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『頭脳王2016』問題・解説3~立体三目並べの先手必勝法&テレビのコンピューター対局内容

(☆19年2月20日の追記: 新ゲーム記事アップ。

 『頭脳王2019』解説3~はさみ将棋チェス

 (新考察ゲーム)の実戦と戦略、結論は引き分け )

 

(☆17年1月5日の追記: アプリを使用した記事をアップ。

  立体三目並べの必勝法2~Androidアプリの実戦解説 )

 

 

    ☆        ☆        ☆

日テレ『頭脳王2016決定戦』から5日経過。理数系の問題解説

の第3弾として、今日は「立体三目並べ」(考察ゲーム)を理論的

に扱う。攻略法、コツ、考え方、敗因など。

 

縦・横・高さが3×3×3の3D(3次元)。9本立ってる垂直の

軸のそれぞれに、上から3コまで玉を刺せる盤で行う。青玉が人

間(先手)、赤玉がコンピューター(後手)。全体の中心(真ん中)

は透明な玉で、青でも赤でもないとする。

 

161221b

 

今回は2枚だけ静止画キャプチャー(写メ)を掲載させて頂こう。

非営利の個人ブログで、番組レビューのための限定的引用な

ので、著作権的に問題は生じないと考える。

 

 

     ☆        ☆        ☆

当サイトでは番組終了後、すぐに2つの事を予想しておいた。ま

ず、先手必勝。また、変化は意外と少ないということ。

 

その後、実際にやってみると、予想はどちらも当たりで、しかもか

なり簡単に先手が勝てるのだ。17手以下、おそらく最短15手以

下で勝てる。実際、水上は15手で勝利。青木の勝利に17手か

かったのは、途中でムダなやり取りが2手含まれてたから(後述)。

 

よって、コンピューターが2000手、先まで読むとかいうナレーショ

ンは、ほとんど意味が無い。枝分かれの変化を足し合わせても、

本質的にはたかが数十通りの変化しかないゲームだ。

 

ちなみに、既にアップしてある本戦記事2本は次の通り。

 

 『頭脳王2016』、太陽にスマッシュしたシャトルが届く時間

          &立方体の体積の解説

 『頭脳王2016』問題・解説2~大谷のホームランの

       飛距離、数列8パズル、ジグソー不足ピース

 

一方、今年と来年の一次予選の記事は次の2本。

 

 『頭脳王 2017』実力テスト「謎解きクイズ」、問題と考え方

 『頭脳王2016』1次予選クイズの問題、解き方、感想

 

 

     ☆        ☆        ☆    

それではまず、誰でも知ってる五目並べの基本から話を始めよう。

ルール上の「禁じ手」が何も無い場合は、たとえば下のような

「四・四」で青の勝ちが決定する。赤は、青の2方向の「四」を

同時に止めることはできないから、青の次の指し手で「五」になる。

 

161221l

 

一方、狭い平面での三目並べを考える時には、たとえば下のよう

な流れの後、「二・二」で青の勝ちが決定する。赤は、青の2方向

(縦・横)の「二」を同時に止めることはできない。

 

161221m

 

ちなみに上は、赤が失敗した例であって、赤が最善の手を指し

て行けば、必ず引き分けに持ち込める。証明は簡単だけど省略。

 

 

    ☆        ☆        ☆

では本題。最初の青は、下段の中央以外なら、どこに置いても

いいらしい。赤は下段の中央に置いて、そのすぐ上に中立的で

透明な玉を載せて、そこからが実質的な戦いになる。下は初戦、

慶応医学部の奇才、三守が負けた対局のスタート場面。

 

161221c

 

先手の必勝法は2通り以上あると思うけど、ここでは1通りだけ

説明する。まず、準決勝出場者たちも選んでたように、角に置い

てみよう。縦・横・斜め、3通りの攻撃ができるから自然な発想だ。

 

161221d

 

星印は透明な玉。3手目も青は角に置くと、パターン的には必ず

以下の局面になる。変化としては、左右90度回転と180度

回転しかない。

 

161221e

 

この時点で既に、赤はピンチ。青に、C1やC3に置かれると、

「二・二」になってしまう。そこで赤は、自分が「二」で攻めて行

くか、守りに回って青をジャマするしかない。

 

 

     ☆        ☆        ☆

161221f

 

赤が指せる手はかなり限られてて、例えば上のように、赤6で

攻めた後、赤8で攻めながら守る。ところが、青9が「二」

だから、赤10で守るしかない。赤の攻めが止まるともう、青の

連続攻撃で勝ちになる。

 

161221g

 

青11で垂直の「二」だから、赤12と止めるしかない。すると

青13で、「二・二」の勝ちとなる。垂直方向と横方向の「二」。

青11と青13は、逆順でもOK。

 

 

     ☆        ☆        ☆

161221h

 

そこで赤は、上の赤8のように、攻めながら守るとしよう。ところが

青9と守りながら攻められると、赤10で守るしかない。するともう、

青5の向こう側か手前側で、青の「二・二」が出来てしまう。

 

以下、同様。赤が多少、指し手を変えても、すぐに守勢に回るハメ

になって、青の攻撃に敗北。後は、全体の対称性や手順の前後入

れ替えを考え合わせる程度で、先手必勝の証明は終了となる。

 

 

     ☆        ☆        ☆

では、実際の対局を見てみよう。短く編集されたテレビ映像を論理

的考察で補うことで、ほとんどの指し手は解読できた。

 

下は、慶応医学部の奇才・三守がコンピューターに敗れた試合。

青11が失敗、敗着で、左側に斜めの「三」を作られてしまった

(A3下、A2中、A1上)。ちなみに、代わりに赤12の箇所

に打てば勝ちだった。

 

161221i

 

続いて、京大医学部の天才、見事、頭脳王に輝いた井上良

負けた対局。青7が失敗で、右側に赤の「三」を作られてしまっ

た。青7の代わりに、赤8(または赤12)の箇所に青が打てば

勝ちだった。

 

161221j

 

 

     ☆        ☆        ☆

さらに、東大医学部の知識モンスター、青木が勝った試合。青11

は不要な手で、すぐに青13の箇所に置けば、2手短い勝ちとなっ

てた。まあ、撮影スタッフが演出上、カンペ(ボード)で、「少し引き

伸ばして」とか指示を出してたのかも♪

 

161221k

 

東大医学部の異端児、水上が勝った試合については、映像が

少な過ぎるし、もう省略しとこう。

(☆追記: 2日後、下のP.S.に書き加えた。)

 

おそらく、コンピューターの指し手が最善(最長の粘り)になってな

かったと思う。もちろん、人間のミスを期待した戦略かも知れない。

 

流石にもう、頭脳王2016とはお別れか。

それでは今日はこの辺で。。☆彡

 

 

 

P.S. 自分で気になったので、やっぱり最後の水上の試合

    載せとこう。下の手順でほぼ合ってると思う。

 

    合ってれば、水上の青9はミス。青1の上に置け

    ば簡単に勝ちだった。ところが、コンピューター

    にも赤12の悪手が出たので、水上が勝利。

    コンピューターが代わりに赤6の上に置いて

    れば、水上の負けになってた。

 

161223a

 

 

P.S.2 Google Playには早くも立体三目並べの

     アプリが登場。App Storeにも登場したら、

     使ってみたい。 

 

      (追記: 立体「四目」並べのアプリなら発見。

          iPhoneだとダメらしいけど、

          iPad Proならフツーに楽しめる。)

 

P.S.3 お遊び感覚のヤラセ演出かな・・と軽く受け流してた、

     序盤の「常識を超えた問題」。「DNAを解読して

     何の生物か答えなさい」。正解者は水上。

 

     全247万塩基対のごく一部から判別できるわけない

     だろうと思ってたけど、「247万」という数字だけで、

     パンドラウイルス・サリヌスだと分かるらしい。塩基

     対の数が最大のウイルスとして有名みたいだ。

 

P.S.4 透明な玉を置かない場合、他のルールが同じなら、

      簡単に先手必勝となる。赤2で下段の真ん中

      に置いた後、そのすぐ上、つまり透明な玉が

      あった場所に青3と置けばいい。

 

      透明な玉はなしで、さらにその場所には赤し

      か置けないと決めれば、後手の赤が必勝と

      なる。後で早めに赤がそこに置けばよい。

      例えば6手目とか。 

 

P.S.5 Androidタブレットを使って、立体三目並べの

     アプリを試用。この記事前半の必勝法に従って、

     簡単に二連勝できた。アプリはまだ改良中らしい

     が、必勝法を知らないプレイヤーのミスを誘うか、

     ルールやゲーム自体を変えるしかない。

 

P.S.6 アプリ記事をアップ。先手必勝を簡単に確認した。

 

P.S.7 『頭脳王2018』準決勝でもそのまま出題された。

 

             (計 2757字)

    (追記 360字 ; 合計 3117字)

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コメント

>ちなみに、代わりに青13の箇所に打てば勝ちだった

次で青13の上に赤を置かれたら斜めに赤が3つ揃うのでは?むしろ最悪手では?

青11が必敗なのは同意。

投稿: rsf | 2017年1月17日 (火) 15時02分

> rsf さん
  
はじめまして。
貴重なご指摘、どうもです。
  
「青13の箇所」ではなく、
「赤12の箇所」と書くべきでした。
  
私がノートで理論的に考えてた局面と、
番組のテレビ画面とが、左右逆になってたために
書き間違えたものです。
  
早速、記事を修正しました。。

投稿: テンメイ | 2017年1月17日 (火) 16時17分

もっと面白い三並べを考えました。立っている棒全てに差し込み、点数を競い会うゲームです。
予算の都合上まだ商品化まで進んでませんが、このタイプのゲームをかなり進化したモノに仕上がってます。
三並べなのに、一度に駒を二駒づつ使う斬新なルールなので、読みも複雑になり、簡単に点数も取れますが、自分の点数だけ追ったらボロ敗けしてしまいます。
勿論ルールは直ぐに覚えられます。
全く新しいゲームに仕上がってます。

投稿: 小川ヒロノリ | 2019年1月20日 (日) 12時51分

> 小川ヒロノリさん

はじめまして。コメントどうもです。
新商品のPRですね。
具体的な内容がちょっと分かりにくいのですが、
ヒット目指して頑張ってください

投稿: テンメイ | 2019年1月21日 (月) 22時02分

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