商品のステマ記事、偽レビュー、ネイティブ広告
私は時々、amazon(アマゾン)のサイトで商品チェックしてるし、ブログの
記事で触れることもあるけど、いまだに買ったことはない。
安かったり速かったり品数が豊富だったり、色んなメリットがあるのは知って
るし、買おうとしたことも何度かある。古本とか、マイナーな商品とか。でも、
どうしてもサイトの作りが気になるのだ。見るだけ、読むだけならともかく、
お金と個人情報を渡す取引をするのをためらってしまう。
たとえば楽天なら、品物を検索すると、お店ごとの値段その他がリストになっ
てズラッと並ぶ。そこから安い店、有名な店、前に使った店などを選んで、そ
の店と取引すればいい。実際問題、私が送った代金や個人情報がどうなる
のかよく分からないけど、一応、個別の店との取引のような感覚を持てるし、
店のページに飛んだ後、別の商品を購入することもよくある。
ところがアマゾンだと、商品ごとのページが基本で、店の選択は後回しにな
る。まるで配送の選択みたいな手続きだし、直ちにその商品の購入を決定
するような流れだから、リアルなお店に行ってあれこれ買い物するような感
覚を持ちにくいのだ。アマゾン自体が販売する場合と、そうでない場合の区
別も、どうもしっくり来ない。。
☆ ☆ ☆
まあ、そうは言っても、いずれわりと近い内にアマゾンで買い物すると思う。
その際に、どうしても目に入ってしまうのは、商品名のすぐ下で目立ってる
黄色い星印だ。4つ以上ついてると何となく良い商品のような気がするし、
3つ以下だと何となくパスしたくなる。
レビューは楽天でもあるけど、基本的にお店ごとだから、商品自体のレ
ビューになってないことが少なくないし、レビュー数も少なめ。それに対し
てアマゾンだと、いきなりその商品の成績表を見せつけられる形になって
る。誰がどうやって成績をつけてるのか、よく分からないにも関わらず。
そのアマゾンのレビューについて、先日ニュースが出てた。私が読んだの
は、朝日新聞デジタルの記事。「偽レビュー、アマゾンが提訴 巧妙な手口、
本物を見抜くには?」(10月27日)、執筆は宮地ゆう記者。3000字弱の長
くてしっかりした記事で、まずはポイントだけ引用しとこう。
「アマゾンが10月中旬、偽の評価をしていたネット上の約1千人を、
ほとんど本名がわからないままワシントン州の裁判所に訴えた。
今後、調査を進めて本人を突き止めて行くとしている」
☆ ☆ ☆
日本人がこれを読むとすぐ思い出すのは、数年前の「『食べログ』ステマ事
件」だろう。ステルス・マーケティング(見えない市場操作)という言葉自体、
最近あまり聞かなくなったから、かなり改善されてるのかも知れないけど、
私は基本的に、その種のものは「参考」程度としか思ってないし、口コミ・サ
イトというもの自体、元々あまり使わない。
だから、アマゾンのニュースを見ても驚きはなかったけど、「本人を突き止
める」というのはちょっと興味深かった。正義の味方として応援したくなる
一方、下手すると、自分自身も巻き込まれかねないからだ。
もちろん、私は偽レビューもステマ記事も書いたことはないけど、誤解され
る恐れなら、誰にでも一応ある。偽物の判定に、人工知能による機械的判
定が使われてるらしいからだ。
☆ ☆ ☆
朝日の記事では、アマゾン自体ではなく、大手の口コミサイト「イェルプ」の
例で説明されてた。2013年の開示情報だと、イェルプに送られて来る評価
の25%が偽物と判別され、掲載されなかったらしい。
偽の評価が4分の1という数字が多いのか少ないのか、微妙な所だろう。
ただ、判別は人工知能の機械学習を利用したものだし、正解率は9割とい
う話だから、「偽物とされたけど実は本物」という場合も少なくない。正解率
の定義はハッキリしないけど、偽物扱いされた25%の内、2.5%くらいは
本物だということになる。
コーネル大学・カーディー教授によると、見分け方は意外と簡単。本物の
データと偽物のデータを集めて調べた所、本物には句読点が多いとか、前
置詞「to」が多いとか、特徴が見つかったらしい。だから逆に、句読点も to
も少ないようなものは偽物と判定されやすくなるようだ。ウチの記事には句
読点が多めだから、本物という判定か。その通りだ♪
まあでも、そんな簡単な基準を公表してしまえば、偽物作成者の側もすぐ
対策をとれるはず。特別な情報、詳細な情報があるのが本物だという話に
も、直ちに対応できると思う。商品情報から個別のポイントを抜き出して、
適当な形容語句を付ければいいからだ。
☆ ☆ ☆
お金がからむ場所では必ず、お金の不正が生じる。一部とはいえ、どうして
もそうゆう人や企業は無くならない。
ところで、偽レビューとか偽評価はなぜ悪なのか? 規則違反だからという
ような理由づけは一応可能だけど、ではなぜ規則違反にするのか。「本当の
事を書くべき」だからと言うのなら、「本当の事を書いてない、本物レビュー」
も違反とすべきなのに、そうなってない。実際、明らかに間違った情報や、単
なる想像にすぎない本物レビュー(らしきもの)も時々見かける。
それでは、「意図的なウソはいけない」からか。でも、明らかに誇大広告みた
いな文章は、あちこちでフツーに見かける。選挙における、政治家とか政党
という「商品」についても同様♪ まさか今どき、公約や自己PRをそのまま
真に受ける有権者は少ないだろうし、公約やPRが実現されなくても刑罰は
ない。ごく一部の有権者が、次の選挙の投票に反映させるだけだろう。。
☆ ☆ ☆
根本的に、「消費者にとって、本物レビューの方が偽物より役に立つ」とい
う常識が本当かどうか。まず、そこまで遡って調べてみるべきかも知れない。
たとえば、当たり障りのない平凡な本物レビューより、面白くて刺激的な偽
物の方が、結果的に有益だということは十分あり得ると思う。
まあでも当面は、「話題にする商品を供給・販売する側からお金をもらって
書いてる文章、作ってる記事は、広告だと明示する」のが、国際的なルール
の基本となるのだろう。「明示」といっても、新聞の全面広告でさえ分かりに
くいことがあるけど、目立つ場所とか大きな活字で示せば一応OK。
その点で、書き手も読み手も注意が必要なのは、「ネイティブ広告」とかネイ
ティブ・アドと総称されるものだ。そのページや記事全体に融け込んで、生ま
れつき組み込まれてるような自然な広告。ユーザーの情報利用を妨げない
もので、本来ならステマ記事・やらせ記事とは別物なのに混同されがちだ、
とされてる(日経HPの解説参照)。
たとえば最近、検索するとページの上の方に、広告なのか単なる検索結果
なのか、よく分からないものが並ぶ。ポータルサイト中央にも、記事の見出し
みたいな形で広告が入ってる。あるいは新聞社のサイトで記事を読んでると、
本文の下とかに広告が混ざってることもある。
どれも、ここ数年で増えたように感じるものだ。無料で情報提供してるのだ
から、民放のテレビCMみたいなもので、別に構わないと思う。民放のテレ
ビ番組で商品が目立つのも、別にいいし、貴重な情報になることもある。
ただ、それらも本来ならもっとハッキリ広告表示すべきだろうけど、まだまだ
徹底されてない。法律の類の整備を待つよりも、自分の眼力を鍛える方が
遥かに早くて有益だろう。わりと単純な広告なら、ブロックするソフトとかアプ
リの類も使用可能。私はブラウザ(Firefox)に、Adblock Plusを入れてる。
☆ ☆ ☆
最後に、お金や広告と無縁、趣味のブロガーとしては、有害で判別しにくい
偽の情報は書かないよう、細心の注意を払い続けたい。もちろん、単なる
無害なジョークなら、「ネイティブ軽口」として記事に織り交ぜることもある♪
たまにくだらない事を書いて遊びたくなるのも、人間にとってネイティブだ。
マジメな話、「本物」のレビューならほとんど必ず、長所と短所、あるいはポ
ジティブ情報とニュートラル(中立)情報の両方が入ってるはず。たとえば
2日前のウチのドラマ・レビュー(5000字弱)をよく読めば、そうなってるの
が分かるだろう。
もちろん、それは書き手としての意図的な配慮なのだ。たとえ、ひたすら褒
めた方が読者ウケがいいとしても、その点を譲るつもりはない。人間として
の基本的な姿勢、ポリシーだから。
それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 3410字)
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