ポツダム宣言、玉音放送(原盤)、御文庫附属室・・&再びジム
JOG 4.4km,約30分,平均心拍 129 ; 約300kcal
RUN 2km,9分41秒,平均心拍 158,最大心拍 174 ; 138kcal
BIKE 15.3km,27分,平均心拍 151,最大心拍 169 ; 603kcal
堪へ難キヲ堪へ忍ヒ難キヲ忍ヒ・・・
(耐え難きを耐え、忍び難きを忍び・・・)
(昭和天皇の玉音放送、後半の一節)
恥ずかしながら、今日初めて、ポツダム宣言(Potsdam Declaration)とい
うものを読んでみた。これほど短くて明快な内容なら、もっと早く読んでおくべ
きだったと言えなくもない。
ただ、これをもし中学・高校時代に読んでたら、感情的に強く反発してた可能
性も十分あるから、大人になるまで読まなかったのは正解かも知れない。ま
してや70年前の当時、これを受け入れるのは、本当に「耐え難き・・・忍び難
き」ことだったと思う。
「ポツダム宣言」などというニュートラルな名前自体が、歴史に対する歪曲に
近い。「終戦」という言い方も時々批判されるが、「終戦」と「敗戦」は同じ出来
事の2つの側面を表す言葉であって、どちらにも重い意味がある。それに対
して、「ポツダム宣言」という訳語にはほとんど意味が無い。他には使われな
い地名が一つ入ってるだけだ。
原文は正式には、「Proclamation Defining Terms for Japanese
Surrender」だから、直訳すると「日本の屈服のための協約を定める宣言」。
一言に縮めて、「屈服命令」とでも超訳した方が、遥かに内容に合ってる。
「降伏」という訳語でも語感が弱すぎるし、「服従」でもまだ物足りない。。
☆ ☆ ☆
私が一番気になったのは、第10項の冒頭だ。英語版のWIKISOURCE(ウィ
キソース)から引用してみよう。
We do not intend that the Japanese shall be enslaved
as a race or destroyed as a nation,but ・・・
簡単な英語だが、ハフィントンポストの現代語訳は区切り方が少し変なので、
私が直訳しとこう。
我々は日本人を、民族として奴隷化するつもりはないし、国家として壊滅
させるつもりもないが・・・
宣言全体の内容を考えると、上の文は、「もし宣言を受け入れないなら、日本
民族を奴隷にする」と言ってるような感じさえある。もちろん、「そこまでは書い
てない」と言うのが普通の建前だろうが、最後の第13項の末尾では、無条件
降伏しないと「即座の完全な壊滅」(prompt and utter destruction)に
なると書いてるのだ。途中で「壊滅させるつもりはない」と書いておきながら。
「奴隷化するつもりはない」という言葉も、単なる建前、枕詞、圧力だろう。
今現在だと、国家間でこんな文章がやり取りされることは滅多にない。たまに
似たような表現を聞くことはあるが、その場合は、口にした側の国家が強く批
判されるわけだ。まして、核兵器をちらつかせながら、こんな言葉を突きつけ
るような国家は、(ほとんど)あり得ない。
という訳で、昭和天皇の玉音放送にはますます、表現できないほどの思いを
感じるのだ。戦後70年にあたり、宮内庁が8月1日に録音原盤を公表。私は
先に読売HPで聴いたが、朝日新聞デジタルの方が鮮明な音声に聞こえた。
朝日の記事は原文と現代語訳も一緒になってるので、便利でもある。
☆ ☆ ☆
1945年8月15日正午、日本放送協会(今のNHK)のラジオで読み上げら
れた、「大東亜戦争終結に関する詔書」。天皇の声の放送だから、玉音放送
と呼ばれてるわけだが、原盤の音声とされるものが本当の玉音かというと、
微妙に違うらしい。
8月1日の朝日新聞・朝刊には、「原盤は、専門家の協力で音声の再生に成
功した昭和天皇の肉声に近いものが再生されているという」と書かれてる。
「肉声に近い・・・という」だから、微妙で曖昧な部分があるのだろう。そもそも
「肉声」の定義も微妙だし、国民がラジオで聴いた声には遥かに多くの雑音が
混ざってたのが普通だろうから、今回のは「原盤」と言うより鮮明版、あるいは
側近版かも知れない。逆に不鮮明な声こそが、国民にとっての「原音」だろう。
簡単に経緯を振り返ると、3月に東京大空襲、6月に沖縄戦終結、7月26日
にポツダム宣言、8月6日が広島の原爆、8日がソ連の宣戦布告(日ソ中立
条約破棄)、9日が長崎の原爆。。
ここまでは一応、知ってたが、その先の細かい過程は知らなかった。10日か
ら、天皇、鈴木貫太郎首相、外相、陸相らが御前会議。天皇が決心を伝えて、
14日に最後の御前会議で決定。午後11時25分、天皇が宮内庁で2度、「詔
書」を読み上げて録音。15日未明、本土決戦を叫ぶ反乱将校らが放送を妨
害しようと包囲。何とか鎮圧した後、15日の正午に放送。。
☆ ☆ ☆
朕(チン)深ク 世界ノ大勢ト帝国ノ現状トニ鑑(カンガ)ミ
非常ノ措置ヲ以テ 時局ヲ収拾セムト欲シ
茲(ココ)ニ 忠良ナル爾(ナンジ)臣民ニ告ク
朕ハ帝国政府ヲシテ 米英支蘇四国ニ対シ
其ノ共同宣言ヲ受諾スル旨通告セシメタリ ・・・・・・
左は、ウィキソースで公開されてる
詔書の冒頭(パブリック・ドメイン=
公的所有状態)。
この冒頭はあちこちで見聞きして
たが、その後の文章は「堪え難き
を堪え」くらいしか知らなかった。
言葉づかいが古くて難しいから、
音声だけだと私にはかなり分か
り辛かったが、「屈服宣言」にして
は意外と自由かつ丁寧に語って
る感がある。
例えば、米英への宣戦は日本の自立と東アジアのためだった、というような
文章。今現在こういった事を話すと、相手によってはかなり強く拒絶するはず。
侵略戦争だと素直に認めて誠実に謝罪するべきだ、といった形で。
あと、敵は新たに残虐な爆弾を使用して罪のない人々を殺傷し、というような
部分も、全面的な屈服を認めた感は無く、むしろ怒りや無念さを感じる。もち
ろん米国ではその後も、原爆投下は正しい判断・行動だったというのが一般
的な考えらしいのだ。戦争を早期終結させ、被害を限定的なものに留めた、
鮮やかな戦術・戦略として。。
☆ ☆ ☆
それにしても、天皇の声からは、「朕」としての荘厳さや強い意志、凛とした
姿勢は感じられるものの、個人的で繊細な感情の揺れまでは分からない。
この時点ではまだ、戦争責任を問われる可能性があったはずだし、国内の
反発も予想される。内心では当然、それなりの覚悟をお持ちだったのだろう。
当時ご長男(今の天皇陛下)は栃木の奥日光へ疎開中。父親としての普通
の思いも当然あったはず。
今回、原盤がデジタル化されたので、今後は音声解析によって、隠された思
いが表に出て来るかも知れない。この箇所では涙が浮かんで言葉が僅かに
途切れてると思われる、とか。。
その意味でも、原盤の保存は重要だが、驚いたことに、天皇が「聖断」した
御文庫(おぶんこ)附属室(皇居の中央・西側あたり、旧・吹上御所近く)の方
は、手つかずの朽ち果てた状態。しかも、今後もそのままの方針らしい。朝日
の写真入り記事へのリンクはこちら。
御文庫とは防空施設で、そこから135mほどの地下道で北に進んだ場所に
あったのが附属室。特に会議室は当時、立派な部屋だったはずなのに、今
では崩壊寸前のように見えてしまう。皇太子さまや秋篠宮さまも、ヘルメット
姿で御覧になったそうだが、もはやヘルメットでは安全確保できないレベル
のように見える。
天皇が自らの玉音放送を聴いた場所でもあり、第一級の国宝、世界遺産と
言ってもいいものだから、早急に保全策をとるべきだろう。もちろん、原状(あ
るいは現状)をなるべく残す形で。
それとも、物質的なものに頼らず、心と知性でしっかり遺すように・・という、
天皇の意思=遺志があるのだろうか。我々、1人1人に向けて。。
☆ ☆ ☆
最後に一言、昨日のジムについて。気温30度、湿度75%。7年ぶり、第2回
ということで、気合が入ってたのに、日曜日の短縮営業を知らなかったので、
少ししか出来なかった。
それでも一応、ランもバイクもかなりの運動強度まで持って行ったから、良しと
しとこう。また近々、第3回にチャレンジする予定。ランニングマシンにも送風
機能があることが分かって、走りやすくなった。
運動を増やして食事を減らしたつもりだったのに、なぜか前回より体重が増
えてたのは衝撃かも。。それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 3425字)
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