「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」~人類学者レヴィ・ストロース『悲しき熱帯』、フランス語原文
今週はもう14000字書いてしまったので、土日で残り1000字しか
ない♪ 今日はついさっき、日テレ『NEWS ZERO』で村尾
信尚キャスターが語った人類学者の言葉の原文を記事にしよう。
「世界は人間なしに始まったし、人間なしに終わるだろう」
レヴィ=ストロースの1955年の主著『悲しき熱帯』第9章(最終章)
の結論に書かれた有名な文で、フランス語原文は次の通り。仏語
ウィキクォートからの引用。「et」(そして)が切れ目だ。
Le monde a commencé
sans l’homme
et il s’achèvera sans lui.
☆ ☆ ☆
「終わる」と訳されてる代名動詞「s’achever」は、完成する、
自らを完結させる、という意味が基本。核兵器や戦争で破滅して
しまうというようなネガティブな意味に留まらず、多少ポジティブな
ニュアンス含む単語だ。
普通に読むだけなら当たり前の言葉だし、「人間」(l’homme)
の代わりに、他のほとんどの単語を入れても正しいことになる。
文脈、意図その他、詳しくは以下の原書をご覧あれ。元の出版社
はプロン社。英訳の1つは無料公開されてる。
Claude Lévi-Strauss
“Tristes Tropiques” (Plon)
P.S. 18年3月11日の朝日新聞・朝刊「折々のことば」(鷲田
清一)では、この言葉をもたらすような視線について、
「世界の中で自分が占める位置を知るために、
人類は自らの背後にもう一つの眼をもつ必要がある」
と説明。
こうした眼はのちに、世阿弥の「離見の見」(りけんのけん)に
ならって、レヴィストロースが「はるかなる視線」と呼んだとの事。
フランス語で検索してみると、日本人研究者 Ito Aya の
論文(研究ノート)が見つかった。ここ5、6年で発表された
新しいもので、regard éloigné と Zeami を論じてる。
(計 572字)
(追記 252字 ; 合計 824字)
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