芦田、パパがいる♪~『明日、ママがいない』最終回
素晴らしい☆ あらゆる意味で、絶賛に値するドラマだね。大騒動も含めて、
間違いなくドラマ史上に残る作品。正直言うと、ドラマのオンエア中はずっと
走ってたから、帰宅後に公式サイトの無料動画で見たんだけど、大満足だっ
た。オチも綺麗に決まったね☆ 脚本的にも、演出的にも。
ラスト、夕陽のセピア色に染まったコガモの家を、あえて人物抜きで映した
後、机の上にプリクラが映る。そして、ズームイン。ドラマを見慣れてる人な
らもう当然、そこにポスト(芦田愛菜)の本名があるのは分かったはず。
今までドキュン(DQN)とだけ言われてた本名は何と、「キララ」(笑)。キラ
キラネーム、そのまんまかよ! 漢字じゃなくてカタカナだから、読みやす
くて、いいね♪ お役所も学校の先生も喜んでくれるだろう。もちろん、あま
りドキュン過ぎる名前ではなく、幸せに「輝く」名前って所がポイントなのだ。
☆ ☆ ☆
このオチにはちゃんと、前フリも3つ付いてた。まず直前、エンドロールが流
れ始めた時、他の女の子達はあだ名と本名の両方を書いてあった。ドンキ/
真希(鈴木梨央)、ボンビ/優衣子(渡邉このみ)、ピア美/直美(桜田ひよ
り)。ところがポストは、単にポストと書かれてるだけ。
あと、その前、魔王(三上博史)の愛の告白(笑)の最後。「お前は、愛とい
う名前じゃない。お前は・・・」で視聴者に本名を期待させといて、出て来た
言葉は「俺の娘だ。・・・・・・娘だ」。名前の代わりに「俺の娘」と呼んだら、
その後のシーンに本名が出て来るのは当然。その流れを作りつつ、「パ
パ」宣言を印象付けてる。
おまけに、せっかく仲良くプリクラを撮ったのに、その写真をギリギリで映し
てなかった。3重の前フリを用意した上で、一番最後にキララ登場♪ 大昔の
松竹映画の怪獣なのだ。そりゃ、ギララだろ! やはり、松田沙也(with野島
伸司)の脚本はテクニカルだし、猪股隆一の演出も良かった。
ドンキが施設を離れる時、魔王を「コウノトリさん♪」と呼んでからかったの
も良かったね。先週のクライマックスを軽くリスペクトしたわけで、前から書
いてるように、実は回を隔てて素材を再利用するドラマというのは少ない。
大部分のドラマは、ネタを使い捨てにしてるのだ。
☆ ☆ ☆
これで、ポスト(=赤ちゃんポスト)、ドンキ(実母が凶器として使った鈍器)、
ボンビ(=貧乏)という、3つの刺激的な名前が片付いて、みんな「親」と幸
せに暮らすことになった。さて、あだ名が問題だとこだわってた慈恵病院は
この結末、どう思ったのかね。もう見てないのかな。
埼玉新聞HPで3月8日、県里親会理事長と県児童福祉施設協議会会長の
インタビューが掲載されてたけど、そこに書かれてる批判は第1話を見ただ
けでも書けるような内容に過ぎなかった。
せめて、第6話くらいまでの内容に具体的に触れた上で、批判すべきだろう。
例えば、6話の後半で、自分たちが「話し合いさえ出来ないモンスター」扱い
されたのは許しがたいとか、「一度、心に受け止めるクッションを持ちなさい」
とは我々への皮肉なのか、とか♪ 真面目な話、大きな目で見ると、虚構の
ドラマの内容より、現実の声高の抗議や中止要請の方が、施設関連の印象
に大きく影響するはずだ。
このドラマが、抗議に対して、作品の中で強烈に反論してる点については、
3月9日に上智大の碓井広義が書いた、わりと冷静で中立的な論評でも
触れてない。あと、碓井は日テレが謝罪してドラマを改善したという風に書
いてるが、2月上旬の回答書における謝罪の言葉は、文章全体の中では
さほど重みを持ってない。
おまけにあの時、「お詫び」したのは「子どもたち」に対してだけだし、実は
「記載されたような事実が存在するのであれば」という条件付きの謝罪で
あって、事実の存在や重みを積極的には認めてないのだ。
事の本質は、極端に高圧的な抗議に対する毅然とした拒否。だからこそ半
月後、日テレの社長がこれ以上の謝罪はしないと名言。その際、以前の回
答のことを「見解」とか「対応」と呼んで、「謝罪」とは呼んでないのだ。微妙な
表現は、正確に読み取る必要がある。
スポニチによると、最終回でもテロップなどによるオンエア上の“公開謝罪”
はなかったとの事。スポンサーその他、企業CMが一斉に撤退する中、よほ
どの自信と信念がないと、そんな態度は保てない。そしてもちろん、その自
信は正しいわけだ。最終回までトータルで見た時、とても中止されるような
内容ではないし、そんな事は悪評高き第1話を見ただけでも十分に分かる
だろう。
☆ ☆ ☆
話を名前に戻すと、ロッカー(三浦翔平)とオツボネ(大後寿々花)の本名
は公式サイトの相関図でもまだ書かれてないし、ウィキペディアにも無し。
子ども達のために「美人すぎる市議」を目指すらしいアイスドール(木村文
乃)の今後も気になるし、1人で旅立った魔王の妻・香織(鈴木砂羽)のそ
の後も気になる。
今後、1回だけSPを作れば、もっとキレイに話が片付くと思うけど、流石に
しばらくは無理か。アッ、高須クリニックの1社提供とか♪
もちろん、ロッカーとアイスドールのサービスシーンも入れてくれるだろう。
わざわざ婚約解消なんて話をした後、手を握り合ったんだから、結婚もア
リ。そういえばコガモの家は、何となく教会のような建物になってた。
オツボネの眼帯も、目の手術で取ればいいのに。魔王の足も、サッカーの
ゴールポストを数回蹴りつけただけなら、何とか治せそうなものだけどね。
で、サッカー青年に戻って、ジョリピー(城田優)の子どもになるとか♪ 年上
だろ!
☆ ☆ ☆
それにしても、予想以上に過激な結末だった。私は当初から、ポストと魔王
は対立してるどころか、見つめ合ってる熱い仲だと指摘してたけど、最後に
「パパ」になるとは思わなかった。もちろん単なる「父親」という意味ではない。
条例違反とかで逮捕されそうな関係まで含めた「パパ」だ(笑)。
「明日、ママがいない」の最後が、「芦田、パパがいる」♪ 上手い、ザブトン
2枚☆ あの契約の誘い・・・じゃなくて熱いプロポーズは良かったね。
「いいか。1度しか言わないから、よく聞け。
寂しい。お前がいなくなると、俺が寂しいんだ!」
もちろんこれにも、ちゃんと流れが作られてた。まず、ポストが先生(吉沢
悠)&瞳(安達祐実)の家に、死んだ娘・愛の代わりとして行くようになって
から、魔王は奇妙なほど不機嫌だった♪
それが、「愛」のためだと分かってるからこそ、ほとんど喋らない大人しい
ロッカーが、魔王に指摘する。ポストの赤い髪どめを差し出しながら、
「戻ります。あなたが言えば。
産んだのが親じゃない。赤ちゃんから、育てたのはあなただ。
だからあの子は、あなたによく似てる。とてもよく・・・」
そして実際、魔王が告白して抱き締めると、「一発OK」。変な意味ではない。
コラコラ! しかし、いくらパパ&美少女の恋人関係だからって、まさか遊園
地で仲良くコーヒーカップに乗るとは思わなかったね♪ ちなみに、東京ディ
ズニーランドのコーヒーカップ(アリスのティーパーティーかな)で、ハンドル
を全力で回して本気で目が回ったのは私だ(笑)。子どもか!
☆ ☆ ☆
おっと、もう時間も字数も無いから、今朝はこれで終わりにしよう。今回、一
番笑ったのは、せっかく迎えに来てくれたジョリピーに対して、ボンビが駄々
をこねるシーン。ホラー映画が好きでもいいのか、とかボンビが言うと、オツ
ボネが「ゾンビ」と呟いてボケたのがツボだった♪ ボンビその他がご一緒
に「ジョリピ~~~♡」とやった時、アイスドールまで照れながらやってたのも
微笑ましかったね。
ホホーッと思ったのは、「プライドは自分自身でしか守れない」というアイス
ドールの言葉。そう言えば、他のものはフツー、他人でも守れるわけか。自
分で守るのも難しいけど、いい意味のプライドはずっと大切にしたいと思う。
「子どもを壊すくらいなら、大人が壊れろ!」っていうのも、過激だけど正論。
子どもの方が弱くて、壊れた後の影響が強く残るからだ。
初回から最終回まで、涙あり、笑いあり、教訓あり、本当にいいドラマだった。
プライドを守り通したスタッフ&キャストの皆さん、そして日テレ上層部の方々、
どうもお疲れさま。コトリンゴの不思議な魅力を持った主題歌、『誰か私を』も、
ピッタシの曲だったね。
心から拍手を送りつつ、それではこの辺で。。☆彡
P.S. 『明日、ママがいない』に関する1月の放送番組審議会の概要がよ
うやくHPにアップされてた。9人が、1人あたり1つか2つツイートして
るような簡単なまとめ方で、元の発言はちょっと違うのだろうけど、「審
議」というより、当時の世論の多数派に合わせて簡単に批判してるよ
うに見えてしまう。
9人もいて、誰一人擁護しないのなら、審議会の委員の選考が偏っ
てる可能性が高い。あるいは日テレがあえて批判を求めてるのかも。
ちなみに「R25」は昨日、「最終回目前で評価上昇」という、やや好意
的な記事を載せてた。
P.S.2 最終回視聴率は12.8%で、全話の平均視聴率も同じ数字。地味
なテーマで、叩かれまくった状況の中で、今どき十分な健闘だ。
P.S.3 脚本家の松田沙也が、ドラマ開始後に中断してたツイッターを、最
終回の直後に再開。感謝の言葉を書いてる。拡散が前提となって
る業界人のツイートだから、以下、コピペさせて頂いた。なお、その
ツイートを知らせるスポニチの記事も、やや好意的なものだった♪
P.S.4 オツボネ=大後寿々花が公式ブログで、13日の夕方に感想記
事をアップ。芸能人ブログとしては珍しいくらい、しっかりした内容
になってる。ま、ちょっとエントリー(記事数)が少ないけど♪ 逆に
安達祐実のブログでは、軽く何度も触れてあった。
P.S.5 オツボネのすぐ後、J-CASTが好意的な記事をアップした。あと、
今まで書き忘れてたけど、朝日新聞は早くから冬ドラマ・レビュー
の第1位にランクしてた。会員登録後に全文読める形になってる。
P.S.6 日テレの大久保社長は3月31日の定例会見で、(最終話に寄せ
られた意見の内)「78%が肯定的」だったと明らかにしたそうだ。
また、回を重ねるごとに肯定的な意見の割合が増えて来たとのこ
と。産経HPより。
P.S.7 放送倫理・番組向上機構(BPO)、「放送と青少年に関する委員
会」の汐見稔幸委員長は4月8日、明日ママを審議対象にしなかっ
たことについて、「全体として視聴者に受容される内容になっていっ
た」とコメント。また、「(批判が)放送局と視聴者双方の表現の自由
を制限する方向に向かわないようにすることが、今回の教訓」とも
述べた(読売新聞HP)。
産経HPでは、あだ名や暴力的発言について、「『ドラマの効果上必
要だったから解決したわけではない』と苦言を呈した」と書いてるが、
このままだと意味不明な言葉に聞こえてしまう。「から」の後で区切
れてるのか、あるいは「解決した」の後なのか。「解決」とは何のこと
なのか。。
フィクションの価値を示した日テレ~『明日、ママがいない』第4話
『明日、ママがいない』第5話&日テレ番組審議委員会、軽~い感想
(計 4684文字)
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