データ分析(相関の強弱,変数変換と共分散)~2016センター試験・数学ⅠA・第2問
(☆追記: 関連記事をアップ。
分数の群数列、一般項と和~2016センター数学ⅡB・第3問 )
☆ ☆ ☆
2016年度(平成28年度)のセンター試験、数学Ⅰ・A。今回も、まだ目新し
い分野であるデータ分析に注目してみよう。「変化球」が少し入ってるので、
平均点の動きはともかく、満点の受験生が減ったかも知れない。トップクラ
スの受験生の一部は今頃、悔しがってるかも。
たまたま今日は、大荒れの天気と重なったので、ブログに回す時間がかな
り削られてしまった。交通機関の乱れが心配なので、サラッと解説して終わ
りにする。
☆ ☆ ☆
まず、第2問の〔2〕。10年間、120ヶ月の月別データで、アイスクリームの
平均購入額の変化を見る面白い問題だ。横軸の変数は、平均最高気温、
1日あたり平均降水量、平均湿度、25度以上の日数の割合。グラフのみ、
東進HPからコピペさせて頂こう。
4つの散布図から読みとれるのは、
0番: 平均最高気温が高くなるほど購入額は増加 (左上図より)
3番: 25℃以上の日数の割合が80%未満の月は、購入額が
30円を超えていない (右下図より)
☆ ☆ ☆
続いて、〔3〕(1)。東京、N市、M市の、1年・365日の最高気温データ
について、ヒストグラムと箱ひげ図の関係を見る。
N市のヒストグラムだけ左端まであるから、左端にひげが伸びてるbと対応。
M市のヒストグラムだけが40度超まであるから、最も右にひげが伸びてるa。
東京のヒストグラムは、残ったcと対応。
大まかな特徴だけで解くことで、時間を節約できる。
☆ ☆ ☆
さらに、〔3〕(2)。東京の最高気温データを基本にして、O市、N市、M市と
の相関を散布図で読み取る。
正しいのは、次の2つ。
1番: 東京とN市は正の相関(右上がりだから)。
東京とM市は負の相関(右下がりだから)。
3番: 東京とO市の相関の方が、東京とN市の相関より強い
(O市との図の方が、散らばりが少なくて線状のキレイな
右上がりだから)。
☆ ☆ ☆
そして、メインイベントの(4)。N市では温度の単位として、摂氏(℃)の他
に華氏(゜F)も使われてる。華氏だと、(摂氏の温度)×(9/5)+32。要
するに、y=ax+bの形の変換。さて、N市の分散、東京との共分散、東京
との相関係数はどう変化するか?
まず、分散はa²倍。つまり、(9/5)²=(81/25)倍になる。要するに、分
散で和を取る時の各項がa²倍になるからである(b、つまり32は消える)。
次に、東京との共分散だと、東京は摂氏のままで1倍、N市だけが華氏に
変換されるから、単なるa倍。つまり(9/5)倍になる。
要するに、共分散で和を取る時の各項目(積)が1×a倍になるからである
(bは消える)。
最後に、東京との相関係数は変わらず、1倍になる。なぜなら、
相関係数=共分散/(標準偏差の積)
=共分散/{√(東京の分散)×√(N市の分散)}
で、分子も分母もa倍、つまり(9/5)倍になるから、分子を分母で割った
分数は1倍になる。
ちなみに、分母だけ更に説明すると、√1²×√(9/5)²倍で、(9/5)倍。
データが2組だけで、簡単な自然数の例を考えて計算すると、納得しや
すい。その後、文字を使った定義式で考えてみればいい。
時間切れなので、今日はこの辺で。。☆彡
cf. データ分析(四分位数、箱ひげ図、相関係数~2015センター数学
データ分析2~2015センター追再試験・数学ⅠA・第3問
・・・・・・・・・・・・・・・
キャラ化されない戦後の人々、佐多稲子『三等車』~2016センター国語
(計 1487字)
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