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『宮本武蔵』第一夜、短い感想&原作小説との比較

あぁ、今週は2万字制限まで残り1800字弱になってしまった (^^ゞ 昨日の

システム障害お知らせ記事で900字使ったのが誤算だね。日曜に3000

字残す予定だったのに。

 

さて、今回のスペシャル・ドラマの原作となった、吉川英治の人気小説『宮本

武蔵』については、今までも何度か触れてるけど、私が少年時代に一番真剣

に読んだ本なのだ。今でも少年だけど・・・って軽口はさておき、相当な長編

小説なのに3、4回読んでるし、初めてラストシーンを読んだ時は正座してた

はず(実話・・・笑)。特に最後の美しい一文は、繰り返し読んで考え、頭と心

に刻み込んだ。

 

引きつけられた一番のポイントは、孤高の道を歩み続けた武道家の物語っ

て所だけど、この小説は武道というよりもっと広く、人間全体を深く扱ってる。

出世欲、愛、憎しみ、淋しさ、嫉妬、ライバル心、親心、攻撃性、通俗性、日

常生活、精神的修養・解脱、等々。

 

例えば、ドラマと違って冒頭からすぐ、「女」という存在の魅力と怖さが強調さ

れてるのだ。お甲(高岡早紀)と朱実(夏帆)。その意味でも、私にとっての

教科書になってた。

 

そこで早速、原作との違いを示したいけど、先に第一夜の総評を一言書い

とこう。大部分の視聴者は、小説ではなく、ドラマやキムタク=木村拓哉に興

味があるんだろうから。

 

 

         ☆          ☆          ☆

まず、予想より面白くて引き込まれたのは事実。ラジオ『ワッツ』の情報に

よると、キムタクは殺陣シーンであちこちケガもしたようだし、実際、冒頭か

らいきなり迫力ある闘いを見せてくれてた。冬だから寒さとの闘いもあった

はずだし、時代劇は色々と大変なのもよく分かる。

 

あと、ファン向けのサービスショット、萌えシーンも満載だね♪ 上半身、裸

で男っぽい姿も見せてるし、乳首ショットも強調♪ 緊縛宙吊りシーンと共に、

全国で録画リピートとか静止画キャプチャーされてるはず(笑)。

 

それはそうとして、やっぱり一番感じたのは、全く時間が足りないんだなって

こと。『華麗なる一族』と比べると分かりやすい。あれは約10時間で原作をド

ラマ化したもので、私がブログを始めた8年半前からだとキムタクの最高傑

作だろう。実際、視聴率も評価も高かった。

 

一方『宮本武蔵』は、『華麗』の2.5倍くらいの小説を5時間でドラマ化。2.5

倍の内容を半分の時間で表現すると、5分の1の薄さになる。当然、大幅な

省略が必要。

 

このドラマの脚本(佐藤嗣麻子)の場合、木村ファンと時代劇ファンに配慮

したのか、剣の闘いに大幅な時間を費やしてるから、他の人間的な部分が

大胆にカットされてた。

 

ドラマだけで考えても、例えばお通(真木よう子)の武蔵(たけぞう)に対する

恋心はどこから来たのか、分かりにくいと思う。一目惚れみたいな描き方だ

けど、原作ではきちんと流れがあるのだ。

 

 

          ☆          ☆          ☆

字数も時間も無いから、早くも原作との比較、相違点の指摘に移ろう。では

まず、お通の恋心。

 

原作では、たけぞう(当初17歳)もお通(16歳)も両親がいない淋しい子供

だと強調。特にお通は孤児(みなしご)で、許嫁(いいなずけ)の又八(ユー

スケ・サンタマリア)が唯一の家族みたいなものだった。

 

その又八に裏切られ、淋しくて仕方ない時、沢庵和尚(香川照之)の温かさ

が身にしみる。一方、ドラマと違って元からよく知ってる幼馴染のたけぞうが

帰って来て、彼に対してもお通の心が動く。又八への思いの「転移」でもある。

 

その状況で、沢庵がたけぞうを杉の木に吊るし、見せしめにした上で殺そ

うとした。沢庵に殺す気は無く、懲らしめてるだけでも、女のお通には残酷

すぎる仕打ちに見えたのだ。

 

だから沢庵への親しみが消え、たけぞうへの思いが増す。目の前のたけぞ

うは、男らしく武士らしく、殺すなら早く殺せと覚悟を決めてるし、芯の通った

潔い姿が太い杉の木と重なるのだ。男根的な象徴が成立した所で、お通は

太い幹にすがりつく。

 

そこに雨まで降り出して、可哀想、私しか助ける人はいない、という思いが

募る。更に翌日の夜、たけぞうが沢庵の説法に負け、生き直したいと叫び

始めたから、お通はこの人と共に私も生き直そう、と思うのだ。

 

 

          ☆          ☆          ☆

少し前、お通とも仲良しだった、たけぞうの姉・お吟が、お杉(倍賞美津子)

の策略で捕えられる。これもお通とたけぞうを結びつける出来事になってた。

 

あぁ、もう今週は2万字だから終了 (^^ゞ なお原作では佐々木小次郎(沢村

一樹)の登場はかなり後だ。ではまた ☆彡

 

                                     (計 1826文字)

 

 

P.S. 第二夜は6500字の本格的レビューを書いた。

     『宮本武蔵』ドラマ第二夜と原作小説(by吉川英治)、感想と比較

 

cf. 宮本武蔵、真実の歴史と虚構の物語の間で・・

 

                                 (追記込 1907字)

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