ノーベル物理学賞、青色LEDで日本人3氏が受賞☆、おめでたいけど分かりにくいかも・・
まずは個人的に、昨日の記事の訂正から(半日後に修正済)。冒頭、ハーフ
走のタイムを「1時間51分56秒」としてたけど、これは3日前。本当は「1時
間49分03秒」だった。朝、あわてて間違えたのだ。
いや、どっちにせよ遅いし、気にする人は少ないだろうけど、記事の後半の
文章やデータと矛盾してたもんで。「あれ、ホントに走ってるの?」とか聞か
れたこともあるし (^^ゞ
ウチのブログに意図的な嘘は一つも無いけど、間違いなら時々あって、分か
り次第、修正して来た。「過ちを正すにはばかることなかれ」(孔子『論語』)。
ちなみにこれ、『論語』と少し文章が違うし、『論語』も孔子自身の著作ではな
かったりする♪ とはいえ、儒教の四書(=四大書物)とされてるのは事実。
過ちを正すと言えば、STAP細胞・小保方さんの早稲田大の博士論文。1年
の猶予期間中に修正して再提出が認められないと、取り消しになるらしい。
まあ、非常に妥当な落とし所だね。どの程度、「過ちを正す」ことが可能なの
か、最終的に認められるのか、その辺りはよく分からないけど。。
☆ ☆ ☆
さて、今夜のブログは適当につぶやいておしまいにしようかな・・・とか考えて
たら、ビッグニュースが飛び込んで来た。日本人研究者3人がノーベル物理
学賞☆ 天野浩氏(名古屋大学)、赤崎勇氏(名城大学)、中村修二氏(カリ
フォルニア大学)。「実に素晴らしい」by ガリレオ・福山♪
中村氏の米国籍問題は別として、外国人が1人も入ってないって所がまた、
島国の小市民の愛国心をくすぐるんだけど、ノーベル賞の中身を考えると、
実は分からない事だらけだったりする。正直、シーテック2014で東芝が受付
嬢ロボットを公開したってニュースの方が遥かに分かりやすい(笑)。当然、
今後の改良や値段、消耗品代が気になるのだ♪
話をノーベル賞に戻すと、非常におめでたいのは間違いないこととして、今
現在マスメディアに(ほとんど)書かれてない、私が気になる点を書いとこう。
☆ ☆ ☆
最初に、英語のお勉強も兼
ねてノーベル賞・公式サイト
で授賞理由のチェック。直訳
に近い形で簡単に訳すと、こ
んな感じだろう(原文も添付)。
──“明るくて省エネの白色
光源を可能にした、効率的
な青色発光ダイオードの
発明に対して。”
世界を照らす新たな光
今年のノーベル賞受賞者は、エネルギー効率が高くて環境に優しい新た
な光源を発明したことを評価された。それこそ、青色LEDだ。アルフレッド・
ノーベルの精神のもとに、賞は、人類への最も偉大な利益の発明に対して
贈られる。青色LEDを使えば、白色光を新しい形で生み出すことが可能。
LEDランプの出現で、我々は今、古い光源より長寿命で効率的な代替物
を手にしている。── (以下略)
☆ ☆ ☆
さて、青色LED(Light-Emitting Diode : 発光ダイオード)の登場によって、
光の3原色(赤・緑・青)が揃って、白色光その他、LEDの用途が格段に広がっ
たとか、緑色LEDの改良にもつながったとか、青紫色レーザーを使ったブルー
レイの高密度記録も可能になったとか、そうゆう話は至る所に書いてある。PC
の液晶モニターのバックライトも、今ではほとんどLEDらしい。点滅や即時性に
強くて、寿命も長いから、自動車や自転車の部品にも使われてる。
ただ、一番目立つ授賞理由には、「明るくて省エネの白色光源」の実現が挙
げられてる。これが今一つ、小市民にはピンと来ないのだ。昔ながらの蛍光灯
とフツーの白熱電球に比べて、一般家庭ではあまり現実的メリットを感じない
と思う。要するに、時代の流れに乗ってる感覚とか、地球にやさしい生活を送っ
てるという満足感とか、そうゆう主観的なものが中心じゃないのか。。
そう思って早速、データを検索してみると、やっぱり、意外とLEDが伸び悩ん
でるという情報がすぐ見つかった。2014年3月の半導体産業新聞HPの記
事、「世界のLED市場は2017年まで1.4兆円規模で長期横ばいが続く」。
急成長の期待がかけられてたのに、実際には世界的に、白熱電球や蛍光
灯からの置き換えがなかなか進まないという話が書いてある。まあ、要する
に、値段の高さのわりにメリットを実感しにくいからだろう。分かりやすいメリッ
トがあるのは、コンビニとか、大量の照明を長時間使う所だと思う。LEDに
取って代わろうとする新商品もあるようだ。
1.4兆円という金額はもちろん、かなり巨額だけど、ユニクロ(ファーストリ
テイリング)1社の売上高でも1兆円。アップル社は17兆円。世界的な企業
なら、1社でも「兆円」レベルなのだ。。
☆ ☆ ☆
一方、私も含めて少なからずの人は、中村修二氏の名前と青色LEDという言
葉から、訴訟事件を思い出す所だろう。発明時に勤務してたLEDの世界的企
業・日亜化学を相手取って、一審の東京地裁では200億円の支払い判決を勝
ち取った(2004年)。サラリーマンとしては途方も無い金額だから、大きく報道
されたニュースだった。
その後、高裁の和解勧告で6億円(延滞金を含めると8億円とのこと)へと減
額。極端な巨額から、極端な減額になったことで、どちらの言い分が正しいの
かよく分からないまま終了。中村氏の行動は日本社会に対する問題提起とし
て有意義だったのは確か。ただ、もし本当に数億円レベルの話なら、金融業界
を除いたとしても、世界には普通にあるはず。ウィキペディアの「404特許」の
項目を見ると、実は1000万円レベルの話だという会社側の主張まであった。
今回、日亜化学のコメントはこうなってる。「日本人が授賞したことは大変喜ば
しいことです。とりわけ、受賞理由が、中村氏を含む多くの日亜化学社員と企
業努力によって実現した青色LEDであることは、誇らしいことです」。
何とも大人の世界の文面だと思う。実際問題、青色LEDと中村氏と会社・社
員一同の関係がどうなのか、今回の受賞を機に、改めて考察されてもいいと
思う(この記事末尾のP.S.参照)。もちろん、日本的環境を考えると、少し時
間をおいた方がいいと思うけど。いまは、「ハレ」の時。晴れがましい祝祭の
時間だから。。
☆ ☆ ☆
他にまだ、波長が短い青色レーザーで記録密度が上がったという解説の一部
にも、まだ納得できない部分があるんだけど、今日はこのくらいにしとこう。あ
まり書くと、誤解されるかも知れないしね。
もちろん私も日本人として、嬉しいのは事実なのだ。まあ、今回もまた、実は
アメリカ市民(American
citizen)だとか、国籍の
議論が出てるけど、少なくとも「日本人でもある」のは確かだろう。法的な意味
や本人の現在の自覚とは別に、社会的な感覚として。生まれ、育ち、大学、発
明時の勤務先、顔つき、全てが日本人のものだ。
それではまた明日。。☆彡
P.S. 受賞後の記者会見における中村氏の発言、日亜化学によるまとめ、
神戸大学の研究、同志社大の主張(山口栄一)、日本弁理士会の論
考(帖佐隆)、山口大学の詳細な考察(谷光太郎)などを読む限り、感
情的な対立や不信感が増幅した結果としての訴訟だったように感じ
られる。。
(計 2932字)
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