矢口真里と新垣隆出演、日清カップヌードルCM中止&謝罪の感想
日清食品が2016年3月30日から開始した、「OBAKA’s UNIVERSITY」
(おバカ大学)シリーズのテレビCM第一弾が、4月7日の夜から放送中止に
追い込まれた。やや分かりにくい場所にあるが、カップヌードルの特設サイト
には、謝罪文も掲載。主要部分を、改行までそのままで引用させて頂こう。
「・・・お客様からたくさんのご意見をいただきました。
皆様に、ご不快な思いを感じさせる表現がありましたことを、深くお詫び申し上げます。
皆様のご意見を真摯に受け止め、・・・・・・(以下略)」
この文章、よく読むと、「ご不快な」「皆様」が何人くらいいたのか分からない書き
方になってる。つまり、「たくさんのご意見」の内、どれくらいの割合が否定的な
ものだったのか、分からないのだ。実際、J-CASTの取材に対して、担当者は
「件数は答えられない」と話したとのこと。
先日話題になった、国際大学・助教、山口真一の短いレポート「炎上参加者は
どれくらいいるのか」を思い出す所だろう。統計学的な精度はビミョーだが、あ
そこでは、炎上参加者の割合は「わずか約1.1%しかいない」とされてた。
8日の夜の時点で詳しい事情は不明だが、おそらく、長い1分ヴァージョンの方
が炎上を招いたのだと思う。普通の短い30秒ヴァージョンだけなら、これほど
の騒動にはならなかったはず。実際、R25が4月3日に配信した記事では、逆
に「大絶賛」とまで書かれてたのだ。。
☆ ☆ ☆
では、CMのポイントをまとめて確認してみよう。朝日新聞や読売新聞の短
いニュースだと、非常に重要な部分が書かれてないのだ。
失敗を恐れず、挫けず、バカなことをやろう。言葉遊びで「バカやろう!」と若
者に呼びかけるCM。メインの登場人物は5人。登場の順に書くと、ビートた
けし学長。機械工学部・小林幸子教授。生物学部・ムツゴロウ教授。心理学
部・矢口真里准教授、芸術協力学部・新垣隆教授。男3人、女2人という構成
は、実際の大学よりも性別のバランスが取れてると思う。
ほとんど問題視されてないのは、ネットで意外な人気を誇る小林幸子。ヘビが
嫌とか言われてるムツゴロウも、今さら大した問題ではないはず。彼はもう、
別世界の超有名人だし、J-CASTの取材結果を読んでも、ヘビに対する批
判は強くなさそうだ。
☆ ☆ ☆
というわけで、やはり核心は、矢口と新垣だろう。「不倫に関係している」とか、
「虚偽を擁護している」といった批判があったらしい。
まず矢口。「二兎を追うものは、一兎をも得ず。」とスクリーンに映し出された
状態で、同じ台詞を力説。それが30秒ヴァージョンで、これだけなら単なる
自虐CMだ。矢口は既に、自虐で復活してるのだから、今さら大騒ぎするよ
うなことでもないはず。
ところが1分ヴァージョンだと、「危機管理の権威」のはずの矢口がちょっと余
計なことをやってしまってる。CMの終盤で、「やっちゃえ 皆さん!」と呼びか
けて、会場の若者たちが拍手してるのだ。もちろん、不倫をやっちゃえとは言っ
てないが、CMの流れから考えると、不倫擁護、自分擁護の主張に、大勢の
若者たちが賛同する形になってしまってる。
もし私がこのCMの制作者なら、そこで女子学生の突っ込みを挟むだろう。
「一兎でね♪」とか、「二兎はダメだけどネ」とか。おバカをするとは、何をやっ
てもいいということではないのだから、一定の歯止めや冷めた姿勢は必要だ。
☆ ☆ ☆
一方、新垣の方は、自虐のギャグがあまり視聴者に伝わってないのだと思う。
新垣は、佐村河内にちょっと似た学生の後ろにピタッとついて、二人羽織のよ
うな形で一緒にピアノを弾いてる。
これは、虚偽の擁護には全くなってないのだ。周りの学生たちがみんな、2人
の様子を見てるのだから。虚偽でも何でもなく、「芸術協力」とか「才能はシェ
アする時代」ということになってる。佐村河内事件というのは、軽い障害者(?)
の裏でこっそり新垣がゴーストライターをやってたから問題なのであって、堂々
と協力してれば何の問題もなかった。
そして、もう一点。新垣は、学生の肩に寄りかかるように教えつつ、「肩の力
を抜いて」と語ってる♪ 完全なボケのギャグであって、要するに変な手助け
(=肩の力=新垣自身)は逆効果だからはずそう、という意味になってるのだ。
とはいえ、CMで、そうした部分の意味が必ずしも視聴者に伝わらないのは、
制作者も予想できるはず。そもそもCMとは普通、軽く流し見するものだし、映
像表現のテクニックというのはドラマや映画でもなかなか理解されてないのが
現実だ。
だから、もし私が制作者なら、これが少しも虚偽の擁護になってないことをハッ
キリ示すだろう。例えば、新垣たち2人が弾く姿を、周囲の学生たちが不思議
そうな顔で間近にジロジロ見るとか。あるいは、「肩の力を抜いて」の台詞の
時、新垣が学生の肩に乗っかっている様子をアップで映すとか。
☆ ☆ ☆
というわけで、まとめると、私の感想はこうなる。このCM(特に30秒ヴァー
ジョン)は、放送中止&謝罪に追い込まれるほどの作品とは思わない。その
意味で、今回の結果は残念だが、もし私が制作者なら、特に1分ヴァージョン
では、もう少し配慮してたはず。
ちなみに、今現在、「カップヌードル CM KETTLES」でツイッター検索する
と、一つもヒットしない。ということは、このCMの冒頭、「KETTLES」(ケトル
ズ)のチアリーダー達が、ポンポンの代わりにやかん(KETTLE)を振り回し
てるギャグも、あまり伝わってないということだ。
この冬のJR SKIの時も、非常に多くの視聴者が「意味が分からない」と感じ
たわけだが、もう少しCM制作者の技をじっくり鑑賞する意見がネットに出て来
ると、CMの評価も微妙に変わって来ると思う。
☆ ☆ ☆
日清食品には、これに挫けることなく、おバカを続けて欲しい。「世間の声と
か、どうでもいい」というのは言い過ぎだが、「大切なのは、自分の声を聴く
こと」なのは確か。「お利口さんじゃ、時代なんか変えられない」という叱咤激
励もその通りだ。「CRAZY MAKES the FUTURE」(クレージーが未来
を創る)。
カップヌードル登場も、袋入りインスタントラーメンの時代ではクレージーな挑
戦だったはず。ところが今では、新たな時代を切り開いた先駆者&勝ち組と
なってることをリスペクトすべきだろう。それでは今日はこの辺で。。☆彡
cf. JR SKISKI 2015-2016、CM第2話「お似合い篇」の感想♪
AGFブレンディ、乳牛の女子高生CM動画の短い感想&まとめ
広瀬すずの「一平ちゃん」CM、「全部出たと-?!」のセリフ差し替え
話題のセクシーCM(ドロリッチ)&『ゴーイング マイ ホーム』第4話
(計 2765字)
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