オバマ大統領の広島訪問、米国の共和党(保守派)が批判しない理由♪
(☆16年5月28日の追記: 関連する最新記事をアップ。
オバマ米大統領の広島演説、全文の感想(英語&日本語訳) )
☆ ☆ ☆
PCの変な動きが収まるまでの間、新聞をめくってたら、ちょっと面白い記事が
目に留まった。「トランプ氏影響? 共和党沈黙」(朝日新聞・夕刊、2016年
5月11日)。
「オバマ米大統領 広島へ」と題する企画の中の記事だ。朝日新聞デジタル
でも無料公開中。執筆はワシントン、杉山正記者。と言っても、話のポイント
はワシントン・ポスト氏のオピニオン記事をまとめたもの。それなら当然、元
の英文をネットで読みたくなる。
探してみると、すぐに無料で読めたので、短い感想記事を書いてみよう。ちな
みにオバマは今回、演説はしないという話が先ほど伝わって来た。その変わ
り、訪問後に(?)所見を発表するとのこと。まあ、想定内で無難な選択か。
☆ ☆ ☆
まず、朝日新聞の短いまとめから引用してみよう。オバマの広島訪問を、民
主党は歓迎してるが、共和党は沈黙してるという記事の、最後の部分だ。
ワシントン・ポストは共和党側の沈黙について「なぜ共和党員は
オバマの広島訪問にもっと怒らないのか?」と題した記事をイン
ターネットに掲載。物議を醸す発言を繰り返すトランプ氏の存在
をあげ、「ドナルド・トランプをリーダーに持つことの恥じらいから
相手を批判するのに少し注意深くなったのかも」と皮肉を込めて
書いた。
実はこの朝日の解釈は、やや不正確、あるいはミスリーディングな(誤解を
招く)ものだ。これでは、恥ずかしいリーダーを持ったせいだと読めてしまうが、
原文の文脈はちょっと異なってる。
要するに、トランプも米国を卑下するような発言を繰り返してるから、オバマ
が広島で頭を下げることを批判しにくい、ということだ。違う言い方をするな
ら、「アメリカに誇りを持て。謝罪と誤解されかねない広島訪問なんて止めろ」
などとは主張しにくいだろう、という説明なのだ。
☆ ☆ ☆

原文記事のタイトルは、朝日が直訳してる通り。
「Why Republicans aren’t more outraged
over Obama’s trip to Hiroshima?」
記事の日付けは5月10日。執筆者は、Paul Waldman。トランプがこれ
まで、どれほど近年の米国をけなして来たかを示した後、最後の一節は次
のようにまとめてある。コピペ引用&ほぼ直訳させて頂こう。

しかし、あなたの党の勝者が実際、「アメリカ: 何というゴミ箱」という
スローガンでキャンペーンしてる時には、怒りを奮い起こすのはちょっ
と難しいかも知れない。たとえ大統領が、単に暗黙の内とはいえ、どれ
ほど当時の状況から正当化されるにせよ、都市が丸ごと焼きつくされ
るのは恐ろしいことだと認める時でも。
ドナルド・トランプをリーダーとして持つ恥ずかしさによって、共和党員
による他方の陣営への批判は、少し慎重になってるのだろうか? 色
んなことが考えられる。
要するに、朝日はこの最後の一文だけまとめてるわけだが、問題はその
「恥ずかしさ」(shame)の中身。偉大なアメリカを誇る方向とは逆に見える
姿勢を取ってる点で、トランプはオバマと似てるし、それが保守派にとって
は恥ということだ。もちろん、トランプの暴言の数々も含めて。。
☆ ☆ ☆
ちなみに、こうした論調は、朝日とワシントン・ポストが共にリベラルだから
ということも関係してるだろう。同じくリベラルで、朝日との結び付きが強い、
ニューヨーク・タイムズも、オバマの広島訪問を歓迎してた。
一方、保守的なウォール・ストリート・ジャーナルは、オバマに対する軽い皮
肉・批判のような社説を書いてた(日本語,英語)。やっぱりメディアというの
は、左右の立ち位置を考慮しながら読む必要があるわけだ。
全体を見渡すのは、疲れるのであった。それでは今日はこの辺で。。☆彡
(計 1540字)
(追記 58字 ; 合計 1598字)
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