将棋AIが好きな雁木戦法、逆にこちらが使ってAIと対局すると・・♪
高校卒業以降、将棋はほとんどやらなくなってたし、ブログでも将棋
の話はなるべく避けて来た。ところが今年の春から梅雨にかけての
藤井聡太四段フィーバーで、そんな習慣は吹っ飛んでしまった (^^ゞ
一応、一ヶ月半ガマンしたから、今日は久々に将棋記事を書くことに
する。って言うか、正直言うと、時間が無いから手抜き記事なのだ♪
まあでも、子どもの頃から気になってたことではある。。
☆ ☆ ☆
将棋の世界では、攻撃力が一番強い飛車を元の位置のままにして
戦う「居飛車」が基本。特に初心者が習う時は、まず居飛車からだと
思う。その後、飛車を横に移動して戦う「振り飛車」を学んでいく。
私の場合、高校時代までのトータルで、居飛車8割、振り飛車2割
くらいだと思う。ただ、相手がかなり強い場合(初段以上)は、変則的
な振り飛車を使って混乱させることが多かった。こちらはよく知ってる
けど相手はあまり知らない戦型に持ち込むのだから、有利になる。
私の父親が定跡から外れた将棋を好んでたから、その影響もあった。
ところで、居飛車同士で戦う場合、参考書でもプロの対局でも、やたら
「矢倉囲い」がよく使われる。例えば藤井四段のプロ初戦、加藤一二三
九段との対局も、お互い居飛車で矢倉の「相矢倉」だった。下は将棋
DB2より。見た目的にはきっちりした感があるし、駒組もスムース。
☆ ☆ ☆
ただ、私は子どもの頃から矢倉が嫌いだった。型にハマリ過ぎてて
面白くないし、かなり苦労しないと勝てない。中盤まで、好手と悪手が
ハッキリしない戦法だと思う。私はもっと楽しくラクに勝ちたかった♪
ただ、江戸時代からある「雁木(がんぎ)囲い」を使った覚えは無い。
理由は分からないけど、そもそも実戦でほとんど誰も使わないのだ。
自分の周りも、プロ棋士も。将棋の入門書には一応書いてたけど、
歴史の勉強みたいな扱いで、雁木を勧めるような雰囲気は無かった。
上の手前(先手)、稲葉陽八段の構えが普通の雁木囲い。向こう側、
深浦康市九段の構えは、銀の位置がちょっと変則的な雁木囲い。
つい先日、8月10日のA級順位戦。つまり、トップクラスの対局で、
お互い雁木で戦う面白い趣向だった。
ちなみに雁木とは、家の雁木造から来てるという話だ。雪国で軒先
からひさしを長く張り出して、下の通路の雪よけにしてる屋根。確か
に、将棋の雁木囲いとちょっと似てる気もする。
☆ ☆ ☆
さて、実は最近、プロ棋士やアマ強豪も、雁木を使うようになってる
らしい。プロの名人にさえ勝つようになったAIが、雁木を結構使う
ことが一因か主因だろう。一昨日の朝日新聞・夕刊にも書いてた。
要するに、矢倉囲いばかり使われて、雁木があまり使われなかった
のは、人間の習慣とか流行、固定観念の類だったということだろう。
囲碁の世界でも、似た話が話題になってる。AIは、そんな人間的な
ものにはとらわれない。有利か不利か、勝つか負けるか、ドライな
選択なのだ。
そうか、やっぱり矢倉にする必然性はなかったのか・・と大きく頷いた
私は、さっそく雁木を使って対局してみた。当のAIを相手にして♪
無料のアプリ「将棋ウォーズ」の、練習用AIの最強ヴァージョンが
実験相手だ。アマ四級クラスという設定で、私はこれまで20連勝
(0敗)。そろそろ飽きて来たから、変わった戦法を使いたかったと
いう思いもあった。。
☆ ☆ ☆
では、実践解説というか、軽い感想。手前(先手)が私で、角の道を
止めて、最初から雁木囲いに一直線。相手の飛車先の歩は切らせ
ないことにしてみた。
驚いたのは、かなり早い段階でAIが変な手を指し始めたこと♪ 多少
知ってる人なら、上の局面だともう苦笑して、勝った気になるだろう。
四級どころか、10級とか超初心者みたいな手を指してる。人間側に
使われるのは、過去のデータ的に想定外だったのかも。
私が飛車先の歩を突かないのも、AI的には混乱する作戦だったか。
いや、単に雁木囲いを作るのに専念してただけなのだ。ほとんど
経験ないもんで。
☆ ☆ ☆
上図は、私が右の銀を繰り出して、相手の歩を取りに行った辺り。
AIが角を4四に上げて守ったから、私が飛車先の歩を交換して、
銀を取る形になってる。するとAIは3三に角を下げた。
この時点でもう、こちらが圧倒的に優勢だけど、私は角を引かずに
2三歩と打たれる筋を考えてた。もし3四飛で銀を取ると、6六角で
飛車交換の流れになる。それでもこちらが優勢だけど、乱戦になる
から、ちょっと怖いなと心配してた。AIと対局すると、よく取り越し
苦労をしてしまうけど、弱いAIの場合、心配のし過ぎになる。
結局、右下の桂馬や香車は取られたけど、完全な勝勢。持ち駒を
図に入れてないけど、その必要もないほどの大差だ。こちらの雁木
は全く崩れてない。
上が、投了直前。これで3三銀成で詰み。すると途端に、盤面に
大きく「勝利」と表示されてしまうから、局面の静止画キャプチャー
ができない (^^ゞ あれは余計だから、止めて欲しいね。
☆ ☆ ☆
とにかく、雁木を流行らせたAIに、雁木を使って圧勝♪ 人間の
知性を思い知らせてやったのだ。ま、AIのレベルが低すぎるって
話だけど。強いAIと戦う気はしない。負けると悔しいから(笑)。
ちなみに普通の戦法だと、弱いAIでも普通に指して来るから中盤
まで差がつかない。その辺りはちゃんとデータがインプットされてる
ようだ。ともあれ、今日のところはこの辺で。。☆彡
P.S. もう1回試すと、今度は「向かい飛車」で対抗して来た。
ただ、構えは似た感じで超初心者的だし、下図でこちらが
5八飛と回ると、角をタダで放棄♪ 雁木が組み上がる
前に、早くも勝勢。
(計 2383字)
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