華麗なる遠足、終わりに向かって~『アイムホーム』第7話
社内監査で遂に明かされた、女スパイ・小鳥遊優愛(吉本実憂)の秘密。実
はデ・・・じゃなくて、ふくよか男性専門だったのか♪ 思わず久(木村拓哉)
もメモ、メモなのだった(笑)。「それ、関係ありますか?」と突っ込む所だね。
そうか。特殊な性癖のカモフラージュ(ごまかし)として、久に片思いしてる
フリをしてたのか。
私の周囲にも、お相撲さん命!の女性がいて、全国を飛び回ってたりする。
八百長騒動の時にも動じず。こうゆう人達が日本の国技を支えてるわけね。
ま、日本人力士がほとんど目立たないけど♪ コラコラ! ボクシングのヘ
ビー級に日本人選手がほとんどいない事と関係あるのかも。もう10年近く、
日本出身力士は優勝できてない。日本人、ガックシ。。_| ̄|○ 大相撲は
体重別の階級を導入するわけにもいかないしね。
とにかく、『アイムホーム』第7話の最大の教訓は、パソコンやスマホに秘密
情報を隠すのは難しいってことなのだ。「ゴミ箱」に入れたままにするなんて、
まるで他人に「見て♡」とおねだりしてるような、チラ見せ露出プレイ♪ 完全
消去するか、普通のフォルダに隠すか、外部メディアを使うか、どれかだろう。
☆ ☆ ☆
私のPCにも色々入ってるけど、誰かに見られてもそう簡単に見つからない
ように小細工してあるから、自分でも発見できなかったりする (^^ゞ 難し過
ぎるパスワードを自分で忘れるようなもの。
もちろん、PC内検索なんて初歩的操作では見つからないし、フォルダやファ
イルが多過ぎるから手作業で探すのも困難なのだ。外部メディアは面倒だし、
ネット上のクラウド・サービスとかオンライン・ストレージなんて信用できないし。
結局、手書き書類が一番だな・・・と思ってると、その紙をどこに隠したか忘れ
るのであった(笑)。ボ・・・じゃなくて認知症高齢者か! 脳梗塞とか来たら終
わりかも。
それにしても、確かに自分の記憶やPCの記録データは、変わったり「再構
築」されたり、消えたりする。でも、実際に自分が経験した事の影響は、何ら
かの形で現実世界にしっかり残るのだ。恐ろしいと言うか、凄いと言うか。。
たまたま今日は、朝日新聞デジタルで、「思い出せないけど・・・脳には記憶
残る」なんて記事も出てた。記憶痕跡と呼ばれる細胞群を人工的に活性化
させると、記憶が甦ったらしい(マウスの恐怖反応実験)。
☆ ☆ ☆
というわけで今回の物語は、父と息子の愛、親子の記憶って素晴らしいねっ
てだけの事ではない。むしろ、記憶や記録のネガティブな影響の方が強調
されてた。
離婚直前の記憶は不快だからこそ、前妻・香(水野美紀)は久との距離を保
とうとする。不正取引か何かの記録は致命的だからこそ、社内監査におびえ
ることになる。不倫(?)の記録写真は衝撃的だからこそ、久と恵(上戸彩)の
顔がひきつることになる。
そもそもキムタクの父は、息子よりカツ丼・・・じゃなくて、カフェ経営に夢中な
のだ♪ そりゃ、『Friday』だろ! 父・洋蔵(北大路欣也)は、脳梗塞のせい
で、息子が自殺したのを忘れてるのだ♪ そりゃ、『華麗なる一族』だろ!
似てない息子との激しい対立と、そこから生じた悲劇。懐かしいね。もう8年
前なのか。。
そう言えば、あの印象的な最終回。「明日の太陽を見ない」と決断したキム
タク鉄平の行為も、遠くに向かって足で歩くという意味では、「遠足」だった。
片道だけの、1人ぼっちの遠足。雪山で靴とソックスを脱いだから、凍傷に
なって帰れなくなったのだ♪ 違うわ! 終わりに向かう遠すぎる旅には、
往路しか無いのだ。
人生というものはすべて、ある意味、終わりに向かう片道の遠足だろう。そ
の到着こそが、真の「アイムホーム」、「ただいま」なのだ。。
☆ ☆ ☆
『アイムホーム』第7話は、いつも以上に原作から離れてるオリジナル・ス
トーリーで、視聴率はほぼ変わらずの13.1%だけど、テクニカルな脚本
だったと思う。林宏司、技を持ってる脚本家だね。
父と久の手つなぎと、久と良雄(高橋來)の手つなぎを、二重の意味で重ね
てるのだ。どちらも、父と子の愛の象徴だし、それを「手離し」た理由は仕事
の不手際(または失敗)。そして、久の過去の不手際は、PCの秘蔵データ
チェックにつながり、お相撲さんやサンバで軽い笑いを誘うと共に、久と恵
の重い秘密にもつながる。
W不倫(?)疑惑に、幼稚園の男の先生・・・じゃなくてサッカークラブのコー
チ・本城剛(田中圭)をからめたのもオリジナル。あのコーチは肺ガンか何
かなのかね。で、良雄の父親候補とか。
ここまで「アットホーム」な緩さをメインにしてた『アイムホーム』が、終わり(最
終回)に向けて、急にドロドロと暗い歩みを見せて来た。中身は違うけど、原
作の底無しの暗さに近づいて来たわけで、原作尊重にもなるし、視聴者の
興味も増して来る。
☆ ☆ ☆
と言っても、やっぱり最後は原作と違って、ハッピーエンドに近い、救いのあ
る終わり方にするはずだから、7年前の隠れた秀作ドラマ『あしたの、喜多善
男』に似た感じかも。中高年男性が最初からずっと死を目指して、最後に急
展開、生を目指して歩き始めたドラマだ。暗い原作をテレビ向けに明るくして
る点も、『アイムホーム』と同様。
まあ、主演の小日向文世と木村拓哉はあんまし重ならないけど(笑)、今井
雅之の訃報も先日あったから、ふと思い出したわけ。『喜多善男』での今井
は、小日向の唯一の友人で、既に死亡してる心理学者という設定だった。と
いうことは、小日向を自分のもとへ、つまり死へと、心理的かつ論理的に呼
び寄せる役割も果たしてる。
私はあのドラマの今井しか知らないから、彼自身に死のイメージがあるし、
小日向が死に向かう歩みを思い出すことにもつながる。一方、キムタクのこ
こ10年のドラマで私が最も評価するのは『華麗』で、鉄平はいきなり初回の
最初から、死に向かって歩いてた(雪山登山シーン)。そして今回のドラマで
は、『華麗』の父が死に向かって、杖をつきながらヨロヨロ歩んでる。
この記事に「華麗なる遠足、終わりにむかって」というタイトルをつけたのは、
そうゆう折り重なった意味なのだ。何なら、「加齢なる遠足」と言い換えても
いいだろう。。
☆ ☆ ☆
おっと、もうすぐ『アルジャーノン』が始まるから、もう終わりに向かうとしよう。
華麗な記事ではなくて、単なる手抜き記事だけど♪
基本的に暗いと言えば、『アルジャーノン』も底無しの暗さ。ただ、これが視
聴率的に苦戦してるのは、キムタクの『安堂ロイド』の苦戦と似た理由があ
ると思う。TBSって所も共通だけど、要するにSFは人気がない時代なのだ。
ドラマでも、小説でも。
それは、SF(サイエンス・フィクション)など無くても、SR(サイエンス・リアル)
が十分凄い時代だからかも知れない。そして、そうした時代の流れは、「人間
の終わり」へと向かうものでもあるのだ。特権的な主体として、中心人物とし
ての人間の終焉。
その意味でもやはり、われわれは終わりに向けて遠足してるのだろう。ドラ
マでも、現実でも。。もう22時だから、この辺で記事も終わりとしよう♪☆彡
cf. 人生崩壊の原作から、復活ヒーローのドラマへ~『アイムホーム』第1話
『浦島太郎』に玉手箱をプレゼントした理由&短距離走3日目 (2話関連)
仕事のテレビ出演より、息子の運動会参加~『アイムホーム』第3話
冴えない14km走&つぶやき♪ (4話関連)
『アイムホーム』第5話、軽~い感想♪
『アイムホーム』第6話、軽~い感想&短距離走3日連続
コロッケは天ぷらじゃなくて、フライなの?♪&12km走 (8話関連)
周囲の悪事、他人の犯罪を目撃した時・・&短距離走3連続 (9話関連)
新居のハッピーエンドという仮面~最終回
・・・・・・・・・・・・・・・
存在しない我が家への帰宅~石坂啓『アイ’ム ホーム』
(計 3193字)
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