小保方晴子日記10~鉄格子つきの個室に再入院
ついに第10回まで来てしまった、小保方日記の感想記事。当サイト
は総合マニアック・ブログであって、ファンサイトとか応援ブログでは
ないので、流石にそろそろ一区切りつけようと思う。
ちなみに過去9回の記事は次の通り。短いコメント記事も含まれてる
ので、念のため。
☆ ☆ ☆
さて、『婦人公論』2017年6月13日号(5月23日発売)掲載の日記
は、15年4月14日~5月18日分を3ページにまとめたもの。
当然、1日分あたりの文字数は少なくなってて、一言だけの日もある。
サブタイトルは、「入院、鉄格子、メールボックス」。
鉄格子という言葉が強烈。一般社会とはほぼ断絶したけど、メール
その他の僅かなつながりは残ってる状況だ。実際、気まぐれ先生
とのお食事、入院手続き関連でお姉さんとの再会、友達の面会と
いったつながりは書かれてるけど、今までよりあっさりした記述。
心身の状況は過去最悪レベルを更新した感じで、特に身体の変化
が強調されてる。極端な変化だから、心理的なものよりも、強い薬物
(向精神薬)の副作用が大きいのだろう。
☆ ☆ ☆
入院直前から、皮膚が炎症を起こして熱いし、湿疹もできたらしい。
美容への関心が強いアラサー女性にとっては、それだけで大きな
ショックのはず。
入院後に、皮膚科の先生に訴えたけど、軽く受け流されて、もらった
薬も効かなかったらしい。その後、抗うつ薬(?)を変えたようだから、
副作用だと強く訴えたということか。何種類の薬を服用してるのかは
不明。おそらく、皮膚薬も含めて3種類以上の併用だと想像する。
薬にはもちろん、良い効果らしきものもあって、強烈な食欲が描かれ
てた。そうは言っても、これまでの大幅なマイナスを取り戻す程度だ
と思う。隔離された暗く退屈な病室で、そんなに飲み食いしまくる気
にはなれないはず。
☆ ☆ ☆
病院と病室は以前の入院時と同じで、小さい窓には鉄格子があって、
数cmしか開かない。持ち物も、鋭いものは没収。管理とリストカット
防止用という意味なのか、リストバンドも使用。
医師や看護師も同じ人達みたいだけど、態度が事務的で冷たくなった
ように書かれてた。事実なのか、彼女自身の調子の悪化によるもの
なのかはハッキリしない。ただ、あの魔女狩り的バッシング状況で、
彼女を引き受けるだけでも十分、「有難い」ことのはず。
今までの彼女なら、その有難さを強調して、素直に感謝できない自分
を責める所なのに、今回は特に主治医(=教授?)に対する不満が
繰り返し語られてる。
☆ ☆ ☆
普通に書いたり読んだりできるようになりたいと訴えると、ホントに
できないんですか?って感じの皮肉っぽい反応で傷ついたとか、
わざわざ告発状が受理されたことを伝えに来て、目の前で大きな
ため息をつかれたとか。
後から分かったことだけど、実はこの時は、彼女が告発されたのでは
なかったらしい。ということは、理研への告発ということか、あるいは
その他の関係者なのか。
ちなみに、看護師については、おしゃべりした話が一言書かれてる
程度。おそらく男性の(?)主治医、サブ主治医、皮膚科医、そして
薬への不満があらわなのだ。
☆ ☆ ☆
心を病んでる患者が、病院や治療者の類と深く関わった時、幼い頃
の状態に戻ることは珍しくない。
いわゆる退行で、かなり原初的なレベルまで戻ると、今まで抑えられ
てた攻撃性が前面に出る場合もある。医師はそうした事を知ってる
し、慣れてるので、それほど気にしないだろうとは思うけど、今後また
入院するかも知れないことを考えると、今回の日記は大胆な批判だ。
そのエネルギーはむしろ、ワインや甘酒、和菓子の暴飲暴食にでも
向けた方が健全だと思う♪ 病院内のお買物や飲食は、わりと自由
にできるようだ。
☆ ☆ ☆
最後の話は、理研のメールボックスについて。まもなく使えなくなる
という通知が来たから、2つのアドレス(1つは攻撃からの避難用)
を久々にチェックしたら、未読だけでも1000通くらい入ってた。
彼女はその数を多いと言いたいようだけど、私は逆に少ないと感じた。
私の場合、商業用も含めてスパムメールの類だけでも、1日あたりの
合計で40通くらい来る。もし半年放置すると、それだけでも7000通
になる計算だ。もちろん、それ以外に普通のメールもかなりある。
彼女のアカウントは、届く前のブロックがしっかりしてるのか、あるいは
ほとんど登録されてなかったのか。とにかく、メールを他のアカウント
に転送する時にチェックすると、調査委員会の決定を変えてたかも・・
と思われる内容もあったらしい。
今となっては遅すぎるのか、あるいは今からでも利用できるのか。
まあ、それよりも新たな研究の方が、正攻法で有益だ。
☆ ☆ ☆
一番興味深かったのは、ほんの一言、彼女の周囲に仲間のような
存在がいることを匂わせてた点。
その仲間は今、休んでるから、自分がもっとしっかりしなければ・・と
いった感じで、遠回しにちょっとだけ書いてた。あまり名前が騒がれて
ない、STAP細胞の共同研究者ということか。単なる友人・知人では
ない気がする。あるいは、特別に身近な存在で、彼女と共に病んでる
のかも。
なお、次回は今現在の話に飛んで、17年5月の日記の予定とのこと。
今は落ち着いてるようだから、安心して読める内容になってることを
期待しよう。
新たな研究職が見つかることを祈りつつ、今日はこの辺で。。☆彡
cf. 久々に「小保方晴子日記」の感想
~博士論文不合格、手記執筆 (17.10.31)
(計 2219字)
(追記 41字 ; 合計 2260字)
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