「日本人絶滅」説、簡単な計算方法(合計特殊出生率&等比数列)
先週、1ヶ月ぶりに18000字超も書いたので、今週はいきなり手抜き記事で
スタートしよう。いや、本当はもっとマトモな記事にするつもりだったのに、準
備でネットを飛び回ってたら脱線して、1時間も遊んでしまったのだ (^^ゞ ど
うせ遊ぶなら、Googleのホリデーロゴで生誕200年が祝福されてる、ブール
の数学(ブール代数)にすべきだったかも。。
要するに、記事ローテーション的に、そろそろ何か数学系の記事を書かなきゃ
いけないな・・・と思ってた所、昨日、「日本人」絶滅説が目に留まったのだ。
東洋経済オンラインの次の記事で、執筆はフリーライター・佐々木恵美。
日本人はいま、絶滅の危機にさらされている
不妊治療の現場で30年、ベテラン医師の見解
アメリカ生殖医学会において日本人女性初の座長となったという、詠田
由美(詠田クリニック院長)の言葉として、次のように書いてた。
産婦人科医の間では、以前から講演などで語られている話なん
ですよ。このままのペースで少子化が進めば、西暦2500年に日本
の人口は1000人を切る。こうなれば日本人は希少種となり、やが
て絶滅する可能性も否定できません。
その後、「根拠や背景」も書かれてるけど、肝心の計算については曖昧
なままになってる。まあ、この記事に限らず、数字とか結果だけ書いて、
具体的な計算を書いてない記事や文芸作品は非常に多い。確か、数式
を入れるほど売り上げが落ちるというような話を、天才物理学者ホーキン
グも書いてた気がする。。
☆ ☆ ☆
私は逆に、すぐ自分で計算する人間で、ブログ記事にも度々掲載して来た。
今回はまず、東洋経済の記事より信頼できる公的サイトの数字から検証し
てみよう。
国立社会保障・人口問題研究所が、西暦3000年に人口1000人になる
という表を掲載してた。2013年のデータ(合計特殊出生率1.43など)を
一定のものとして、複雑で細かい計算を行ってるらしい。プログラミングし
て、コンピューターを使ったはずだ。
私は遥かに単純な設定で、ほぼ同じ計算結果を導けた。死亡率というの
は、結局みんな死ぬのだから長期的には重要でないし、男性・女性の比
率もほぼ1:1としていいだろう。半分が女性で、生涯で1.4人の子どもを
産むとすると、男女100人(女性50人)から70人の子どもが生まれる。
50×1.4=70。
一世代を約30年とすれば、ほぼ30年ごとに0.7倍となるわけで、公比
0.7の等比数列が使える。高校2年の数学の教科書例題レベルだ。電卓
を用意するのが面倒だから、毎度お馴染みカシオの計算サイトを利用した。
西暦3000年まで、残り約990年とすると、30年の33倍の期間となる。だ
から、0.7を33回かけ合わせればよい。現在の人口を約1億3000万人と
すると、
(西暦3000年の人口)=130000000×(0.7の33乗)
=130000000×0.0000077
=13×77
=1001 (人)
非常に満足できる近似値計算となった。衝撃的な結果ではあるが。。
☆ ☆ ☆
一方、東洋経済の記事の話。西暦2500年まで残り約480年とすると、30
年の16倍の期間となる。合計特殊出生率を仮に2aとすれば、30年で人口
はa倍。それを、今の人口に16回かけ合わせて1000人になるのだから、
1000=130000000×(aの16乗)
∴ a=(1/130000)の(1/16)乗
=0.00000769の0.0625乗
=0.479
ということは、「平均的」な合計特殊出生率を、この2倍、0.96くらいで計算
してるということだ。要するに、1人の女性が1人弱、子どもを産むモデルで、
それほど不自然な設定ではない。
☆ ☆ ☆
というわけで、国家の未来を考えると少子化対策が急務となるが、女性その
他の反発も少なくない。世界全体で考えると、人口が多過ぎ、増え過ぎなの
だから、移民その他で補うのが一番簡単な方法だろう。
もちろん、合計特殊出生率を2.0に近づける方がいいとは思うが、日本の集
団心理や社会システムを大幅に変えるのはなかなか大変だと思う。いずれ
にせよ、みんな協力して、子どもを産み、育てる意識は持ちたいものだ。
自分の死後や未来は関係ないという考えは結局、自分の余生や現在を制限
してしまうことになるだろう。それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 1791字)
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