『明日、ママがいない』第8話、一口つぶやきの感想
体調不良でめまいがする中、渋々見始めたんだけど、良かったね☆ 涙あ
り、笑いあり、「ムチャクチャ」あり。まるでテレビドラマみたいな展開だった♪
脚本家の松田沙也、やっぱり新人とは思えないくらい上手い☆ 滅多にな
いくらいの逆風の中、よく頑張ってる。5000字くらいはすぐに語れそうだけ
ど、全く余裕がないから、一口つぶやき的な感想に留めよう。
今回のキーターム、鍵となる言葉はもちろん、「ムチャクチャ(無茶苦茶)」だ。
まず、冒頭の弁当屋の会話での、むちゃくちゃ3連発を再現しよう。魔王(三
上博史)をフォローするため、妻・香織(鈴木砂羽)の元へ、子ども達がやっ
て来る。
オツボネ(大後寿々花) 「むちゃくちゃだもんね♪」
香織 「やっぱり無茶苦茶なんだ・・・」
ポスト(芦田愛菜) 「ムチャクチャ子供のことを考えてる ♡」
ウチでは一番最初から、魔王とポストは真剣に見つめ合う仲だと指摘して
たが、今回はもう完全に愛し合う2人になってた♪ 香織は妙な意地を張り
続けてるし、来週の最終回は魔王とポストの「結婚」だろう。で、性格の悪い
ドンキ(鈴木梨央)がまた警察にチクって、幼女の性的虐待で逮捕されて終
了。抗議団体も納得するわけだ。コラコラ!
☆ ☆ ☆
ムチャクチャと言えば、「アタシ、ママがいない」のアシダ・マナ、つまりポスト
の行動もそう。若くてイケメンの先生(吉沢悠)の元へ通って、精神的に不安
定な妻(安達祐実)のために、死んだ娘の代わりを演じ続けてた。
現実なら、先生の側から丁重に断るはずだし、周囲の冷たい目も光るはず。
その意味で、徹底的にテレビ的な虚構だけど、このドラマは一貫して、虚構=
フィクションというものの大切さを訴えてる。もちろん根本的には、施設長とか
里親という存在が、虚構の親だからだろう。
虚構とはある意味、幻影であって、だからこそ以前、妄想が趣味のボンビ(渡
邉このみ)のママが完全な幻影として登場したわけだ。今回一番目立ってた
幻影は、ポストにとってのママだろう。見たことが無い、または見た記憶が無
いから、自分がある女性を信じさえすれば、それが本物のママになる。少なく
とも、一時的には。。
☆ ☆ ☆
その詩的表現として巧みに使われたのが、お月さまだ。映画のタイトルにも
なってる、「paper moon」(ペーパームーン=紙のお月さま)という言葉を
私が初めて聞いた時、意味はすぐ想像できたし、良い意味で使われてるの
も分かったけど、熟語としては辞書に載ってなかった。「paper」で調べると、
架空という意味があって、空に浮かぶ月と一応、結び付く。
「paper moon」が、「自分の幻想ではあっても、素敵な輝きを放つ存在」と
いったポジティブな意味になるのは、昔の有名な曲『It’s only a paper
moon』の影響かも知れない。この曲の歌詞の英文和訳は難しいけど、全
体的に超訳するなら、「私を信じて。私を愛して。そうすれば、紙のお月さま
でも輝く」といった感じだろう(この訳文の意味も多義的)。
実の母親でない女性も、ペーパームーン、紙のお月さまなのだ。そこに、信
じる思いや愛があれば、架空の存在が現実となる。ただし、それは、本物の
月が無いという淋しい状況の裏返しでもあるのだ。
そうした二重の意味で、ポストが月をつかもうとするシーンは印象的だった。
見てるだけで十分綺麗だけど、それ自体を手でつかむことは決して出来な
い。欲望一般の本質的構図とも言えよう。。
☆ ☆ ☆
ショパンの「幻想即興曲」を弾いてたピア美=なおみ(桜田ひより)の場合も、
これから父親(別所哲也)と一緒に暮らし始めると、6畳1間の貧乏暮らしに
なるらしい。でも、愛があれば豪邸に見える・・とまで言うとウソだね♪ ま、
2LDKくらいには見えると思う。曲名通り、即興の幻想で(笑)
いずれは、ティエナ・ピアノコンペティション全国決勝大会での演奏がプロの
目に留まって、美人ピアニストとして出世。高飛車な態度で、ボンビ達にサイ
ンしてあげる立場になるはず♪ で、ボンビがピア美の紙のポスターを部屋
に貼れば、まさにペーパームーンだろう。ちょうど、ジョリピー夫妻のポスター
みたいに。。
☆ ☆ ☆
最後は、もちろんドンキについて。「ドンキはどうして変だったんですか?」と
か、Yahoo!知恵袋や教えて!gooで質問が出そうだから、ここに正解を書
いとこう♪
「ドンキは、あまりに里親候補との生活が幸せだから、突然また捨てら
れたら辛いなと不安になって、無理やり距離をおこうとして、心が不安
定になったのです。一緒にいたいけど、離れたいというジレンマ。
すると、自分の生活をダメにするのだから、他人の生活もダメにしたく
なってしまうのは自然なことでしょう。子供の心理としては。
あと、自分が悪い子になれば、当然すぐに嫌われるから、苦痛を予想
の範囲に留めることができます。それによって、突然見捨てられてしま
う衝撃、大き過ぎる苦痛は避けることが出来るのです。
そうした意味で、ドンキの言動は子供らしい自己防衛と言えるでしょう。
ただし、あまり上手くない防衛だから、結局は修正することになったわ
けです」。
☆ ☆ ☆
だからこそ、本当のママが気まぐれで迎えに来た時、そちらに付いて行こう
とする。本当のママとの生活は、それほど幸せじゃないだろうし、元々信頼し
てないから、また裏切られてもショックは小さいわけだ(by ポスト)。
そんなママでも、生物学的にも法律的にも、本当のママなのは確か。正式な
書類手続きを取って、措置解除通知書を手に入れれば、あとは電車に乗る
だけだった。
ところが、そこに「ムチャクチャ」な魔王が登場。水溜りとドロの中に土下座し
て、顔までつけて、頼み込んだのだ。本当のママに対してと言うより、幼いドン
キに対して、敬語まで使って。以下、要約にて。
私はコウノトリです。
忙しくて、子供を授ける相手を間違えたから、
もう一度ママを選び直してください。。
瀬戸内海出身者としては、コウノトリと言われると反射的にコウノシマ(神島)
を思い出すんだけど(笑)、それは今おいとこう。アイスドール(木村文乃)が
ホットになって、魔王に続くと、当然、ロッカー(三浦翔平)もひざまづく。もち
ろん、アイスドールを婚約者から奪い取るために、いいカッコしたわけだ♪
コラコラ! 純白のウエディングドレスが似合ってたね。流石は、正統派の美
人女優だ。
とにかく、ムチャクチャな3人の熱意によって、ドンキは里親候補の川島夫妻
(松重豊&大塚寧々)の元へ引き取られて、めでたし、めでたし。気が緩んだ
所へ、本物のママが弁護士に頼んで猛反撃。いきなり連れ戻されてしまった
ドンキは虐待を受け、本物の悪いコになって、鈍器でママを殴ってしまう・・・っ
ていうのが、現実の世の中で起こりそうな事かも♪
しかし、フィクションの世界で最終回間近だから、安心していいのだ。ドンキ
は主役じゃないしネ。準・主役だから、少し早めに一件落着。
冒頭で、ドンキが川島夫妻に挟まれて川の字になって寝てるシーンも上手
かったね。「私を生んだ時、痛くなかった?」(笑)。ドンキのムチャクチャな質
問に、夫妻は上手く合わせて、幻想の物語を創り上げる。もちろん、ドンキが
納得すればグッスリ寝てくれるから、夫婦で楽しめるって事だ。「オイオイ!」
by ニッパチ♪
☆ ☆ ☆
こうなるともう、魔王とポストが結ばれるしかない。誰かに怪しまれたら、「怪
しい者ではありません」と言いつつ、昔の警察手帳を出せばいいのだ(笑)。
いやぁ、ウケたね。ナンパで警察手帳を見せて信用してもらったのか。どう
せ、オモチャなら売ってるはずだから、渋谷、新宿、六本木のナンパ少年達
の間で流行ると面白いかも。
来週の最終回のマニアックな見どころは、オレンジ色の使い方。以前、ポス
トは夕陽を見つめてたし、魔王も香織が着てたオレンジ色のカクテルドレス
につられたらしい。そしてもちろん、タイトルバックはオレンジ色が背景。暖か
い色だね。ラストも暖かい結末になるはず。
ちなみに、板橋Cityマラソン名物のオレンジ・シャーベットは冷たすぎて、食
べるのに苦労することがある♪ それでは、今日はこの辺で。。☆彡
P.S. 虚構に絡む最新ニュースとして、震災ドキュメンタリー映画『ガレキと
ラジオ』のヤラセ的演出問題がある。重いテーマでラジオを前面に出
したドキュメンタリーなのに、肝心のラジオでおかしな話を作ってたか
ら感心しない訳だ。フツーに「感動物語」と題してフィクションの扱いに
してれば何の問題も無かった。観客数がどうなるかはビミョーだけど。
もちろん、このニュース自体がフィクションだったらお笑いだ♪
フィクションの価値を示した日テレ~『明日、ママがいない』第4話
『明日、ママがいない』第5話&日テレ番組審議委員会、軽~い感想
(計 3731文字)
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