105歳・日野原重明氏の(最終回)エッセー、「最後のごあいさつ」
今日、2017年7月29日、東京・青山で日野原重明氏の病院葬が
行われて、約4000人が参列。天皇皇后両陛下や皇太子ご夫妻
からの供花もあったようだ。
氏が愛した童謡『故郷(ふるさと)』の大合唱は、変な話、ちょっと
羨ましい。私も大好きで、8年前にブログ記事も書いているから。
志を果たして いつの日にか帰らん
山は青き故郷 水は清き故郷
(作詞 高野辰之 詳細は上記記事参照)
氏は見事にこころざしをはたして、天に帰ったということだろう。
ちなみに普通の意味のふるさとは、第一が生まれ故郷の山口、
第二が転居先の大分と神戸のようだ。。
☆ ☆ ☆
「クリスチャン・トゥデイ」によると、
プロテスタントでは死去することを『召天』といい、神によって
天に召されると考える。カトリックでは『帰天』、天に帰るという。
ちなみに、『昇天』はキリストのみに使われる言葉・・・
とのこと。
だから、先日の訃報には「日野原重明さん召天」という見出しを付けて
いたけど、上の説明が一般的に通じるものなのかどうか、まだ確認
できてない。おそらく、キリスト教の中でも、考え方や言い方は色々
あるのだろうと想像する。
いずれにせよ、仏教徒ではなくクリスチャンなので、「ご冥福を祈り
ます」という表現は避けた方が良さそうだ・・・と書きたくなるが、この
考えもそれほど確かなものでもない感じがある。「合掌」という表現
も微妙で、「手を合わせる」ならもう少し無難になると思う。
死というものは、人間にとって最も重い出来事。だからこそ、単なる
言葉使いや作法だけでも、意見が細かく分かれるのだろう。。
☆ ☆ ☆
ともあれ、2017年7月18日に日野原氏は死去。その際に当サイト
では、追悼関連記事をアップした。生前最後に朝日新聞で公開された
エッセーをめぐる内容だ。
日野原重明氏の(生前)最後のエッセー、オスラー博士&10km走
その際、 そのエッセーとは別に、遺稿のようなものが遺されてると
追記しておいたが、今日(29日)、公開されたので、少し見ておこう。
土曜朝刊・別刷beの長期連載、「私の証 あるがまま行く」の1本で、
題名は、「読者の皆様に最後のごあいさつ」。
☆ ☆ ☆
自宅療養中の5月末に、ご家族の手で口述筆記されたようで、医師
だけに自分の最期もよく分かっていた・・・とか言いたくなる所だが、
実際は思ったより生命力が強かったということか。
命の見極めは、自分自身にとっても難しい。その後も、死の2日前
まで一応、やり取りが出来たらしい。
偉人のような存在の中で、日野原氏のわかりやすい特徴は、自分
の活躍を積極的にアピールしている点だと思う。
アピールしなくてもあまりに有名だから、普通なら謙虚さを装うところ
だろうが、最後までアピールしているのは、老人みんなの力の凄さを
訴えたいからか。
エッセー連載開始の2002年(91歳)は、
わたしの発案した「新老人」とはどういうものか、世の中の
人にわかってもらうために、そのモデルであるべく毎日、
全力投球していた頃
で、そのまま今にいたるまで、国内外を飛び回って来た。
☆ ☆ ☆
しかし、「心の故郷はやはり聖路加国際病院です」、「心の帰る場所
です」。
一時的な入院や、長期の自宅療養を支えてくれた多くの医師・訪問
看護スタッフたち、さらに自分の後を継いでくれる院長に、
「最後までありがとうございました」。
死の直前まで、自分の職場をそう言えるというのは、本当に幸せ
なことだと思う。私も含めて、多くの人には言えない事。せいぜい、
60歳くらいで退職する時までの思いのはず。
なぜか、一番身近なご家族への言葉がないのは、別扱いで遺言や
遺書を残したからなのか、あるいは、照れとか恥ずかしさのような
ものだろうか。
☆ ☆ ☆
しかし、本当の最後のメッセージは、全く別次元のものになっていた。
自分の人生や老人仲間とも、職場や家族とも、直接的には関係ない、
お花の話。
やや長くなるが、メッセージの最終段落をそのまま引用させて頂こう。
字数制限ぎりぎりだったからか、改行はもともと入ってない。
自宅の庭には、妻の遺骨がほんの少しばかりまかれています。
亡き妻はここに静かに眠っていると思います。私の名を付けた
深紅の薔薇「スカーレットヒノハラ」と、妻の名を付けた淡い
クリーム色の「スマイルシズコ」も今頃、長野県中野市の一本木
公園で花を咲かせていることでしょう。これからの季節は、紫陽花
が美しく咲くと思います。紫陽花は丸く、ボールのような形なので、
私はボールフラワーとニックネームを付けました。まだ緑色の
つぼみが日に日に膨らんでいくのを眺め、ボールのような花が
きれいに色づくのを楽しみにしています。これで、私からの
メッセージを終わりにしたいと思います。
☆ ☆ ☆
「スカーレットヒノハラ」とはおそらく、『風と共に去りぬ』の主人公、
スカーレット・オハラをもじった言葉遊び♪ 講演なら、ここで笑いを
つかんだ所か。
講演や庭のお花も、氏の華々しい人生も、
Gone with the wind 風と共に去りぬ
そしてまた、それを引き継ぐ次世代の花が咲くのだ。
ふるさとの、新しい風の中で。。
After all...
tomorrow is another day.
結局 明日はまた別の新しい日なんだわ
名作映画のラスト・メッセージと共に、この記事も終わりとしよう。
明日は明日の記事を書く♪ 日野原氏の安らかな眠りを祈りつつ、
ではまた。。☆彡
(計 2221字)
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