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フーリエ級数展開2~方形波=矩形波(くけいは)

今夜は雨。手軽な数学記事を1本アップしとこう。1ヶ月半前、テレビドラマ

関連で、x² のフーリエ級数展開を解説した。番組内の映像に即した数式を、

多数のグラフと共に補足したわけだ。今回は普通の実用的な数学記事(&

物理学の波動関連)として、最もメジャーな「矩形波」(くけいは)を扱う。

 

まず、ウィキメディアのOmegatron氏の作品で、4つの波の形を比較しよう。

下の図で、赤、緑、青、ピンク、4つの線だ。

 

150623a

 

上から、三角関数でお馴染みの正弦波(Sine wave)、今回扱う矩形波= 

方形波(Square wave)、三角波(Triangle wave)、のこぎり波=鋸歯状

波(Sawtooth wave)。矩形波とのこぎり波の垂直の線は、外見を整える

もの。本当は存在せず、上端と下端の少なくとも一方が白丸となってるのが

普通だ。

 

ちなみに矩形波とか方形波と呼ばれるものは、日本語で文字通りに読むと

長方形の波」ということになるが、英語版ウィキペディアによると、上下の

持続時間が等しいものを矩形波と言うとのこと。もっと一般に、単なる長方

150623b  形の波ならパルス

  波(Pulse wave)

  とか長方形波

  (Rectangular 

  wave)とされる。

 

上図はウィキメディア、Krishnavedala氏の作品。波長Tの波で、上側の持

続時間はτ(タウ)、下側の持続時間は、T-τ。縦軸は振幅(Ampitude)。

τ<T/2だから、矩形波ではないパルス波ということになる。

 

まあ、波形の呼び名はおそらく、世界的にあまり統一されてないと思う。数学

の世界は意外と大まかな部分があるのだ。特に物理や経済が絡んでる実

用的内容だと。。♪

 

 

          ☆          ☆          ☆

さて、フーリエ級数展開とは、滑らかで扱いやすい正弦波を無限に組み合わ

150623c_2  せることで、その他の波

   y=f(x)を表すための、数

  学者フーリエによる数式変

  形。理論的にはややハイ

  レベルで、普通は大学1、

  2年の授業内容だ。

 

  左は、垂直線なしの矩形

  波を正弦波1本、2本、3

  本で表そうとしてる様子。

  ウィキメディア、Lucas

  VB氏のgifアニメより。

  たった3本(n=3)で、

かなり矩形波に近似した形になってる。この正弦波の組合せを計算するの

がフーリエ級数展開だ。

 

150623d もっとも基本的な 

 式は、左の式。

 ウィキから借用。

cosの係数その他の a n と、sinの係数 b n は、元の関数 f(x)を用いた次

の定積分で定める。

 

150623e2
  a n はフーリエ

  余弦係数、b n

  はフーリエ正弦

  係数。a n だけ、n=0から始まるのは、Σの左側に a₀ があるから。

変数はここでは t としてあるが、定積分だから、元の x のままでもいい。

 

 

        ☆          ☆          ☆

最初の式の左端、a₀ /2という項のせいで、フーリエ級数の人気が半減して

ると思うが(笑)、Σで出来る関数をy軸方向に平行移動させてるのだ。cos

とsinのΣだけだと、x軸の上下が非対称的なものを作るのが難しくなるから、

Σの左の定数項で簡単な調節を行ってる・・・と考えればわかりやすい。

 

実際、a ₀/2を計算すると、長さ2πの区間-π~πにおけるf(x)の積分

の1/(2π)だから、区間内の「平均値」となってる。

 

一方、最初に挙げた基本の式は、元の関数 f(x) とキレイに一致するとは

限らないので、左辺の側に「f(x)~」と書いてる本もある。もちろん、気にせ

ず「f(x)=」と書く本もある。普通の人にとっては、等号(=)の方が分かり

やすいだろう。。

 

 

          ☆          ☆          ☆

では、実際の計算について。もっとも基本的な矩形波として、原点対称の

次の関数を考える。x=0で不連続、x軸の上下に分かれることになる。垂

直の線は無い。

 

   f(x)= -1 (-π<x≦0) 

          1  (0<x≦π)

 

これは、不連続点(x=0)を除けば、f(x)=-f(-x)を満たす関数、つまり

奇関数だから、フーリエ余弦係数 a n は0になって消滅。というのも、積分す

る f(x)cos nx が奇関数×偶関数=奇関数となるからだ。よって、フーリエ

正弦係数 b n だけ残して、次の「フーリエ正弦級数」を求めればよい。

 

   Σb n sin nx (n=1~∞)

 

ちなみに以前扱った x² のフーリエ級数展開だと、逆に偶関数だから、余弦

係数 a n だけ残して、フーリエ余弦級数を求めた。

 

なお、この種の基本問題で、f(x)の値を-1と1にする代わりに、-π/4

とπ/4 などとした問題もあるが、要するにそれは後知恵によって調整した

値。-1と1の問題の答が分かってると、最初から π/4 倍しときたくなる

のだ。以下、実際に-1と1の問題を解いてみよう。

 

 

           ☆          ☆          ☆

  b n = (1/π)∫f(t)sin nt dt  (-π~π)

     =(2/π)∫f(t)sin nt dt  (0~π)   (積分する関数が、奇×

                                 奇=偶関数だから)

    =(2/π)∫1・sin nt dt  (0~π)

    =(2/π)[ (-1/n)cos nt]  (0~π)

    =(-2/nπ){(-1)ⁿ-1}

 

∴ f(x)=Σ(-2/nπ){(-1)ⁿ-1}sin nx  (n=1~∞)

     =(4/π){sin x+(sin 3x)/3+(sin 5x)/5+・・・・・・}

 

 

というわけで、あらかじめ(π/4)倍しとけば、最後の答がもっとスッキリする

ことになる。元のf(x)の定義域にx=-πは入ってないけど、積分する時に

は普通に-πからπで計算してよい。簡単に言うと、端点だけなら積分に関

係ないという理由だが、厳密な話をするには、フーリエ級数と積分についての

正確な議論が必要。この記事では扱わないし、普通こだわらない所だ。。

 

 

          ☆          ☆          ☆   

なお、矩形波が(不連続点を除いて)偶関数の場合は、フーリエ余弦級数を

使えばいい。x軸の上下が同じ幅になってないのなら、まず平行移動して上下

同じ幅に直して、後で逆向きに平行移動してもいい。

 

周期が2πでなく2Lの場合(区間 -L<x≦L の関数など)については、また

いずれ別記事で扱うことにしよう。要するに、横幅をπ/Lに縮めて解いた後、

L/πして元に戻せばいいのだ。置換積分になるので、やや面倒ではある。

 

とりあえず、今日はこの辺で。。☆彡

 

                                    (計 2455字)

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