なぜ日本人選手は400mリレーだと100mを9秒40で走れるのか&ジム
22日(ジム) JOG 4.8km,32分,平均心拍 132 ; 272kcal
BIKE 31.6km,63分,平均心拍 144 ; 630kcal
相模原に続いて 東京サマーランドとか千葉とか、あちこちで刃物を振
りかざす男が出没。まさかの芸能人による婦女暴行とか、ホント、男の
衝動と暴力にも困ったもんだね。同じ男として、私も恥ずかしいし、女性
は色々と大変だな・・と思わざるを得ない。
男の瞬間的なパワーの行使という意味では似てるけど、真逆の素晴ら
しい価値を持つものとして、陸上の短距離走というものがある。欲望エネ
ルギーの昇華の典型的な例。
水泳でも100m自由形が一番速い人間を決める場だろうけど、陸
上100mの方が遥かに分かりやすい。というのも、水泳と違って、
多くの人(特に男性)が100m走の経験を持ってるし、距離も時
間も短くて一目で感じ取れるからだ。
☆ ☆ ☆
ところが、まさにこの100m走こそ、昔から日本人に向かない競技だ
とされて来たものだ。身体つきや筋肉の質が違うし、むしろ日本人は真
面目で我慢強いからマラソンの方が向いてる。駅伝も盛んだし・・。
そんな話が以前は普通にされてたはず。実際、男女とも、日本人選手
が実績を残してきたのはマラソンだ。それも、ハーフ以下ではダメ。一
番長いフルマラソンのみ。
ところが、特に男子の場合、ここ10年ほどはフルマラソンでもなかなか
勝てなくなってる。逆に、意外なほどの活躍を見せてるのが、短距離。
と言っても、何となく日本人が得意そうな協調性・チームワーク・技術
が問われる、400mリレーのみだ。4×100m。その4倍長い
1600mリレーだと、ほとんど個々の走力で決まるからダメ。
今回のリオ五輪では、失礼ながらまさかの銀メダルに輝いた。もし、アメ
リカが失格になってなかったとしても、日本の方が僅かに上。しかも、決勝
のタイムは37秒60のアジア新記録だから、1人あたりだと9秒40になる。
ボルトの世界最高記録よりもかなり上。
リレーだと、どうしてこんなに速いのか? 私自身、高校陸上部時代から
気になってたし、今回リクエストも頂いたから、実測データと計算に基づ
いて解説してみよう。
もちろん、「バトンを受け取る直前に助走できるから」というような定性的
で大まかな答でいいのなら、誰でもすぐ分かることで、データも計算もい
らない。以下で示すのは、定量的で具体的な数学的説明だ。算数的と
言っても、物理的と言ってもいい。
☆ ☆ ☆
リオ五輪では、NHKが8Kテレビの宣伝もかねて、「バーチャル・トラッ
ク100m」という特設ページを公開。100m走の細かい実測デー
タが分かるから、朝日新聞もそれを少し加工して記事にしてた。当サイ
トでも、ボルトに関して記事を書いてる。
下は、朝日の記事からさらに私が引用&加工した図だ。実際の
100m走における速度変化を表してる。
赤茶色が山県亮太の準決勝(10秒05)。ピンク色がケンブリッジ
飛鳥の準決勝(10秒17)。青色が桐生祥秀の予選(10秒23)。
飯塚翔太のデータは無いが、3人より少し遅い程度だろう。
この図からすぐ読みとれるのは、20m以降のスピードがほとんど
10m/秒を超えてること。つまり、日本人でも100mを9秒台で
走れるスピードを出してるのだ。
20m以降、100mまでの平均速度を考えると、おそらく
10.8m/秒よりも速い。このまま120mまで走っても、
10.8m/秒くらいは維持できるだろう。
☆ ☆ ☆
さて、400mリレーにおいて、2番目以降の走者は、助走区間が20m
前後ある。正確には、10m~30m。
たとえば第2走だと、80m地点から助走を開始して、90m地点
から110m地点までの間(テイクオーバーゾーン)でバトンを受け
取る。磨き上げたと言われる、アンダーハンド・パス。
あまり先で受け取ると、前の走者が疲れてしまうし、結局受け取れない
ミスが生じるリスクもあるから、100m地点で受け取ると考えてみよう。
2走と3走も、200m地点でバトンを受け継ぐとする。3走と4走
なら、300m地点。
バトンの長さ(30cmほど)と2人の腕の長さを合計1mと考えると、
1走が実際に走る距離は99m。つまり、100mよりも1mだけ短い。
2走と3走も同じで、4走だけ本当に100m走る。
☆ ☆ ☆
すると、1走は99mだから、10秒10くらいで走れると考えていい。
2走以降は、走る距離の合計は298m。平均速度は
10.8m/秒だから、
(理想的なタイム)=298/10.8
≒27.59(秒)
∴(4人の理想的なタイム)=10.10+27.59
=37.69
☆ ☆ ☆
実際にはバトンの受け渡しで少しロスがあるはずだけど、2走以降
の平均速度は10.8m/秒より少し速いのだろう。バトンタッチの
場所を少し先までガマンするとかでも、37.60秒くらいになる。
というわけで、助走とバトンタッチが上手く出来れば、今現在の日本人
選手4人でも、37秒60くらいは出せることが分かった。
ただ、このタイムはかなり限界に近いから、これ以上の短縮には当然、
個々の選手の100m走のタイムを縮める必要があるだろう。。
☆ ☆ ☆
最後に、単なる小市民のトレーニングについても一言だけ。乗鞍ヒル
クライムの6日前だった昨日は、台風で大荒れの天気の中、ジムのエ
アロバイクで適度な負荷をかけて来た。もう、疲れのピーク。
60分+クールダウン3分。前半は少し低めでレベル10。後半
は普通にレベル11。途中、3分間ごとに20秒間だけ、レベルを
2つ 上げることを繰返した。乗鞍の傾斜がきついコーナーを意識し
たもの。心拍のグラフは、キレイな波線を描いた。
ラスト3分からはレベル12をキープして、最後の20秒間はレベ
ル14のスパート。最大心拍は167だから、もうちょっと頑張っ
ても良かったね。ま、やり過ぎよりは、少し足りないくらいの方がベ
ターってことで♪ 室温24度、湿度62%となってた。
☆ ☆ ☆
きつい練習はこれでもう終了。後は60kmほど、ゆっくり走る
だけで、今シーズンの自転車トレーニングは完了になる。今年もまた
レースの天気が怪しいけど、去年みたいな大雨ではなさそうな感じだ。
もうすぐ、虫刺されともお別れか♪ 今年はここまで、合計100ヶ所
近く刺されたかも (^^ゞ さんざん対策をとっててこれだから、何もして
なかったら中毒でショック死だろう(笑)
ではまた明日。。☆彡
(計 2637字)
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