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包丁を研ぎ続ける職人たち〜『A LIFE〜愛しき人〜』第9話

夜の部屋で1人、夢中になって繊細な指使いを続ける男の姿、いいね♪

もちろん、退院直後のお店で包丁を研ぐ沖田パパ(田中泯)のこと。

おそらく、今注目の野球のWBCでも、選手たちは大切なバットを

磨いてるだろう。私も昨夜、磨いたばかりだ。野球やってないだろ!

  

裏番組のWBCが25.2%の高視聴率を取る中、『A LIFE』

第9話(10分拡大版)は14.7%を確保。最近のテレビドラマ

状況その他を考えると、健闘と言っていい。

  

健闘の要因は色々あるけど、私が一貫して主張してるのが、脚本家・

橋部敦子の優秀さ。どこまでが最初から計算してた流れなのかは

分からないけど、最終回直前の今回は特に、職人芸を感じた。一般

ウケするドラマチックな起伏やコメディを考慮つつつ、高度な構成

の物語を創り上げてる。

  

今回は「包丁を研ぐ」という行為について多角的に考えてみよう。

ちなみに私も、先週から不自由な疎開生活が続く中、包丁研ぎや

バット磨きは続けてるのだ。いつ出番が来ても、良い仕事が出来る

ように♪ 最近は磨くこと自体も満足できる仕事だったりする(笑)

   

   

   ☆        ☆        ☆

包丁を研ぐということは、身体と物と心が三位一体となった繊細な

だ。私は本物の包丁は苦手だから、バット磨きに専念してる♪

いずれにせよ、未来の使用に備えて一心不乱に黙々と行うわけで、

ある意味それは動く座禅とも言える。ウチでは11年前、ブログ

を始めた頃、禅宗関連で「身体の行動形式」という記事を書いた。

  

今回のドラマ終盤までは、沖田(木村拓哉)に代わって壮大

(浅野忠信)が深冬(竹内結子)の手術をする流れ。おまけに

その前に、現職の厚生労働大臣・横井充の困難な手術(前方アプ

ローチによる眼窩内腫瘍摘出手術)も担当することになったから、

壮大も本気で手術の準備を行ってた。

  

つまり、悪役の副院長だった彼も、優秀な職人の立場に戻って、

包丁を磨いてたのだ。ちょうど実梨(菜々緒)がいなくなった

後だし、バット磨きの方はしばらくお休みってことで♪

 

その間、沖田の方も、出血でますます難度が上がった深冬の手術

に備えてた。壮大に役割を取られた不満、もっと早くバイパス法

を見つけて手術してれば・・という後悔、父親のオペを自ら志願

したのにミスして半人前扱いされてしまったことへの自己嫌悪など

と闘いながら、そうした雑念を振り払うかのように。

 

 

    ☆        ☆        ☆

包丁研ぎのバリエーション=変奏として気づきにくいのは、深冬

の手紙執筆。1年前の月9『いつかこの恋を』の主題歌『明日へ

の手紙』のMVを思い出す姿だった。幻想的でノスタルジック。

私のツボだから、解釈のレビューを書いてある。

  

「2018ねん4がつ にゅうがくおめでとう」。自分にもしも

の事が起きた場合に備えて、未来の娘への手紙を書く母の姿は、

程よく抑制された映像になってた。演出の木村(^^)ひさしは地味

な仕事も出来るらしい。名前の途中の笑顔マークは目立ち過ぎ

だけど♪

  

「 中学生になった莉菜へ」。「 2026年5月7日・・お誕生日

おめでとう」。この年月日を見た瞬間、高校入学なら2027年

だろ!、とか突っ込みたくなった視聴者もいたはず♪ 18+6

+3=27。ところが、どっこい庄一by綾瀬はるか、高校生に

になる前年の15歳の誕生日だから26で合ってる。細かいわ!

 

 

    ☆        ☆        ☆

主役級の3人と同じくらい目立ってた脇役が、オペナースの三条

さん(咲坂実杏)。地味に可愛くて、いいね♪ 冠動脈バイパス

および左内頸動脈内膜剥離術のスタッフ。

  

苛立つ沖田のパワハラ責めを受けてたけど、アレも彼女にとっての

包丁研ぎ。抑圧される哀しさを蓄積した後、柴田(木村文乃)の

責めで快感へと転換するはずだから、M性を磨いてたことになる。

 

ということは、柴田女王様は男女2人を調教してるのだ♪ 井川

の調教はかなり進んでるようで、焼肉屋で「お座り!」と命令した

途端、優等生お坊っちゃんは大人しく縮こまってた。こうなると、

前の回で木の枝の笞(むち)打ちチャンスを逃したのが惜しまれる。

ちなみに、私生活の新妻・木村文乃は逆の役割だ。断定か!

  

  

   ☆        ☆        ☆

最後に、かつての沖田みたいな包丁研ぎを始めたのが安井知樹少年

(藤本飛龍)。将棋の作品に出演しそうな名前だね♪ そのまんま

か! いや、松山ケンイチが天才棋士の映画『聖の青春』で主演

してたもんで。

 

知樹が沖田に託してたのは、ベルギー大先生に渡す裏金の1億円。

将来、返すという意味で、借用書なんてタイトルを付けてたから、

あれも自分の明日への手紙だ。1億円は必要なかったけど、大好き

お母さんを救ってくれた沖田に大きな借りが出来たから、これから

猛勉強という包丁研ぎで返すことになる。沖田が父親になったのだ。

 

まあ、算数のテスト59点というのは沖田パパより上みたいだから、

立派な医師になる可能性は十分ある。そろそろバット磨きにも熱中

する年頃だから、本番の試合での活躍を祈るとしよう♪

 

ただし、自分が父親になるにはまだ早いので、バットのコントロール

も大切なのであった。父と母と子、家族の三角形のダイナミックな

進展では、性=生の物語の中で一定の秩序、つまり法が機能する。

 

「ほう・・」と感心してくれた方は、国語のテストで90点くらい

だろう♪ 寒っ! バーの密談後、羽村(及川光博)のバッティング

も気になりつつ、それでは今日はこの辺で。。☆彡 

 

 

 

cf. 切ってつないで治す、心の穴、頭の影

              ~『A LIFE~愛しき人~』第1話

   華麗なるキムタク、雪山へ~第2話

   みどりの目に映る FIRST PASSION COLOR~第3話

   私って、いつフラれたの?~第4話

   少年たちの冒険と、最小の傷の手術~第5話

   逆行性の解離と、二つの穴~第6話

   僅かな可能性の扱い方と、リスク管理〜第7話

   穴(アナ)と由紀&深冬の女王〜第8話

   闘いと穴埋め、自らの存在のために~最終回

   

                   (計 2357字)

       (追記 20字 ; 合計 2377字)

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人間は苦悩する存在である。 過去を思い出し・・・未来を惧れて・・・現在に震える。 この厄介な「心」というものと付き合わなければほとんどの人は生きていけないのである。 惧れを知らない子供に人が心を癒されるのは・・・その愚かさが羨ましくもあるからだ。 時には何もかも忘れてのんびりしたくてもそうはいかない... [続きを読む]

受信: 2017年3月16日 (木) 14時05分

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