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「恋」という言葉、辞書的意味の比較~新明解・三省堂・岩波・明鏡国語辞典など

今日はまだ仕事が終わらないのでブログはお休み!・・・と書きたい所をグッ

と我慢するのが、ブログ依存症なのだ♪ 信州大の学長も入学式で言って

たね。「ブログやめますか、信大生やめますか」。そりゃ、スマホだろ!

 

・・・とか、軽口を叩いてる場合ではない。今日の分の最低限の記事として、

また朝日新聞ネタを使わせて頂こう。最近、新聞を超速で読みながら片付け

てる所なのだ。紙だとすぐ溜まるから、そろそろネットだけにしようかな。。

 

 

         ☆          ☆          ☆

さて、昨日(2015年4月5日)の朝日新聞・朝刊には、「はじめて」シリーズ

の1つとして、「(文化の扉) はじめての国語辞典」という特集記事が掲載

された。新聞を読む人間で、国語辞典がはじめてという人はほとんどいない

だろうけど、同じ言葉に対して4つの国語辞典の説明を読み比べる機会は

はじめてだ。3つなら何度かあったけどね♪(細かい・・)

 

記事で選ばれてたのは、誰でも興味を持ちやすい言葉、「恋」。同じようで

も、「愛」だと重くて一般的すぎるから、イマイチだろう。「恋」の方が軽やか

で、心ときめく春っぽい感じなのだ。

 

ではまず、朝日新聞に掲載されてた、4つの辞書の最新版の意味を引用さ

せて頂こう。念のため、自分でも書店で確認した(立ち読み♪)。

 

  岩波国語辞典(第7版、2011年、6万5千語)

       異性に愛情を寄せること、その心。恋愛

 

  三省堂国語辞典(同、2014年、8万2千語)

       人を好きになって、会いたい、いつまでもそばにいたいと思う、

       満たされない気持ち(を持つこと)

 

  新明解国語辞典(同、2012年、7万7千語、三省堂)

       特定の異性に深い愛情をいだき、その存在が身近に感じられる

       ときは他のすべてを犠牲にしても惜しくないほどの満足感・充足

       感に酔って心が高揚する一方、破局を恐れての不安と焦燥に

       駆られる心的状態

 

  明鏡国語辞典(第2版、2010年、7万語、大修館)

       特定の異性(まれに同性)を強く慕うこと。切なくなるほど好きに

       なること。また、その気持ち。

 

 

          ☆          ☆          ☆

これらはすべて小型辞典で、収録語数は中型辞典(広辞苑、大辞林、大辞

泉)の約3分の1。ただ、紙の中型辞典はどれも大きくて重いから、小型辞

典の方が一般的だろう。もちろんデジタルなら別で、私もまだ引越しの荷物

が片付いてないこともあって、ネットのコトバンク(大辞林、大辞泉など)その

他を使うことが多くなってる。

 

私が朝日の記事を読んで、一番気になったのは、人気の「新解さん」(新明

解の愛称)ではなく、岩波の辞典だった。

 

サンキュータツオ『学校では教えてくれない! 国語辞典の遊び方』(角川学

芸出版)を参考にした朝日の説明だと、「学級委員長タイプ」、「説明がスマー

ト」、「おもしろみに欠けるが彼の良さは大人になってわかる」とされてるけど、

上に引用した恋の説明はほとんど説明になってないし、大人の私にも良さが

わからない。

 

そう思って本屋で読むと、納得した。実は、まだ先に説明が続いてるのだ。

確か、異性とは限らないというようなことも書いてた気がするし(うろ覚えな

ので近日中に再チェックする予定)、100年ほど前に意味が少し変わった

というような話も書いてあった。元々は(状態としての?)「気持」を表してた

のに、(心の活動としての?)「思い」も表すようになったとか。

 

気持ちと思いにそんな使い分けがあるの?・・と思って、その岩波の中で

それぞれ引いてみると、そんな話は載ってない (^^ゞ 同じ岩波の中型辞

典、広辞苑にも無いから、岩波国語辞典の「恋」の項目を担当した学者の

「独自研究」に過ぎないかも。ウィキペディアなら禁止行為だ♪ 

 

ひょっとすると、フッサール現象学とか好きな学者なのかも知れない。意識

の作用(意識するという能動的側面)と内容(意識された心的なものという受

動的側面)の区別について、細かく論じられてるのだ。細かすぎるけど(笑)

 

 

          ☆          ☆          ☆

一方、三省堂HPによると「日本でいちばん売れている小型国語辞典」、新

明解。確かに、朝日が書いてるように、「ひとこと多い」、「個性的」、「クラス

の後ろの席から先生につっこみをいれるような皮肉屋」だね。高校1年まで

の私に似てたりする♪

 

「異性」への限定は日本だからまあいいとして、説明が大げさだね(笑)。辞書

というより、読み物。ことばエッセイみたいなものだろう。「他のすべてを犠牲」

にしたら、単なるヤバイ人にすぎない♪ 恋の相手が複数いるのもよくある

ことだし、誰かと会ってる途中に他の相手を思い出したりするのも恋の特徴。

特に若い女性の場合・・・とか書くと、「ひとこと多い」「皮肉屋」かも(笑)

 

言葉の意味の説明として一番いいと思うのは、三省堂が新明解とは別に出

してる、三省堂国語辞典。「親切で気の良い情報通」、「面倒見がよい相談

相手」。確かに、普通の中学1年生が読んでもすぐ理解できる説明だ。

 

明鏡の説明も、「まれに同性」、「切なく」と書いてる辺りはいいけど、重要な

箇所で「慕う」という言葉を使ってるのが減点だね。これは、特に少年少女だ

と、ほとんど使わない単語のはず。むしろ、元の「恋」という言葉の方が馴染

んでるから、説明文が理解の手助けになってない。難しい言葉、分からない

言葉を、簡単な言葉、分かる言葉で説明するのが、本来の辞書だから。。   

 

 

          ☆          ☆          ☆

最後に、「恋」の説明で興味深いのは、広い意味でネガティブな側面を明示

してる所だろう。「満たされない」、「不安と焦燥」、「切なく」。実は、日本の辞

書を代表する広辞苑だと、死んだ人への思いというような話が最初に書かれ

てたから、ちょっと驚いた。

 

やっぱり、恋と愛は違うし、恋と恋愛もちょっと異なる。本質的に不安定、不

完全だからこそ、恋は心ときめくものなのだ。恋とは、軽い欲望を明るく示す

言葉。そして欲望とは、存在しないものを求める思いのことだ。  

 

ちなみに、恋の相手が人以外(土地、植物など)の場合については、中型辞

典が揃って説明してた。特に大辞林は、「古くは・・・」と時代を指定してたの

で、なるほどと納得。まあ、数十年後の辞書には、ロボットやフィギュア、二次

元の話も加わってるのかも。「相手が人に似た人工物の場合なら、現在でも

恋という言葉を用いる」とか♪

 

私自身は、恋に恋するオトコかな。寒いわ! いや、たまたま最近、NHKド

ラマ『はつ恋』の再放送をやってるから、ウチの記事にも結構アクセスが入っ

てるのだ。私と同じく、恋に恋する視聴者の皆さんだろう。

 

それでは、また明日。。☆彡

 

                                    (計 2660字)

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