過去の自分との幻想的ふれあい~『ラヴソング』第8話
・・・・・・ 話し方 へ 変って い 言われた
お お姉ちゃんもよく 変って笑われた
つ 辛いよね すっごいよく分かる
でもね 良かったこともあるよ
人の優しさを知った
そ そんなのウソだよ み みんな意地悪だもん
私も みんな 意地悪だなぁって思ってた
でもね 歌に出会って 世界がガラッと変わったよ
せ せ 世界が?
じ 自分を好きになって 前よりも強くなれた
怖いものが減ったの すごいでしょ
(コクリ)
だから 私いま幸せだよ
つ 強くなれば し 幸せになれる 絶対に
ぜ 絶対に?
うん!
だから 強くなりな♪
( 指きり ♡ )
手術します
☆ ☆ ☆
海のそばで育った私の場合、海岸のシーンは自動的に評価が3割増にな
るわけだが、今回も、いいね♪ どこまでも広がる海、美しいカーブを描く
水平線、穏やかな波、きらめく光。行楽地とは無縁の、静かで密かな空間
を演出する、岩の数々。。
代表的なドラマのロケ地紹介サイト2つを見ても、放送翌日の時点で、まだ
場所が示されてない。個人的に、同じ月9の過去の名作『ビーチボーイズ』
の布良海岸(房総半島の南西、千葉県)あたりをイメージしたけど、エンド
ロールの撮影協力には相鉄バスと書いてあった。
これを素直に受け取るなら、あれは湘南海岸ということか。無料動画をよく
見ると、左側に微かに、半島らしきものが映ってる。神奈川県南東部、三浦
半島と考えれば、つじつまは合う。
いずれにせよ、遠くにフェリーか貨物船が1隻なんて、絵に描いたような背
景になってた。よく出来たCG合成だね♪ コラコラ!
☆ ☆ ☆
さて、海のシーンについては後で考え直すとして、『ラヴソング』第8話。視
聴率は7.4%で、3話連続の7%前後となった。
過去の推移を考えても、ここから大きく戻すのは困難。トータルの平均視聴
率も、現在8.5%だから、前クールの『いつかこの恋を思い出してきっと泣い
てしまう』の9.7%を下回るのは確実。2期連続で、月9史上の最低記録更
新となる。
ただ、『いつ恋』には評価する声も少なくなかったわけで、オリコンの第3回
コンフィデンス・アワード・ドラマ賞(作品賞)に輝いてる。私も、ブログ運営
上の都合その他でレビューしなかったものの、お気に入りのドラマだった。
有村架純がカワイイし♪ そこか!
いや、ちゃんと主題歌のMVはレビューしてるのだ。幼女がカワイイから♪
アブナイわ! 真面目な話、あのビデオが、今回の海岸シーンの解釈、あ
るいは改釈につながったのだ。しかもそれは結果的に正しい解釈だった。。
☆ ☆ ☆
一方、『ラヴソング』の場合、「福山雅治のフジ月9」と考えると、数字的には
失敗作だ。今日、朝日新聞HPで掲載された記事、「福山月9も破れなかっ
た『結婚直後は恋愛モノご法度』の定説」(梅田恵子)は、単なるネガティブ
記事ではなく、興味深い内容だけど、福山の恋愛モノととらえてる。
逆に、「演技経験さえほとんど無い、無名の新人タレントをヒロインに抜擢し
た、吃音者を中心とする書き下ろしドラマ」と考えるなら、成功だろう。ハッキ
リ言って、同じような状況でこれほど健闘してるのは、藤原さくら以外になか
なか思い付かない。
例えば、ちょうど1年前、AKB48でトップクラスの人気を誇る渡辺麻友がフ
ジ『戦う!書店ガール』に主演した時の平均視聴率は4.8%に過ぎない。
しかもあれは、原作が既にそこそこヒットしてる作品だったのだ。
当時のまゆゆとほぼ同じ20歳の藤原さくら。5月28日の朝日・夕刊に掲載
されたインタビュー「私も音楽に救われたから」(滝沢卓記者)によると、1話
目の撮影は5千テイクかけたイメージらしい。ということは、僅か1回のドラマ
で4000回以上も監督に「もっかい!、もう1回!」と言われ続けたのだろう。
あの第4話の地味な名セリフには、そんな実話の背景もあったことになる。
流石は100倍のオーディションを勝ち抜いた実力派の新人。単なるラッキー
ガールではなく、「戦う!新人ガール」なのだ。
☆ ☆ ☆
朝日のインタビュー記事には、こんな話も書かれてた。
「低いスモーキーな歌声が持ち味だが、子どもの頃はそれが嫌だった。
校歌斉唱では自分の声が浮くように感じた。歌手のYUIにあこがれ、
『高い声の人は歌がうまい』と思っていた。
だが高校時代、通っていたボーカルスクールの講師に『ブルージー
で個性的』と初めて声をほめられた。『私も音楽に救われた。さくらに
は自分の気持ちも重ねて、演じています』」
自分の声が嫌いな藤原さくらが、吃音に苦しむ佐野さくらへと、自分を重ね
る。と言っても、佐野さくらには2人いる。
過去の悲観的で消極的なさくらと、現在の楽観的で積極的なさくら。2人の
佐野さくらが、その変わり目で出会ったのが、あの海岸シーンだったのだ。
2人の自分の幻想的な会話から、病院での手術の決断へとつなぐ流れ。
新人脚本家の倉光泰子も、芸術的な技を誇示してる。どこまで視聴者に伝
わったかはさておき。ツイッター検索を見る限り、はっきり理解してるツイー
トは僅か1つしかヒットしない。
☆ ☆ ☆
「それはあなたの幻想的解釈にすぎないだろう」と思う読者もいるだろうから、
決定的な証拠を追加しとこう。今回の少女は、第1話で小学生時代のさくら
を演じた9歳の子役・志村美空(みく)なのだ。
実は私も、今このレビューを書きながら初めて調べた事実(笑)。これはこ
れは。。われながら鋭かったかも♪ 自分で言うか! 今回の演出家、相
沢秀幸も流石に分かってるね。
それにひきかえ、サイゾーでドラマを酷評してるライターは、「偶然出会った
吃音に悩む女児(あまりに偶然すぎるので、たぶん妖怪か何か)」と書いて、
妖怪記事へのリンクまで付けてる。フィクションの途中にファンタジーを挟む
手法も知らず、エンドロールのチェックもしないで、「仕事だから」と、自分を
プロ扱いしてるのか。このレベルではスタッフ一同も苦笑するのみだろう。。
☆ ☆ ☆
そもそも、ほとんど誰もいない海岸で、たまたま吃音の少女が1人で座っ
てる所に出会うことなど、考えられない。現実的な確率はほぼゼロ。
ということは、あれは海岸でキャラメルおじさん(笑)・・・じゃなくて空一(菅
田将暉)と一緒に叫んでストレス発散した後、さくらが見た幻想だ。海岸の
昼寝か、真美(夏帆)が引っ越してガラーンとした部屋に戻った後か。
もっと自然なのは、あの海岸シーンの全体がさくらの夢だと考えること。そう
言えば、海岸に行く直前は、さくらが空一の温かい心遣いに泣いて、そのま
ま眠り込んだシーンだった。眠った後、病院へとシーンが切り替わるまで、
ずっと夢だと考えれば分かりやすい。その間に、さくらは積極的な女性へと
生まれ変わったのだ。
「奈々子(納富有沙)、理緒(大久保聡美)、優香(未来)」。わざわざ職場の
同僚OL3人の名前を口に出してまで、ワンマンライブに誘ったのは、さくら
の自身の表れだ。私はもう、単なる「モグ」じゃない。この歌声を聴いて。。
☆ ☆ ☆
話を戻すと、幼く不安な過去の自分に、成長して幸せな現在の自分が、
言葉と身体でやさしく接する姿。
これは『いつかこの恋』の主題歌、手嶌葵『明日への手紙』のMVで使われ
たパターンだ。過去の自分が書いた手紙「元気ですか」に、現在の自分が
応える美しいファンタジー。「昨日」から「明日」への手紙と、明日から昨日へ
の返信。ドラマ、曲、ビデオ、どれも私のお気に入り♪
ビデオは以前、期間限定でロングヴァージョンも無料公開されてたが、今は
有料化。「別版」のショートヴァージョンがYouTubeに残ってる。期間限定フ
ルヴァージョンのMVのレビューは、リンクからご覧あれ。ショート・ヴァージョ
ンの映像の意味もクリアになると思う。
☆ ☆ ☆
人はみな、過去の思い出や傷(トラウマ)と共に、現在から未来へと生きて
行く。それは、過去からの手紙に現在の私が返信していくようなものだ。例
の陽性転移という現象も、過去の愛憎を、新たな相手と共に生き直すこと
に他ならない。
広平の場合、春乃(新山詩織)との複雑な過去が重くのしかかったままで、
人の心に踏み込むのも怖いし、人に踏み込まれるのも怖い。死んだお姉
ちゃん・春乃の恋人である広平を密かに思い続ける夏希(水野美紀)にとっ
ても、過去は重すぎる。いまさら告白もしにくいし、きっぱり諦めるのも困難。
そんな2人に対して、いまやまぶしいほどの輝きを放ち始めたのが、引っ込
み思案だった吃音者のさくら。それは、連続ドラマの最終回が近づいてるか
らだ♪ コラコラ! そうじゃなくて、暗い過去と劣等感の中で、明るい未来
に向かって力強く前進する勇気のおかげなのだ。
☆ ☆ ☆
そう考えると、何となく冴えない雰囲気が漂うここ数年の日本、あるいは韓
国で、アドラー心理学(とされるもの)が人気となってるのも理解できるのだ。
100万部接近、2015年・ビジネス書ランキング1位のベストセラーの目次
を読むと、好みがハッキリ分かれそうな言葉の数々が並ぶ。「人は変われ
る」、「トラウマは、存在しない」、「過去に支配されない生き方」、「劣等感は、
主観的な思い込み」、「人はいま、この瞬間から幸せになることができる」。。
こうした、いかにも自己啓発本的な簡単な言葉が多くの人の心をとらえるの
は、まさに、真実は逆に近いからだろう。人はなかなか変われない、トラウ
マはまざまざと存在する、過去に支配されて生きてる、劣等感はしばしば客
観的な現実。。
だからこそ逆に、テレビドラマは文字通り「劇的」な成功例を提示し続けるの
だ。即効的な(紋切り型の)言葉を並べる自己啓発よりは自然で、怪しい団
体や高額なセミナーとも無縁な、無料の大衆娯楽。どの程度、吃音者を勇
気づけてるのかはよく分からないが、吃音の社会的な理解にはつながって
るはずだし、私は支持したい。
☆ ☆ ☆
全10回の予定という情報が正しいのなら、残り2回。楽しみに待つとしよう。
ちなみに個人的には、音楽的大成功のような、分かりやすいハッピーエンド
は求めてない。さくらと広平が仲良く、地味な音楽活動を続けるだけで十分。
と言っても、空一と2回目のキスをしたということは、それ以上のキスシーン
が登場するはず。さくら&人妻・真美の熱い抱擁にも期待しよう(笑)。そっ
ちか! ま、BLと違って、そっちは人気ないけど♪
なお、天下の福山雅治との初対面で「老けた」と言い放った、CHERYL
(シェリル: Leola)の描き方には流石に苦笑。ちょっと「外国」へのビミョー
な意識も感じたほど。枝葉の部分で炎上しないことを祈りたい。
それでは今日は、この辺で。。☆彡
cf. 故郷の広島、東京から「500マイル」(800km)~『ラヴソング』第1話
吃音(どもり)の多因子モデルCALMS~第2話
やさしさに包まれたなら、二重の陽性転移~第3話
もっかい、もう1回!、音楽療法~第4話
ブルーハーツ「終わらない歌」、終わる夢~第5話
月夜に好きよ♪、ろくでなしのダメ男~第6話
雨の彼方に虹、Leola(太陽の声)「Rainbow」~第7話
ラヴソングへのラヴソング~第9話
さよなら、やさしい悪魔(DIABLO)~最終回
(計 4460字)
(追記 39字 ; 合計 4499字)
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コメント
テンメイ様、こんにちは。
素晴らしい解釈に惜しみない拍手が鳴りやまないレビューでございますねえ。
ヒロインが出会う海辺で絵を描く少女が吃音症だった。
この恐ろしい偶然が現実であるよりも
夢だったとする方が自然でございますとも・・・。
さくらは「ガラッと変わった世界」をいつ自覚したのかというのが問題ですよね。
広平と夏希によって・・・「歌う」と「どもらない」ことを発見した時なのか・・・。
母親が好きだった「歌」を聞きこんでいた時なのか。
それとも・・・この「夢」の中でか・・・。
ずっと寄り添っていたい相手からの拒絶。
「死」を伴い「歌を奪うかもしれない」病の発症。
鬱屈の多いさくらの半生の中でも極めつけの
「絶望」に襲われている状態で
突然、「離陸」するさくらでございます。
やはり・・・あの「夢」は
さくらにとって神秘的な体験だったという位置づけなのでしょう。
さくらは・・・「過去」に訣別して
「未来」にはばたく・・・。
過去の差別やいじめ・・・親に遺棄されたことさえも燃料に変換し・・・飛翔するわけですな。
「意地悪」ではなく「やさしさ」を感じる
共同体感覚の発露でございます。
まあ・・・悪魔としてはニヤニヤするしかない
「楽観」の開幕でございますが・・・。
このドラマに関しては
それさえもお茶の間に届いていないと思われます。
そんな出来の悪い作品の意図を丁寧に汲みあげるテンメイ様・・・。
まさに天使でございましたな。
アドラーは彼になんてアドバイスするのでしょう。
「それを投下するのは自分のためか」
「それを投下されるもののためになるのか」
「それを投下することによって多くのものに利益があるか」
「投下して得するものと損するもの・・・どちらが多いか」
そういう悩みを知らぬまま
ピンピンポックリで彼は幸せでしたなあ・・・。
投稿: キッド | 2016年6月 2日 (木) 06時52分
> キッドさん
こんばんは。ご丁寧にどうもです
このドラマが、ウチと長い付き合いの美青年主演だったら、
誰かツイートくらいしてくれたかも知れません♪
残念ながら、どうゆう訳か、ウチは福山ファンとの
つながりが薄いもんで、全く反響なし (^^ゞ
唯一の例外的読者に、久々に呼び掛けてみましょうか。
「ぼこちゃん、元気?♪」
エッ、結婚したから興味なくなった?
あっ、そう(笑)
で、話を戻して、海岸シーン
正直、最初にワンセグで流し見した時は、
あり得ないだろ!と突っ込んでたわけです♪
グッと我慢して動画で見直したら、幻想説が浮かんだと。
そう言えば、さくらは居眠りしてたし、
調べてみたら、少女は幼い頃のさくらだし。
いつ、さくらがガラッと変身=変心したか。
歌の力を理解するプロセスの中で、
徐々にということでしょう。
ただ、手術とワンマンライブへの踏ん切りは、
空一の気遣いを受けてのこと。
だから夢=幻想の相手役も、手術承諾の付き添いも、
ライブを初めて打ち明けたのも、空一でした。
1人の男性が自分を深く愛してくれてると
分かるだけで、女性は強くなる。
これは現実でもよくあることだと思います。
興味深いことに、男女を逆転させた構図は
あまりない気がしますけどね♪
男はやっぱり、社会的評価や自分自身による
評価を心の支えにしてると思います。
金、財産、地位、能力、学歴とかも含めて。
それはさておき、ノドのガンというのは、
無くても良かった気はしますね (^^ゞ
どの時点で、どうゆう理由で、誰が主導したのか
知りませんが、責任はメインの脚本家でしょうか。。
「共同体感覚」というのは、アドラーですね♪
ピンピンポックリ、心臓発作で他界した心理学者。
あの職場内の一体性には、共同体感覚の
急増を感じますよね。特にOL3人組には。
脚本家の倉光は本来、ちょっと毒や陰のある
展開が持ち味みたいだから、当初はもうちょっと
職場内の意地悪が予定されてたのかも知れません。
ただ、吃音の若き女性ですからね。
当事者たちも関わってるし、どうしても
明るい甘口にせざるを得なかったんでしょう。
そう言えば、似た展開は『ラスト・フレンズ』で
あった気がします。瑠可=ルークの扱い。
当事者や関係者達への配慮が感じられました。
あの頃から比べると、かなり性的少数者への
理解が進みましたよね。
吃音者の扱いはどうかな。
視聴率も低いし、団体の活動も控えめだし、
ちょっとビミョーかも。。
ちなみにアドラーの話は、たまたま古新聞を
片付けてたら、昨年末の広告が目に入ったから♪
100万部接近の大ベストセラーで、日本以上に
韓国が熱狂してるという話も知ったから、
ちょっと組み込んでみたわけです。
考えてみれば、ドラマを始めとして、テレビの
世界でのポジティブな考えというのは、
アドラー的というか、「アドラー本」的♪
あるいは、自己啓発本的。
フロイトやユングと違って、内容も語り口も簡単で、
すぐ分かるもの、すぐ使えそうなものばかりです。
認知行動療法なんてものも同種でしょう。
数百万~数千万人クラスの一般人を相手にするなら、
どうしてもそうなるのかも。
やっぱり、芸術系の映画や小説とか違いますよね。
その意味で、芸大出身のドラマ脚本家・倉光も、
なかなか難しい立ち位置なんでしょう。
最後に、そちらでのレスへのレス♪
幻想の挿入が月9ではやり過ぎじゃないかと
いう指摘は、その通りでしょうね。
僕は高く評価したけど、ほとんど理解されてないし、
確かに月9で前例は思い出せません。
そちらで書き込んだ03年のフジ『白い巨塔』は、
木曜22時の大人向けドラマでした。
映画だと、『ラストエンペラー』のコオロギは、
幼い頃と成熟した時との幻想的出会いでしょう。
『市民ケーン』にも同種の技巧があった気がします。
小説だと、よく思い出せないけど、
カフカや星新一にそんな話があったかも。
探せば色々出て来ると思います。
漫画だと、能年主演で映画化の『ホットロード』で、
幼い頃の幻想が多用されてました
と言っても、現実との区別はつきますけどね♪
キャラクターが類型的というのは、その通りですね。
セラピスト、医者、マスター、音楽業界、
どれも単純で普通の描き方になってます。
最大の失敗は、臨床心理士としての福山の描き方。
正直、かなり設定が浮いてますね。
看護士とか、普通の健康管理の職員みたいな感じ♪
幻想シーンで、空一の成長も暗に含まれてたのは確か。
それを考えると、昔の空一への軽い嫌みを一言入れても
良かったし、「男の子たちにいじめられてる」とかいう
少女のセリフがあれば分かりやすかったでしょう。
で、空一が頭をポリポリかくとか♪
ともあれ、福山の次のドラマや、次の月9は大変ですね。
今さら月9の大看板も下ろせないし。
案外、『5→9』みたいな、明るく楽しい美男美女
物語が救世主なのかも。
あくまで、数字の話として。
わざわざ、お気遣いありがとうございました。
ではまた。。
投稿: テンメイ | 2016年6月 4日 (土) 00時56分