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起訴か不起訴か、検事の倫理と現実~『HERO 2』第1話

何と、今どきの連続ドラマで、初回視聴率26.5%(関東)☆ これは強烈に

高いね♪ 放映直後、私の予想は「20%超えたんじゃないかな・・」といった

感じだったけど、予想以上の人気&注目度だ。話題の録画視聴率を加える

と30%超は確実で、13年前の『HERO 1』の平均視聴率34.3%に接近。

 

よっぽど番組冒頭のセクシー通販CMが良かったか、アラフォー女子・吉田羊

140714  が醸し出すさり気ない色気

  が良かったんだろう(笑)。

  既に昨夜、つぶやいたよう

  に、放送後のYahoo!検

  索ランキングで急上昇ワー

  ド1位が吉田羊だったのだ。

 

  50位くらいに「羊田羊」、

100位くらいに「羊田吉」が入ってたはず(笑) 『スマスマ』だと、キムタク=

木村拓哉が「ヨウちゃん」と呼んでた。私の入力は「よしだひつじ」(実話・・笑)。

美青年ヘリコプター・ドラマ『コード・ブルー2』にもゲスト出演してたのか・・・

っていうのは、一部読者向けのご挨拶だったりする♪

 

ちなみにウチのこのレビュー記事、お堅いタイトルをつけてるし、私の関心も

主としてお堅いものだけど、まずは「軽~い感想」から入ろう♪ 硬派の方は

スクロールして、しばらく下からどうぞ。振れ幅が極端に大きい総合マニアッ

ク・サイトなもんで。。

 

 

           ☆          ☆          ☆

さて、帰宅直後、寝不足と疲れでボーッとした頭で、中華丼を食べながら流し

見した新『HERO』、あるいは『HERO 2』第1話。感想を一言でまとめるなら、

素直に笑えたドラマだった♪ 予想より全然良かった・・・とか書くと、深読み

されちゃうかも(笑)

 

私は前シリーズはほとんど見た覚えがなくて、先日テレビ放送された映画の

途中だけ30分ほど見たら、いきなり韓国語まじりのシーンで、サッパリ理解

できず (^^ゞ 正直、このドラマのタイトルからして私の趣味とは違うから、新

シリーズもパスしようかな・・・とか考えてたほど。

 

まあでも、キムタクのドラマは『宮本武蔵』も含めてずっと記事を書き続けてる

し、ラジオの『ワッツ』の下ネタも時々話題にして来た(笑)。同期の桜ブロガー

のご機嫌を損ねるリスクもあるし(爆)、とりあえず初回の流し見くらいはしとこ

うと判断。

 

ただし予習はほとんどゼロに近くて、レリゴー・松たか子がセーラーマーズ・北

川景子に変わったことくらいしか知らない状態。だから正直、児玉清へのリスペ

クト(Special Thanks)も意味がよく分からなくて、「アレッ?」と思った程度だ。

『1』も『特別編』(06年)も映画(07年)も出てたわけか。東京地検・次席検事、

鍋島利光。。

 

 

          ☆          ☆          ☆   

それでも、東京地検・城西支部のアップテンポなやり取りの連続には、ごく自然

に笑ってしまう♪ さすが、『ガリレオ』の脚本家、福田靖はプロフェッショナルだ

ね・・・と思ったら、最初は違う脚本家(大竹研)だったわけか。まあでも、『1』か

ら映画まで、今までのかなりの部分は福田脚本になってた。演出(監督)も基本

的に、今回の鈴木雅之が担当してるらしい(by ウィキペディア)。

 

久利生公平・検事(木村)担当の麻木千佳・事務官(北川、新加入)、川尻・検

事部長(松重豊)、田村検事(杉本哲太、新)、遠藤事務官(八嶋智人)、宇野

検事(濱田岳、新)、末次事務官(小日向文世)、馬場礼子検事(吉田羊、新)、

井戸事務官(正名僕蔵)。検察の職場というより居酒屋みたいなノリで、畳みか

けるように弾丸トークを連発。

 

ここまでアップテンポな集団トークは、個人的に初めて見るもので、台詞の内

容以外に、スピードやタイミング自体がもたらす笑いが効いてたと思う。演出と

演技のなせる技か。「なりたい顔 No.1」、麻木=北川のキツイ顔へのイジリ

も良かったね(笑)。前にも書いた気がするけど、顔も性格もちょっと似た女友

達がいるから、カブって見えて余計に笑えるのだ♪ 

 

 

          ☆          ☆          ☆

ま、月9でキムタク・ヒーロードラマだからなのか、麻木が早くも久利生にベタ

惚れ気味。あっさり、リスペクトし始めた辺りは、ちょっと分かりやす過ぎると

は思うけどね。雨宮舞子(松たか子)への露骨な嫉妬も含めて、文字通りの

ベタ。

 

そこへ行くと、同じくヤンキーあがり(笑)らしい『最後から二番目の恋』の千明

(小泉今日子)は、続編の最後直前まで「男前」を貫いて、和平(中井貴一)との

対等の関係も保ってた。要するに、『ヒーロー』は主人公が男、『最後から』は主

人公が女だからってことか。

 

とはいえ、キムタク=久利生も確かに、ヒーローっぽくないヒーローで、絶妙な

キャラだと思う。力が抜けきった感じの脱力系で、いきなり麻木にお尻を向け

て、通販で買った筋トレグッズでプリプリと頑張ってた♪ Rocky’s Online

Shopの、AB cyclone X(エービー・サイクロン・エックス)ね・・・と書いとくと、

検索アクセスして来る人が3人はいらっしゃるかも(笑)。

 

最後に追加で注文した、Crab Wiper(クラブ・ワイパー)は、麻木に使わせた

方がエロくていいと思うな♪ カニ(crab)のハサミみたいに股関節を開閉、ワ

イパー運動して、じっくり備えると。何に?(笑)。

 

エロと言えば、序盤の馬場礼子がバナナを食べるシーンもサービスショットだっ

たね。あそこだけ録画&リピートしてる視聴者も少なくないはず・・・と他人事の

ように書いとこう。ちなみにバナナというと、キムタク&綾瀬はるかの09年のド

ラマ、『MR.BRAIN』がこだわった食べ物。あの時は、綾瀬が美味しそうにバ

ナナを頬張るシーンでピクンと跳ね上がったはずだ。もちろん、瞬間視聴率が♪

 

 

         ☆          ☆          ☆

ところで、『ミスター・ブレイン』でも冤罪(足利事件)が話題になってたが、今回

の『HERO 2』でも袴田事件がほのめかされてた。こちらはまだ、3月に再審

決定&釈放となっただけで、無罪確定にはなってない。

 

では、文科省とのタイアップが関係してそうな、久利生検事の「正論」演説を再

現してみよう。ケンカ騒動絡みで、居酒屋で仕込みの手伝いをしながら、熱く

冷静に語ってるのを、後ろで麻木がポーッと聞いてたシーンだ。

 

 

  マスター  何であいつを起訴しないんだよ? 時効になってもいいのかよ。

         大体、検察が有罪無罪を決めるんじゃないんだろ。

         それは裁判所で決めるんだろ?

  久利生   まあ、そうですけど。

  マスター  とりあえず起訴して、結論は裁判に任せりゃいいじゃないか。

  久利生   それは違うんですよ。とりあえず起訴っていうのはダメなんです。

  マスター  どうして?

  久利生   だって、起訴して裁判にかけられるだけで、その人には 

         ものすごい負担になりますからね。

         身柄拘束されたら、家に帰れない。仕事にも行けない。

         それだけで、会社クビになる人だっているんですよ。

  マスター  あぁ。。

  久利生  だから、その人が間違いなく犯罪をおかしているって 

         ことを確信できない限り、起訴したらダメなんです。

         それがどんな重大事件だろうと。

         それこそ、時効が迫っていたとしても。

 

  マスター  そいつが真犯人だったらどうすんだよ?

  久利生  あぁ。。でも、こないだもあったじゃないですか。

         無実の罪で40何年間も刑務所にいたって。

  マスター  あったあった。あれはひどい話だな。

  久利生  でも、あれが事実だったとしたら、オレら、検事の責任ですからね。

         その人のことを起訴して裁判にかけていいかどうか。

         その権利を持ってるのはオレら検事だけですからね。

         真犯人を逃がしたとしても、無実の人だけは絶対に 

         裁判にかけちゃいけないんです。

         それが俺たちの一番大事なルールなんです。。。

 

 

           ☆          ☆          ☆

おそらくこの文科省タイアップ・ドラマは、キムタクのこういった正論で「なるほ

ど♪」と納得してくれることを期待して作られてると思う。私なら、色々と調べ

て考える所だ。

 

まずは、基本的な事実の確認。法務省のサイトで公開されてる、最新の犯罪

140715a  白書のデータで、

  起訴率その他を

  調べてみた。平

  成25年版だか

  ら、平成24年

  (2012年)まで

  の統計になる。

 

  ここでの「一般 

  刑法犯」とは、自

  動車関連を除く

犯行容疑に関するもの。フツーの感覚での「犯罪」関連だろう。大まかに言う

と、「全事件」の6分の1くらいになる。グラフで、ピンクが起訴、黄色が起訴猶

予、青色がその他の不起訴。

 

ここ10年、起訴率下がる傾向が続いてて、2012年の一般刑法犯だと、

140715c_3  起訴 83823人

  不起訴122269人

  計 206092人

 

   ∴ (起訴率) = 83823÷206092

            = 40.7%

 

要するに、検察のお世話になったとしても、起訴猶予その他で不起訴になる確

率がかなり高いわけだ。一般市民としては、ちょっとだけ安心する数字だろう。

全事件」だと更に34.0%まで下がる。これは、「自動車運転過失致死傷等

に関する起訴率が9.4%しかないからで、こちらは、事故の被害者側にとって

は納得できない数字だろう。。

 

 

           ☆          ☆          ☆

一方、たまに話題になる「有罪率」は、途方もなく高い。過去ずっと、ほぼ100 

のままなのだ。

 

140715b

 

 

例えば上図で、2012年の「裁判確定人員」を見ると、

    有罪 408484人  無罪 82人 その他 370人 総数408936人

   ∴ (有罪率)=408484÷408936

            =99.9%

 

この恐ろしい数字が一人歩きしてる感もあるから、

      「警察→検察→裁判所→刑務所」

といった単純すぎる図式がつい、頭に浮かんでしまう。

 

しかし実は、有罪の大半罰金・科料。執行猶予も少なくないから、それらを

除く身体的刑罰(懲役、禁錮、拘留、死刑)の確率は非常に低いのだ。

 

   (身体的刑罰率)=25970÷408936

              =6.4%  

 

 

           ☆          ☆          ☆

したがって、検事が起訴するとほぼ必ず有罪だが、ほとんどの場合は裁判所 

で軽い罪の判決となる。

 

それなら、「とりあえず起訴」していいかというと、そうも行かないわけだ。久利

生が言うように、起訴された人が受けるダメージは、裁判で決まる罪以外でも

巨大だから。フツーの社会人男性ならまず、仕事が気になるだろうし、特に会

社員とかなら、直ちに「クビか・・」と心配になるはず。

 

だから、間違いなく犯罪者だと確信できた場合だけ起訴。たとえ、真犯人を逃す

ことになっても仕方ない。少なくとも、今の日本ではこれが正論、あるいは建前

なんだろう。

 

その事実は認めるが、それが本当にいい事なのか、という点は再考に値すると

思う。というのも、無実の罪をきせるリスクも重要だけど、真犯人を逃すリスクも 

少なくないからだ。前者だけ重視する正論を正当化するのは、実は簡単ではな

い。冤罪率は(表面的には)低いし、別の観点だと「予防原則」という考え方もあ

るのだ。

 

 

         ☆          ☆          ☆

たとえば地球温暖化のように、ハッキリした事が分からない場合、「よく分から

ないけど、将来の悲惨な温暖化を予防するために、とりあえずCO2(二酸化炭

素)排出量を規制する」といった考えが実行に移される。原発・放射能からの避

難でも、そうした考えや行動は実際に使われてるはずで、目前のマイナスは受 

け入れて、しばらく先のより大きなマイナスを避けるわけだ。

 

たとえば自動車の過失致死傷に対する起訴率を、9%から36%へと4倍にして、

普通の起訴率に近づけると、その後の余計な過失致死傷が減るかも知れない。

もちろん、周囲の一般人への抑止効果も含めてのこと。ただし、起訴されたから

といって犯罪者とは限らない、という考えを、前もって社会的に普及させておく

必要はあるだろう。現状では、まだまだ全然のはず。

 

一方、有罪率が99.9%ということは、広い意味での「裁判」のかなりの部分を、

密かに検察が担ってる形になる。裁判所より更に縁遠い気もする検察で、人の

裁きが行われてることが、被疑者にとって、また司法にとって、いい事なのかど

うか。ほとんど考える機会のない領域だけに、もう少し、みんなで考えてみるべ

きだろう。

 

 

           ☆          ☆          ☆    

物語的にもタレント的にも、ヒーローである久利生=キムタクには、フツーの 

論を超えた所まで視聴者を誘うものを少しくらいは見せて欲しいと思う。真のヒー

ローとは、「揺るがない信念」を持って行動するだけでなく、「揺らぐ領域へのま 

なざし」も持ち合わせた者のはず。その意味で、第1話を見終えた後、ビミョーな

思いも残ったのは事実だ。

 

いずれにせよ、単純に楽しみながら検察の仕事や倫理にも触れることができる

このドラマは、貴重な作品だろう。視聴率、つまり一般ウケの割合と共に、今後

も注目していきたい。

 

それでは、今日はこの辺で。。☆彡

 

 

 

cf. 『HERO 2』第2話、軽~い感想&6日連続ラン

   新・創世記、「Let there be surf」(波あれ)~『HERO 2』第3話

   仲間、身内という存在~『HERO 2』第4話

   『スマスマ』ネイマール笑顔&『HERO 2』第6話&6日連続走

   『HERO 2』第7話、軽~い感想♪

   『HERO 2』第8話、暴力団の犯罪と一般市民

   チームワークと善悪~『HERO 2』第9話

   事件と人生、真正面に向き合うとは~『HERO 2』第10話

   LIE STOPS HERE(嘘=夢はここにある)~『HERO 2』最終回

 

       ・・・・・・・・・・・・・・・    

   奇跡のリターンがもたらす輝き~『ロングバケーション』第1話

   夢見る息子vs現実を見る父~『華麗なる一族』第1話

   『華麗なる一族』最終回、ドラマと原作の比較

   キムタクは素うどんかたぬきで♪~『CHANGE』第1話

   脳科学コメディーの綱渡り~『MR.BRAIN』第1話    

   国際映画ドラマというチャレンジ~『月の恋人』第1話

   キムタク=木村拓哉主演ドラマ、視聴率の推移&『月の恋人』第4話   

   鉄の悲劇から、犬の感動物語へ~『南極大陸』第1話

   Jumpin’ Jack Flash、あやつり人形の閃き~『Priceless』第1話

   制作費70分の1、SF映画に挑戦するドラマ~『安堂ロイド』第1話

 

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   映画『SPACE BATTLESHIP ヤマト』、軽~い感想♪

   『宮本武蔵』ドラマ第二夜と原作小説(by吉川英治)、感想と比較

 

       ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

   木村拓哉の『全力坂 完全版』、アスリートにもお勧め☆

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   SMAP×SMAP『いま僕たちに何ができるだろう』、軽~い感想♪

 

                                     (計 5749字)      

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