幻想的な装置としての写真・看板・海~『SUMMER NUDE』第3話
前回・第2話のレビューでは、フジファブリック『若者のすべて』を前面に出
してみたけど、まさか第3話の冒頭から長々と流されるとは思わなかった。
おかげで、ウチのアクセス解析はいきなり一時ストップ♪ やっぱり、あの
曲には不思議な魅力があるんだろうね。歌詞、メロディー、そして伝説となっ
たボーカル。。
あと、テレビ見ながらネットを使う人が多いのも、よく分かる。と言っても、正
確には「多い」と言うより、「少なくない」って感じだろう。割合的にはそれほ
どでもない感じだ。
ちなみに私の場合、ドラマを見ながら、時々アクセス解析でリアルタイムの
反応をチェックしてるけど、検索アクセスとかは番組終了後の方がフツー。
途中はずっとメモを取ってるし、テレビを見なくなってる私にとって、CMも新
鮮だから。
今回、「消臭力(ショウシュウリキ)」のCM(1分!)には感心して見とれちゃっ
たほど♪ 柳原可奈子と桐谷美玲を足して2.5で割ったようなあのコ、「さく
らまや」ね。まだ14歳なのに芸歴は長いのか。初めて見たわ。同い年のミ
ゲルもイケメンで可愛いし(笑)、「実にすばらしい」by ガリレオ湯川。ダンス
の特訓は1ヶ月とのこと。斬新なCMを連発するエステーも、いいね☆ とか
言いつつ、ウチで使ってる商品は大手の小林製薬だったりする♪
☆ ☆ ☆
で、肝心のドラマの方はどう?、とファンの方々に私がたずねたいほど(笑)。
いや、ネットの噂だと(by「リアルライブ」)、山P=山下智久の裸が増えると
かいう話だったから、みんな期待してたんじゃないの♪ 来週以降かな。
前クールでまさかの快進撃となった『ラスト・シンデレラ』だって、三浦春馬の
サービス・ショットの効果が大きかったはず。『サマーヌード』も、「エロP」全
開で「夏の裸」を見せた方が、視聴率は簡単に上がるかも♪ あるいは朝日
と孝至(勝地涼)の濡れ場とか入れれば、新たな視聴者も獲得可能だ(笑)。
物語的には今回、ちょっとチャレンジャーだった気もする。これはもう、トレン
ディ・ドラマへの回帰とか言われるレベルを遥かに超えてるね。脚本家の金
子茂樹の特徴なのか、あるいは『プロポーズ大作戦』から引き継いだもの
なのか、話がシュール(仏語:sur)、超現実的になってる。
前回のラストで香澄(長澤まさみ)が登場したから、今回は早くも地元にこっ
そり帰って来るのかな・・・と思ってたら、「みさき潮風ビール」の巨大看板の
連続攻撃。これでもか!って感じで、季節ごとのカットをつないで来るから、
本当に笑ってしまった♪
あれは演出の側面が大きいのかな。私は、見てるドラマや映画の本数は
多くないけど、初めて見た気がする映像だね。むしろ、マンガやアニメみた
いな感覚。何しろ相手は看板。2次元と3次元の中間くらいの存在なのだ。。
☆ ☆ ☆
ここで、あらためて5~6年前の「前作」と比較してみると、『プロポ』の場合
は過去へのタイムスリップ(&やり直し)という虚構を使いつつ、証拠写真に
よって不思議な現実感を醸し出してた。タイムスリップを終えて元の世界に
帰ると、古びた写真が少しだけ変化してたわけだ(懐かしい・・)。
『サマーヌード』の場合は、過去への飛び抜けた執着という、あり得なくもな
い現実を使いつつ、看板写真によって不思議な虚構感を醸し出してる。つま
り、夏希(香里奈)や孝至じゃなくても「いい加減にしろよ」と言いたくなるよう
な未練が、海のそばの巨大看板にひたすら見とれる姿、行為によって、アー
ト=芸術へと昇華されるのだ。「おはようございます」という律儀な挨拶付き
の、ちょっとコミカルなアート♪
だからこそ、香澄をライバル視する波奈江(戸田恵梨香)も、朝日に愛想を
尽かすどころか、アートに参加しようとする。つまり、朝日の横でひたすらラ
イバル女性の看板を眺めることで、自らが一連の絵画の被写体になるわけ
だ。時にはカップヌードルと共に。看板を見る2人の姿を、少し離れて見つめ
るのは、周囲の人達でもあり、自分たちの想像力でもあり、カメラ・スタッフさ
んでもある♪
私はあのシーン、何かに似てるなと思ってたけど、さっきようやく気付いた。
日本映画の世界的巨匠・小津安二郎の名作『東京物語』(1953年)で、
主人公の老人(笠智衆)が夫婦揃って海をじっと眺める岸壁のシーンに似
てるのだ。もちろん、そこに巨大看板はないが、巨大な海が開けてる。自ら
の人生と重なり、包み込むような存在として、看板と海は同じ効果を持つ。
手元の小道具は、『サマー』がビール、『東京物語』だとウチワ。共に、夏の
風物詩だ。
別のものと結びつけるのなら、かつての秀作ドラマ『野ブタ。をプロデュー
ス』で山Pとコンビを組んでた、亀梨和也の唯一のフジ月9、『サプリ』の最
終回も思い出す所。海と看板と2人(亀&伊東美咲)が融け合う、素敵な
シーンだったね・・・っていうのは、半ばファンの方々への御挨拶だ(笑)
ご満足なら「いいね」ボタンをクリックして頂きたい・・・って、無いだろ!♪
☆ ☆ ☆
話を少し戻すと、『東京物語』的な海の描き方を強調してたのが、『サマー』
とも似てる月9の名作、『ビーチボーイズ』だった。反町と竹野内ももちろん
いいけど、私が非常に好きなのは第4話。竹野内の元・上司(平泉成)が、
民宿ダイヤモンドヘッドに泊まりに来て、連れ戻そうとするお話。反町と上
司が並んで、まったり釣りをするシーンは、夏の海と共に輝いてた。そこに
描かれるのは、ドラマ的な物語ではなく、アート的な絵画なのだ。
・・・って話なら、いくらでも書けるんだけど、この程度にしとこう。それより、
波奈江ね。朝日に撮影してもらう準備として、エステ、ネール、岩盤浴、ロ
ケハンMAP作り♪ これはもう、昭和の女のコって言うより、大正時代ま
で遡る必要があるかも。ま、当時、エステは無いと思うけど。ちなみに「エ
ステー」の創業は昭和21年、『エスパー(光速)』は昭和42年らしい(笑)。
そりゃ、話がズレ過ぎだろ。
看板の前で波奈江と過ごした年月を思い出した朝日が、「お前さぁ、いつも
隣にいるよな」と言うと、「うん、それくらいしか出来ないから」とか波奈江が
嬉しそうに答える。そして、「夏希も一緒に飲もうよ♪」。ここで流れ出した
コーラスが、ほぼ完全に『Beachboys』なのだ。確か、最終回のラストも、
英語の歌詞入りの美しいコーラスで終わった気がする。
『サマー』のコーラスは前回、夏希が指輪を投げた後に流れてた。今回は、
コーラスが流れた直後、朝日は自転車でレンタルビデオ店に向かい、『48
時間 Part2』のDVDを遂に返却した。香澄への未練の「終わりの始まり」。
ということは、次にコーラスが流れる時は、朝日が波奈江を捨てて夏希に走
る時だろう。コラコラ♪
いや、真面目な話、香澄と夏希という2人の強敵がいるから、波奈江と朝日
のラブラブ・モードは続かないはずなのだ。いずれ波奈江は、光(窪田正孝)
にこう言うだろう。「いつも隣りにいるよね」♪ その数時間後、魚屋の息子は、
高級さを表す褒め言葉のつもりで、こう言うはずだ。「マグロみたいだね」。で、
料理する前に終了とか。オイオイ!
☆ ☆ ☆
結局、朝日と夏希、光と波奈江が結ばれるから、香澄=長澤としてはケガす
るような付き合いしかない。コラコラ♪ ホームラン・ボールで割れたガラスで
腕から血が出るエピソード。普通に考えれば、単にボールが身体に当たるだ
けで十分なはずだけど、わざわざガラスで腕を切るシーンまで映したのは、
何かの伏線かね。夏の爽やかな恋愛ドラマだから、あんましディープな方向
に行くはずもないけど。
ディープと言えば、日テレの水曜ドラマ『Woman』の評判がやたらいい。視
聴率は平凡だけど、同じ坂元裕二脚本の『それでも、生きてゆく』よりは少し
高いね。女性=Womanと、ディープな視聴者の心をとらえたってことか。
時間がないけど、1回見てみたい気はする。
話を戻すと、ケガした香澄が怒るどころか、「このボール、ちょうだい♪ サイ
ンして」と、少年にニコニコ語りかけるシーン。長澤らしい、カワイイ演技だね。
頭に血が上った朝日をなだめて笑顔にさせたのもいいんだけど、やっぱ山
Pは好青年なんだよな。怒り狂った演技が、可愛く見えてしまった(笑)。ま、
『ルート66』で天然もバレちゃってるし。
それにしても、今後の香澄の扱いが、今回のエピソードでますます難しくなっ
た感はある。ケガの話に加えて、街を出る時の様子。街にも朝日のもとにも
戻る気はないっていう、強い意志を見せてたわけか。
でも、いずれ必ず、朝日と一緒に、「最後の最後の花火」を見ることになる
はずだし、その前にDVDも見るんじゃないかな。まだ残り7話か8話あるか
ら、時間的には余裕あるけど、複雑なラブストーリーのまとめ方には、今後
かなりのパワーが必要かも。。
☆ ☆ ☆
最後に、今回プッと吹き出して笑ったのは、波奈江が夏希に対して、「助っ人
外国人」とか言った箇所♪ 香里奈の顔って、どうしてもハーフかクォーター
に見えちゃうけど、ネットで調べた限りだと、純粋な日本人らしいね。メイクと
かの影響も大きいのかな。高校の卒業アルバムの写真は、フツーに日本人っ
ぽくて、むしろ今よりキレイに見えた。日本男児の私としては、大和撫子好き
なもんで。
さて、注目の第3話視聴率はどうかな。13%欲しい所だけど、はたして。。
演出が若手の宮木正悟ってことで、ちょっと過去の2話と違う感があったの
も事実。あと、そうそう。山Pの自転車にサイドスタンドがちゃんと付いてたの
が素晴らしい☆ あれ、クロススペース・・・じゃなくてクロスバイク風にしてる
けど、元はロードバイクだから、付けない方が普通なのだ。そうすると、壁に
立てかけたり、寝転がしたりすることになる。
地に足のついた写真家・朝日としては、サイドスタンドもしっかり地面につけ
るってことで♪ 好感持てるね。それでは、今日はこの辺で。。☆彡
P.S. 第3話は10.8%。ここが踏ん張り所だ。
cf. 水・風・指輪、再びきらめくケンゾー♪~『SUMMER NUDE』第1話
若者のすべて、最後の花火(HANABI)~『SUMMER NUDE』第2話
水ロケットの向こう側まで跳躍する視線~『SUMMER NUDE』第4話
帰ろうとするイルカ~『SUMMER NUDE』第5話
第二幕、香澄vs夏希の始まりか~『SUMMER NUDE』第6話
朝日の送別会、夏希の結婚写真~『SUMMER NUDE』第7話
どこでもある、どこでもドア(奇跡の扉)~『SUMMER NUDE』第8話
そこしか無い、電車のドア(現実の扉)~『SUMMER NUDE』第9話
街の雨、心の涙、ビーチの水飛沫~『SUMMER NUDE』第10話
この夏、裸になったもの~『SUMMER NUDE』最終回
(計 4403文字)
| 固定リンク | 0
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 福岡・博多で77年間、自転車の流し屋台わらび餅、買ってもらうのがうれしい♪ ~ NHK『ドキュメント72時間』(2024.10.26)
- NHKスペシャル『ジャニー喜多川 "アイドル帝国"の実像』、スタートエンターテイメント出演再開の告知特番(2024.10.22)
- 『雲上を駆ける! 第39回・乗鞍ヒルクライム2024』(NBS長野放送)、YouTube動画で見た感想(2024.09.24)
- やす子24時間マラソンの2日目と「同じ道」を9時間で歩いて「検証」した YouTuber、実際は6割弱の距離(29km)を歩いただけ(2024.09.12)
- 直前の欠場、「パリ五輪は、まだ走れ!っていうメッセージ♪」~カンテレ『前田穂南が走れなかったオリンピック』(TVer動画)(2024.09.06)
「芸能・アイドル」カテゴリの記事
- 中山美穂54歳急死、浴槽の溺死(ヒートショック)の年齢別死亡者数(厚労省・人口動態調査と消費者庁の分析)&休養7km(2024.12.07)
- 紅白の初出場アーティスト、紅組だけ予習♪&レース後も休みなしで好調、14km走(2024.11.20)
- 山P=山下智久、あの小泉みゆきを渋谷でナンパ♪(『アルジャーノンに花束を』第4話)&荷物ウォーク・プチラン(2024.11.13)
- 国民民主党・玉木雄一郎の不倫相手とされる小泉みゆき39歳、10年ほど前までレースクイーン&私の体重もRQに接近?♪(2024.11.12)
- 「極悪女王」唐田えりか、数年間の試練に耐えて覚醒、いよいよ復活へ♪&7kmラン・8kmウォーク(2024.11.03)
コメント
お久しぶりです←というより誰?っていうくらいですね(笑)
でもその間、毎日?覗いてました♡
体調のほう戻られたようで、よかったです(^^)
今回のドラマ、視聴率よりはテンメイさんの評価若干良い風に感じるのですが、、、あってますか?
私はやっぱり彼のファンなので、どうしても客観的に見れないです。
だからテンメイさんのレビュー気になっちゃうんですよね(笑)
最後はテンメイさんの予想通りのカップルになるんだろうなぁ〜とわかっていても、波奈江ちゃんに感情移入しちゃってます。
何回も見返して同じところ「お前いつも隣にいるよな、、」「それしか出来ないから、、」のところで号泣、、f^_^;
一途に好きになれるって幸せだなぁって思うけど、一途に思われるのは辛いんじゃないかなぁ〜
彼のファンとしては、最後は結局誰とどうなるとかでなく、自分の夢を追い求めることに目覚めるとかがいいなぁ (≧∇≦)
投稿: hiro | 2013年7月23日 (火) 22時01分
> hiro さん
はじめまして・・と言いそうになりますね♪
調べてみると、半年ぶりのコメント
毎日のように覗いて、何も書き込まずに
我慢してると、健康に良くないですよ(笑)
月1回くらいを目標に、頑張ってください。
マジメな話、ブロガー仲間以外で定期的に
コメントしてくれる方は、貴重な存在
体調の心配までして頂き、どうもどうも
まだ時々、ゴホゴホと咳をしてますけどネ。
で、僕の評価がちょっと良く感じる?
気のせいでしょ(笑) コラコラ。
前からよく書いてますが、ドラマの舞台が
海になるだけで、2割増になります♪
生まれも育ちも瀬戸内海ですからね
あと、『ビーチボーイズ』関連だと2割増。
美青年関連だと、読者に配慮して2割増(笑)。
『プロポ』関連でも2割増。
ただし、長澤まさみの熱愛報道で3割引
ってことで、2+2+2+2-3=5。
合計、5割増の評価になってるんですよ♪
つまり、2分の3倍になってるから、
本来の評価はレビューの3分の2ってこと(笑)
第2話まではともかく、第3話を見た後は、
ちょっと視聴率が心配になりました(^^ゞ
広くみんなが楽しめるドラマとは言いにくい
方向に進んでる気がしますからね。
香里奈と海の家の存在感がちょっと中途半端だし。
ただ、一番大切なのは、自分の感想。
自分がいいと思えば、それだけでOK
おまけに、テンメイさんも久々に真面目に
レビューしてるしね(笑)
いつまで続くか分からないけど。コラコラ♪
ファンなら、山PのPV(プロモーション・
ビデオ)だと思えば十分でしょ。
僕は、疲れ切った月曜の夜、夏の海と
自転車の映像を見てるだけでも十分です
物語的にはここまで、どう見ても
波奈江がヒロインですよね。
報われない一途な乙女の片思いだけど、
意外とベタベタせず、爽やかで可愛い。
「それしか出来ないから」。。
ウ~ン、僕が横でそうゆう事を言われたら、
肩を抱き寄せてキスくらいしちゃうかも♪
で、その後はあっさり距離を取るとか。オイオイ!
一途に思われると言っても、色々あって、
波奈江みたいなコなら、男も辛くはないでしょ。
ま、気にはなりますけどね。
気持ちはありがたいけど、そろそろ他の男を
見つけて幸せになれよって感じで。
という訳で、朝日もちょっとだけ優しくした後、
波奈江を光に譲るわけです♪
で、2人で『ローマの休日』のDVDを見た後は、
マグロのお料理
最後に、ごもっともな意見ですね☆
「自分の夢を追い求めることに目覚める」。。
なるほど、自転車のプロになるとか。違うわ!
一流カメラマンってことね♪
ヒゲ伸ばして、ゆっくり喋ればなれますよ。
そりゃ、渡部陽一か(笑)
夢路線は、ロマンチックな男の僕としても
賛成ですが、脚本的にはビミョーかも。
あぁ、最後に女3人を振り切って、
外国に武者修行に出るとかね。
なるほど、それはアリかな。
そう言えば、『ビーチボーイズ』の最終回の
後(SP)も、外国の海に行くんですよ。
で、最後はまた日本のビーチではしゃぐわけ。
そうか。それでもう、最終回予想は決定です(笑)。
朝日が外国に旅立って、数年後に帰国。
ラストはみんなでビーチではしゃいで終了。
もちろん、サマーヌード、夏の裸でね♪
スタッフさん、これ、使っていいですよ・・
と呼びかけといて、それではまた。
近いうちに。。♪
投稿: テンメイ | 2013年7月25日 (木) 06時40分