もっかい、もう1回!、音楽療法~『ラヴソング』第4話
< 言葉と思考、感情表現 >
→ 音楽は個々人の時代性、
公共性、文化、思考、言葉を
包括している
(夏希のクリニックのホワイトボードより)
☆ ☆ ☆
『ラヴソング』第4話、冒頭がインパクトあったね。収納スペースの月額料金が
税込5250円からってことは、消費税が5%になってた♪ そこか! 先日の
春乃(新山詩織)の追悼イベントのパンフレットで2016年と書かれてたから、
消費税は8%。税込5400円からのはずなのに・・・って、細かいわ!
そうじゃなくて、賞味期限切れの牛乳をシチューに使う(笑)夏希(水野美紀)で
もなくて、最初に映った、謎の下着メガネ美女。
顔立ちもセリフもハッキリしてたし、どっかで見たことあるよな・・と思ったら、ビリ
ギャルのモデル1号か。2号は妾(死語)・・・じゃなくて有村架純。1号は石川恋
(れん)なのだ。「こい」と読むんじゃないわけネ、と書いとけば、「こい」で検索ア
クセスが入るはず♪
モデルプレスに記事も出てたし、本人twitterでもオープニング・ロールの名
前付きで紹介されてた。やっぱあの名前の表示が、出演者やスタッフには嬉
しいんだろうね。だから私も、映画館だと最後まで席を立たないのだ。たとえ、
エンドロールの文字が小さ過ぎて読めなくても、スタッフへのリスペクトとして♪
惜しかったのは、右手で広平(福山雅治)の胸をつねるシーン。あそこは当
然、右手はもう少し下の乳首あたりにして、左手は映すべきじゃなかった♪
で、広平の声のラストは喘ぎ声にすると。「痛い! ダメダメ。。ダメ・・・♡」。
演出家の平野眞、綺麗なサービスショットの詰めがちょっと甘かったな。
ちなみに、上のオープニングロール写真で右端に載ってるのが、フジテレビ
の美人アナ、永島優美。元・サッカー日本代表の娘さんか。ウィキペディア
によると、お母さんがユーミンのファンだからユミと名付けたとのこと。
先週はさくら(藤原さくら)がユーミンの『やさしさに包まれたなら』を歌ってた
し、ちょうどいい出演じゃないの♪ 頬に油汚れをつけた整備士・大瀬良役。
最近は、キラキラもそうだけど、両性的、中性的な名前が流行ってるね。。
☆ ☆ ☆
さて、今回は地味めのストーリーだったけど、転回点としては重要。サブタイ
トルの「涙のキス」の意味はもちろん、さくらのプロデビューを邪魔した空一
(菅田将暉)のキスではなくて、カプチーノのカップを通じた間接キス。「涙」と
いうのは、ドリンクの量が少な過ぎたからだ♪ 米国のスタバ訴訟か!
マジメな話、あのシーンは、脚本的にも演出的にも面白いチャレンジだったと
思う。視聴者にどれだけ伝わったかは怪しいけど(笑)
今回、脚本協力として、神森万里江という名前が入ってた。平成21年度・ヤ
ングクリエーター賞・優秀賞。7年前に27歳だから、今は30代半ば。メインの
脚本家・倉光泰子とほぼ同年代だ。
あそこは、流れ的には重苦しい余韻を引きずってるシーン。レコード会社・グ
リスターミュージックの亜矢(りょう)との面接で、吃音について聞かれた直後、
「何かありましたら後日こちらから連絡します」と言われて、いきなり終了。フ
ツーの感覚なら、「後日」はもう無いと思う所。実社会では「もう結構です」の婉
曲表現なのだ。
私も僻地の安いバイトに応募して、パッとしない経営者に似たような事を言わ
れたことがある(笑)。いまだに根に持ってるのだ。
さくらとしては、歌の実力は既に見せてるし、広平と同じ注文ではなく、7秒の
勇気をふるって、自分でペリエを注文。十分頑張ったのに、ホテルのコーヒー
ラウンジの女性従業員には変な顔をされるし、亜矢には「どん引き」されてし
まった。ライブの前の彼女なら落ち込んで、ギターに当たり散らしてたはず。
☆ ☆ ☆
ところが既に、さくらはかなり強くなってる。若者成長物語の中盤だから(笑)
・・・じゃなくて、ライブは成功したし、広平との関係も切れてない。おまけに
夏希は広平の彼女じゃないらしいし、同居も止めたらしい。まだ望みはある♪
そこで、半ば甘えるような形で、広平に「超ドン引きしてましたよね」とボヤくと、
広平は「超うどん来ました?」(笑)。最低のオヤジギャグで、脱力系の安らぎ
を与えた後、悪くても印象に残ったんだからいいとフォロー。
これがベタ過ぎるフォローにならないのは、まず、2人のベタ付きを適度に妨
げるものが次々登場するから。立ち木2本、母と子、ランナーのグループ、そ
してカップルまで♪ 現実だと絶対にあり得ない光景で、何気ないナチュラル
なギャグ、古典的コントになってた。
その後さらに、広平は、カプチーノもカフェラテと似てるから印象に残らないと
か付け加える。これ、印象に残らないものはダメ、印象に残る方がいい、とい
う意味のフォローのはずなのに、さくらに「でも買ってますよ」とか突っ込まれる
と、広平はあっさり「そうだよ」と肯定♪ 印象に残らない物を買って見せつつ、
印象に残る大切さを語ろうとしてるから、さくらは「意味わかんない」と突っ込み。
論理的に高度な脱力系の笑い、ボケ&ツッコミで、流石は高学歴エリートなの
だ。倉光は超難関として名高い、東京芸大の出身らしい。
☆ ☆ ☆
そこで一旦、グリスター・ミュージックのシーンを挟んで、社長(ディレクター)・
桑名喜和子(りりィ)がさくらの資料の文字に目を留める。「神代広平」。ここか
ら元のさくら&広平のシーンに戻して、今度は神代広平が中心の話に切り替
えて行くのだ。キレイに流れが組み立てられてる。
つまり、さくらのバスケの才能(笑)・・・じゃなくて音楽の才能を褒めた広平が、
昔バンドとか、本気で音楽をやってた頃の話を始める。すると途中でさくらが、
「先生の番」と口を挟むのだ。もちろん、私の次は先生が音楽で頑張る番、と
いう意味を暗に含んでる。
促された広平は、「ボーカルのコと2人残ったんだけど上手く行かなくて、辞め
ちゃって・・」と言いつつ、カプチーノの空き容器をゴミ箱にシュートするものの、
上手く行かない。するとさくらは、「もっかい!、もっかい」と、強引にもう1回や
らせる。
広平は「あのね、慰めようとしてるんですけどね。聞く気なしですか・・」と言いつ
つ、もっかい投げる。もちろん、さくらは聞く気なしどころか、広平の話を傾聴し
て、何気ない形で巧みに激励してたのだ。もっかい失敗した後も、さくらの転倒
のドタバタを挟んだ後、「もっかい!」。遂に成功した広平に、さくらがハイタッチ。
ちなみに、ハンドプレッソHPによると、カプチーノとカフェラテとカフェオレの違
いは下の通り。カフェラテはイタリア語のコーヒー牛乳、カフェオレはフランス語
のコーヒー牛乳だ。カプチーノは泡立て牛乳を使うし、言葉の意味や由来が全
然違うというお話。
☆ ☆ ☆
シュートの成功の後は、勝者さくらへのご褒美の、シュートのセイコウ♪ コラ
コラ! さくらの「何かくださいよ」というおねだりには、もちろん、そうゆう意味
も無意識に含まれてる。何かとは、恥じらいによる婉曲表現。
だから、広平のマンションに行った時、さくらは中に入りたそうな素振りを繰返
してたのだ。「ほーら、ご褒美だよ♪」、「もっかい!♡」というやり取りを期待し
て。ところが広平は、ギター用のカポともう一つ何かをプレゼントしただけ。石川
恋の部屋で疲れてたから、「もっかい」はダルかったのだ(笑)
ちなみに私は「あと3回だぞ」と言った経験がある。聞いてない? あっ、そう♪
・・・って言うか、実話だろ!
なお、『アコースティック・ギター・マガジン』2016年6月号のインタビューによ
ると、藤原さくらのギターは年代物の高級品らしい。1880年代くらいのマー
ティンで、福山のギターと同等とか。それで給料にこだわってたわけネ。
☆ ☆ ☆
とにかく広平も、もっかい音楽に向き合うことになる。バンドが解散しても、春
乃が交通事故で死んでも、さくらとのライブでけじめをつけても、もっかい、もっ
かい、もっかい。
それは結局、臨床心理士・広平という「個人」に対する、広い意味での音楽療
法となる。治療者はさくら、今という「時代」、観客や環境との間に成立する「公
共性」。嫌みな音楽会社社長も、悪いながらも広平に対する強い印象を受け
てたわけで、辛口の治療者として機能するはず。
音楽はそれら全てを「包括」し、広平の「言葉」や「思考」までまとめ上げる「感
情表現」であって、心を「♪」(音符マーク)みたいに軽やかにしてくれる。
それが、この記事冒頭で再現した、夏希のクリニックのホワイトボードに書か
れてた内容なのだ。普通のため息をつくと、幸せが逃げるかも知れないけど、
音楽の中のため息なら、アートとして昇華される。自分だけでなく、聴衆をもリ
ラックスさせてくれる。。
☆ ☆ ☆
空一&ミニスカ涼子(山口紗弥加)絡みの暴力事件で、レコード会社重役との
面接をすっぽかしてしまったさくらも、もっかいチャレンジすることになるだろう。
涙は、アパートの水道蛇口からポタポタ落ちる水滴が、代わりに流してくれた。
広平が満たしてくれなかった欲望は、空一が満たしてくれた♪ 彼は若いから、
さくらに言われなくても、もっかい、もっかいなのだ。
なお、音楽がさくらだけでなく、広平に対する心理療法=精神療法になって
る点は、来週の予告でも明らか。
そこでは夏希が彼に、「そっちが陽性転移?」と問いかけてた。治療者という
存在は、基本的に、患者でもある。そもそも広平は、春乃の幻影をよく見てる
から、妄想性の重度の症状。ひょっとすると、冒頭のベッドシーンも妄想かも♪
私ならもっとマニアックな空想を使う所だ・・・って、使うのか!
同じ妄想でも、良いものに関しては普通、アートとか芸術という名前が与えら
れる。これから広平は、春乃の幻影とトラウマを、アートへと昇華していくのだ。
そして最後は、さくらも「昇華」させるだろう。もっかい、もっかい。。♪
それでは今日はこの辺で。。☆彡
cf. 故郷の広島、東京から「500マイル」(800km)~『ラヴソング』第1話
吃音(どもり)の多因子モデルCALMS~第2話
やさしさに包まれたなら、二重の陽性転移~第3話
ブルーハーツ「終わらない歌」、終わる夢~第5話
月夜に好きよ♪、ろくでなしのダメ男~第6話
雨の彼方に虹、Leola(太陽の声)「Rainbow」~第7話
過去の自分との幻想的ふれあい~第8話
ラヴソングへのラヴソング~第9話
さよなら、やさしい悪魔(DIABLO)~最終回
(計 4129字)
(追記 132字 ; 合計 4261字)
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