仲間、身内という存在~『HERO 2』第4話
「コリコリじゃん ♡」
先週末のキムタク=木村拓哉のラジオ『ワッツ』。たまたま最後だけ聞いたら、
いきなり例の代読の女の子登場。リスナー女性の代わりに、エッチな言葉を
おねだりしたら、下ネタの帝王がささやいたのだ。台本ではなく、実体験に即
したアドリブで♪
という事は、キムタクの指でコリコリにされて悦んでる女性(たち)が実在する
のだ・・・って感じで、コリコリ愛好仲間としては超~軽いつぶやきを書いて終了
にしようと思ってたら、まさかの重いニュースが神戸から飛び込んで来て、気
が変わったのだ。
4月の記者会見を少し見ただけでも、研究者としてかなり優秀なのは明らか。
今後は見事に立ち直って、世界レベルで活躍する姿を見せてくれるだろうと
期待してたのに、残念なことになってしまった。それほどの重責を感じてたっ
てことなのか、あるいは特殊な事情があったのか。とりあえず、心から合掌。。
☆ ☆ ☆
さて、その話がドラマ『HERO』第4話とどう関係してるのか。要するに「仲間」
とか「身内」というものの話なのだ。STAP細胞なら、研究者仲間、職場仲間、
論文共同執筆仲間。仲間の内側では、どう付き合うのか。外側に対しては、
どのようにアピールし、どう責任を取るのか。
一方、ドラマだと、最も表面的な恋物語においては、久利生検事=キムタク
が麻木事務官(北川景子)を守り抜いた話になってた。「お前は俺が守る!」。
主人公がまさに「ヒーロー」として大活躍、仕事仲間&大切な身内への熱い
思いを行動と言葉で表したわけだが、それは文科省タイアップ・ドラマとして
の特徴。国営放送(NHK)の事件もの数学ドラマ『ハードナッツ』でも、来週
の最終回で似た台詞が登場するらしい。しかし『HERO』第4話には、もっと
ビミョーな要素も沢山入ってた。
☆ ☆ ☆
たとえば、今回の目玉となるエピソードは、京都地検から城西支部に出張し
て来た懐かしい仲間、中村美鈴(大塚寧々)の活躍。彼女に刺激を受けて
他のメンバー達も仕事で頑張った、というキレイな展開ではなく、もっと人間
的で通俗的なものが押し出されてたわけだ。
彼女をめぐって、現在の小金沢事務官(温水洋一)と末次事務官(小日向文
世)の間に「恋のバトル」(笑)が勃発。宇野検事(濱田岳)は、取り調べ能力
の差を彼女に見せつけられてショックを受けてた。宇野はさらに、久利生にも
引け目を感じて、最後はシャツとジーパンで出勤。みんなから不評だったから、
実は仲間=久利生に悪影響を受けた形になってる♪ あるいは、仲間だと思
い込もうとした相手から裏切られたのだ。
ちなみにあの時、宇野はジーンズを強調してたけど、それより目立ってたの
は、ジーンズにシャツを「タックイン」してた着こなし。ウチでも以前、記事にし
て、地味にアクセスが続いてる。チノパンやスーツの下(スラックス)なら「アリ」
かも知れないけど、男のジーンズだと、まだまだ「ナシ」が優勢だろう。久利生
も直ちに、宇野のシャツを引っ張り出そうとしてた。
もちろんあれは、ウケ狙いの他に、衣装さんか誰かがジーパンを目立たせよ
うとしたのかも知れない。ただ、大勢いる視聴者の中には当然、あの姿に仲
間意識を持った方もいらっしゃるだろう♪ 同じ一つのものが、仲間ハズレに
されたり、仲間意識を持たれたりするわけだ。公平、中立的に見るなら、たか
が集団・共同体の人数の差に過ぎないかも知れない。。
☆ ☆ ☆
一方、文科省的でもキレイでもない仲間付き合いとして強調されてたのは、
マンホールの蓋を盗んでたらしい犯罪仲間と、昔のヤンキー仲間たち。
ちょっと話が逸れるが、マンホールの蓋を盗むのに仲間が必要だとかいう
台詞を聞いて、マニアック・ブロガーは直ちに検索♪ 物によるけど、ウィキ
ペディアの「マンホールの蓋」という項目(笑)によると、50kgを超すくらいの
重さとか。若い男が1人で盗めない訳じゃないけど、2人いた方がラクだろう。
重いのは、侵入防止はもちろん、上を通る自動車の影響を防ぐため。高速の
F1マシンだと、空気圧で吸い上げることもあるとか。ネットの価格は1万円前
後で、防水性と
かで違ってた。
左は姫路市の消
火栓のフタで、
ウィキメディア、
Stefan Le
Du氏の作品。
四角いと、傾い
たら下に落ちる可能性があるはずだけど、大丈夫なのかね? 消火栓だか
ら落ちても大した事ないのかな。
丸型なら下に落ちないっていうメリットは、数学的にも有名だろう。水平方向の
縦&横と、垂直方向。3本の軸を中心に回転させても、一番長い水平距離は蓋
の直径のままだから、それより小さい穴には落ちないのだ。
☆ ☆ ☆
とにかく、昔のヤンキー仲間がグルになって、奇妙な盗みを繰り返す中、1人
が逮捕されて、直ちに仲間たちからの嘆願書が提出される。事件の事情はよ
く知らないけど昔の仲間のためなら・・・という執筆理由は心情的に理解でき
るだろう。断ったら、自分が仲間はずれにされる可能性も十分あるのだから。
しかし久利生検事は、妙に早過ぎる嘆願書の中で、本気のものは僅かしかな
いことに気付いた。要するに、別件の殺人事件が発覚するのを共犯者が恐れ
てたらしい(第1話と似たパターン)。公園の滑り台(?)を盗もうとした時、ホー
ムレス(?)に見つかって注意されたから、カッとなって飛び蹴り&暴行。容疑
というか、漠然とした疑いは、過失致死とかかな。
おまけに、事件を調べる元ヤンキー仲間の麻木事務官にも襲いかかろうとし
た(らしい)ので、久利生がマジで激怒する。マジメに生きてる昔の仲間(麻木)
に対して失礼だろ!、恥ずかしくないのか!って感じで。
一方には、見事に立ち直った地元で一番カワイイ女の子と、彼女を守る正義
のヒーロー。他方には、悪の道にのめり込んだ可愛げのない男たち。非常に
単純明快な構図が作られてたわけで、文科省的にも、ゴールデンタイム地上
波のテレビ的にも、多分これでいいんだろう。
☆ ☆ ☆
しかし、「仲間」とか「身内」という存在は、その範囲もあり方も変化するもの
だ。そして、人は誰でも、大なり小なり、良くない事をしながら生きて行くもの。
元マイルド・ヤンキーの部下(or 同僚)の美女をからかい続けてた久利生も、
実社会ならパワハラ扱い、セクハラ扱いされる恐れが十分ある。現代の感覚
なら、「君はヤンキー、モンキー、ベイビー ♫」という替え歌を笑えるのはテレ
ビだからだろう。私が実際にその場に居合わせたら、ちょっと緊張すると思う。
人は誰でも罪をおかし、仲間を裏切る一方、良いことも行うし、立ち直る可能
性も持ってる。そして、人はみんな、様々な共同体を形成して生きている。そ
うした事実、現実を踏まえるなら、今回のドラマの結末も変わってたはずだ。
「キレイ」なヒロインだけが輝いて終了するのではなく、最後にほんの一言で
も、麻木が昔の仲間に温かい言葉をかけてれば、全く違った印象になっただ
ろう。言葉でなく、何か態度で示す手もあった。一瞬だけ、柔和な表情を差し
向けるとか。
あるいは久利生検事にとっても、悪役たちは同じ社会に生きる仲間だし、平
凡なコースから外れて生きる仲間でもある。そうしたプラスの仲間意識を僅か
に滲ませるだけでも、パターン化された勧善懲悪の事件解決ものを越えるも
のを示せたのだ。
☆ ☆ ☆
今日、起きた悲劇も、そうした事と無縁ではない。目立つ失敗をしてしまった
ものの、別に殺人・強盗・放火などを行ったわけではない、職場仲間、研究者
仲間、科学者仲間、「日本人仲間」に対して、もう少し違う受け止め方は出来
なかったものか。身内に甘い、厳しいといった対応のレベルを超えた所で、共
に生きる弱くて儚い存在として。
わりと有名な話だろうが、勧善懲悪のヒーロー物の原点とも言える『ウルトラ
マン』、『ウルトラセブン』でさえ、怪獣や宇宙人に対する温かい仲間意識のよ
うなものも示されてる。例えば怪獣ジャミラは元・宇宙飛行士で、怪獣になった
理由の一つは母国の冷たい仕打ちだった。そこで地球に復讐しようとしたら、
ある意味「宇宙人仲間」であるウルトラマンに倒されてしまう。
単純に割り切れない、重くて深い現実へのまなざしが含まれてるからこそ、ウ
ルトラマン人気は衰えないし、大人にも支持され続けてるのだ。
私が今、心配なのは、たとえば小保方さんという一人の女性。何の接点も利
害関係もない人だが、私はここから立ち直ることを本気で期待してるのだ。逆
境の中で何とか独自の道を歩み続ける、マニアック仲間の一人として。
☆ ☆ ☆
身近に連れ添うのも仲間なら、遠く離れたつながりを意識するだけの存在もま
た、大切な仲間なのだ。なお、どの程度信用していいのか微妙だが、共同通信
によると、現場に残された小保方さん宛の遺書にはこう書かれてたという話だ。
「・・・あなたのせいではない。
・・・STAP細胞を必ず再現してください・・・」
あらためて、哀悼の意を捧げたい。あまりに遠く離れてしまった仲間に対して。。
それでは、また明日。。☆彡
cf. 起訴か不起訴か、検事の倫理と現実~『HERO 2』第1話
『HERO 2』第2話、軽~い感想&6日連続ラン
新・創世記、「Let there be surf」(波あれ)~『HERO 2』第3話
『スマスマ』ネイマール笑顔&『HERO 2』第6話&6日連続走
『HERO 2』第7話、軽~い感想♪
『HERO 2』第8話、暴力団の犯罪と一般市民
チームワークと善悪~『HERO 2』第9話
事件と人生、真正面に向き合うとは~『HERO 2』第10話
LIE STOPS HERE(嘘=夢はここにある)~『HERO 2』最終回
(計 3896字)
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