数学甲子園2015準々決勝、全問コメント&解き方
(☆16年10月9日の追記: 関連する最新記事をアップ。
数学甲子園2016予選、全20問の問題、解き方、感想 )
☆ ☆ ☆
去年・秋の数学甲子園2015。準々決勝の問題の発表が遅いな・・と思ってた
ら、ここ半月くらいの間に(?)ようやくアップされたようだ。半年以上遅れたの
は、2016年から競技内容変更ということで忙しかったからか。
去年の応募要項が見当たらないけど、手元に保存してた2014年と比べると、
変更点は要するに、本選の流れを少し簡略化して、創作問題とプレゼンテー
ションをより重視するようになったってことだろう(多分)。
たまたま私は今、ひどい風邪に苦しんでる所だから、きっちりした模範解答は
省略。全15問のコメントと解き方を簡単にまとめるだけにしよう。問題と答の
数値は、日本数学検定協会の公式サイトにあるので、そちらをご覧あれ。一
部の図のみ、縮小コピペさせて頂いた。
ちなみに、過去の関連記事は以下の通り。
cf. 数学甲子園2015予選、全20問の問題、解き方、感想
数学甲子園2014準々決勝、全問コメント&問題10の解答・別解
数学甲子園2013予選のポイント、問題15の解説&解答
数学甲子園2012、予選問題&3日ぶりのラン、まだ暑い・・
数学の甲子園、全国数学選手権の問題にチャレンジ☆ (2011)
☆ ☆ ☆
第1問 中学の図形の問題。円の半径を求める。方べきの定理でATを
求めた後、ACとTOを延長して三角定規を作って、再び方べき
の定理を使えばいい。
第2問 私にとっては今回のメイン・イベント。数学甲子園の問題で初め
て(?)間違えてしまった。体調が悪いからに違いない♪
てつやが点AからBへ時速5.6kmで向かい、みちこが逆にBからAへ、時速
4kmで向かう。2人とも最短経路で、分岐点での選択は等確率。2人が出会う
確率を求める。
てつやが7区画、みちこが5区画進んで出会うことになるから、候補の地点は
6ヶ所ある。この内、Aから5つ上、2つ右で出会う確率の計算がひっかけ。例
えばてつやがAから5回連続、上に進む道を選択すると、残り2回は確率100
%(!)で右に進むことになる。これをうっかり1/2で計算してしまったのだ。。
☆ ☆ ☆
第3問 数列の漸化式で、分数形。両辺が0でないことを確認した後、逆数を
取って置き換えれば、ごくフツーの漸化式になる。
第4問 log xをtで置き換えれば、tの3次関数だから、tで微分して増減表を
書けば、最大値&最小値は分かるし、その時のtの値からxの値も
分かる。
第5問 折り詰め弁当に輪ゴム1コをかける問題。中身は盛り上がってない
らしい♪ 輪ゴムの通る最短経路を求める。2番目の注目問題。
展開図を前半と後半で2枚書いて、つないで一直線に結べば
いいんだろうけど、答を出して、合ってるのを確認した後でも、
ちょっと不安が残るのは事実。見落としや勘違いがあるよう
な気がしてしまうのだ。
ちなみに「ac+2c²<ab」という条件式は、展開図もどきで
一直線に結んだ時の輪ゴムが図のようになってるための
条件で、流石に芸が細かい所。
☆ ☆ ☆
第6問 x→-0の時の、絶対値記号付き極限。
lim (1/x)|cos{(π-x)/2}|
cosをsinに変換して、xを絶対値記号の中に入れれば、
基本的な極限になる。符号に注意。
第7問 平面上の点の位置ベクトルに対して、大きさの最小値とその時の
ベクトルの成分を求める。原点から平面に垂線を下せばいい。
平面の法線ベクトルが、直線の方向ベクトル。
第8問 定積分。
∫log(x²+2)dx (0≦x≦√2)
部分積分してlogを消し、分数関数にした後、tanθを使った
置換積分でOK。三角関数はキレイに消える。
第9問 2つの定点からの距離の差の絶対値が一定となる、動点の軌跡。
双曲線になるのは基本的知識だから、後は計算するだけ。
真面目にルートの2乗を計算してもいいが、まず右に45
度回転した標準形の式を求めて、左に45度回転する方
がスマート。最後は y=k/x とおき、簡単な点の座標を
使ってkを決定する。
第10問 複素数の偏角。複素数平面の性質を使えば上手く解けるのかも
知れないけど、私は単純に図形的に解いた。tan2θが
-1/√3だから、2θ=150°。よって、θ=75°。
☆ ☆ ☆
第11問 ここからの残り5問は英語。ただし、内容的には簡単になってる。
正四面体(regular tetrahedron)の4面の中心を結ん
で、内側にできる小さな正四面体 の体積は、元と比べ
てどれだけの割合か。小さい方の一辺の長さを求める
だけ。cosθと余弦定理。
第12問 男5人と女7人から、4人選んで委員会を作る場合の数(組合せ)。
男1人と女2人は必ず含むので、それらを先に決めて、
後で残り1人を選べばいい・・・と考えると、同じ組合せ
を重複して数えてしまうから、注意が必要。
男2人と女2人の場合と、男1人と女3人の場合に分け
て計算して、合計する。
第13問 多項式(polynominal) 2x³-3x²+ax+bが、x+1を因数
(factor)に持ち、x-2で割った余り(remainder)は
-15。aとbを求めよ。
因数定理より、x=-1を代入すれば0。剰余定理より、
x=2を代入すれば-15。後は、aとbの連立方程式。
第14問 y=-x²-2の接線(tangent line)が原点を通る時、接点Pの
座標(coordinates)を求めよ。
Pのx座標をpとして、先に接線の式を書き(微分利用)、
それが原点を通ることからpを求める。
第15問 正の整数(positive integer)Nに対して、N²-2015が完全
平方(perfect square=ある整数の2乗)となってる。
Nの値をすべて求めよ。
N²-2015=m² (m>0)とおいて、
(N+m)(N-m)=2015
=5×13×31。
この素因数分解の式から、N+mとN-mの組合せ
が決まり、Nも決まる。
以上、簡単ながらすべての問題の感想を示した。それではまた明日。。☆彡
cf. 数学甲子園(AbemaTVライブ配信)、前半だけチラ見した感想
(計 2411字)
(追記 91字 ; 合計 2502字)
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コメント
お疲れ様です。
予選の問題、ボートとしていて
見ていませんでした。
テンメイさんのパワーに感動しています。。
投稿: gauss | 2016年4月22日 (金) 00時56分
> gauss さん
こんばんは。毎度どうもです。
体調不良時のブログ毎日更新は疲れますが、
高校数学の記事なら気分的にラクです。
脳トレ用のパズルみたいなもんですね。
若年認知症の予防にもなるし♪
意外なことに、この種の記事を書き続けてるサイトは
ウチ以外に(ほとんど)無いみたいなので、
今年の数学甲子園にも注目してます。。
投稿: テンメイ | 2016年4月23日 (土) 01時20分