『僕のいた時間』第2話、軽~い感想♪
年末からの引越しパニックが続く中、ようやく今週になってテレビを見れる状
況になった。いやぁ素晴らしいね、カラーテレビって☆ 文明の利器だわ(笑)。
半世紀遅れかよ!
そうは言っても、正直まだテレビをじっくり見る余裕なんて無いんだけど、そろ
そろ冬ドラマでもチェックしてみようかなと、検索開始。激遅のダイヤルアップ
回線だと、あちこち飛び回って詳しく調べることも出来ない中、見る気が湧い
たドラマは唯一つ。良質の『僕』シリーズでお馴染み、橋部敦子脚本の『僕の
いた時間』だ。
7年前、自転車が活躍するってこともあって真面目に見た『僕の歩く道』は、
地味ながら秀作だった。橋部という脚本家も、優秀な人だなと思ったから、
今度も少なくとも大ハズレはないだろう。
☆ ☆ ☆
『僕の歩く道』の主役は自閉症の青年(草彅剛)で、『僕のいた時間』は筋委
縮性側索硬化症=ALS(Amyotrophic Lateral Sclerosis)の青年(三
浦春馬)。ALSは、天才物理学者ホーキング博士で有名な難病でもある(実
は違うという説もあり)。
病気もの、難病ものというのは、どうしても型にハマった物語になりがちで、
話の大きな流れが最初から分かってしまうから、演技力とか演出、ディテー
ル(細部)の出来が大切になる。
それは、1月8日の朝日新聞・朝刊「試写室」にも書いてた事だけど、昨夜の
第2話を見た限りでは、まずまずの出来かな。まだ病気の兆候しか現れてな
い地味な展開で、凄くいいとも思わなかったけど、さほど不満もない。橋部ら
しい繊細なやり取りも少しあった。
三浦春馬と言うと、同じフジテレビの女性向け人気エロドラマ(笑)、『ラスト・
シンデレラ』のイメージがまだ強い。今回、澤田拓人(三浦)が本郷恵(多部
未華子)とベッドで楽しむ様子とか、シャワーシーンの裸体とか、『シンデレラ』
のちょっとエッチなノリを意識したものだろう。
おそらくラストは、拓人が恵に高級ブランドのハイヒールを渡すはず。すると、
恵が虫眼鏡で細かく調べて、偽物だと見破るのだ♪ そりゃ、『東京バンドワ
ゴン』だろ!・・っていうボケ突っ込みは、一部の読者の方々へのご挨拶だっ
たりする(笑)。
☆ ☆ ☆
私は初回を見てないし、今回も10分遅れで見始めたけど、主人公の拓人
はそこそこの規模の家具店に就職したばかりの、使えない新入社員らしい。
家具というのは2つの意味があるわけで、まずは、人を包んで心地良い生
活をもたらすものの象徴。それを提供するプロの側だった拓人が、いずれ、
提供してもらわないと生きられない状況になる。何とも皮肉で辛い運命だけ
ど、単なるフィクションではなく、世界のあちこちで似たような「悲劇」が起き
てるんだろう。
ちなみにウィキペディアには、1年間に人口10万人当たり1~2人程度が
発症と書いてるけど、日本の患者数は現在1万人弱かな(特定疾患医療
受給者証交付件数)。他も合わせると、実は難病患者というのはかなりの
数や割合に達するらしい。
一方、家具は身近な重いものの象徴でもある。私も今回の引越しで、高さ
2mの書棚とかベッド、本格的オーディオラック、カーペットなどを移動させる
時は全力を振り絞るハメになった。
・・・っていう個人的な出来事はさておき、ドラマの話に戻ると、これまで空間
のレイアウトを考えながら自由に動かせた家具が、やがて動かせなくなる。
それどころか、自分の腕も上がらなくなるから、自分の身体が重い家具のよ
うな異物になってしまうのだ。その運命全体も、重い家具のようにのしかか
るわけで、職業の設定はなかなか巧妙だ。
☆ ☆ ☆
それとペアになる設定が、恵のボランティア活動だろう。これが「仕事」でな
くボランティア、自発的な無償の心遣いだという点も、なかなかよく出来てる。
というのも、今後の恵は、病が進行する拓人に対して、広い意味でのボラン
ティア活動を続けることになるからだ。
ボランティアにせよ、看護・介護関連の仕事にせよ、キレイ事では済まないも
ので、今回やってたような些細なケンカや衝突は、今後も生じることになる。
当然、お互いの側に迷いも生じて、別れ話にもなるはずだ。
で、その隙を突いて、恵を狙う拓人の先輩・繁之(斎藤工)が接近。・・と言う
より、もっと早めにあの先輩の悪巧みが登場しそうだね。スマホで恵の名前
を見る目が怪しく光ってた。まあでも橋部作品だから、最後にはあの悪役の
先輩も、それなりにいい人になるんだろう。
それは、かなりアブナイ人になり切ってた拓人の弟・陸人(野村周平)でも同
様。あそこまでアブナイと、逆に滑稽さが笑えたりもする♪ そこもまた、橋部
脚本の特徴かも知れない。『僕の歩く道』でも、時々ビミョーな味わいの笑い
が混ざってた。
いずれにせよ、あの頭脳だけ優秀で非常に感じの悪い弟も、やがて兄を助
けるために必死になるはずだ。医学部生とて、外国の専門論文まで検索し
まくるとか。その合間には、弟と弟を溺愛する母親・佐和子(原田美枝子)と
の妖しいシーンも登場するかも。例えば、ベッドで抱き合ってる2人のもとへ
拓人がやって来て、なかなか立ち去ろうとしないとか(笑)。今回の逆ってこ
と♪ 何らかの「倍返し」も可。
☆ ☆ ☆
最後に、私が今回一番感心したのは、脇役のシーン。夜道で、拓人の親友・
守(風間俊介)が恵の親友・陽菜(山本美月)にアプローチする時の会話だっ
た♪ 録画も詳細なメモもないけど、すれ違いや誤解も含めて、かなり繊細
で面白いやり取り。細かすぎて伝わらない漫才って感じになってた。
今後はメインの2人、拓人と恵の間でも、光る会話を見せてくれるだろう。事
件ものやスーパードクター・水戸黄門もの(笑)は見る気がしないし、今期は
もう、このドラマ1本でいいかな・・と思い始めてる所だ。
多部未華子が、『東京バンド』より可愛く映ってるのも、いいね♪ その3倍以
上萌えるのはもちろん、あのランドセルを背負った美少女小学生・すみれ(浜
辺美波)だ(笑)。そこかよ! なお、演出は『コード・ブルー』の葉山裕記(浩
樹から改名)。視聴率は、初回11.2%、第2話9.4%。序盤はやや苦戦と
いった所か。
それにしても、「僕のいた時間」というタイトル。明らかに、「僕のいなくなった
時間」を暗示してるけど、僕のいない状況というのは、死んだ後なのか、ある
いは、もっとポジティブな状況だろうか。普通は3~5年で呼吸筋麻痺により
死亡という話だけど(ウィキ)、深みのあるオリジナルな答を期待しよう。
ちなみにホーキング博士は、発症から50年も経つのに「健在」らしい。いい
ね♪ では、今日はこの辺で。。☆彡
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