ドラマの焼き直しとかバブルとか言われる『サマー』
は、むしろ地味な映画的作品なのだ。はっきり意図的にチャンネルを合わせ
て、思考力、記憶力と五感をフルに活用して味わうか、あるいは物語ではな
く映像として、美男美女や海、ビーチなどを楽しむか。
というのも・・・と、ここからまだ書き続ける予定だったけど、もう時間も字数
も限界だから自粛しよう。とにかく来週も、目が離せないことは確かだ。
檻を出た手負いのライオン、光(窪田正孝)とあおい?(山本美月)のビーチ・
ビキニはずしと、液体ロケット遊びから♪ そこかよ! ほら貝は、あおいの
シグナルってことで。そりゃ、伝説の高学歴女優か(笑)。来週こそ、あおい
と麻美(中条あやみ)の外見的違いをハッキリ見分けたいもんだ。
それでは、今日はこの辺で。。☆彡
cf. 水・風・指輪、再びきらめくケンゾー♪~『SUMMER NUDE』第1話
若者のすべて、最後の花火(HANABI)~『SUMMER NUDE』第2話
幻想的な装置としての写真・看板・海~『SUMMER NUDE』第3話
帰ろうとするイルカ~『SUMMER NUDE』第5話
第二幕、香澄vs夏希の始まりか~『SUMMER NUDE』第6話
朝日の送別会、夏希の結婚写真~『SUMMER NUDE』第7話
どこでもある、どこでもドア(奇跡の扉)~『SUMMER NUDE』第8話
そこしか無い、電車のドア(現実の扉)~『SUMMER NUDE』第9話
街の雨、心の涙、ビーチの水飛沫~『SUMMER NUDE』第10話
この夏、裸になったもの~『SUMMER NUDE』最終回
(計 5013文字)
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コメント
はじめまして麻衣です。
「サマーヌード」私も毎週楽しみにしてます!!「プロポーズ大作戦」のケンゾー思い出しちゃいますよね。もしかして続編なの??と思ってしまったりして。
「若者のすべて」も早速リピートで聞いていて、私の中ではこのドラマが一番盛り上がってます☆
夏らしくて適度に切なくて良いですよね☆
投稿: 麻衣 | 2013年7月30日 (火) 21時42分
> 麻衣さん
はじめまして。コメントありがとうございます♪
これは『プロポーズ大作戦』の続編の代わりでしょう。
「朝日」より、「健三」って名前の方が良かったかも(笑)
「若者のすべて」は、この昭和的な曲名も
レトロでいいですね♪ また流れるでしょう。
あの曲をメインにしたウチの第2話レビューには、
音楽ファンらしきアクセスもかなり入ってます。
香澄=長澤と会う時には、上手く使ってくれるはず ♫
夏らしさってものは、大切ですよね
いかにも夏って感じのドラマは、
意外なほど少なくて貴重だと思います
夏と言えば、ひとときの眩しい輝きと、
その後の淋しさ、切なさ。
その象徴が、海や湖の花火大会ですね。
僕的には、花火の夜、朝日と香澄が
結ばれるのを祈ってます(笑)
たとえ一夜限りにせよ、キスだけにせよ。。
ではまた。。
投稿: テンメイ | 2013年8月 1日 (木) 04時40分