「小保方晴子日記」(婦人公論)、初回・特別編の感想
このブログ記事はカテゴリー設定に迷う。「書籍・雑誌」はいい
として、芸能・アイドル、社会、科学、色々と候補がある中、一応、
文化・芸術としておいた。少なくとも初回の内容は有名人の日記
だったから、妥当だろう。
上の画像は雑誌『婦人公論』の公式HPより。右端だけ見ると、
“新連載 小保方晴子日記 「あの日」からの記録”の扱いは大
きいように見えるが、表紙を見ると、左下に微妙な大きさの文字
で名前が書かれてるだけ。
実際に雑誌の目次を見ても、計2ページの内の2ページ目に、
微妙な大きさで書かれてた。
☆ ☆ ☆
こうした、小保方さんの「扱い」の問題はどうでもいい事ではな
く、決定的に重要な事だ。
STAP騒動の核心は、自然科学のあり方などではない。科学的
な不手際や不正など、昔からどこにでもある話なのに、少し目立
つ若い女性研究者ということで、途方も無く大きな魔女狩りになっ
てしまい、非常に優秀な男性研究者まで失う結果になったわけだ。
今回、ツイッター検索もかけてみたが、小保方さんのこの日記を
めぐるツイートは意外なほど少なかった。リツイートを除くと、た
かが30程度。
おそらく今現在の彼女にとって、これは良いことだと思う。というの
も、そもそも日記連載の初回のタイトルが、「記者さん、引越し、
雪だるま」。相変わらずメディアに追いかけ回されて、引越しする
ハメになった話からスタートしてるのだから。。
☆ ☆ ☆
さて、1月6日の発売から半月が経過した、『婦人公論』2017
年1月24日号の記事。
初回は特別編として、連載が決定して最初の原稿を送るまでの
半月(11月10日~24日)の話であって、流し読みするなら
肩透かしの印象もある。料理中心の簡単な記録が15日間続く。
しかし、丁寧に読むと非凡なものも感じるのだ。繊細さ、思考力、
意志。どこまでライターや編集者の手が入ってるのかは分からな
いが、今回は元の日記に近いと思う。
本人撮影の小さな写真から推測すると、上の「TWO
YEARS DIARY」のような2年用の日記帳に手書き
してるらしい。楽天の国際版ページより。
☆ ☆ ☆
「記者さん、引っ越し、雪だるま」と、4文字×3でまとめたタイ
トルは、「小雨、のち、晴れ」ということだ。冴えない状況から、
色々あって、明るく楽しい状況になって来たということ。
うつとPTSD(心的外傷後ストレス障害)の栄養療法を続ける
状況でも、記者たちは家まで来て、ドアを叩く。耐え切れず、
夜中に引っ越して、途中、何度も車を乗り換えた。
そんな中でも、支えてくれる友人・知人たちとのつながりはかなり
あるようで、その点だけならむしろ恵まれてる部類かも知れない。
去年、瀬戸内寂静との対談を掲載した『婦人公論』の横山編集長
から連絡があって、11月20日に久しぶりの外食(コース料理)を
楽しみながら、新連載K相談。出来事の見方が変わるかも、とい
う言葉に心を動かされ、友人たちの励ましも受けて、11月
24日に最初の原稿を送る。
最後に勇気を与えてくれたのは、白く美しい雪。「白」はここ数年、
彼女が最も好きな色かも知れない。雪だるまは本当に自分で作っ
たそうだ。
☆ ☆ ☆
料理とは、「日常的な実験」をも表すもの。だから、金目鯛に包
丁を入れる時、特別な思いも浮かび上がったわけだ。
お金も設備も試料も不要、厳しい批判を受けることなく、気晴らしに
もなる実験。頭と身体の適度な運動になるし、成功の喜びや失敗
の哀しさも適度にあるので、有意義な活動だ。
ここで今週も字数制限15000字に到達したから、唐突に終わりと
しよう♪ 次回以降、「あの日」からの日記も楽しみだ。
ではまた。。☆彡
(計 1504字)
P.S. 日付け変更後、翌週の追記♪ 小保方さんが一気に
読み終えた本は、澤田瞳子の芸術小説『若冲』。300
年前、江戸時代の奇才の絵師・伊藤若冲(じゃくちゅう)
を描いてるようで、彼女らしい読書かも。
cf. 小保方晴子日記2、涙の逃避行にも笑いあり♪
&リハビリ6・7、腰痛との闘い
小保方晴子日記3、わずか650字の感想
(追記 154字 ; 合計 1658字)
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