人工知能(AIロボット)を愛せますか?~朝日新聞GLOBEを読んで
朝日新聞が月1回発行してる、それなりに本格的な別刷特集
「GLOBE」(グローブ)。当サイトでもこれまで何度か扱って来た。
グローバルな視点はいいし、面白いのは面白い。ただ、個人的に
はどうしても中途半端で物足りなく感じてしまう。結局、読んでる途
中で直ちにネットで検索。色々と情報を補うことになるのだ。まあ、
それは別に新聞の欠点でないどころか、長所とも言えるが。
2016年1月8日の朝刊に付いてた「1/8 No.189」は、
表紙のタイトルが「人工知能を愛せますか?」。男性ブロガー
の私としては当然(?)、美人アンドロイドの魅力的な写真を期待
してしまったが、1枚も無い♪
巻頭の記事「人工知能と『結婚』する日」(左古将規、倉重奈苗記
者)にはいきなり、「2017年にはアメリカのメーカーがAIを搭載し
たセックスロボットを発売」と書いてる。
ところが朝日としては、このカタカナ単語で限界だったのか。その
「結婚相手」の有力候補の情報には触れず。肝心の画像も、直接
関係ないもので、毎度お馴染み、大阪大学・石黒浩教授のERICA
(エリカ)の横顔写真と、シャープの電話ロボット・ロボホン(笑)が
1枚ずつ。
どちらも、愛することならできそうだが、「結婚」のレベルには程遠
い。社会的な結婚はもちろん、肉体的な『結婚』についても。。
☆ ☆ ☆
そこで早速、英語で検索をかけてみると、ロボット発売のニュー
スが去年の秋に拡散したことが分かる。
その内、早くて中身のあるものとして、デイリーメールHPの10
月29日の記事、「Dawn of the Sexbots」(セックス・
ボット達の夜明け)を挙げとこう。ここでの「ボット」は本来の意味
で、ロボットの略称。写真は中国科学技術大学の美人ヒュー
マノイド・ロボット、Jiajia。日本の発音表記だとジャジャか?
朝日の記事と比べると、差は歴然。非常に具体的な記述がある
ので、個人ブログには引用しにくいほど。局部の話も書いてるし、
使い方にも軽く触れてる。ロボットの性的搾取のような社会問題に
触れる一方、商品の値段も企業も書いてた。
問題のマシンは、Abyssクリエーションズがカリフォルニア
工場で開発中で、15000ドルくらいで小売りされそうだ。
ただ、アメリカや日本、韓国のライバル企業が急いで追い
上げてるのは確実だろう。
☆ ☆ ☆
15000ドルということは今の為替レートだと170万円ほど。昨
年秋の人気ドラマ、『逃げ恥』の契約結婚とかと比べると、それ
ほど高い金額でもないと思う。
要するに自動車の値段であって、偶然か必然か、興味深い数字
の一致になってる。と言うのも、通俗的には昔から、女性は男性
が乗り回す車にたとえられることがあったからだ。
・・とか書いてると、一部の女性が、男性目線に偏った見方だと
感じるかも知れない。
しかし、この業界が最初から、女性に対する男性の欲望とつながっ
てるのは明らかな事実であって、見方の問題ではない。実際、デイ
リーメールのロボット写真も、中国人女性と白人女性。そして、話題
の企業のHPに飛んでもやはり、多くの商品は女性だった。
☆ ☆ ☆
企業名で検索すると、トップでヒットするのは、商品販売用のアダ
ルトサイト、「Real Doll」(リアルな人形)。ここではリンクは張
らないことにする。その辺りは、個人サイトでも監視が厳しいのだ。
そのサイト内を見ると、女性版も男性版も、いきなりそのものズバリ
の写真が表示されて、心構えのある男の私でさえ、思わず引いて
しまったほど。
米国と日本の文化の差、法律の差もあるかも知れない。たとえば
日本のラブドールで有名な(?)オリエント工業HPを見ると、遥か
にソフトなイメージの表示になってるし、実物に似過ぎないように配
慮してるらしい。
ちなみに私が知ってるのは、以前、リリーフランキーが笑い話のネ
タにしてたから。それ以降、HPにアクセスしたことは無かった。高い
から(笑)・・ではなく、興味ないから。何の反応もない人形なのに、
70万円前後の価格設定だから、品質に自信ありということか。外
見と感触、使いやすさにおいて。
ということは、例の米国の170万円ロボットの場合、100万円分
がAIに注ぎ込まれてる計算になる。それは結構、期待できると言
うか、それなりの性能でないと高過ぎる値段だろう。
☆ ☆ ☆
では、肝心の「愛せますか?」という問いや、「結婚」の可能性に
ついてはどうか。人それぞれなのは当然として、私は今現在、まだ
まだ一部マニアの世界のレベルだと思う。
少なくとも、一般人が愛するレベルに到達するまで、最低10年は
かかるはず。言葉や身体の反応はさておき、外見だけでもまだ人
間には見えないから、いわゆる「不気味の谷」のレベルか、その向
こう側のレベル。肌触りや感触は分からないけど、期待する気に
なれない。
ただ逆に言うと、20~30年後には恋愛対象のレベルに到達す
る可能性が十分あるし、量産化されれば値段も100万円は切って
来るはず。本気の恋愛対象なら、あまり値段を下げる必要もない。
もちろん、今すぐでも、一部のマニアなら愛せるというか、愛してる
のだろう。売り上げや使用報告までは調べてないけど。
☆ ☆ ☆
なお、朝日グローブには、英国のロボット倫理学者、キャスリーン・
リチャードソンの懸念も書き添えられてた。「AIを人に近づけること
は、人をAI近づけることと表裏一体です」。
朝日は書いてないが、彼女はどうも、反対運動を展開してる女性
学者のようだ。あるいは「女性学」学者とかフェミニズム系か。
女性に限らず、人間を機械扱いすることは、もちろん悪いことだ。
今の世の中では。ただ、それは人間を機械より上に置いて来た今
までの人間の価値観による判断であって、将来的にはあまり重要
でないと思う。
数十年~百年レベルのスパン(期間)で考えると、むしろ、
人間は機械より上なのか?
AIは、人間の方が上だと判断してくれるのか?
といった問いの方が深刻で本質的だろう。
あるいは、もっと過激な問いを提示してもいい。議論のために。
高性能ロボットは、人間をペットとして飼ってくれるだろうか。
人間をオモチャとして遊んでくれるだろうか。。
☆ ☆ ☆
今現在でも既に、コンピューター将棋の研究者の一部では、ブロ
棋士を格下に見るような発言もあるわけだし、それを思い上がり
とたしなめるような時代状況でもない。隠された内心の思いや、今
後の考えの変化を考えると、人間の方が上だという前提、あるいは
先入観について、真剣に再考する必要が生じて来る。
というわけで、インフルエンザ(?)に苦しむ中、この程度書けば
とりあえず十分だろう。ロボットを人間に近づけるということは、ロ
ボットも病気になったり、寿命が来たりするのかも♪
それでは、また明日。。☆彡
P.S. たまたま私がこの記事をアップした半日後、AFP通信が
中国のAI記事を発表。上で画像を載せた人型ロボット
の名前は漢字で「佳佳」。読みは「ジアジア」だった。
(計 2862字)
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